ライブレポート

Live!Livee!Liveee!2021 vol.2【ライブレポート】

TOKYO CALLING presents “Live!Livee!Liveee!2021 vol.2”
2021/07/01(Thu)下北沢シャングリラ
四星球 / バックドロップシンデレラ / ザ・リーサルウェポンズ

残暑の季節の風物詩、TOKYO CALLINGが2021年に仕掛ける新シリーズ「Live!Livee!Liveee!2021」。記念すべき第1回はビレッジマンズストア、WOMCADOLE、Makiを迎え6月3日に下北沢シャングリラにて開催されライブに飢えたオーディエンスを魅了した。そして、早くも開催された第2回となる「Live!Livee!Liveee!2021 vol.2」は前回とは全く違う角度からライブの素晴らしさ、ライブハウスの楽しさを提示したイベントとなった。出演は四星球、バックドロップシンデレラ、ザ・リーサルウェポンズ。もう名前を並べただけで自然と笑顔になってしまう。ライブハウスでこれまで何度も涙を流してきた。それと同じだけライブハウスで笑ってきた。そう、「Live!Livee!Liveee!2021 vol.2」はライブハウスで笑うことに遠慮なんていらないことを思い出させてくれるような意味合いを持ったライブとなったのだ。

1組目に登場したのが狂気の発明家アイキッドと最終兵器サイボーグジョーからならザ・リーサルウェポンズ。言葉の意味はよく分からないがとにかく凄い自信はバシバシ感じるネーミングとその見た目。打ち出し方バッチリなザ・リーサルウェポンズだが敢えて前情報を遮断してライブを観たのだがそれはもうとんでもなく驚いてしまった。彼らがステージに立つだけで会場である下北沢シャングリラが80年代のスタジアムに感じるのだ。正直、こういうタイプのバンドだと登場から出落ち感満載のパターンだってあり得る。有り得てしまう。だけどザ・リーサルウェポンズは違った。「アニキ!アニキ!」のコールで登場したかと思うと80年代のアクションスター兄貴をひたすら紹介しまくる「80年代アクションスター」で度肝を抜かれまくる。シンセの音が80年代過ぎてニヤニヤしてしまう。

続く「シェイキン月給日」ではTM NETWORKを彷彿とさせるイントロで涙腺崩壊するも「めちゃ少ねえPay!」という魂の叫びに、今月も薄月給で働いている現実を叩きつけられているようで別の意味で涙腺崩壊しそうになった。スーパーカブの魅力を歌った「Super Cub is No.1」でも不意に「思い出すのはgranpaの背中」なんて歌詞が出てきて「あれ?泣かされてる?」なんて気持ちに。と思うや否や「合体!ポンズロボ」では戦隊ヒーローに見えちゃうし「毎日楽しい一週間」では本人たちが意識しているかどうかは置いておいてOiからの影響も感じたり、プロレス愛が炸裂した「94年のジュニアヘビー」であったり、音楽やカルチャーに対する愛情たっぷりな落とし込み方にセンスを感じまくる。最後はマザーファッカーとサノバビッチの隙間から優しさをばら撒く元気ソング「きみはマザーファッカー」で下北沢シャングリラを笑顔のるつぼに。80年代を2021年に更新することで全く新しい笑い…いや音楽を作り上げたまさに発明を堪能出来るライブだった。

2番手はバックドロップシンデレラ。もはやフェス常連バンドとなった彼らのこれまでの道のりは果てしなく長く、何もブレないまま突き通してきた彼らのライブをフェスやサーキットやイベントで観る度に負けない事、投げ出さない事、逃げ出さない事、そして信じ抜く事の大事さを実感する。正直そんなの言葉にする何倍も大変だから。もはや「およげ!たいやきくん」で泣ける。数あるウンザウンザシリーズの中でもバックドロップシンデレラのアイデンティティが詰め込まれた「太陽とウンザウンザを踊る」でライブはのっけから最高潮の盛り上がりを見せる。軽快なツーステップでリズムを刻みながらメッセージを放つ彼らの真骨頂。でんでけあゆみの「俺らは狂騒のど真ん中にいる」という叫びについつい拳に力が入る。

バックドロップシンデレラがフェス常連バンドとなったきっかけのひとつでもある「フェスだして」の途中では対バンの四星球の「クラーク博士と僕」の替え歌も披露。「下北で始まったバンドが 下北で終わってゆく 下北の輪の中で一生臆病なまま」と池袋から愛ゆえの宣戦布告が下北沢シャングリラに鳴り響く。これだから対バンは、ライブハウスは面白い。そんな中で刺さるのは「2020年はロックを聴かない」だ。TOKYO CALLINGが「Live!Livee!Liveee!2021」を立ち上げてくれたことも、こうやってバックドロップシンデレラが呪われた地下室から放つ希望のメッセージを放ってくれることも、音楽が好きで音楽に救われている僕らが声にしていかないといけないと思う。踊れて楽しくて何故か泣ける「サンタマリアに乗って」も印象的なリフで責め立てる「台湾フォーチュン」もバックドロップシンデレラの進化論を決定付けた「月明りウンザウンザを踊る」と立て続けに披露。最後は「さらば青春のパンク」で下北沢シャングリラ全員を心の中で大シンガロングさせステージを後にした。

ラストを飾ったのは四星球。いや、もう、なんだろう、コミックバンドの正義を思いっきり見せつけてくれる素晴らし過ぎるライブに目じりの笑いジワがライブ前より確実に増えた気がしてしまう。ザ・リーサルウェポンズ、バックドロップシンデレラと既にお腹パンパンなのにまだまだいけちゃう。ソーシャルディスタンスなんて言葉を当たり前に聞くようになって随分経つが北島康雄は腰にフラフープを装備しておりバッチリ間隔も空けている。マイナスをプラスに変える打ち出し方は四星球がずっと打ち出してきたことだ。2メートルのディスタンスはバンドとオーディエンスの心の距離までは離すことが出来ないようだ。

ライブは先程バックドロップシンデレラがカヴァーを披露した「クラーク博士と僕」からスタートしお馴染みの「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」がこの日もライブハウスに鳴り響くと自然と笑顔が伝染していく。これが四星球のライブだ。オマージュの大バーゲン、メッセージソングならぬマッサージソング「リンパリンパ」でリンパをほぐし「Mr.Cosmo」でUSOを下北沢シャングリラに降臨させ「薬草」で葛藤も絶望も吹っ飛ばし「レッツ・エンターテイメント」で四星球のやり方、在り方を全身で体現する。そして最後はライブハウスの希望の曲「ライブハウス音頭」で大団円。確実に下北沢シャングリラの温度が上がったのが分かった。耳に飛び込んできた「ガラガラのライブハウスはいつだって最先端」という歌詞に涙をこらえることが出来なかった。名前なんて知らないけどいつもいるおあの人もこの人もいる。みんなライブハウスにいる。同じ時間を共有した仲間を誇らしく思えた瞬間だ。四星球がライブハウスシーンにいてくれて本当に良かった。

「TOKYO CALLING」が作り上げる「Live!Livee!Liveee!」という企画。第2回目にして変化球かと思いきや、その趣旨趣向を思いっきりストレートで投げてくる素晴らしい3マンだった。まだまだライブハウスを取り巻く環境は厳しい。だからこそ、今はっきりと言いたい。ライブハウスで生まれるたったひとつの夜が誰かを笑顔にさせ、誰かを奮い立たせ、生きる証となることを。そして「ライブハウスはええとこ」だと。

TOKYO CALLING presents “Live!Livee!Liveee!2021 vol.2”
2021/07/01(Thu)下北沢シャングリラ
四星球 / バックドロップシンデレラ / ザ・リーサルウェポンズ

text by 柴山順次
photo by プリティ桜子

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