LIVE REPORT

【FREEDOM NAGOYA 2021-EXPO-】アイビーカラー

Napup STAGEに様々なラブソングを届けたのはアイビーカラーだ。佐竹惇(Vo.Gt.)、川口彩恵(P)、碩奈緒(Ba.Cho)、酒田吉博(Dr.)からなる、大阪出身の4人組ノスタルジックピアノロックバンドで、佐竹の書く切ない歌詞は多くの若者から共感を得ている。FREEDOM NAGOYAには2回目の出演だ。

SEが流れるとメンバーが順に登場した。オーディエンスからは盛大な拍手で迎えられる。淡く切ないサウンドと歌詞が特徴的な「春を忘れても」からスタートを切る。佐竹の伸びやかで透き通る歌声にオーディエンスは酔いしれていた。淡いピンクと白の照明が桜並木を表現しているようで、終わってしまった春をまた思い出させてくれた。

「最高な一日にしましょう。どうぞよろしくお願いします!」という佐竹の一言から「short hair」へ。ピュアで可愛らしい楽曲の世界観に、流れ星が降るのではないかと思うようなキラキラなピアノサウンドが幸福感を生み、オーディエンスの気持ちを高ぶらせる。会場の空気をがらっと変えたのは、3曲目の「L」。真っ赤な光に包まれたステージと力強く激しいサウンドが臨場感を醸し出し、オーディエンスを身震いさせる。

「改めまして、大阪出身アイビーカラーです!」と元気に挨拶をする佐竹の姿に笑みがこぼれる。大きな会場に自分の声が響くことに少し違和感があるようだが、そんな違和感も楽しんでいるようだ。

「野外から屋内に変わって、距離を開けてマスクをして。主催者やアーティストがどういう思いでやっているのか、お預けを食らった皆さんなら重々承知だと思います」と昨年の一年間を思い出させるように語った。開催できていること、参加できていることが幸せであり、それを噛み締めなければいけないと伝えてくれる。

「僕らアーティストから言えることは一つ。心から楽しむこと。これを徹底してください」

と佐竹が言う。オーディエンスは頷いて、彼と約束を交わす。正直、心から楽しむということは実際にはちょっと難しかったりする。だけど、彼と約束を交わした人たちは「なにがあってもきっと大丈夫だ」と。そう思わずにはいられなかった。

4曲目に披露されたのは、6月9日にリリースされた配信限定シングル「オルゴール」だ。名古屋ではFREEDOMが初披露となった。柔らかく心地の良いサウンドと歌詞が聴く人の心をそっと包み込んだ。彼らの優しさに深く触れた瞬間でもあった。

MCでは、来年はしがらみもなくぎちぎちの状態で拳を掲げられるように、以前のようなライブの形に戻って開催ができるようにという願いを話した。

そして、「本当に当たり前のことが当たり前じゃないんだなと、僕らアーティストも皆さんも気づけた」と言うように、パンデミックがなければ気づけなかったことは多い。あの日常は当たり前ではなかった。だからこそ、「僕たちは気持ちも力も合わさっていると思います」と力強く発した言葉にはとても共感した。また、彼らを頼もしく感じた。

自分たちのステージが終わってしまうことを名残惜しそうにしながらも、「キラキラとした一日を堪能するだけです」と残りのFREEDOMを楽しんでほしいと伝えた。「素敵な夏になりますように」と笑顔でささやき、ラストナンバー「夏の終わり」を演奏した。曲の入り部分の壮大さに加えて、オーディエンスの手拍子も重なり、美しいサウンドが生まれる。夏のイメージにピッタリな青い照明も印象的だった。「いけますか!」という佐竹の一声にオーディエンスは手を掲げる。多くの人がまなざしを向けた最高にエモーショナルなステージは、多幸感を生み出して最後の一音までオーディエンスを楽しませた。

FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-
Napup STAGE
SET LIST
1.春を忘れても
2.short hair
3.L
4.オルゴール
5.夏の終わり

text byコウシミユウ
photo by toya

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