インタビュー

KUZIRA【インタビュー】

岐阜発3ピースメロディックパンクバンド、KUZIRAの勢いが物凄い。昨年、TRUST RECORDSよりリリースした『Deep Down』を引っ提げて80本を超える全国ツアーをやり切った彼らは全国各地にしっかりとその爪痕を残し、人気、実力ともに一気に膨れ上がった。そして『Deep Down』から1年振りとなる今作『Pay The Piper』は収録されている4曲が全て主役級のForth A面E.Pとなっている。バンドの持つ多彩なカラーをそれぞれの楽曲で表現した今作はKUZIRAを更に大きくさせるだろう。海のない岐阜をレペゼンしつつ、地元を背負い大海に飛び出したKUZIRAの3人に話を訊いた。

Q.昨年は『Deep Down』のリリース以降、怒涛のツアーを回っていたと思うのですが。

ふち:ちゃんとしたツアーを回ったのが初めてだったんですけど、ずっとツアーしていた気がします(笑)。

竜之介:80本以上あったからね。

熊野:とにかく回れるだけ回ろうって。今からまたやれって言われたら、正直嫌です(笑)。

Q.80本は中々の本数ですね。

熊野:常に誰かが体調不良でした(笑)。

ふち:謎の風邪をずっと引いていたり(笑)。

Q.ツアーで印象に残っていることはありますか?

ふち:リュウ(竜之介)が運転でお酒が飲めなかったから、打ち上げで大量に水を飲んで吐いていたのが印象深いですね(笑)。

熊野:柳瀬antsの打ち上げで海賊ゲームをしてスコッチを飲むゲームをしたんですけど、酔っぱらって出て行ったふちが駐車場で寝ていたんですけど、SNSを見たらバッキバキの自撮りを上げていたのが面白かったです。

Q.打ち上げの話ばかり(笑)。バンドとして成長したことなどあったりします?

竜之介:バンドの友達が滅茶苦茶増えましたね。

熊野:次のツアーを今まさに組んでいるんですけど、誘えるバンドが先輩も同世代も凄く増えましたね。

竜之介:あとメンバーとも更に仲良くなりました。ずっと一緒にいたので。

熊野:仲良いっていうか、変に気を使わなくなりましたね。無理に喋らなくても良い関係というか。

ふち:お笑い芸人が楽屋で喋らないって言うじゃないですか。あれが凄く分かりました(笑)。

Q.80本のツアーを回る中で地元シーンに対する思い入れもさらに強くなったのでは?

熊野:やっぱり県外をに出れば出るだけ、岐阜に対する思いは特別になっていきますね。柳ケ瀬antsの亀さん(MASTER K/DUB4REASON)は僕らのことを結成したばかりの頃からずっと気にかけていてくれるんですけど、今年はついに「FIREWORKS PUNK」に呼んで頂いたんですよ。

Q.毎年、長良川河畔で行われる全国花火大会に合わせて開催されるイベントですよね。

熊野:はい。あの花火の日にantsでオールナイトで開催されていて、毎年僕らはイベント前に長良川で行うBBQのお手伝いをしていたんです。そして今回、初めてイベントに出演者として呼んで頂いたので、認められたんだなって。

Q.最近はツアーで岐阜に訪れるバンドのサポートすることも増えていますよね。

熊野:それ、滅茶苦茶嬉しくて。柳ケ瀬antsにツアーで来るバンドが僕らに声を掛けてくれるんですよ。最近もENTHやTrack’sがツアーに呼んでくれて。「岐阜に行くならKUZIRAと」って思ってもらえるのは単純に嬉しいですね。

ふち:あとやっぱり思うのは、岐阜のバンドってみんなかっこいいんですよ。DUB4REASONがシーンにずっといてくれて、That MeaningLessが5人になって更にかっこよくなって、THRASHOUTが2枚目のアルバムを出して。岐阜、凄くないですか?

Q.凄いですよ。そしてKUZIRAの勢いですからね。そんな中でリリースされる『Pay The Piper』はForth A面E.Pというだけあって4曲ともタイプの違った作品になっていますが。

竜之介:これまではシンプルで短くて突き抜けるような曲が多かったんですけど、今作は4曲で重量感のある作品にしたかったんです。それで4曲ともタイプの違う曲にしようと思いました。僕らが最初に作った1stデモがそんな感じなんですけど。

Q.4曲ともタイプが違うけど、何処か統一感も感じたんですよ。それはきっと歌詞が自分自身と向き合うものが多いからなのかなと。

竜之介:この1年間で色んなことに挑戦したんですけど、それが全部今の結果に繋がったんですけど、結局最後は自分次第なんだなって思って。それが歌詞に反映されているんだと思います。

Q.「Backward」は「人を愛さないと愛されない」「勝負すらしてない勝者気取り」と歌っていますが、これが過去の自分に向けて放っている言葉だったりしますか?

竜之介:チャンスがあるのに挑戦しない奴とか、現場にいないのに遠くで勝ち誇って口だけ出してくる奴とか、何もしてないのに勝った気でいる奴とか。それ、全部昔の自分なんですよね。そうやって陽の当たる場所を避けてきたので。僕達、3人とも根暗だったので。

熊野:今も内面的な意味では外に出れてないけどね。殻はまだ完全に破れた訳じゃないと思いますけど。

Q.岐阜って海がないじゃないですか。でも大海に出なければいけない状況になったことで意識を変えざるを得なかったと。

竜之介:それはありますね。

熊野:チャンスをもらえるバンドってそんなに沢山いる訳じゃないと思うんですよ。でもKUZIRAはチャンスを何個ももらってここまで来れたと思っていて。そのチャンスを掴むかどうかは自分次第だし、ウジウジ言ってたら駄目だなって。

Q.「Backward」からはサブライムのような西海岸っぽさも感じました。

竜之介:サブライムにはかなり影響を受けていますね。僕は西海岸の音楽が大好きだし、聴いていて滅茶苦茶テンションが上がるんですよ。岐阜からライブ会場に車で向かうときとか、窓を開けてサブライムとか西海岸の音楽を聴きながら運転していると曲を作りたくなります(笑)。

Q.そういう意味では「Backward」は晴れた日にドライブしながら聴くのにぴったりですよね。

竜之介:そうなんですよ。なのでこの曲はライブを意識したっていうよりかはそういうシチュエーションをイメージして作った曲です。

Q.「The Otherside」はある意味問題提起のような曲でもありますよね。

竜之介:ライブやフェスにおけるダイブ問題ってよくSNS上で起きるじゃないですか。でも単純に楽しめばいいのになって僕は思っていて。そういう思いを歌詞に込めているので聴いて感じて欲しいです。

Q.そういう側面もあれば、子供の頃になりたかった大人に今なれているかを自分に問いかけてもいて。

竜之介:はい。本当になりたかった自分になれてるかなって。

Q.昔の自分が今の自分を見たら何て言うと思いますか?

熊野:「太ったね」って言うんじゃないかな。(一同笑)

竜之介:言われちゃうね(笑)。

熊野:あと僕は子供の頃、学級委員とかやるタイプの正義感の強い子だったんですよ。だけどその後、人間関係が上手くいかない時期があって閉じこもってしまったので、バンドをやってることや今の性格になったことは驚くかもしれないですね。

ふち:俺は何も変わってないですし、これからも変わらないと思います。ずっとこのままでいたいですね。

竜之介:実は僕も学級委員をやっていたんですけど、将来は警察官になりたかったんですよ。でも明るくないし、人見知りだし、結局諦めたんです。そういう気持ちがあるから「なりたい自分になれているの?」って問いかけるような歌詞を書きました。

Q.バンドをやっていることについては昔の自分は何て言うと思います?

竜之介:絶対に驚くと思います。何故なら僕はバンドをやっている人を馬鹿にしていたから。

Q.それは何故?

竜之介:定職に就かないで、金もなくて、結婚も出来ない。そうやって馬鹿にしていたんです。でも幸せの定義って人によって違うじゃないですか。就職して結婚する幸せもあれば、チャンスを掴んだり、好きなことをやる幸せもある。そんな中で僕は今、あの頃馬鹿にしていたバンドをやっているんだから面白いですよね。

Q.このタイミングで「Clown」の再録をしていることもグッときます。この曲も今と昔の自分が向き合っている曲だと思いますが。

竜之介:そこは結構たまたまなんですけど、ライブではよくやっている曲なのでこのタイミングで再録したいなって。

熊野:再録に関しては結構意見が分かれたけどね。

ふち:僕は当初嫌だったんですよ。聴いてもらったら分かると思うんですけど、デモの頃とかなりアレンジが変わっているんですよ。そもそも、それがありなのかなって思ってしまって。かと言ってアレンジを変えないと、昔の曲なので他の3曲と比べてクオリティが下がるし。でも録ってみたらそんなことはどうでも良いくらいかっこよくなりました(笑)。

Q.デモの頃と比べると当時やりたかったことが具現化出来ているのかなって思いました。「Clown」は曲の中に色んな要素を詰め込んでいるじゃないですか。その展開にちゃんと理由を感じるアレンジになったなと。

熊野:確かにデモの「Clown」は未完成だったし「こんな感じ?」ってノリで作った部分もあるから、途中でやりたくない時期もあって。でもライブでやると盛り上がる曲なので、当時納得していなかったことを乗り越えて再録しようと思ったんです。

Q.当時と歌詞も変わっていますよね。

竜之介:ふちが書いた歌詞の原形を基に僕が手を加えて完成させました。歌詞で韻を踏んだり、当時じゃ出来なかったことも詰め込めたと思います。

Q.デモの「Clown」と今回の「Clown」を聴くとバンドの成長が手に取るように分かりますよね。

ふち:曲は変わったなって思いますけど、自分達ではバンドが成長したかどうか全然分からなくて。

竜之介:僕も成長したって実感はないですね。

ふち:昔の動画とかを見ると演奏は上手くなったと思うけど、成長しているんですかね。

Q.亀仙人の修行を終えた孫悟空とクリリンも自分達が成長していることに気付いてなかったじゃないですか。

熊野:あははは。確かに。

Q.でも実際にジャンプしてみたら物凄く高く跳べたっていう。KUZIRAも一緒で、気付いてないだけでとんでもないライブをしていますからね。

竜之介:ありがとうございます。だったら嬉しいですね。

Q.そしてラストの「A Sign of Autumn」は心情ではなくシチュエーションや情景を表現した曲だと思うのですが、今作の中でこの曲だけ毛色が違いますよね。

竜之介:別れの曲を、今までにない手法で書きたかったんですよ。自分の感情とかじゃなくて、風景描写や詩的なニュアンスで書きたくて。

Q.この曲にも海が出てきますが。

竜之介:どれだけ海が好きなんだって(笑)。この曲でイメージしているのは夕焼けの海ですね。

熊野:波の音とか入ってそうだもんね。曲の感じは今リュウが好んで聴いている音楽が反映されているなって思いました。

竜之介:すぐ影響受けるんですよ(笑)。ルーツとしては西海岸のポップパンクがずっと根っこにあるんですけど、最近の音楽も良いものはどんどん吸収していきたいですね。

Q.これだけ海が歌詞に出てくるとKUZIRAというバンド名もしっくりきますね。

ふち:かなり適当に決めた名前なんですけどね(笑)。

熊野:超適当だよね。

Q.最近は何周もしてかっこよく思えてきたんですけど(笑)。

熊野:でもふちはバンド名を変えたがってたんですよ。

ふち:変えたかった(笑)。でも海外でも鯨って言葉は通じるみたいだし、日本のバンドとして分かり易いかなって(笑)。

Q.海外での活動も視野に入れている?

ふち:僕は海外に行きたいです。なんなら2年くらい向こうで活動したい。

熊野:2年も?

ふち:海外で売れて日本に帰ってきたい。まあ、現実的に無理なんだけどね(笑)。

熊野:でもやれたら面白いよね。

ふち:夢だね。

Q.バンドとしての目標や夢ってありますか?

熊野:ずっとライブハウスにいたい。よく「バンドをやっている」って話になると「いつMステ出るの?」とか「紅白に出れたらいいね」って言われるけど、僕らがやりたいことは何年先もずっとライブハウスでツアーをすること。その先に自分達の地元でフェスを主催したり、そういう目標はあるけど、ずっとライブハウスでライブし続けることがKUZIRAにとっては最大の目標ですね。

竜之介:その為にも良い曲を書いて、良いライブをしたいです。内気で人に褒められることがなかった自分が今沢山の人の前で歌っていることが本当に幸せなので、これからもバンドを続けていきたいですね。

KUZIRA
タイトル:Pay The Piper
1000円(税抜)
RCTR-1083
2019年8月7日(水)リリース

KUZIRA “Pay The Piper” Release Tour
8月23日(金)岐阜柳ヶ瀬Ants
8月26日(月)名古屋R.A.D

https://kuzirawkmgifu.jimdofree.com/

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