ライブレポート

【FREEDOM NAGOYA 2021-EXPO-】Paledusk

今までNapup STAGEに出てきた中でも、全く毛色が異なる福岡出身の5人組バンドのPaledusk。「BLARE FEST.2020」にも出演し、同時間帯に名だたるアーティストがいる中で会場を埋め尽くした注目のラウドロック、メタルコアバンドだ。ステージの袖から雄叫びが聞こえた。もう少しで始まるのかと思ったら、FREEDOMのスタッフがステージに現れ、改めてガイドラインを読み上げる。何故このタイミング?と思ったが、サウンドチェックから熱い音楽を届け、オーディエンスのテンションを最大に上げてしまったからだろう。

今度こそ始まると思った矢先、またもアナウンスが流れる。誰かと思えば、Kaito(Vo)の声だ。「大声の出せないみんなには申し訳ないですが、今から俺達が腹の底から大声を出します。俺達にしかできないことをやりに来ました」と高らかに開会宣言。それと同時に1曲目の「9 SMILES」が流れ、メンバー全員が勢いよく登場する。バク宙、蹴り上げ、回転とそれぞれが一気に別々の動きをしたため、「何が起きた!?」と頭が追い付かない。そして、すぐさま演奏が始まり、動揺が隠せず笑ってしまった。もし声が出せていたら、周りから変な目で見られていたと思う。フロントマン全員が前に乗り出し、オーディエンスを煽る。もうクライマックスなんじゃないか、と思うほどの盛り上がりに度肝を抜いた。いつの間にかDaisuke(Gt)がステージ上からいなくなっていた。どこに行った?と探していると、ステージの柱の上まで上っていた。後方のオーディエンスまで全体を見晴らしながらギターを弾く。好き勝手に動き回るメンバーを追いきることは、目が何個あってもできないだろう。そして「PALE HORSE」、「WIND BACK」とキラーチューンを連投する。オーディエンスは飛び跳ねたり、ツーステップを踏んだりと自由に彼らの音楽に身を任せていた。

この1年間、色々なことを「仕方ない」という言葉で片づけられてしまった。「この瞬間にも悲しい思い、さみしい思い、苦しいことがあるやつもたくさんいると思うけどさ。少なくとも俺はお前たちの気持ちがわかる」とオーディエンスの気持ちに寄り添うKaito。この1年でたくさんの人の心が折れて、何かを諦めてきた。そんな人たちに願い続ければ夢は叶う、夢を抱き続けようと伝えた。ステージに立つ人だからこそ説得力がある。

「不可能なことを全て喰い殺せ。俺達の怒りの一撃」と叫び、始まったのは「NO!」だ。狂気とも言えるパフォーマンスに息をのむ。

「楽しんでくれているかあんまわかんねえんだよ…」とステージのスモークとマスク越しのオーディエンスに軽く文句を言う。オーディエンスも少し反応に困っていると、「拍手!」と自ら喝采を求めた。フェスとかは一人一人の顔が見えにくいと思っていたが、今日はできるだけ見るように努力をしたという。「男もいれば女もいるし。かわいい子もいるし、かわいく……ない子もいるけど」とステージからフロアをまじまじと見ながら言う。笑いを誘うのも忘れない。

「バンドという船がある時点で進み続ける。バンドが諦めなければ活動は続いていく。いつどうなるかわかんないって言っている奴。あんなのクソだから」と一刀両断。「俺達はお前の中の最先端を走るから。それだけは裏切らない。そのままついてきて」と”続ける”と言い切る強さに心を打たれた。

「Q2」は大切な友達が死んだときに書いた曲だという。「今生きている時点で最悪じゃないんだからさ。お前らは最高の場所にいる。」とMCでも言っていたように、今生きてこのライブを見えていることは幸せなんだと噛み締めることができた。

「SEでしゃべるやつあったじゃん?何言っているかわかる?」と本編の最初にあったアナウンスに対してオーディエンスに意見を求めた。後方は聞こえていないようだったのか反応が悪い。「後ろまでこんなに入る予定で作っていなかった」とフロアいっぱいに集まるオーディエンスを見て嬉しそうに話した。「俺から言えることは”音楽最高”」と言い残し、「LIGHTS」でフィナーレ。

「結局、バンドが一番カッコイイんで」という発言の証明をした圧巻のライブだった。

FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-
Napup STAGE
SET LIST
1.Blue Rose
2.9 SMILES
3.PALE HORSE
4.WIND BACK
5.NO!
6.HAPPY TALK
7.Q2
8.LIGHTS

text byコウシミユウ
photo by toya

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