インタビュー

SpecialThanks【インタビュー】

SpecialThanksというバンドはこれまでも進化を重ねてきた。前作『Anthem』でもMisakiはまた何かを掴もうとしていた。その『Anthem』を経て、今作『HEART LIGHT』で彼女に芽生えた感情は「ロックスターになりたい」というものだった。話を聞くと、Misakiのいうロックスターの定義とは一音鳴らすだけで、一声発するだけで、ハートを撃ち抜くことだという。それは無意識でありながらMisakiがずっと体現してきたことでもある。無自覚なロックスターがロックスターになろうとしている。ずっとこの時を待っていた。自然に興味を持ち、物作りに目覚め、音楽以外のことから多くを吸収した彼女がとても活き活きとした表情で語る今の自分とは。SpecialThanksの光に満ちたミニアルバム『HEART LIGHT』耳を澄まして聴いて欲しい。

Q.今回のアルバム、めちゃくちゃロックだなと。

Misaki:嬉しい。まさにロックなアルバムを作りたかったんですよ。

Q.「SUNNY CLUB」を聴いてびっくりしました。ギターのリフもMisakiちゃんの歌も超ロックしてる。

Misaki:そうなんです。めちゃくちゃロックなんです。私にとっての王道ロックをやってみたくなったんですよ。

Q.何かきっかけがあったのですか?

Misaki:ステージに立つ人間として、ステージに立ってる以上はロックスターになりたいなって思ったんです

Q.ロックスター?

Misaki:そう、ロックスターになりたいんです。その為にもロックな曲を書こうと思って。

Q.Misakiちゃんが思うロックスターってどんな人ですか?

Misaki:音を鳴らしただけでとか、声を発しただけで聴いている人のハートを撃ち抜けるくらいの何かを持っている人がロックスターだと思います、

Q.なるほど。でもそれってMisakiちゃんのことじゃないですか?僕は初めてMisakiちゃんの歌を聴いた瞬間、一瞬で撃ち抜かれましたよ。

Misaki:本当ですか?それだったらすごく嬉しい。

Q.昔、それこそ10年前くらいにSpecialThanksのレコーディングにお邪魔したの覚えていますか?

Misaki:覚えています。お寿司を持って来てくれました。

Q.そうそう(笑)。あのときにMisakiちゃんがブースに入って歌い出した瞬間のスタジオの空気の変わり方は未だに忘れられないですから。そういう意味ではMisakiちゃんもロックスターだと思いますよ。そのロックスターがロックスターになろうとしているのが凄く嬉しいです。

Misaki:きっかけが何かあった訳じゃないんですけど、ふとそう思ったんですよ。

Q.具体的に誰かに憧れてとか、誰かに触発されてとかではなく?

Misaki:はい。ステージに立った時に直感というか、凄く純粋な気持ちでロックスターになりたいって思ったんです。去年『Anthem』を作ったときは結構色々考えて作ったんですけど、今回は初心に返って、ただロックがしたいと言う衝動だけで作ったアルバムなんです。でも面白いなって思ったのは当時と同じ気持ちで作ってもあの頃とは同じものはならなかったんです。それは私達が色んな経験をしてきたからだと思っていて。昔と同じ気持ちでやっても身に付いてきたものは作品に出んだなって。だから今、こういう気持ちで音楽をやったらどんな曲が出来るか自分でも聴いてみたかったのかもしれません。

Q.あの頃の気持ちで今のSpecialThanksを鳴らしたアルバムなのかもしれないですね。

Misaki:ああ、そうだと思います。やっぱり全然違いましたね。

Q.歌詞のテーマもかなり変わりましたよね。今作は大きなテーマとして自然やエネルギーと向き合っている歌が多い気がしました。

Misaki:歌っている事は昔と比べるとかなり変わったと思います。前は日常生活に溶け込むようなことを歌っていたと思うんですけど、今は自然とかパワーとかエネルギーとか、そういうものに興味を持っていて。

Q.それはどういうところから?

Misaki:最近「糸つなぎ」というものにハマっていて。

Q.糸つなぎ?

Misaki:綿を育てて、その綿を糸にして、それを機織りしてギターのストラップを作ったりしてるんですよ。そういう物作りに目覚めて。ここ最近、私の周りに音楽以外で物作りをしている人達が沢山現れたんですよ。そういう人達と出会って凄いなって思って。

Q.「DOUNARUNO!?」のときに言っていた「ときめきアンテナ」が反応したと。

Misaki:そうなんです。それが今やっと出来るようになったなって。何かをやりたいと思ったら1歩進んでやってみることって、今まで中々出来なかったんですけど、今はそれが出来るんです。藍染めをしたり。そういうプライベートで挑戦してみたことがエネルギーになって音楽に返ってくるんですよね。

Q.音楽にしか興味のなかったMisakiちゃんが(笑)。

Misaki:自分でもびっくりしてます(笑)。昔の自分だったら音楽以外のものに興味なんて示さなかったと思いますから。でも結局色々やった結果、結局音楽が一番私に向いてるんだなってことも分かりました。歌詞を書いて曲を書いてギターを弾いて歌を歌うことが私っぽいなって。それが分かったことも大きいですね。

Q.それは色んなことに挑戦したからこそ気付けたことですよね。何もやっていなかったら多分このアルバムは出来ていないと思います。

Misaki:めちゃくちゃそう思います。全部このアルバムに活きていますね。

Q.その中で、今作のテーマでもある自然というものに対する気持ちはどういう部分からインスパイアされたのですか?

Misaki:色んな物事を考えたときに自然から魂を貰っていることって凄く多いなって思ったんです。水もそうだし宇宙もそうだし。そう思ったときに表現したいことが溢れ出てきて。私、最近改めて思うのが、作詞作曲をして歌えることって本当に幸せだと思うんですよ。そうやって自分から生まれたものが自然と共鳴して、自分から生まれてきたものを表現出来るのって、本当の自分にしか出来ないじゃないですか。なので自分が表現したいことを表現出来ていることが凄く嬉しいんです。

Q.そうやってMisakiちゃんが表現したことに共感してくれるリスナーがいることも幸せなことですよね。

Misaki:めちゃくちゃ幸せです。不思議だなって思います。

Q.不思議?

Misaki:例えば私達がSNSとかでライブ告知をして、それを同じ時間に違う場所でその情報を知った人達が「行きたいな」と思ってくれて、そのエネルギーを持った人達がそのエネルギーを持ったまま、ライブ当日にひとつの場所に集まってくることって凄く幸せだし不思議なことだなって私は思うんです。そういう意識が芽生えたことも自分の中では大きかったりしますね。

Q.そういう意識の変化はいつ頃から芽生えたのですか?

Misaki:自分でははっきり分からないんですけど、たぶん『Anthem』を作っている頃から少しずつ変わったのかもしれないですね。

Q.確かに『Anthem』も今作も以前とは歌の表情も違いますからね。

Misaki:私もそう思います。歌っていて活き活きするんですよ。

Q.「SUNNY CLUB」のMisakiちゃんは思いっきり太陽を浴びてロックしてますからね。

Misaki:私、太陽が大好きなんです。日向ぼっことか(笑)。この曲で歌っていることでもあるんですけど、みんながそれぞれの心の中から湧き上がるものを表現出来たら素晴らしいなって思うんですよね。心の声に耳を澄まして生きて欲しいという思いが凄くあるんです。自分もそういうことを最近発見したので、みんなそれぞれが自分を可愛がってあげて、何よりも自分の心の声に耳を澄ませば世界が変わるんじゃないかなって思うんです。それが生きることだと思うんですよね。生きてることって素晴らしいし、生きてることに感謝していますから。SpecialThanksです(笑)。

Q.この曲ではMisakiちゃんのラップも聴けますが。

Misaki:あれ、ラップしてるんじゃないんです(笑)。私が思うに、日本語を早いビートで詰め込んで歌ったからラップになっちゃったんだと思います(笑)。

Q.しかしMisakiちゃんの日本語に違和感を感じなくなってきましたね。最初は歌詞の一節に日本語が入っただけで大騒ぎしていたので(笑)。

Misaki:あははは。ようやく日本語に鳴れてきましたね。だからやっとスタートラインに立ったかなと。最初は自分でもやっぱり少し違和感があったんですよ。だけどその違和感が亡くなったのでここから更に詰めていければなと思っています。

Q.日本語や歌の表情の変化はコンスタントに弾き語りをやるようになったことも大きいのではないですか?

Misaki:確かに弾き語りをやるようになって変わったと思います。やっぱりずっとバンドばかりやってきたのでアコースティックはまだまだ下手くそなんですけど、最近は月に一本くらいはアコースティックのライブをやるようにしていて。それが結果的にSpecialThanksに反映されているんだと思いますね。

Q.Misakiちゃんがロックスターになりたいっていう気持ちも、歌の表情や意識の変化も、色んなことを含めて今MisakiちゃんはSpecialThanksの歴史の中で転換期なのかもしれないですね。

Misaki:そうですね。「もっともっと!もっともっと!」って思っています(笑)。これまでSpecialThanksで私の頭の中にあるイメージを形にしていく作業をずっとしてきて、それがどんどん思い通りに出来るようになってきたんですけど、そんな中でアコースティックをやってみたらまだまだ出来ないことが見つかったり、まだまだ知らないことが沢山あることを知ったので、今本当に楽しいですよ。もっともっとロックしたいしロックスターになりたいです、私。

Q.Misakiちゃんの口からロックスターになりたいなんて言葉が聞けるなんて思っていなかったから嬉しいですよ。

Misaki:ロックしたいです!

Q.Misakiちゃんにとってロックすることってどんなことですか?

Misaki:ロックには陰と陽があると思っているんですけど、ライブハウスにはその陰と陽が入り乱れていると思うんです。ライブハウスでネガティブを発散してポジティブに変える人もいるだろうし。そういう色んな感情が入り乱れているライブハウスでもしかしたら私の歌はそのどちらも照らす光になれるんじゃないかって思ったんです。

Q.おお!

Misaki:正直、煙草臭いし、汚いし、うるさいじゃないですか。でも私にはそれが大事な場所で、ライブハウスのステージに立つことで、私がロックスターになることで、光を与えられるのかなって。私自身もライブハウスのステージに立つことで生きている実感が沸くんじゃないかって。そう思ったときにロックスターになりたいと思ったんです。

Q.Misakiちゃん、やっと気付いてくれましたね。Misakiちゃんの歌は昔から地下の薄暗い汚いライブハウスにおいて光だったんですよ。でも本人が全く無自覚で。

Misaki:私、ずっと自分の為だけに歌っていたんですよ。バンドをやっていても、歌詞を書いていても、歌を歌っていても、私さえ気持ち良ければいいと思ってやってきたんです。それがロックだと思っていましたし。でも『Anthem』くらいから段々SpecialThanksが私だけのものじゃなくて、私とあなたの為のバンドになってきたんです。だから私はロックスターになりたいんです。


Misaki (Vo.Gt.)
Chikai (Gt.Cho.)
Hiromu (Ba.Cho.)


HEART LIGHT
2018年2月21日発売
KOGA-208
1,500円(+税)

【SpecialThanks “HEART LIGHT” Release Tour】
3/04(日) 名古屋CLUB ROCK’N’ROLL w/ noodles
3/17(土) 高松「SANUKI ROCK COLOSSEUM」
3/18(日) 熊本「HAPPY JACK 2018」
4/29(日) 長野県 上田Radius
5/13(日) 秩父 ladder ladder
5/26(土) 大阪 pangea
6/24(日) 福岡 Queblick
7/21(土) 新代田 FEVER 【TOUR FINAL】

http://www.specialthanks777.com/

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