ライブレポート

誰も知らないモンタージュ【ライブレポート】

2022年05月29日(日) HOLIDAY NEXT NAGOYA「闇と踊れ」

text by 柴山順次
photo by tky-39

「闇と踊れ」をコンセプトに掲げるハイブリッドエクストリームシネマティックダークロックバンド、誰も知らないモンタージュが5月29日にHOLIDAY NEXT NAGOYAにてワンマンライブを行った。V系の匂いも残しつつ、スクリーモ、ゴス、ラウドなどの要素を注入した文字通りモンタージュ的スタイルで東海地区を中心に活動する誰モン。初のワンマンは彼らの何でもありな音楽性が凝縮された2時間にも及ぶ長編映画のようなライブとなった。闇と踊る。その言葉の意味を考えていると、物語の始まりを告げるようにライブハウスに「戦場にかける橋」の口笛のマーチが響き渡る。HOLIDAY NEXT NAGOYAに緊張が走る。静寂を切り裂くように「アブソリューション」「コワレタセツリ」と会場を煽りながらライブがスタート。「サイコメンヘラリョウサンガタビッチヴァンパイア」ではMJのスリラーのようなダンスやしゃがませたオーディエンスを一斉にジャンプさせるパフォーマンスも飛び出しエンターテイメント要素もたっぷりだ。癖になるメロディも頭から離れない。ホラーダンスと突き抜けるほどポップなサビのギャップが面白い「デッドオアアライブサイコホラー」でも彼らのエンタメ魂を随所に感じることが出来た。

空気を一変させたのは「人は何故死にたいと弱音を吐いてしまうのでしょうか」と問いかけた「ツレヅレバナ」の圧倒的な世界観だ。クラシックとロックが融合することでメッセージを後押しする楽曲の構成に息を飲む。更にアイドルに恋する気持ちを歌った「ガチコイニンゲンオオタクン」では4つ打ちビートで恋心を加速させ、「モエナイゴミ」では各メンバーの見せ場もしっかりある展開で誰モンのポテンシャルを見せつける。そしてインプロ的な演奏で空気を作り込んだ後は「クグツオトギ」でライブハウスをゴシックな世界観に誘う4人。彼らのバックグラウンドが色濃く打ち出された楽曲に誰もが知っているフレーズを遊び心的に注入しちゃうのが誰モンの面白さだ。畳みかけるように「ウラギリサーカス」を披露すると一旦バンドがステージを去り、ろみヲのソロコーナーに突入。誰モンの世界観を構築するろみヲの世界観が凝縮されたソロコーナーではバンドとはまた違った誰モンの側面を感じることが出来た。「人生と戦いながらバンドをやっている」とろみヲが語っていたように音楽と向き合いながら、自分の人生と睨み合いながら、音楽活動を続ける決意を語る姿。そこには見守る親の姿があり、子を思う親の気持ちがあり、その思いに応えるように「グリーングリーン」を歌うろみヲ。人生をホップステップジャンプするためには立ち上がらないといけない。そんなろみヲの覚悟と決意を感じることが出来たソロコーナーの終盤ではシューゲイザ―を織り交ぜた「カタプレキシーアニムス」をバンドセットで歌い上げる。同じ時代に生き、同じ場所に集まり、同じ方向を向いて生きる同士に捧げる「カタプレキシーアニムス」の壮大な世界観がライブハウスを包み込む。

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ろみヲのソロコーナーを経てダレカ ドコカノがステージに再登場すると「ジンセイヒョウホンモヨウ」を披露。「標本は人生の僕と君の生きた証明」と世界を憂いながら歌う姿に色んなことを考えさせられる。常識とは、世界とは、生きる意味とは。感情的に歌い叫ぶダレカ ドコカノと軽快なリズムに空間を支配するようなギター。このコントラストが誰モンだ。「どんなに集めても僕らには足りない」と疾走感の中、その飽くなき欲求を歌う「ナルコティックアニマ」では盛り上がりも最高潮に。その勢いを更に更新する「メリーメリーゴーランド」では会場を煽りながら誰モンのラウドな側面を押し出しながらキャッチーなサビも展開する。こういったハイブリッド感がこのバンドの面白さなのかもしれない。そもそもジャンルなんて関係なくて、聴いてきたもの、体感したものを自分たちの解釈で消化することこそ「表現」なのだ。そしてぜっつのブリブリのゴリゴリのベースラインとベートーベンの第九をサンプリングしたメロディに衝動鼓動動脈加速状態のフロア。ラストは「ダウン」を叩きつけてステージを後にする。

鳴りやまないアンコールの拍手に応えステージにメンバーが登場するとまさかのぜっつヴォーカルによる「アウトトゥランチタイム」が飛び出す。ベースはダレカ ドコカノだ。やはりただでは済まないバンドだ。ぜっつが歌うことで良い意味でリアリティを増した「アウトトゥランチタイム」に沸く会場。これもワンマンだからこその演出だ。そしてこの日2回目の「メリーメリーゴーランド」「ダウン」ではバンドもオーディエンスもネジを外して踊る。まだまだ規制のあるライブハウスで、今やれる最大の楽しみ方を提示した誰モン。そしてそれを受け止め応えるオーディエンスとライブハウス。誰ひとり欠けても成り立たなかった誰も知らないモンタージュのワンマンライブに名古屋のライブハウスシーンの新たな伝説の始まりを観た。

▼ライブ映像
2022年05月29日(日) HOLIDAY NEXT NAGOYA「闇と踊れ」
BOOTH にてDL販売 (¥4,000)
https://daremon.booth.pm/items/3939307

▼ライブ情報

ASKING MY HERO x 誰も知らないモンタージュ
2マンライブ
『誰も知らないマイ・ヒーロー』
2022年11月13日(日)
岐阜 西柳ヶ瀬 ’50 C.M.
(岐阜市日ノ出町4-23 第5松葉ビル3F)
開場/開演 14:30/15:00
前売/当日 ¥2500/¥3000 (1D¥500別途)
18歳以下は前売り/当日 ¥0 (1D¥500別途)
*受付にて身分証をご提示下さい

チケットご予約
https://tiget.net/events/188287
チケットご予約はTIGETサイトのみになります。
(2022年07月10日(日)21:00より受付開始) 
発券番号がそのままご入場の整理番号となります。

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