LIVE REPORT

【FREEDOM NAGOYA 2021-EXPO-】Track’s

メロディックパンクの未来を担う錚々たるメンツが顔を揃えたこの日、Napup STAGEのトリを努めたのはTrack’s。リハーサルが始まると、約5分間で“Before the night ends”“Winter I feel blue”“Like a course”を立て続けに演奏。FREEDOM NAGOYA運営からの絶大な信頼と期待が感じられるトリというポジションもなんのその、リハの立ち振る舞いやボーカルの歌い回しなどいたって普段どおりの印象。自然体で、物怖じしない姿勢を見ていると、年相応の身なりを越えた風格すら感じる。多くのバンドマンが舞台袖から顔を覗かせるなか、Track’sが大舞台のオープニングに選んだのは“Circle”。「みんな踊ろうぜ!Track’sです、よろしく!」と軽く挨拶し、この日1日に起こった数々のドラマを総括するようなミディアムナンバーをじっくりと歌い上げる生田楊之介(Vo/Gt)。そして「フリーダム、自分らしく踊ってくれよ!」と誘い込んで放たれた“Open”を2ビートで一気に駆け抜け、続く“GreenHouse”では<I image again and again by your side>とぐっと近い距離で寄り添ってくれる。このあたりから生田のヴォーカルが熱を帯びていき、フロアを煽るような仕草を何度も繰り出していた。

“Silly man”のラスト、キメの1発のところで内田優貴(Ba)がミスをしてしまい、生田から「大舞台でやったぞ! まじかおい!!」とツッコミをくらう場面がありつつ、「初めて観る人も、まじ疲れてたら座って観てもいいし、自分の好きな感じ方で遊んで帰ってください。よろしくお願いします!」というフロアへの気遣いに大きな拍手が送られた。ホールB一帯をバウンスさせた“”Daydream”から再開し、大村隼太(Dr)による血の通った2ビートで“Faraway country”“Magic”が連続投下されると、生田が「自分次第で明日を変えてこうぜ! 自分次第で明日を楽しくしてこうぜ!」と言い放ち“17 years”へ。フロアの熱狂ぶりはこの日を通してのハイライトと言ってもいいだろう。激しく身を揺さぶる者もいれば、拳を突き上げる者もいるし、顔に手を当てて感極まっている者もいる。自由に、自由に。Track’sが求める音楽の受け取り方を思い思いの形で体現する大観衆の存在は、Track’sにとってもFREEDOM NAGOYAにとってもひとつの大きな財産だろう。

そんなライブハウスさながらの光景を経て、生田が「遊んでくれてありがとうございます。踊るの禁止じゃないっぽいんで、自分らしく踊ってください」と告げて“Winter I feel blue”へ。曲が終わると「フリーダム、ありがとうございます。みんな口を揃えて、制限がいつか晴れることを願ってて、もちろんおれもそういうふうに思ってるんだけど。今日おれらがフリーダム出てるのも、みんなが遊びに来てるのも、いろんなルールとかあるけど、ライブとか音楽が大好きだから来てると思うんです。おれらもみんなもそこは同じ気持ちだと思ってます」とこの日ここに駆け付けた大観衆の想いを代弁し、「そういう、音楽がないとやってけないって気持ちのやつが、友だち含めて今日こんなに集まれるとは思ってなかったのでうれしいです。ありがとう!!」と感謝を述べた。

そして今後のリリースについて予告し、「またライブハウスで遊びましょう!」と呼びかけて“Maybe”へ。「フリーダム、ありがとうございました。この期間が続いても続かなくても、またライブハウスとこの場所で会いましょう。Track’sでした、ありがとう。最後ゆっくりしていって」と締めて演奏されたエンディングナンバー“SUMMER”を含めたこのラスト2曲は、包容力のある大きなメロディラインでホールを包み込み、大観衆とライブハウスの未来、ロックシーンの未来を繋ぐ架け橋として、夏の始まりを告げるように温かく響いた。

FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-
Napup STAGE
SET LIST
1.Circle
2.Open
3.GreenHouse
4.Silly man
5.Daydream
6.Faraway country
7.Magic
8.17 years
9.Winter I feel blue
10.Maybe
11.SUMMER

text by 栄谷悠紀
photo by Daiki Miura

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