インタビュー

ONIGAWARA【インタビュー】

レペゼン西三河のスーパー J-POPユニットONIGAWARAが『ONIGAWARAの元気が出るEP』に続き早くもニューミニアルバム『シーサイド・ミラージュ』をリリースした。フリーランスとなり更に勢いを増したONIGAWARAは自主企画開催や楽曲提供など幅広く活動中。そんな彼らが作り上げた今作『シーサイド・ミラージュ』はズバリ「夏盤」。どこからどう聴いても夏!夏!夏!なコンセプトアルバムとなっている。事務所を離れ、持ち前のフットワークで音楽をクリエイトする斉藤伸也と竹内サティフォに話を訊く。

 

Q.隅から隅まで清々しいほどの夏盤ですね。

竹内:もう今作は思いっきり夏盤が作りたかったので、それ以上もそれ以下もないです。

斉藤:竹内メンバーはかなり前から夏盤を作りたいと言ってたんだけど、中々実現出来なくて。

竹内:毎年夏には「鬼ヶ島リゾート2マンツアー」って企画もやっているじゃないですか。でもレーベルのリリースタイミングとかもあって出せなくて。だから今回自分達のタイミングで夏盤が出せたので、フリーランス最高だなって(笑)。

斉藤:曲も今まで以上に自由に作ってますからね。作りながら「大丈夫かな?」って思うくらい自由なので(笑)。

 

Q.「Sweet Seventeen」なんて自由の集大成ですから。

斉藤:あははは。これは竹内メンバーからデモが着たとき、マジで「大丈夫か?」って思った(笑)。

 

Q.セクションで言ったら4、5曲で1曲みたいな構成ですが。

斉藤:元々は全編ギターポップの5分くらいの曲だったんですよ。そのつもりで竹内メンバーから届いたデモを聴いたらとんでもないことになっていて(笑)。

竹内:最初のギターポップみたいなフックの部分は内電気の頃からあったんですよ。でも山下(竹内電気)の声に合わなくて眠っていたんです。でも何故かこのタイミングで斉藤が「あれ、やらない?」って言ってきて。それで再構築しているうちにどんどん変わっていって、元の歌詞にあった「17歳」という言葉に着目して自分が聴いてきた音楽の遍歴を並べてみるという暴挙に出たんです(笑)。

 

Q.ギターポップからデジタルロックに流れ、ヴィジュアル系からメロコア、ヒップホップに繋がっていくのはどの時代を過ごしたか分かり易いですよね。

竹内:同世代には共感してもらえるかと(笑)。

 

Q.面白いのは、ジャンルに特化した歌詞をハメているから、何を歌っているのか意味が全然分からない(笑)。

斉藤:あははは。

竹内:俺も分かってないですから(笑)。

 

Q.ヴィジュアル系のセクションなんて「狂おしく」とか「揺らめいた」とか言いたいだけだろうなって。

竹内:もうその通りで何も言えない(笑)。

 

Q.ある意味、あるあるソングですよね。「メロコアならこれ!」「ヒップホップならこれ!」みたいな。

斉藤:アレンジに関してはあるあるソングかもしれないですね。テンポだけ一定のBPMにして、その上でどう遊ぶかっていう。

 

Q.曲の中で2人がDJしてるみたいですよね。

斉藤:確かに。クロスフェードみたいな感じですね。

 

Q.これ、ライブではどうパフォーマンスするのですか?

斉藤:開き直ってやるだけです(笑)。セクションごとになりきる(笑)。

 

Q.でもそうやって何かを憑依させるのは元々のONIGAWARAのコンセプトに近いのかも。

斉藤:最近の傾向に比べると『シーサイド・ミラージュ』はその色が強いかもしれない。

 

Q.「my crazy」では布袋寅泰さんが憑依していたり。

竹内:これはがっつりギターを弾きたくてギター主体のデモを斉藤に投げました。

斉藤:それをなんとか布袋さんとモロ被りにならないようにアレンジしました(笑)。

 

Q.この曲はONIGAWARAが過去にも歌ってきた音楽に対するスタンスもメッセージとして歌われていますが。

竹内:「ポップミュージックは僕のもの」とか「ヒットチャートをねらえ!」とか、これまでも音楽に対する気持ちを歌ってきたんですけど、僕は音楽で世界を救うとか、誰かの思想を変えるとか、そういうことを考えたことがなくて。それより聴いてくれた人の世界をほんの少しだけでも明るくしたいなって思っているんです。

 

Q.こういうメッセージを含んだ曲のアレンジで意識することってありますか?

斉藤:逆に歌詞は上っ面しかなぞらないようにしてるかな。影響を受けすぎるとバンドっぽくなっちゃうから、切り離してポップに聴けるアレンジをするようにしていますね。

竹内:まあ、結局僕らが歌ったら骨太にならないんですけど(笑)。「死ね!」とか歌っても怖くならないだろうし(笑)。

斉藤:めちゃくちゃ少年声で言われてもね(笑)。

 

Q.あと今作はピアノの存在も大きいかと思いました。

斉藤:今作は杉浦琢雄さん(東京60WATTS)に弾いてもらっているんですけど、やっぱりピアノが良いと曲が跳ねますね。

 

Q.「君はマーメイド」のピアノのポップ感とか、物凄く夏を演出していますよね。

斉藤:杉浦琢雄さんのルーツがクラシックとかジャズじゃなくて、ビリー・ジョエルのようなアメリカンポップスなんですよ。そこが上手く反映されているなって。俺はGLAYの「グロリアス」を意識しているんですけどね。「グロリアス」はD.I.E.さんのピアノが素晴らしいので。

 

Q.サザンオールスターズというか、桑田佳祐さんのソロっぽさもありますよね。

斉藤:実は最初のアレンジは桑田さん的な感じだったんですよ。

竹内:そこからテンポを上げてバンドっぽいアレンジにしていって。

 

Q.バンド編成でのライブをしてきたことも作用しているのかも。

竹内:そこは若干意識しましたね。曲を作っている段階でONIGAWARA BANDOでのワンマンも決まっていたので。

 

 

Q.この曲の斉藤さんの「まるでマーメイド」と囁くコーラス、まるでマーメイドですよね。

斉藤:いや、ジュゴンです(笑)。

 

Q.あははは。でもあの瞬間に僕は夏を感じましたよ。

斉藤:俺、この曲に関してはライブであそこしかやることないんですよ。初めてライブで歌ったときびっくりしましたから。マジでやることねえなって。

竹内:斉藤は盛り上げ役だから。宴会番長。

斉藤:いや、俺普段全然そういう奴じゃないし(笑)。

 

Q.確かにステージと普段のギャップはありますよね。

斉藤:仕方ないです。ステージで突っ立ってる訳にもいかないので(笑)。

 

Q.でも素の部分というか、二人のパーソナルな部分は「のこりが」に出ているかと。

竹内:「のこりが」は斉藤が竹内電気を抜けて、二人で何かやろうって2011年に弾き語りで作った曲なんですよ。当時、何を目指していて何をしたかったか分からないけど(笑)。

 

Q.あ、そんな昔からある曲なんですね。

竹内:26歳くらいに書いた曲です。それを今回アレンジし直して。

斉藤:当時は富田ラボとかキリンジみたいな曲にしたかったんですよ。でも当時はそれが出来なくて。それから時間が経って、マーヴィン・ゲイの「セクシャル・ヒーリング」っぽいアレンジにしようと。

 

Q.「君とスライダー」は歌の振り分け含めてしっかりツインヴォーカルですね。

斉藤:こういうKinKi Kids的な振り分けは久し振りかも。

竹内:「ジェットコースター・ロマンス」っぽさはちょっと意識していますね。

 

Q.ONIGAWARAのラブソングを聴くといつも思うんですけど…。

竹内:何ですか?

 

Q.よくこんなこと言えるなって(笑)。

斉藤:あははは。俺達、一応ミュージシャンですから(笑)。

竹内:それに僕は本気で思っていますからね(笑)。

 

Q.いや、何かこう、とっくの昔に無くしてしまった気持ちが歌われていて。

竹内:それは僕もそうですよ。取り戻せない気持ちを音楽で取り戻そうとしているんです。高校生の頃のグループ交際とか、そんなの30超えたらないじゃないですか。夜のプールに忍びこむとか。でも音楽を通してだったら言えるんですよ。

斉藤:そう思うと俺達の音楽ってSNSがなかったころの音楽だよね。家電(いえでん)の世界観だなって思う。

 

Q.今やSNSも当たり前ですからね。

斉藤:うん。あと今って公園に遊具がなかったりキャッチボールもろくに出来ないんでしょ。みんな何して遊んでいるんだろう。

竹内:学生の頃とか何やってたっけ?電車とか。

斉藤:名古屋から西三河に帰るときとかね。何してた?

竹内:タワレコのフリーペーパーを読んでたかな。

斉藤:ああ、読んでたね。BOUNCEとTOWERね。名古屋で服買ってフリーペーパーを5冊くらい持って帰って読んでたわ。

竹内:今の若い子達、羨ましいな。何でもあるもんな。

斉藤:俺達が3000円かけて失敗したCDをサブスクで無限に聴けちゃう訳だしね。

竹内:サブスクね。批判する人もいるけど、僕らは聴いてもらえたらCDでもサブスクでも何でも良いよね。音楽をやっている以上、聴いて貰わないと意味がないから。その為にアレンジも拘っているし。

 

Q.「ピーマン」の再録のアレンジとか、2013年の「ピーマン」と比べるとリッチさが凄いですよね。

斉藤:宅録を始めたばかりの薄いアレンジでしたからね(笑)。ローファイもいいとこ(笑)。今回はMPCのKO-neyさんにビートを作っていただいたので音も太くなった「ピーマン」を聴いてもらえるかと。

 

Q.斉藤さんのサグいラップも進化していますよね。

斉藤:目指したのはギャングスタラップとトロピカルハウスの融合です(笑)。

 

Q.声はギャングスタだけどリリックはトロピカルっていう。

斉藤:そうそう(笑)。

竹内:斉藤のラップ、かっこいいですよね。

斉藤:リリックは全く変わってないんですけど、古い言葉が出て来て聴くに堪えない感じではなかったから有りかなって。そこは歴史的な資料として。俺ら、モチーフ自体が昔のものをやることが多いからきっとどんな言葉を入れてもそこまで古くならないですよ。他の人が歌詞に流行り言葉を入れるとすぐ古くなっちゃうと思うけど、元々そこがコンセプトなので。

竹内:逆に「卍」とか最近過ぎるものは歌詞に入れ難いかも。すぐ終わっちゃうからね。それよりもっと大きなものが歴史的資料になるかなって。

 

Q.「ポケベルが鳴らなくて」とか。もはや誰のポケベルも鳴らないですけど。

斉藤:あははは。そもそもサービス自体終わってますからね。

竹内:あそこまでいくと古典ですよね。それより近々のがやっぱりきつい。タピオカとか歌詞に入れると2年後絶対にきつい(笑)。

斉藤:この前東京の何処かにタピオカランドっていうのが出来たって聞いて、それに対して「調子こいたときの両津勘吉」って意見があって笑ってしまった。

竹内:両津勘吉はすぐ手を出すからね。

斉藤:両さんがタピオカを作り過ぎて工場が爆発するオチまで見えるからね。でもそういう意味では、歴史的な資料って音楽だけじゃなくてこち亀があったなって(笑)。

 

Q.ONIGAWARAの音楽は歴史的な資料を飲み込んで現在に再生している要素がありますよね。

斉藤:俺達はJ-POPのTOP30までの音楽で成り立っていますから(笑)。

竹内:でもそういうモロそれっぽいものは、最近は自分達じゃなくて提供曲に現れている気もしていて。

 

Q.確かにONIGAWARAが他アーティストに提供している曲ってパブリックイメージのONIGAWARAど真ん中な曲ばかりですよね。

斉藤:一人称が変わるくらいでほぼ。

竹内:クライアントさんも僕らのMVを観てオファーしてくれると思うし。

斉藤:だからどんどん提供の方がONIGAWARAっぽくなっていく(笑)。

 

Q.『シーサイド・ミラージュ』は良い意味でONIGAWARAらしくないですもんね。いや、ONIGAWARAなんですけど。

竹内:分かりますよ。「こういう曲がないと駄目!」とか「リード曲を作らなきゃ!」とか、一切意識してないですからね。「ヒットチャートをねらえ!」をもう一度作ってとか言われないので。

斉藤:バンドの頃から言われ続けてきたんですよ。「Hello Mr.Regret」をもう一度作れとか。

竹内:でもそういう分かり易い曲は提供曲に惜しみなく使ってるので(笑)。

斉藤:だから提供曲はめっちゃ良いんです。狙いに行ってるので。クライアントが欲しがってるのはONIGAWARAのMVがある曲なので。

竹内:その分、僕らはアルバムで遊ばせてもらっているっていう。でも次の作品は多少考えるでしょうね(笑)。

斉藤:だって今回のMV、まさかの「ピーマン」ですからね(笑)。

 

Q.あははは。そのチョイスがフリーランスONIGAWARAの強みかもしれないですね。

斉藤:フリーランスONIGAWARAってなんか凄いな(笑)。まあ、これからも自由に好きなことだけやっていきますよ。

竹内:僕も自分が思っていることしか書けないですから。職業作家さんが誰かが歌うことを想定して書いているラブソングを僕は本気でそう思って書いていますからね。会いたくて会いたくて本当に震えますから。そんなことを本気で思ってる34歳、ヤバイ奴です。

斉藤:その横で踊ってるもっとヤバイ奴が俺です。

竹内:クレイジーだね。

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ONIGAWARA
タイトル:シーサイド・ミラージュ
NOW ON SALE
1500円(税込)

https://www.onigawara.club/

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