インタビュー

STINGRAY【インタビュー】

2010年10月10日ドットの日に、カメラマンの橋本塁、当時チャットモンチーとして活動していたacco、KONCOSのTA-1の3人によりスタートしたブランド、STINGRAY。ドットオンリーというその大胆なコンセプトと多方面で活躍する個性豊かな主宰メンバーの人気も伴ってブランドスタートと共にライブハウスシーンを中心に話題となり、フロアにドットを浸透させ続けてきた訳だが、ブランド設立より10周年を迎えまさかの新メンバーとしてBiSのメンバーとして活動していたAyanaの加入を発表。まるでバンドの紹介のようになったがこれがブランドであることがSTINGRAYの面白さだ。現在、10周年を記念した期間限定ショップとして全国を周っているSTINGRAY。ブランド設立から現在に至るまで、メンバー大集合で話を訊く。

 

2YOU:STINGRAYが10周年を迎えたとのことですが、元々どのように始まったのですか?

橋本塁:当時SOUND SHOOTERを3、4年やっていたくらいのタイミングだったんですけど、その頃から僕はドットが好きだったから写真を撮るとき用のドットの肘当てが欲しかったんです。だけど探しても見つからなくて。それで作ることにしたんですけど、どうせなら水玉だけの極端なブランドをやったら面白いかもなって思って。それで撮影していた当時Riddim SaunterだったTA-1と、よくライブハウスで会ってたaccoを誘ったのがSTINGRAYの始まりです。

acco:その頃ちょうどチャット(チャットモンチー)をお休みしてた頃で、謎に塁くんのアシスタントをするのにハマってたんですよ(笑)。

橋本塁:数回アシスタントしてくれたよね(笑)。

acco:ライジングサンのアシスタントとかやったもん(笑)。

橋本塁:そういうノリがaccoとは合うなって。ふたりは特別ドットが好きってわけじゃなかったけど、一緒にやったら面白いだろうなって。

 

2YOU:なんて面子で、なんて極端なブランドを始めるんだって驚きましたからね。

橋本塁:流行りとか全部無視してドットだけっていう(笑)。しかもこの面子で(笑)。

TA-1:色々濃すぎますよね。

橋本塁:それで2010年の10月10日、ドットの日にスタートしたんです。でも普通のブランドじゃないから展示会も卸もなしで。展開するのは僕がやってる春の写真展のポップアップスペースと通販くらいっていう。ちゃんとやったのって1周年のときに原宿のkit galleryでポップアップをやったのが初めてじゃないかな。

acco:そっか、あれが初めてだ。

橋本塁:2011年の秋くらいだったよね。

 

2YOU:それ以降はポップアップのイメージも強いというか、各地を周って販売するスタイルを作り上げましたよね。

橋本塁:中々ないスタイルですよね(笑)。ポップアップを各地でやるようになったら色んな友達が来てくれるようになって、その様子をSNSに上げることでSTINGRAYがジワジワ拡がっていったんですよ。それから3年目くらいまではCandy Stripperとコラボをしたり、THE BAWDIESやLEGO BIG MORLとコラボしたり、自分達のペースは崩さないまま色んな人とコラボしながら、春の写真展と秋のポップアップでSTINGRAYを持って全国を周るのが年間のスケジュールになっていきました。

 

2YOU:STINGRAYとしてのイベントも色々行ってきましたよね。

橋本塁:5周年のイベントを新代田FEVERでやったときにacco はくもゆきを結成したんだよね。

acco:懐かしい。周年きっかけでバンドを組むとか凄いよね(笑)。

橋本塁:初期のKONCOSにも出てもらって。そうやってSTINGRAYのメンバーと一緒にイベントをやれるのも面白かったですね。

 

2YOU:TA-1さんとacco さんは当時STINGRAYに誘われて如何でした?

TA-1:僕は前からSOUND SHOOTERのデザインを手伝ったりしていたので自然な流れでしたね。

橋本塁:当時まだTA-1はRiddim Saunterをやっていたし、僕もRiddim Saunterもハイペースで自分のやりたいことをやるタイプだから負担になるようなことはしたくなくて。それでロゴやグラフィックをお願いしていたんですけど、TA-1の活動をSTINGRAYで制限したくなかったんですよ。TA-1にはTA-1のシーンがあるから、TA-1がSTINGRAYをやってることは知らない人は知らなくていいというか。なんとなくジャンルの住み分けみたいなのもあって。Accoは当時チャットモンチーをやっていたし、僕はロキノン周りの写真を撮っていて、そこにアンダーグラウンドで活動するTA-1もいる面白さというか、その変なバランスが面白いと思ったんですよね。そのバラバラな3人が集まってSTINGRAYをやってるっていう。

acco:だからTA-1くんからOKが出たときびっくりしたもん。

TA-1:ROCKIN’ON JAPANも全部断ってましたからね。出ねえよって。

acco:あははは。バキバキにロキノン周りの人がやってるブランドなのに(笑)。

TA-1:塁さんの誘いだったら全部やりますよ。

橋本塁:あははは。でも本当に邪魔だけはしたくなかったのよ。STINGRAYのことはTA-1のシーンでは知られなくて全然いいっていうか。アンダーグラウンドで活動するかっこいいバンドが実はオーバーグラウンドで活動するバックバンドをしれっとやってるみたいな。そのニュアンスでやりたくて。

acco:そのブランディングをアパレルでやるのってハイブランドがやる手法だよね。「実はあの人がやってるらしい」みたいな。

橋本塁:ファレルとかね(笑)。それで広告とかも一切やらないでひたすらポップアップを10年続けるっていう。しかも全国どさ回りスタイルで(笑)。STINGRAYを着てくれる人もメンバー各々のファンと、僕が撮ってるバンドのファンが春と秋にポップアップに来てくれるサイクルが出来ていて。それがSNSで口コミ的に拡がっていった感じですね。

 

2YOU:10周年のタイミングで新メンバーとしてAyanaさんが加わったのもサプライズ過ぎて驚きました。

橋本塁:ちょっとこのタイミングで刺激が欲しかったんですよ。Ayanaちゃんとは2、3年前に繋がったんだけど、BiSが解散して「これから何するんですか?」って聞いたら何も決まってないって言うからノリで「STINGRAYに参加しません?」って声をかけたんです。それが去年の7月くらいなんだけど、僕とTA-1とaccoの定例飲み会で提案をして。

acco:めっちゃびっくりしました(笑)。

橋本塁:でもそこから結局1年くらいは会ってなくて、今年の7月の撮影でみんなは初めて会ったんだよね。

acco:だからめっちゃ最近ですよ。良い子で良かった(笑)。

 

2YOU:ブランドに新メンバー加入って、考え方がバンドですよね。

acco:確かにめっちゃバンドっぽい(笑)。

橋本塁:世代もジャンルも違うAyanaちゃんの加入は刺激しかないなと。あと平均年齢を若くしたかったっていうのもあります(笑)。

 

2YOU:10年前、3人がドットに身を包んで登場したときと同じ衝撃を、10年経ってまた感じられたのはグッときました。しかもAyanaさん加入という誰も想像していなかった角度からのぶっこみ方で。

acco:めっちゃナイス人選って思いました(笑)。そこいく?そこも知り合い?って(笑)。

 

2YOU:元々どうやって出会ったのですか?

Ayana:高校生の頃からSTINRAYは知っていたんですよ。可愛い服がいっぱいあるなって。あとバンドが好きだったので、バンドマンがよく着てる印象もあって。

TA-1:それが高校生の頃かあ(笑)。

Ayana:それでBiSをやっていた頃に大阪のポップアップに遊びに行ったんです。それで声もかけずに帰ろうとしたら塁さんが話しかけてくれて。

 

2YOU:STINGRAYに誘われたときはどう感じました?

Ayana:私でいいんですかって思いました。BiS解散後は本当になにもしていなかったので。

 

2YOU:BiS解散以降、他のメンバーの活動がどんどん決まる中、Ayanaちゃんだけは情報がなかったのでSTINGRAYに加入のニュースは各所に衝撃を与えましたよね。

acco:地元の友達からめっちゃ電話きましたもん。「ゴ・ジーラ?」って(笑)。

Ayana:あははは。嬉しい。

 

2YOU:しかも母親になっての参戦という。

橋本塁:パンチありすぎますよね(笑)。

Ayana:気付いたら子供を産んでました(笑)。

 

2YOU:10年やってきてSTINGRAYをどんなブランドだと思っていますか?

橋本塁:所謂アパレルブランドとは思っていないかもしれないですね。展示会もないし卸もないし。僕らはミュージシャンだったりカメラマンっていう本業がそれぞれあって、その合間に集まってやる社会人バンドみたいなノリが逆に強みなのかもなって思います。サークル活動というか。アパレルブランドと違って流行を追い求める必要もないので好きなことだけやってればいいし。

TA-1:STINGRAYは本当にずっとドットですからね。

橋本塁:凄く小さな規模間のセントジェームスになりたいんですよ。

 

2YOU:ボーダーといえばセントジェームス、ドットといえばSTINGRAYっていう。

橋本塁:だけどドットにはコムデギャルソンや草間彌生さんっていう先人がいますからね。

TA-1:でもその次は絶対塁さんですよ(笑)。

 

2YOU:ドットを着ていると「STINGRAY?」って聞かれますしね。

橋本塁:街でギャルソンを着てる人を勝手にSTNGRAYだと思う人もいるみたいで、謎のプロモーションにもなってるっていう(笑)。

 

2YOU:草間さんがSTINGRAYを着てる姿を見てみたいですね。

橋本塁:それは一番面白い(笑)。

acco:あとSTINGRAYを着てる人を見ると自分でやってるブランドなのに「STINGRAY好きなんですか?」って声をかけたくなるんですよ。好きなバンドのTシャツを着てる人に会った時と同じ感覚なのかも。

 

2YOU:CREW感がありますよね。「あ、仲間だ」みたいな。

橋本塁:そうなんですよね。さっきaccoも言ってましたけど、そこはやっぱりバンドTに似てるのかなって。この10年でフェス文化が確立して、フェスに行くときってオフィシャルTシャツかお目当てのバンドTシャツを着ていくと思うんですけど、好きなバンドが沢山出て着るTシャツが選べないときにそのバンドの共通点としてSTINGRAYを選んでくれるお客さんが多くて。それをブランドの名前とかロゴじゃなくてドットという柄で認知させるっていう。

acco:塁くんのマーケティング、半端ない(笑)。

TA-1:そういう話を普段は全くしないから初耳だらけですね(笑)。興味ないわけじゃないんですけど(笑)。

橋本塁:いや、TA-1は興味なくていいんだよ。STINGRAYは良くも悪くも僕が勝手に進めちゃうから。

TA-1:10年間任せっきりです(笑)。

 

2YOU:そのバランスが10年続いた秘訣なのかもしれないですよね。10周年を迎え、Ayanaさんも加わり、今やってみたいことってあったりしますか?

橋本塁:DIYな草の根活動で全国を周るやり方って意外とどのブランドもやっていないんですけど、このモデルケースは続けていきたいですね。昔は「うちに卸してください」ってオファーもめちゃくちゃ頂いたしコラボのお誘いも本当に沢山あったんですけどほぼ断ってDIYを貫いてきたんですよ。やっぱり自分の手を離れたところで展開は出来ないなって思うので。思いっきり売れたら今度は絶対落ちるじゃないですか。そうじゃなくて、STINGRAYはthe pillows方式でずっと現状維持みたいな、それが理想ですね。その現状維持を30年続けたら、振り返った時凄いことになってるんじゃないかなって思います。その為にもSTINGRAYを止めたくもないし、派手な動きもしたくないんです。そのスタンスでやっていく中でラフォーレ原宿でポップアップをしたりアディダスとコラボしたり出来ちゃうのが刺激的だなって。

 

2YOU:この10年で生活にも根付いてきましたよね。ドットの代名詞になったこともだし、春や秋になると「そろそろSTINGRAYの季節だな」って思ったり。

橋本塁:季節で思い出すブランドってないですよね(笑)。

TA-1:「そろそろSTINGRAYの季節だな」って面白いですね(笑)。

acco:年に2回やってくる水玉集団(笑)。

 

2YOU:Ayanaさんは加入したばかりですがやってみたいことはありますか?

Ayana:やってみたいことかあ。なんだろうなあ。

橋本塁:きっとみんなないんですよ(笑)。そこを振るのが僕の役目なんです。例えばAyanaちゃんだったら「キッズラインとかどう?」とか。それもみんなの負担にならない程度に。これくらい力を抜いてやるのがSTINGRAYっぽいのかなって。だから本当に仕事ノリじゃなくてサークルのノリです。だからブランドって名乗るのも実はおこがましいんですよ。だってブランドをやることってこんなに緩くないですから。だからSTINGRAYはサークルです(笑)。

acco:あ、私やりたいことある。

橋本塁:お!なになに?

acco:社員旅行に行きたい!

TA-1:あははは。昔、行ったねえ。

acco:Ayanaちゃんも入ったし、物販のみんなも一緒に旅行に行きたい。

橋本塁:2年目のときに札幌に行ったんですよ。

Ayana:楽しそう!

acco:台湾も行ったよね。

橋本塁:台湾はヴィレッジヴァンガードとのコラボの撮影も兼ねて行ったんだけど、楽しかったね。

acco:この面子で行ったら絶対に楽しいと思う。

TA-1:旅行も行きたいし、みんなで三茶で飲み会とかしたいですね。ブランドを10年やってきて今後のやりたいことが旅行と飲み会っていう(笑)。

橋本塁:でもそれがSTINGRAYかもね。4人が楽しくなかったらやる意味もないし。

TA-1:楽しいことをずっと続けていきたいですね。

橋本塁:アマチュアのままでね。

 

2YOU:草野球チームで大リーグと戦うみたいな。

橋本塁:そうそう。アマチュアなのに大リーグとたまに交流試合出来るくらいの感じがSTINGRAYなのかもしれないですね(笑)。

interview by 柴山順次

 

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12.01(tue)-12.06(sun) 名古屋 栄 A-1

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