LIVE REPORT

【FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-】カネヨリマサル

FREEDOM NAGOYAも中盤を迎えた。場所も、環境もいつもとは違うけど、少しずつFREEDOMの感覚が蘇ってきた気がする。ボウリングSTAGEの4番手を任されたのは大阪発3人組ガールズバンドのカネヨリマサル。こころの動きに寄り添って、思ったことを演奏していく、青春ロックを追い続ける彼女たちが満を持して登場。カネヨリマサルは2019年以来、2度目のFREEDOMへの出演となる。同年は数々の大型イベントに出演した彼女たちにとって転機と呼べる年だっただろう。ステージ裏では隣のステージの演奏に合わせて手を挙げて応えて見せる様子も見受けられたお茶目な姿もある彼女たち。2年ぶりのFREEDOMで彼女たちがどんなライブを見せてくれるか。カネヨリマサルの青春ロックがいま始まる。「グッドバイ」という別れの曲からライブはスタートした。失敗や別れも肯定的に受け入れて、前を向こうというポジティブな一面も持つ1曲。ちとせみな(Vo/Gt)の圧巻の声量がボウリングSTAGEに轟いていた。

これに続いて「ライブで初めて披露することになります。過ぎてしまった季節を」と4月に配信リリースされた「春」をライブ初披露した。恋愛の曖昧さと季節の変わり目、その移ろいを歌ったナンバー。〈もう春らしい もう冬は終わったらしい〉とこのはっきりとしない、あやふやな世界観が絶妙に表現されている。曲中では冬から春という季節の移ろいだったが、初夏から梅雨という現行の季節の移ろいにも重ねることができ、この世界観を表現するボーカルの力に会場は惚れ惚れとしてしまった。

MCでは「今日のライブを思いっきり楽しみましょう」「初めて名古屋でライブをした時、お客さんは1人しかいませんでした。2年前も出させてもらえたFREEDOMで、こんな大きなステージでできて本当に嬉しいです」という素直な想いにオーディエンスからは温かな拍手が贈られた。MC明けの1曲は「ガールズユースとディサポイントメント」。これがカネヨリマサルの掲げる青春ロックか、これはすごい。かっこいいだけではないかわいらしさとピュアさを兼ね備えた女子の女子による女子のためのロックと評したい。この感性にオーディエンスは一気にステージへと吸い込まれた印象を受けた。その勢いのままキラーチューンの「はしる、夜」を畳みかけるように披露。奏でる音に音符がついてオーディエンスの耳に届くようなキラキラと煌めく青春ロックは疾走感とともに駆け抜けていく。ステージへと吸い込まれたオーディエンスとの一体感を感じさせた。

「想像してた会場の20倍…いや30倍は大きいステージでびっくりしてるけど、こんな大きなステージでできて嬉しい」と演奏中とは違う緩さのあるMCがまたほっこりさせる。そしてオーディエンスに訴えかけるように「もしも」へと続ける。壮大だけど、身近に感じる世界観はなぜだろうか。曲中で出てくる〈でっかい夕焼け〉は会場から見るステージのような存在で、届きそうで届かない、それを追いかけさせてしまう純粋で真っすぐなメッセージ性がオーディエンスの胸を強く叩いているようだった。ラストナンバーに「ラクダ」を披露してステージを後にした彼女たち。短いライブの中で高まったオーディエンスとの一体感の中でお互いにライブへの楽しさを疎通させていた。FREEDOMに集まったTETORA、Hump Backというガールズバンドの中で緩急、かっこいい、かわいいと様々な一面を見せ、完成度の高いライブを見せてくれたカネヨリマサル。彼女たちに魅了されたファンが増えたことは間違いないだろう。

FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-
ボウリング STAGE
SET LIST
1.グッドバイ
2.春
3.ガールズユースとディサポイントメント
4.はしる、夜
5.今を詰めこんで
6.もしも
7.ラクダ

text by にしむー
photo by タカギユウスケ

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