ライブレポート

【FREEDOM NAGOYA 2021-EXPO-】フラワード

Aichi Sky Expo(愛知国際展示場)にて、2年ぶりに開催されたFREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-。今年のトップバッターを任されたのはフラワードだ。2019年に愛知県みよし市で結成された、花言葉を綴るロックバンド。FREEDOMへの出場を懸けたNSMオーディションを勝ち進んだ強者だ。バンドサウンドが鳴り響き、ダンスチューン「浅黄色の三月」で最高の幕開けをする。序盤からフロントマンもオーディエンスも踊りまくり、耳に残るギターリフに強烈なサウンドがさらに狂騒を煽る。1曲目から熱いライブをする彼らにゾクゾクしてしまう。

流れるように2曲目の「Lily」へ。孤独や焦燥感などの感情を放出し、昇華していくようだ。「自分ではわからない 自分じゃなきゃ意味がない」と力強く歌う姿はただただ美しく、何かを覚悟したようにも思えた。荒削りなところもいい味を出している。岡田誠矢(Gt.Vo)はフロアを見渡し、自分の思いは届いているのか確かめていた。MCでは、朝早くから会場に集まってくれたオーディエンスに感謝の気持ちを伝えた。確かに、9時30分からのスタートは早いと感じてしまう。他のステージはまだ1組目も始まっていない。ゆっくりと会場に向かう人もいる中で、自分たちのライブを見てくれているということに幸福感を覚えたのではないだろうか。

そして岡田が声を荒げながら、「この会場は全て人間の力で作られている。バンドマン、スタッフ、ボランティア、学生の力があったからこそ、このイベントが作られている。本当にありがとうございます!」とFREEDOMに関わる全ての人へお礼を言った。全身全霊の叫びは主催者やスタッフたちに届いているはずだ。「フラワードの曲を浴びていってください。最後までよろしくどうぞ!」と言い放つ岡田の姿は、「俺達は曲は最高なんだ!だから見てくれ!」と訴えているようだ。そして、自分たちが少しでも爪痕を残そうと必死でもがいているように見えた。

「嫌な毎日に蓋をする!」という叫び声と共に始まったのは「蓋をする」。歌っている本人たちすらも破壊しそうな殺傷能力の高い楽曲だ。FREEDOM当日にサブスクリプションにて配信を開始した新曲で、配信の事前告知はされていなかった。そのため、曲自体を初めて聴いた人が多いはずだ。だが、オーディエンスはそんなこと関係なく好き勝手に踊りまくる。堤宙夢(Ba.Vo)が煽りに煽るとさらにフロアはヒートアップ。盛り上がり方を見て、「本当に新曲なのだろうか?」と疑ってしまう。攻撃なメロディにどんどん加速するビート。絶望と怒りが入り混じる歌詞。しかも踊れる。キラーチューン入り間違いなしだ。

「ラスト1曲!最高に踊って楽しんで終わりましょう!」と岡田が告げて、「サザンカ」でフィナーレを飾る。アグレッシブなバンドアンサンブルがフロアを沸かせる。オーディエンスに最後の一撃をくらわそうとする意思の表れか、岡田が「いくぞ」と曲の始めに呟いた時の狩人のような目つきと身にまとう熱のこもった空気感が印象的だった。そして、「手を掲げ」という歌詞とともに手拍子が巻き起こる。「最後!全員でいくぞ!」と岡田が叫んで、ボウリングSTAGEにいる人たちも巻き込んでダンスロック空間を作りだす。あの場にいた全員が自由に踊って楽しんだ。フラワードというバンドのスタンスを見せつけるようなストイックなパフォーマンスだった。FREEDOM初出演だったが、このイベントのスタートを任された理由がわかった気がした。本編4曲、20分という短い持ち時間ではあったが、フラワードの魅力を十分に堪能できた。素直に、またライブが見たいと思った。

FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-
Napup STAGE
SET LIST
1.浅黄色の三月
2.Lily
3.蓋をする
4.サザンカ

text byコウシミユウ
photo by Kota Takezawa

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