ライブレポート

KNOCK OUT MONKEY presents 猿爆祭2022【ライブレポート】

KNOCK OUT MONEKY presents “猿爆祭 2022”
7月18日(月・祝) 大阪城音楽堂
KNOCK OUT MONKEY/MY FIRST STORY/PassCode/NOISEMAKER/FLOW/打首獄門同好会/-真天地開闢集団-ジグザグ/我儘ラキア

text by 柴山順次
photo by Rickey-style / マッサン(@msmrk_0516)

KNOCK OUT MONKEYが主催する猿爆祭(ヨミ:エンバクサイ)が7月18日、大阪城音楽堂にて開催された。2004年から始まり、今年は3年振りの開催となった猿爆祭。初の野外での開催となった猿爆祭2022にはKNOCK OUT MONKEYと所縁のある様々なアーティストが集結した。この日、大阪城音楽堂に集まったのは主催者であるKNOCK OUT MONKEYは勿論、MY FIRST STORY、PassCode、NOISEMAKER、FLOW、打首獄門同好会、-真天地開闢集団-ジグザグ、我儘ラキアといった世代もジャンルもクロスオーバーしたKNOCK OUT MONKEYらしいフェスとなった。

大阪城公園内には早い時間から多くのファンが猿爆祭に集まっていた。物販ブースに並ぶファンの列もフェスが帰ってきたことを実感する光景だ。飲食ブースではKNOCK OUT MONKEYのdEnkAが店主を務める串かつ屋「でんちゃん」も出店しており多くのファンが談笑する姿も。またナオミチの手掛けるブランド「RideMe」のブースも大盛況で大阪城音楽堂で何度「RideMe」のTシャツを着たファンとすれ違ったことか。バンド主催のフェスならではの祭り感をオープン前から堪能するファンたちの姿に猿爆祭の期待値もぐんと上がる。と同時に体温も気温も急上昇。「こりゃとんでもないことになるな」と灼熱の大阪城音楽堂で感じた予感が本物だったことを、猿爆祭のトップを飾った我儘ラキアがいきなり実感させてくれた。

我儘ラキア

この日の我儘ラキアには心ごとぶん殴られた。MCで「もし何かを諦めようとしている人がいるなら」と語りかけたその言葉の続きを星熊南巫は何て言ったと思う?「諦めないで」でも「大丈夫」でもない。「ふざけんな」だ。そして、その「ふざけんな」の説得力が我儘ラキアにはめちゃくちゃあるし、その言葉の本質は彼女たちの歩んできた足跡が証明していると思う。KNOCK OUT MONKEYが猿爆祭のオープニングを我儘ラキアに任せた意味を身を以って全回収するようなライブを繰り広げた4人。曇りか雨かの予報の中、我儘ラキアのライブが始まるや否や雲の隙間から顔を出した太陽の光が大阪城音楽堂を照りつけたのは奇跡でも偶然でもなく、我儘ラキアが我儘ラキアを体現したからこそだと思う。

バンドセットを従えた我儘ラキアの戦闘力は凄まじいものだった。彼女たちがここまでどんな道をどんな思いで歩んできたか。我儘ラキアを前に、もはやアイドルだとかバンドだとか関係ないと思っているけれど、そのアイドルというカテゴリーに誰よりもコンプレックスを抱えてきたのはもしかしたら我儘ラキアなのかもしれない。そしてそれ以上にアイドルとしての自分たちに誇りを持っているのも我儘ラキアだと思う。バンド主催のフェスのトッパーとして「日本で一番攻めてるアイドルです」と言い放った星熊の表情は、ジャンルを超越した上での「ライブアイドル」としての覚悟と決意と自信で満ち溢れていた。そこに居座るのではなく、そこに留まるのではなく、全部抱きしめて更なる高みを目指す。アイドルをレペゼンし、HIP-HOPだってメタルだってEDMだって、音楽欲求のままに表現することで我儘ラキアは我儘ラキアとしてのアイデンティティを確立したと思う。この日のライブは新曲「SWSW」を交えた彼女たちの必殺技を全方向に叫び、放つ、最強セットリスト。ぶっ倒してぶっ壊してサバイブしてきた4人のアイデンティティを叩きつけるステージだった。

photo by Rickey-style

-真天地開闢集団-ジグザグ

噂には聞いていたけれど、-真天地開闢集団-ジグザグの衝撃は想像を遥かに超えていた。人差し指を折った「救いの手」をあしらった幟旗を掲げメンバーがステージに登場すると大阪城音楽堂に大きな結界がはられたような感覚を覚える。ジグザグのライブではオーディエンスを参拝者といい、ライブを禊と呼ぶらしいがそれはただの総称でも言い換えでもなく、彼らのステージを観ていると本当に参拝している気分になるし、俗世での罪や穢が洗い流されるような気持ちになる。例えば今日、今この瞬間、ジグザグのライブを観るまでのパブリックイメージがあったとして、だけど百聞は一見に如かずとはよく言ったもので、禊が始まり「僕ノ旋律」を聴きながらパブリックイメージは所詮パブリックイメージでしかないことを実感した。「大好きだよ」なんて真っ直ぐ歌ってしまうピュアなラブソングに心底驚いたし、その心ごと浄化されるようだ。「燦然世界」ではジグザグと参拝者がひとつとなり、こんな時代だからこそ衝動を突き動かされる「立ち上がれ」の号令で一斉に飛び上がる大阪城音楽堂の光景に文字通り真天地を見る。

そんな大阪城音楽堂の場内美化を促進する「ゴミはゴミ箱へ」のふり幅にも驚いた。当たり前が当たり前じゃなくなってしまったこの時代、ゴミはゴミ箱へ捨てるという当たり前のことすら出来ないなんてどんな時代だろうとかっこ悪い。コミックソングを装ったメッセージソングだからこそ伝わる大事なことってあると思う。シリアスな「忘却の彼方」もメンバー個々の超絶プレイが際立った「復讐は正義」も楽曲ごとに魅力の打ち出し方が少しずつ違うから次は何が飛び出すか楽しくて仕方ない。ジャンル関係なくジグザグがフェスに引っ張りだこなのも納得だ。なんて思っているとラストはコンココンと参拝者全員できちゅぬダンス。ジグザグのなんでもありな禊にいつの間にか夢中になっていることに気付いたのは参拝者と一緒に「救いの手」ポーズをステージの命様に向かって掲げている自分に気付いたときだった。そうか、これが真天地なのか。-真天地開闢集団-ジグザグ、尊過ぎる。

photo by マッサン(@msmrk_0516)

打首獄門同好会

こんな時代をこんな時代だからっていつまでも時代のせいにして嘆いていても仕方なくて、じゃあどうやってやり抜くかって考えたときに必要なのはアイデアとユーモアだと思う。もう第何派か分からない新型コロナウイルスの波が来ている最中での猿爆祭。勿論感染対策だってばっちりだけれど、何よりもの感染対策だったのはこの日、打首獄門同好会が出演していたことなんじゃないだろうか。くだらないアイデア(失礼!)と軽く笑えるユーモアでうまくやり抜く賢さが彼らにはめちゃくちゃある。こんなときだからこその悪あがき。この音を止めてなるものかと戦い続けてきた表現者たちの反撃開始の狼煙は上がっているのだ。全人類の代弁ソング「新型コロナウイルスが憎い」でライブはスタート。まじでいつまで新型を気取ってるつもりなんだろう。いい加減、コロナの野郎には時代遅れだと気付いて欲しいよ全く。そんなコロナに僕たちはライブで声を出すことすら奪われてしまったけど、声が出せないならスクワットがある!「筋肉マイフレンド」ではスクワットで一体感を見せる大阪城音楽堂。みんなかっこいいぜ。

そういえばこの日は祝日の月曜日。今週は労働日が1日少ないラッキーウィーク。「はたらきたくない」を心の中で大合唱しながら、ここにいるみんな毎日働いて働いてこうやって猿爆祭に集まっているんだなと思うと全員と握手したくなる。働きたくないけれど、働いて働いて働いてこういう日を迎えるからこその大爆発みたいなものはきっとあると思う。そのビッグバンが起きたのは彼らの代名詞ともいえる「島国DNA」「日本の米は世界一」の2連続おなかいっぱい攻撃だ。島国のこの国を生きてきた我々が誇る魚と米。魚料理と丼モノ、定食を連呼することに何の意味があるかって?意味しかないでしょう。え?具体的に?それはここでは言うことじゃないでしょ…。でも最初に言ったでしょ。くだらないアイデアと軽く笑えるユーモアが猿爆祭に一体感と笑顔を生み出しているのだ。もうこれだけで打首獄門同好会の勝利だ。

photo by Rickey-style

FLOW

この日の大阪城音楽堂のフロア後方にはキッズエリアがあり、親子連れであったり音楽好きのキッズであったり、世代を超えて猿爆祭を楽しんでいる姿を目にした。そのキッズエリア含め、猿爆祭を盛り上げたのがご存じFLOWだ。今年でデビュー20年目に突入した彼らがデビューした頃から何も変わらないのがライブが大好きだということ。それを全身で表すFLOWのライブに胸がパチパチするほど騒ぐ猿爆祭。無条件で楽しいってこのことだ。アニメやゲームの主題歌として愛されるナンバーの多いFLOWならではのライブに頭カラッポで楽しむオーディエンス。「コードギアス 反逆のルルーシュ」といえば「COLOR’S」のイントロが鳴り響いた瞬間のどよめきなんて本当に凄かった。アニメ作品と主題歌の関係性って本当に大事で、それをずっと体現し続けるのがFLOWなのだ。そしてライブの運び方が本当に上手い。「さっき首も振ってたし(-真天地開闢集団-ジグザグ)、スクワットもやってたし(打首獄門同好会)、ここからはFLOWがジャンプ多めでいきます」との宣言通り「Steppin’ out」で会場を一斉にジャンプさせる。

ジャンプといえば!映画『ドラゴンボールZ 神と神』の主題歌「CHA-LA HEAD-CHA-LA」では観客のみならず、出演者、スタッフも巻き込んで大盛り上がり。大きなかめはめ波を放つFLOWの姿はヒーローそのものだった。かめはめ波に追随するような、言ってみれば元気玉ともいえるFLOW最大の必殺技であり伝家の宝刀「GO!!!」でさらに会場の興奮はMAXに。ぶっ放してぶった斬って未来を切り開く。この曲を初めて聴いた頃から思えば18年。今も変わらず僕らをずっと鼓舞する圧倒的なパワーソングに今日もまた漲る力をもらう。ひとつになった会場全体で作った大きなウェーブもまたFLOWが猿爆祭に作り上げたハイライトのひとつだ。ラストは「GOLD」でこの日一番のジャンプを連発させたFLOW。猿爆祭で確信したのはフェスにFLOWがいたら最強ってことだ。

photo by マッサン(@msmrk_0516)

NOISEMAKER

音楽に国境なんてないと思っているけれど、その国でしか生まれない音楽は確かにあって、じゃあその国を背負って、世界を見据えて、自分たちの音楽を作り上げているバンドに出会ったとき、海外音楽至上主義とかではないけれど「このバンドなら日本のバンドとして世界で戦える」と、ただただ興奮してしまう。猿爆祭でのNOISEMAKERのライブはまさにそれ。「NAME」でライブが始まると物語のスタートとクライマックスが同時に訪れたような高揚感に包まれる。光も闇も強さも弱さも相対するもの全てをもって自分だと歌うAGに全身で応えるオーディエンスたち。この生きたやりとりがNOISEMAKERのライブだ。声なんか出せなくても伝わり繋がり共鳴する命のやりとりに胸が熱くなる。この数年、みんながみんなそれぞれの立場や立ち位置でもがき苦しんだことだと思う。沢山我慢だってしたしもう駄目かもなんて思う日がなかったと言えば噓になる。だけど、半歩でも一歩でも、その足だけは前に進めてきた。躊躇うこともあったけれど、少しずつ前に進み続けてきた。そんな僕たちを先導するかのように「SADVENTURES」を演奏する中、「跳べ!ジャンプ!」と煽るAGに応えるように高く跳ぶオーディエンス。高く跳ぶためにこの数年助走をつけてきたんだ。バンドだってオーディエンスだって。その光景に「お前たちが一番かっこいいよ」と口にするAG。生きてることってそれだけで表現で、それはバンドもオーディエンスも一緒だってことをNOISEMAKERはライブを通して感じているのだと思う。かっこいいよ、本当に。

「Flag」ではKNOCK OUT MONKEYのw-shunが参加しAGとw-shunの掛け合いを披露。バンド主催のフェスというのは主催バンドとのストーリーが濃ければ濃いほどライブの意味合いも濃くなっていくと思うのだが、駆け出しの頃からしのぎを削り合ってきたKNOCK OUT MONKEYとNOISEMAKERそれぞれのヴォーカリストが猿爆祭のステージで向かい合って歌う姿はなんとも感動的な光景であった。これだからバンドは最高だ。音楽は最高だ。ライブは最高だ。最高最高うるさいと思うでしょ?わかるよ。でもAGも最後大きな声で「ロックバンド最高!」と叫んでいたから、この日目にした全てのことも最高だったんだ。

photo by Rickey-style

PassCode

アイドルが多様化され細分化されそれぞれにシーンが生まれその集合体としてカルチャーとなる。そのカルチャーが他のカルチャーと交わることは言葉にする何倍も難しい。そんなアイドルのカルチャーを背負って猿爆祭のステージに立ったのがPassCodeだ。彼女たちを形容するときに「アイドルなのに」や「アイドルらしからぬ」や「アイドルを超えた」といった言葉をこれまで何度も目にしてきた。それは強靭なシャウトも要因しているとは思うけれど、この日、いつも通りバンドを背負って挑んだ猿爆祭で個性の強い出演バンドに囲まれステージに立つ姿はアイドルそのものであって、そのプライドを纏った4人の姿はひたすらかっこよかった。ポップでキュートな疾走感と笑顔が印象的な「ATLAS」でライブが始まると曲の中盤でその印象を180度ひっくり返すシャウトが炸裂。続く「Taking you out」では更にその攻撃力もアップし、まるでフリーザが連続攻撃しているような破壊力に腰が砕けそうになる。「Seize Approaching BRAND NEW ERA」ではKNOCK OUT MONKEYの亜太が乱入しお立ち台でダンスを披露。普段、PassCodeでベースを担当していることもあり相性抜群だ。

「アイドルということが理由で対バンを断られたりイベントに出れないことが沢山ありました。でもKNOCK OUT MONKEYはツアーにPassCodeを呼んでくれた。ここで闘っていいんだと思わせてくれた」と南菜生が語っていたように、ここまでPassCodeはアイドルというだけで悔しい思いを沢山してきたのだと思う。ライブアイドルとしてライブを主現場に闘っているアイドル全般が抱えていることかもしれない。そういう意味でもPassCodeの活躍はアイドルシーンにとって、アイドルというカルチャーにとって、希望のような存在なんだと思う。アイドルを超える必要なんかなく、アイドルをアイドルとして全うしながらPassCodeの物語を進めるだけ。描いた未来の先に向かって。

photo by マッサン(@msmrk_0516)

MY FIRST STORY

猿爆祭、KNOCK OUT MONKEYにバトンを繋ぐ大役を担ったのは盟友MY FIRST STORYだ。今やモンスターバンドとなったMY FIRST STORYもここまで来るには決して平坦な道のりだった訳ではなく、またHiroにいたってはきっとプレッシャーや劣等感を抱きながらそれでも前へ前へとその物語を進めてきたと思う。その旅の途中、いや初期の段階で出会い共に旅してきたのがKNOCK OUT MONKEYだという。物語と物語が交わった時に生まれる感動を猿爆祭のステージで与えてくれたMY FIRST STORYが見せた決定的「僕」の証明。それは彼らが進化しながら進んでいることを突き付けた「アンダーグラウンド」からもビシビシ感じることが出来た。ロックのダイナミズムとR&Bの土臭さと歌謡曲の昭和感を最新の音楽として消化しHiroの圧倒的な歌唱力で昇華させることで大阪城音楽堂を一斉に湧き上がらす。「Missing You」でのエモーショナルな感情の爆発も「モノクロエフェクター」でのダンサブルな展開も「PARADOX」の近未来的なダーク感も、MY FIRST STORYというバンドの圧倒的なスキルとセンスによって唯一無二なものを作り上げていることが次々とライブで証明されていく。

コロナ禍に突入して様々な規制の中でいつの間にか無くしかけていたこと、忘れていたこと、そんな自分の中にあったはずの感情を叩き起こしてくれたのが「MONSTER」だったし、先の見えない世界で一体何が不要で何が不急なのかも分からなくなることもあるけれど、それでもそこに希望を見出させてくれるのが「I’m a mess」だし、「REVIVER」では信じることで何回だって立ち向かえる勇気をくれる。目の前で起きていることひとつひとつに魂を揺さぶられる。「俺たちが白い目で見られ馬鹿にされていたとき、正面から受け入れてくれたのがKNOCK OUT MONKEYだった」と語り彼らに捧げるように「不可逆リプレイス」を披露したMY FIRST STORY。KNOCK OUT MONKEYと綴ってきた物語をしっかりと見せてくれる40分だった。

photo by Rickey-style

KNOCK OUT MONKEY

猿爆祭、猿が爆発する祭り。こうやって文字にしたり口にしてみると何の意味だか分からなくなってしまうけれど、この日一日大阪城音楽堂でライブをずっと見ていたらきっとみんな猿爆祭の意味も感覚的に分かっているんじゃないだろうか。やっぱりこの数年、祭りすら自由に楽しめない時期が続き、当たり前が当たり前じゃなくなり、音楽こそがアイデンティティである僕たちはそのアイデンティティごと否定されてしまった感覚で日々を送っていた。少しずつライブハウスやフェスを取り巻く状況が変わってきて、とはいえまだ安心はできないけれど、僕たちには祭りごとが必要だし、音楽が必要だし、こうやってみんなで時間を共有することが本当に本当に必要なんだ。この国に祭りがないなんてそりゃ猿も爆発するよ。そうじゃなくて、僕たちは猿のように爆発的に祭りたい。そんな祭りの首謀者であるのがKNOCK OUT MONKEYだ。しかし、猿爆祭、とんでもない面子を集めたもんだ。これだけの出演者が次々へと繋いできたバトンを最後に受け取ったKNOCK OUT MONKEYがどんなエモーショナルでドラマティックなライブを展開するかと思いきや、そこは流石のKNOCK OUT MONKEY、サウンドチェックから雪崩れ込むように数曲演奏し、リハなのか本番なのか、いやもうどっちでもいいから楽しませようぜ精神でスタート前から祭りを盛り上げる。

この日雨が降るかもなんて思っていたことが嘘みたいに晴れた空の下で沢山の音楽を浴びたことが超夏ソング「Wonderful Life」を聴きながら脳裏に浮かぶ。同時にこの数年も思い出す。去年の夏は外に出ることも出来なかった。いつの間にかエンジンは錆びついて、ブレーキは埃まみれ。だけど何度だって打ち上げられるってことを「JET」で思い出す。ボロボロのエンジンだから沸き起こる負けん気。空を見上げて飛び出さなきゃ。待ってるだけの昨日にアディオスだ。もうトンネルは抜けたはず。ここから何を選択しどんな道を進むかは自分次第、未来に怯えるのはもう終わりだ。「Laying down the rails」「Greed」とポジティブなナンバーが続くもんだから、気持ち新たに靴も履き替えた足が勇んじゃう。いつの間にか陽の落ちた大阪城音楽堂に心情を吐露した「realize」が包み込む。10年20年経っても何も変わらないこと、変われないことがあって、時間だけ過ぎていくようで不安になる。だけど見渡して欲しい。この猿爆祭に集まったこの光景をよく見て欲しい。僕たちは変わらないし、変われないけど、ありのままでもいいんじゃないかと思えるのは、これだけの人が今同じ時代にKNOCK OUT MONKEYというバンドと共に生きているから。それが分かっただけでも猿爆祭に足を運んで良かったと思う。

それをきっとw-shunは歌いながら気付いたのか、ラストスパートは「Black or White」「Paint it Out!!!!」「Flight」と怒涛の爆発寸前ライブをお見舞いする。「周りの目が気になるなら俺らの目だけ見とけ!」と叫ぶw-shunに応えるオーディエンス。真昼間から始まった猿爆祭、最後の力を振り絞って高くジャンプする光景に汗なのか涙なのか分からないけれど頬を伝う暑いものを感じた。ここでw-shunが次々と出演者をステージに呼び込み、みんなで乾杯。その合図と共に始まったのが猿爆祭を締め括ることになった新曲「Summer Days」だ。この日起きたことを織り交ぜながら歌うw-shun 、気持ち良さそうに演奏するdEnkA、亜太、ナオミチ。そして自由に踊る出演者たち。ああ、きっとKNOCK OUT MONKEYはこの光景が観たかったんだろうな。夏を夏として仲間たちと楽しみたい。きっとそれだけなんだろうな。そしてそれがどれだけ大事なことなのか。そんなことさえ忘れていたこの数年を帳消しにしてくれるように打ち上げた夏の猿爆祭。大爆発はしっかり起きたんじゃない?4人の神戸の暴れ猿によって。

phpto by Rickey-style / マッサン(@msmrk_0516)

KNOCK OUT MONEKY presents “猿爆祭 2022”
7月18日(月・祝) 大阪城音楽堂
KNOCK OUT MONKEY
MY FIRST STORY
PassCode
NOISEMAKER
FLOW
打首獄門同好会
-真天地開闢集団-ジグザグ
我儘ラキア

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