ライブレポート

【FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-】GEREN

 FREEDOM NAGOYA2021-EXPO-オーディションライブ(5月16日編)の勝者GEREN。いよいよだ。ずっと客としてこのフェスに来ていた彼らが、いよいよ憧れていたステージに立つ日がやってきた。その目がキラキラ輝いている。ステージ袖で準備をするその姿は、緊張をしているというよりも、どうやって自分たちの爪痕を残せるか企んでいるように見えた。登場SEも無く始まった1曲目「EMA」。少しのギターの音が会場に鳴り響く。「GERENです。よろしくお願いします」クールな吐息まじりな第一声。その声からは想像できないほどに力強い歌声で1曲目をスタートさせた。さっきまでは夢のステージに憧れの眼差しを向けていた彼らが、あっという間にR.A.D STAGEをわが物にして気持ちを奏でている。

自信にあふれる演奏。心に直接語り掛けてくるような棘のある歌声。そして時に武器のように狂暴になる歌詞。GERENの存在感を見せつけるには十分な1曲目だった。

間髪入れずに2曲目「JACKER」。メロディーが心地良い、まるで歌謡曲のようなナンバーだ。激しくも時に切ない演奏が、次第にフロアの一体感に繋がっていく。感情を揺さぶられるのだ。日々の喜びも悲しみも、喜怒哀楽の全てを持っていかれる。フロアもただ身を任せてその世界に酔いしれていた。「周りの皆様の力が合わさって、そしてあなたたちのおかげで今ここに立ててます。僕らはこれからもっと大きくなるので目を離さないでほしいです。本当にありがとう、これからもよろしく。」感謝を丁寧にのべ、MCも手短に次の曲へ。スローテンポな「煙草」は低音が気持ちのいい身体に響くナンバーだ。一応今日は夏フェスなのだが、できることなら薄暗い落ち着いたバーで聞いていたいと思うほど。日常や時間を忘れるほどベースの音が気持ちいい。そんな曲にフロアも筆者も立ち尽くしながら、暴れるだけがバンドじゃない、フェスじゃない、というパフォーマンスを見せてもらった。まるで全曲が違うバンドのように、ギャップがある。たった20分間でいくつかのバンドを見ているかのような錯覚に陥っていた。

すると、「俺たちの物語の序章を見逃すな!!」その叫びにハッと我に帰る。世界はまた夏フェスへと移り変っていく。そう言って始まった最後の曲「Prologue」、GERENが出せる今一番のパフォーマンスをR.A.D STAGEに置いていくんだと確信した。魂の一曲、命の咆哮。誰も追いつけやしなかった。初めて見た客はこのステージを見てしまったが最後、今日から彼らを追いかけてしまう日々になることだろう。それも全力で。それでも追いつけるかわからない背中を、この20分間で存分に見せつけていた。走り出した彼らの旅はまだ始まったばかりだ。

FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-
R.A.D STAGESET LIST
SET LIST
1.EMA
2.JACKER
3.煙草
4.Prologue

text by DJつづきともみ
photo by Kota Takezawa

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