ライブレポート

【でらロック2022】我儘ラキア【ライブレポート】

我儘ラキア
でらロックフェスティバル2022
2022年2月6日 DIAMOND HALL

最高。最強。我儘ラキア、バキバキに仕上がってる。やっぱり彼女たちは逆境を全部ひっくり返すパワーを持っている。でらロック2022、DIAMOND HALL。この日、本来であればバンドセットでのライブのはずだったが急遽オケでのライブに変更となった我儘ラキア。バンドセットとオケのどっちが良いとか悪いとかじゃなくて、やる筈だったことが出来なくなることがどれだけ精神的にダメージを受けるかは安易に想像出来る。だけどそこは我儘ラキア。正直心配していた自分もいたのだが彼女たちの公開リハーサルを観て全部吹っ飛んだ。もう我儘ラキアは俺たちが余計な心配をする次元にいなかったわ。リハで「ゼッタイカクメイ」のイントロを小山氏(QOOLONG)が流すと星熊南巫は「嫌や。今日の自分にない」と拒否。声を殺して笑いを堪える会場。続いて「Sing with you」も拒否していたような気がする。そんなことある?いや、あるでしょう。歌いたくない歌は歌わない。自分たちのライブを観に来た人の前で嘘はつけない。もうリハの時点で星熊南巫を堪能したし、この時点で今日のライブがとんでもないことになるのを確信した。しかし「今日の自分にない」ってめちゃくちゃかっこいいな。

セットリストに変更があったのかどうかは分からないが、結果的に攻め攻めのライブをでらロックで見せつけた我儘ラキア。「Trash?」でライブが始まるとまずは4人の表情に驚く。4人が4人とも、それぞれの持ち場でその力を最大限に発揮しつつ、最初にも書いたように戦っている次元が以前とは全く違うのだ。語弊があるかもしれないけれど、以前は頑張って超サイヤ人になっていた4人が、超サイヤ人でいることが当たり前の状態で更なる強さを求めているような、分かりにくいかな。でもその表現が俺の中ではドンピシャなんだよな。「どうして自由を奪うの?」というメッセージがコロナ禍で思うようにライブが出来なくなったこの黒い世界に向けて放たれた言葉としてDIAMOND HALLに響く。不器用を武器にぶつかってきた4人をずっと見て来た。星熊南巫という圧倒的存在感、海羽凜の歌の刺し方、川﨑怜奈のラップとダンス、我儘ラキアを押し上げたMIRI。この4人の個性が重なることで完成する我儘ラキアという奇跡を今俺たちは目の当たりにしている。そしてその軌跡は日々更新されていく。その奇跡の軌跡を体験出来ることってとんでもなく貴重なことだと思わない?

「reflection」「why?」とMIRIが我儘ラキアに加わったことでピースが埋まったことを決定づけた楽曲が続く。何かに負けたのは、誰かのせいじゃなく、自分自身に負けただけ。だから自分に負けない自分になるだけ。そう教えてくれる「reflection」は現体制が確立した曲だと個人的に思っていて、この曲をライブで観る度に自分自身を律して強くなれる気がする。そう、我儘ラキアのライブはとことん自分と向き合って、何処までも強くなれる自分自身を作り上げる為のきっかけをくれるのだ。「New World」の静かな熱狂も凄かった。まさに新世界に突入した我儘ラキアを象徴するかのようなライブパフォーマンスに釘付けになる。そして改めてMIRIのラップのスキルに驚かされる。フリースタイルバトルで本気のやり合いをしてきた彼女だからこその肝の座り方がそのままラップに表れていて、そのフロウを瞬き最小限で追いたくなる。そんなことを思っていると「背中を追いかけるより回れ右、走れGo my way」なんて言われちゃうから敵わない。あと星熊南巫の巻き舌にも敵わない。あんなの無敵だって。

もしかしたらいつまで言ってるのって思うかもしれないけど、それでもやっぱり「Leaving」を我儘ラキアとして歌う川﨑怜奈を観ると特別な気持ちになる。そして受け継いだ4人が受け継いだ者として歌い続けていることに胸がいっぱいになる。音楽はこうやって生き続けるのだ。生き残っていくのだ。叫んで、放って、ぶっ壊して、そうやって我儘ラキアはその道を作ってきた。それを証明するかのように「SURVIVE」をDIAOMON HALLに叩きつける4人。さっきから叩きつけるとか戦うとか散々書いてきたけど、それだけじゃないのが我儘ラキアのライブなことも最後に書いておきたい。この日のラストは「Melody」。混沌とした世界で忘れかけていたやさしさやぬくもりを思い出させてくれるような大きさも我儘ラキアは併せ持っていて、そのやさしさやぬくもりがメロディとなってライブハウスに響き渡る中で4人の姿を観ていたらウジェーヌ・ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」たちに見えてきた。戦いながら、守りながら、先導していく。そして道が出来る。1本1本のライブ全てがその種になる。でらロック2022、DIAMOND HALL。この日、我儘ラキアが立ったこのステージもいつかの革命までの存在証明として記憶に深く刻まれたことだろう。

text by 柴山順次
photo by タカギユウスケ

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