ライブレポート

04 Limited Sazabys / アポロベイス ファイナルウィーク「Last Virgin」【ライブレポート】

04 Limited Sazabys
2022年3月23日 新栄APOLLO BASE
アポロベイス ファイナルウィーク
「Last Virgin」

text by 柴山順次
photo by ヤオタケシ

何から書こうかな。何を書いたらいいのだろうな。もしかしたらライブレポートの役目を果たせないかもしれないし、ライブを観ながら何かをメモってる暇なんてなかったし、まあ、だけど、あの日思ったことを何も考えないで書こうかな。僕の記憶が正しければ04 Limited SazabysがAPOLLO THEATER(APOLLO BASE)で頻繁にライブをするようになったのは2010年とか2011年のサーキットイベントや2012年のアンテナツアーくらいからだった気がする。その前も出てたのかな。どうだろうな。アンテナツアーって名古屋だけで5、6本あったような記憶があるけど、そのうち2回APOLLO THEATERが入っていて当時は「アポロでやるの凄いな」って思った気がする。あ、そうだ、急に思い出したけど、僕が最初にAPOLLO THEATERで04 Limited Sazabysを観たのはGOLLBETTYのG-YUNのソロライブを観に行ったときだ。ENTHが出ていたから無効っぽいけれど初めてのワンマンだった「sonor tour 2013」のファイナルもAPOLLO THEATERだった。あの日、ライブ寸前の楽屋でメンバーと「遂にここまできたね」って話をしたのは滅茶苦茶覚えている。そこまで本当に長い道のりだったし、当時のレーベルを離れたり、試行錯誤しながら『ANTENNA』を自主リリースしたり、そういえばその『ANTENNA』のインタビューもAPOLLO THEATERの近くのカフェでした気がする。まだまだ険しい道のりの中、彼らは諦めずに走り続けて来た。そして前出したAPOLLO THEATERのワンマンをソールドアウトさせ、そこからはもう皆さんのご存じの通り、名古屋の04 Limited Sazabysは名古屋を背負って全国にその名を知らしめていくことになる。

って、これ書き出したら終わらない気がしてきたから時計の針を2021年まで早回しする。2021年3月1日、突然のAPOLLO BASEの閉店のニュースは全国各地のAPOLLO BASEでお世話になったバンドマン、関係者、お客さんに衝撃を与えた。そして閉店までの1年間、APOLLO BASEでは連日連夜様々なライブが行われてきた。ずっとAPOLLO BASEで戦い続けてきたバンド、閉店をきっかけに復活するバンド、APOLLO BASEを卒業し今や大きな会場を一杯にするまで成長したバンドが閉店を惜しみAPOLLO BASEを訪れてきた。様々なバンドが名を連ねる中、3月9日に「最後の発表」として告知されたのが他でもない04 Limited Sazabysのワンマン開催のニュースだった。SNSに添えられた「もう何も出てきません。これがアポロベイスの全てです」という野口店長の言葉にまだ何処か実感のなかったAPOLLO BASEの閉店を実感させられた。勿論チケットはとんでもない倍率だったと思う。APOLLO BASEに集まったキッズたち、きっと運をかなり使い込んでしまったと思うけど、それだけの、いやそれ以上の価値がこの日のライブにはあったはず。だってさ、いきなり「Remember」「Any」で始まる流れとかアンテナツアーじゃん。あの頃のあの流れじゃん。2022年にAPOLLO BASEでそれ観れる?それやっちゃう?お客さん、もうこれだけであなたの運は一生分使ったと思って下さい。

でさ、これは「あの頃シリーズでいくのかな」って思うでしょ。思ったでしょ。でもそこは流石の04 Limited Sazabys。彼らはライブバンドです。つまり今を生きるバンドです。今の04 Limited SazabysをAPOLLO BASEに見せつけないと意味がないんです。耐えて耐えて超えて来た景色をAPOLLO BASEに見せつけないと意味がないんです。APOLLO BASEの閉店はそりゃあもうめちゃんこ寂しい。だけど立ち上がる以外方法はないし、先に進むだけなんです。そいつが俺のやり方だって「My HERO」をギンギラギンに叩きつける04 Limited Sazabysの頼もしさったらないよ。「さらさらと流れてく戻れぬ日々を見ている」と歌う「Chicken race」も今の彼らからAPOLLO BASEに対するメッセージのように感じたなあ。

「前のワンマンはENTHがいたから、俺たちのアポロワンマン童貞喪失に立ち会ってください」とここで「Grasshopper」を持ってくるのもズルいし、04 Limited Sazabys 流のさよならソングである「fade」には涙腺が崩壊したし、「新しい歩幅で進む」という歌詞が響く「Jumper」ではAPOLLO BASEスタッフさんの表情を見てしまい溜まらなくなったし、RYU-TAがAPOLLO BASEで歌う「knife」には拳を上げてしまった。もう全力で04 Limited Sazabysだし、全身で受け止めたい。ふと思ったけどAPOLLO BASEでやってるんだよな。これは夢じゃないんだよな。あの頃、APOLLO BASEは04 Limited Sazabysにとって憧れの場所で、それこそ2013年のワンマンだってENTHという仲間にきびだんごを渡してついてきてもらったり、4人にとっては関門だったのだ。というか、名古屋バンドにとってAPOLLO BASEはひとつの指針であるのはあれから何も変わっていないと思う。「敷居が高くて中々出れなかった」「プレイガイドに名前が載るのが嬉しかった」と当時のことをGENが話していたけど、そのAPOLLO BASEを一瞬で売り切り、閉店間際に何年越しかのワンマンを行うなんて愛でしかないよ。

「あの頃なかった曲もやるし、あの頃あった曲もガンガンやる」と今の04 Limited SazabysがAPOLLO BASEに立っていることを宣言し「Now here, No where」「nem…」「Touch youe shape」「No way」と「あの頃」の曲たちを立て続けに披露するとフロアも暴れたくてウズウズしているように感じる。でもそこも2022年。あの頃には戻れないけど、先には進んでいるはずだ。新しい僕と新しい君の新しい歩幅って、新しい楽しみ方でライブハウスを思いっきり楽しむことだと思う。あの頃見た夢は溢れていますか。あの頃見た夢は醒めないままですか。自分自身に問うとどうだろう。醒めていないかな。でも目の前で、APOLLO BASEのステージで歌っている04 Limited Sazabysはあの頃抱いた夢を現実のものとした上でさらなる夢を追っている。「Milestone」を聴く度に自問自答するけれど、ギリギリのところで救ってくれるのが04 Limited Sazabysだ。「Lost my way」「escape」だって先に進むための覚悟をいつだってさせてくれる。そうやって僕たちをアジテーションする存在になっているんだ、04 Limited Sazabysが。

いや、待てよ。あまり褒めすぎるのもアレだからこの日の04 Limited SazabysらしいMCを記憶を遡って書いておこうと思う。APOLLO BASEの閉店だって言ってるのに出て来たのはう〇この話、長島スパーランドにdaipon(ENTH)とJUNE M(THREE LIGHTS DOWN KINGS)とコスプレして行った話、花粉症に悩む猿の話、脱毛の話など本当に何言ってんのって感じだけど、でもその感じもあの頃の04 Limited Sazabysっぽいのかな。だってYON FESやYON EXPOで脱毛の話はしないでしょ(笑)。続く「wednesday」も「Sleepwalking」もその頃からの幼馴染みたいな曲だからAPOLLO BASEで歌ってもらえて嬉しそうだったな。ライブ後半でGENは「出会うために別れる」と言っていた。春は別れの季節だけど、同じように春は新しい出会いも運んできてくれると思っている。04 Limited SazabysにとってAPOLLO BASEでの最後のライブの次のライブがYON FESであることだって僕は偶然とは思えない。そして今日、ここAPOLLO BASEに初めて来た人だってきっと居たと思う。その人たちがもしバンドを初めてライブハウスでライブをするようになったらAPOLLO BASEがそこになかったとしても、APOLLO BASEはそこにあると思う。ちゃんと別れて、また次に繋ぐ。それはこの日のライブで学んだことだ。旅はまだまだ続く。先に進む。この日、APOLLO BASEで観た「Feel」は一生忘れないと思う。そうやって先に進み続けて来た4人だからこそ歌える「Squall」も絶対忘れないと思う。そして最後の最後に轟音剛速球で投げつけるバイバイグッバイソング「capture」だって04 Limited Sazabysらし過ぎるお別れの挨拶みたいで何周もして泣ける。

アンコールではリクエストに応えまさかの「Silly song」を少しだけ披露。僕の記憶が正しければ最後にライブで「Silly song」をやったのはmonolith tourのE.L.Lワンマンだと思うから実に8年振り。これにはさすがに興奮した。でもそういう日だもんな。考えないようにしていたけどAPOLLO BASEの最後がいよいよ近い事を今更だけど察してしまったけど、最後に04 Limited Sazabysが「monolith」で文字通りモノリスをAPOLLO BASEに立ててくれたし、「message」の最後の「I’ll promise,I’ll be back」という歌詞がまるでAPOLLO BASEが歌っているように聴こえて、マスクの中で「待ってるぞ!」と何回も叫んでしまった。そうAPOLLO BASEは終わってなんかいないんだ。まだ夢は続くのだ。「APOLLO BASE、ここにあり」と言わんばかりにラストは名古屋のライブハウスの曲「758」でフィニッシュ。彼らが「名古屋の04 Limited Sazabys」と言い続け、それを地元のライブハウスが後押しする全てがこの曲に落とし込まれている。APOLLO BASEの閉店に駆けつけた04 Limited Sazabysからのメッセージは「先に進め」ということ。しっかり受け止めたでしょ。ならば答えはひとつ。絶賛販売中のAPOLLO BASEのTシャツをONLINEですぐに買…違う、まだまだ旅を続けよう。APOLLO BASEからまだまだ先へと。

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