ライブレポート

LEIWAN SHOCK the JAPAN TOUR 名古屋【ライブレポート】

LEIWAN SHOCK the JAPAN TOUR
LEIWAN ヒステリックパニック
NAGOYA ReNY limited

text by 柴山順次
Photo by Mickey Tanaka

LEIWANの全国ツアー「LEIWAN SHOCK the JAPAN TOUR」名古屋編、その対バンが発表された瞬間からずっとドキドキしていた。以前2YOUのインタビューで対談を掲載したがLEIWANの澪・モンスターがまだLEIWANとしての活動を始める以前、ヒステリックパニックのライブを観たことで彼女は自分もステージに立って歌うことを決意したという。縁があって昨年「LEIWAN feat.Tack朗」として楽曲「下剋上マウンテン」を作り上げ、2021年3月に開催されたワンマンライブではゲストにTack朗を迎えて楽曲を披露した訳だが、それはあくまでTack朗個人とのコラボであったし、その時点でヒステリックパニックの存在は憧れで、またヒステリックパニックとの対バンは彼女たちにとって夢でしかなかった。そして今回のツアーの名古屋公演でついにヒステリックパニックとのツーマンが行われたのだが、そこに辿り着くまでの彼女たちの努力、そしてこの日起きたドラマ。2YOUなりに追ってきた物語の最中で観て感じたことを記録する。

ライブの先行はヒステリックパニック。アイドルに関わらず、多ジャンルとの共演が多い彼らはこの日も後輩だろうがアイドルだろうが関係なく最初から殺す気満々のライブを展開。それに対してしょっぱなから全力で応戦するフロアに向け、ともが「どっちのヲタクか分からない」と言葉を漏らすほど背中に大きくLEIWANのロゴを背負ったオタクたちも全身でヒステリックパニックを楽しんでいる。ジャンルの壁を超えるのって言葉にする何倍も難しいことで、それがバンドとアイドルだと演者同士がリスペクトし合っていてもフロアがここまで綺麗に混ざることって本当に難しい。だけどこの日、LEIWANのヲタクはヒステリックパニックに対するリスペクトを持って応えていたのがよく分かった。やはりストーリーがある物に対しては感情を動かされる。澪・モンスターが、LEIWANが、突き動かされた源であるヒステリックパニック。言ってみればLEIWANを生んだバンドと言っても過言ではないのだ。オタクからヒステリックパニックに対する気持ちにバンドだって黙ってないない。フロアに対する最大のリスペクトとして演奏された「ヲタクisビューティフル」は好きなものに全力を捧げるヲタクに対する賛辞で溢れていた。そして「うぉー あい にー」ではステージにLEIWANを呼び込み8人体制で披露。可愛らしい振り付けも相まってヒステリックパニックのポップさが倍増するコラボとなった。

事件が勃発したのは「Adrenaline」での出来事だった。澪・モンスターがいきなりステージに乱入してTack朗パートを歌ったのだ。ヒステリックパニックのメンバーも知らなかった突然の出来事に若干の戸惑いの表情を見せたともであったが、澪・モンスターの堂々としたステージに感化されたのか、ともから澪・モンスターに歩み寄り向かい合いながら歌う場面も。これには涙腺が崩壊した。Tack朗とのストーリーから始まった一連の流れをヒステリックパニックが認めた瞬間のように感じた。ともを前に堂々と歌い切った澪・モンスターの成長にも目頭が熱くなった。その後、これぞヒステリックパニックな圧倒的なライブを見せつけバトンをLEIWANに繋ぐ。名古屋の名古屋の名古屋のヒステリックパニックの存在感をまじまじと感じる素晴らしいライブだった。

LEIWANのSEが流れるとそれは何かが終わり何かが始まった合図のように感じた。先に言ってしまうと、この日、LEIWANは憧れを尊敬に、夢を目標に、そしてその目標をひとつ達成したことで確実にネクストステージに突入したと思う。憧れのヒステリックパニックを前にアタフタしていたLEIWANはもういない。想像するしかなかった未来を自ら創造したLEIWANの強さ。未来を掴み取った今日のLEIWANの無敵モードといったら。「ライライ」「事件勃発」とまるで最初から元気玉を撃つようなキラーチューン連発にフロアも大興奮の様子。俺は俺で涙を堪えることを諦めてもうビチャビチャ。

この1年くらいの新曲群の勢いも凄い。「NANde」のエスニックさ、真夏のタオルぶん回しソング「アチアチアンチ」、「〇〇アイドル撲滅運動」の中指立て具合と、LEIWANの在り方をヒステリックパニックに叩きつける。極めつけの「承認欲求」だ。この畳みかけに今日のLEIWANの気合いを感じる。ライブで絶対に楽しい振りコピソング新曲「ブンシャカ」を挟んでステージにはTack朗が登場。待ってましたの「下剋上マウンテン」だ。LEIWANとヒステリックパニックの全ての始まりともいえるこの曲を初めてライブで観たのが昨年3月のここReNY limitedだった。あれから時間をかけて関係値を築き上げてきたLEIWANとTack朗の絆のような曲こそが「下剋上マウンテン」だし、1年経ったことで「下剋上マウンテン」は確実に進化しているのが分かった。元々歌詞のひとつひとつにリアリティのあるこの曲に共にした時間が乗ることでリアルを超えたリアルが宿っているように感じたのだ。こうやって物語は更新されていく。今日このステージでまたこのコラボを観ることが出来て良かった。

そしてラストの「Cry」。駄目だ。ちょっと感情的になり過ぎてしまった。「Cry」を歌う4人を観ながら、初めてLEIWANに会った頃、彼女たちがまだテロリズムンと名乗っていた時期を思い出していた。あの頃の4人は、特に今回の立役者でもある澪・モンスターは、「誰も信じない」「全員殺す」といった目をしていたし実際に話しても心を全く開いてくれなかった。それが今、満員のReNY limitedで、憧れだったヒステリックパニックを迎え、悔し涙を嬉し涙に変え、自分を必要としてくれる人たちに幸せを届けようとしているのだ。今日観たものは、声に出さなきゃ何も届かないことを知った澪・モンスターが実際に声を出したことで掴んだ物語なのかもしれない。閉じた心も閉じた瞳も、開けたのは澪・モンスター自身だ。勿論、猫乃ねむ子にも、黒井マシロにも、卯月彩華にも、それぞれの物語がある。そのひとつとしてヒステリックパニックとの出会いから今日のツーマンまでのストーリーを全員で繋いできたLEIWANとそのチーム、そして全身で応えたヒステリックパニックに敬意を表したい。そして集まったLEIWANのファン、ヒステリックパニックのファン。今日のこのライブの主役のひとりは間違いなくあなた達でした。こうやってライブハウスで起きることにこれからもずっとドキドキしていたい。本当に素晴らしいものを観た。

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