インタビュー

老舗鞄屋勤務の「音楽フェスフリーク」による新ブランドUNDERTHESUNの新提案。光触媒×実用性で太陽を味方にするバックパックを作り上げる【インタビュー】

創業132年を迎えた名古屋の老舗鞄屋「株式会社水野鞄店」が新ブランド「UNDERTHESUN」を立ち上げた。ひょんなことからSNSでUNDERTHESUNを知り「名古屋に鞄ブランドが出来るのか」とフォローしたのだが、気付いたらそのブランドの立役者である伊藤翔太という人間に夢中になっていた。鞄の情報を見たかったはずが彼のブログでは音楽の話ばかりだし、音楽やフェスに対する愛を鞄作りに落とし込むその姿勢を日々追うことで、いつの間にか鞄を通してひとりの人間の人生を追っているような気になっていたのだ。彼がUNDERTHESUNで作ろうとしている物は「安心してフェスやライブに行ける鞄」だ。コロナ禍以降、フェスやライブに行けず悶々とした日々を過ごした音楽ファンの気持ちを反映したバックパックを作り上げたUNDERTEHSUN。既に音楽好きの間でも話題になっているが、このバックパックを背負い、太陽の下で音楽を思いっきり浴びることを想像するだけでワクワクする。UNDERTEHSUNが作る鞄は勿論、老舗鞄店勤務とは思えない伊藤氏のキャラクターも含め今後も2YOUでその動向を追っていきたいと思う。

interview by 柴山順次

2YOU:まずは自己紹介をお願いします。

伊藤:名前は伊藤翔太と申します。名古屋で132年目を迎える老舗鞄メーカー、株式会社水野鞄店で働いております。嫁1人、娘1人です。

2YOU:そこまでは聞いていません(笑)。UNDERTHESUNは水野鞄店による新ブランドですが、じゃあなぜ音楽媒体がUNDERTHESUNにインタビューをしているかというと、伊藤さんに興味があったからで。

伊藤:ありがとうございます。変わってますね。

2YOU:そう、伊藤さんが本当に変わっているんですよ。たまたまSNSでUNDERTHESUNの記事を見つけて「名古屋で新しい鞄ブランドが始まるんだ」と思ってフォローしたんです。でもUNDERTHESUNの情報と同じ熱量で伊藤さんが音楽の話をしているのが気になって。

伊藤:あははは。

2YOU:それでコンタクトを取らせて頂いたのですが、伊藤さん、相当音楽好きですよね。

伊藤:好きですね。最初は世代的にモーニング娘。を聴いていたんですけど、母親に聴かせてもらったDIR EN GREYに衝撃を受けまして。そこからメタルやヴィジュアル系に系統していったのが音楽にハマったきっかけですね。

2YOU:今おいくつですか?

伊藤:32歳です。

2YOU:なるほど。DIR EN GREYやSlipknotやMarilyn Mansonがカルチャーとして同列に聴いていた感じですか?

伊藤:そうですね。子供ながらに海外ではメタルと呼ばれているものが何故日本だとヴィジュアル系と呼ばれるんだろうって思っていました。「みんなMarilyn Mansonじゃん」って(笑)。その後、DIR EN GREYはずっと聴いているのですが、ヴィジュアル系から洋楽に流れていきました。それこそSlipknotもよく聴いていましたね。僕、桑名という小さな町に住んでいたので「この町で俺が一番音楽を知っている」と思っていたんですよ。でも愛知の大学に行ったら「俺が一番だ」と思っている奴が勢揃いしていて(笑)。その中にLed ZeppelinやBlack Sabbathが好きなネパール人の友達がいたんですよ。彼と出会ってから僕の音楽の幅も広がっていきました。

2YOU:学生時代は将来の夢とかはありましたか?

伊藤:大学の頃から今もバンドをやっているのでずっと音楽は好きなんですけど、音楽業界に進むというのは頭になくて。大学を出て最初に就職したのは家具屋です。その後は日本茶の営業をしていました。

2YOU:日本茶の営業でその髪型は大丈夫だったのですか?

伊藤:日本茶の営業の頃はもう少し普通の髪型でした(笑)。

以前は日本茶の営業をしていました

2YOU:水野鞄店で働き出してどれくらいですか?

伊藤:今ちょうど4年半ぐらいですね。そこで自分の好きなことをやりたいと思いUNDERTHESUNを立ち上げたのですが、元々ゼロイチの作業が好きなのでゼロから鞄を作りたいと思って。きっかけはもう完全にコロナです。フェスが中止になったりする中で感じたことを鞄屋として鞄という形で伝えていきたいと思ったことがUNDERTHESUNを始めたきっかけなんですよ。

2YOU:2020年、2021年はコロナ禍でフェスが軒並み中止になりました。その結果、太陽の下で音楽を聴く機会もなくなってしまって。そういった状況に対して伊藤さんがUNDERTHESUNを掲げて鞄を作っている姿に感銘を受けたんですよね。

伊藤:ありがとうございます。地球に太陽があって、人間がその下にいるということは人類全てにおいて基本的な日常じゃないですか。その日常を取り戻したいんです。UNDERTHESUNというのは「太陽の下にいるということ」つまり「日常を取り戻す」というメッセージも込めているんです。ちなみに「UNDER THE SUN」じゃなくて「UNDERTHESUN」なのは、「繋がりを繋ぐ」というブランドコンセプトもあって単語を繋げて一つの言葉として打ち出しています。

2YOU:UNDERTHESUNの第1弾リリースとなるバックパックを見せて頂きましたが、かなり細部まで拘った物作りに脱帽しました。今回、伊藤さんはどのようなバックパックを作りたかったのでしょう?

伊藤:まず最初に考えたのがビールが入るものを作りいなってことでした(笑)。太陽の下で音楽を聴くのに付随してくるのって僕にとってはお酒なんですよ。なのでこのバックパックの一番大事なポイントはお酒が冷えたまま飲めることなんです。保冷剤専用のポケットも付いているので、単純な保冷ではなく継続して冷やせる仕様になっています。

ビールもばっちり

2YOU:生地にも相当拘ったようですが。

伊藤:光触媒という国産の生地を使っています。これもUNDERTHESUNというブランドの在り方を考えたときに太陽と絡めたいなと思いまして。それでせっかく外に行くんだったら外に行くこと自体がプラスになるような何かを鞄に付けたかったんです。

2YOU:光触媒という生地はどのような効果があるのですか?

伊藤:光触媒は太陽の光でウイルスを分解したり感染力を弱める効果を持っているんですよ。光触媒は家具屋で働いているときに老人施設の家具で使っていたんですけど、それを思い出して今回のバックパックに使うことにしました。気持ちの部分で「外に出よう」と思ってもらえる物を作りたかったし、UNDERTHESUNの鞄を持って外に出たいと思ってもらえたら嬉しいですね。

UNDERTHESUNを持って外に出よう

2YOU:サイズ感もばっちりですよね。かなり容量もあると思いますが。

伊藤:一泊二日だったら余裕ですね。あと、これだけ容量があっても背負い心地が良いんですよ。僕、並ぶのが嫌なのでフェスでクロークを使わないんですけど、そうなると基本的にバックパックをずっと背負っていることになるじゃないですか。だから背負い心地はめちゃくちゃ気にしたくて、背中と肩と腰に厚手のパットを入れてるんです。うちの会社がランドセルも作っているのですが、ランドセルってパットで背中を押し出すことで姿勢が良くなって鞄が軽く感じるんですよ。そのノウハウを取り入れたくて厚めのパットを入れました。だから背負ったままでも疲れにくいんですよ。

2YOU:今初めて伊藤さんが本当に鞄屋さんなんだなと思いました。

伊藤:やっと鞄屋らしい話が出来ました(笑)。

鞄屋…

2YOU:数日前に見せて頂いたサンプルから27箇所改良があると伺いましたが。

伊藤:妥協したものを世に出したくないんですよね。スケジュールが少し遅れたとしても拘る部分は拘らないと駄目だと思うんです。それだけ拘って作ったものだから我が子のように可愛いですよ。愛しくて仕方ない。ベビーカーに乗せて散歩に行こうかなと思うぐらいです(笑)。

2YOU:上げたらキリがないですけど、例えばこの雨蓋の形とかもかなりDIR EN GREY感がありますよね。

伊藤:あははは。色んな要素が重なって鞄ひとつの世界観を構築させているので、そこは確かにDIR EN GREYの影響が大きいと思います。全てにおいて意味がないと嫌なんですよね。びっくりさせる仕組みがないと面白くないなって。雨蓋の部分も雨が入ってこないような仕組みになっているんですよ。こういうひとつひとつに名前を付けていこうと思っています。

2YOU:ちなみにこの雨蓋の名前は?

伊藤:雨蓋、レイン、そうですね。この雨蓋はENDLESS RAINです。雨がエンドレスで振り続けてもガードするので(笑)。

2YOU:素晴らしいです。ではこのバックパックを音楽ジャンルで例えると?

伊藤:音楽ジャンルで言えばシューゲイザーですね。

2YOU:言われたらMy Bloody Valentine感があるのかも…。

伊藤:ノイズの嵐ということで(笑)。

2YOU:でも本当に音楽好きな人に使ってもらいたいですよね。

伊藤:本当に。ターゲットとして音楽好きな人に向けて作った部分もありますから。だけど普通にビジネスバッグとしても使えるし、タウンユースでも使えるギミックも織り込んでいるんですよ。UNDERTHESUNを語るときに「フェス」というワードはずっと出てくると思うのですが、フェスに行ったことのない人がUNDERTHESUNを通してフェスに行くきっかけになったら最高じゃないですか。そうやってフェスや音楽への入り口としてUNDERTHESUNを使ってもらえたらめちゃくちゃ嬉しいです。そのきっかけにUNDERTHESUNがなれたらなと思っています。

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