インタビュー

OLEDICKFOGGY伊藤雄和×東狂アルゴリズム佐佐木春助 対談【インタビュー】

OLEDICKFOGGY伊藤雄和と東狂アルゴリズム佐佐木春助。コロナ以前、名古屋、東京にて決定していたツーマンライブが中止となったものの、いつしかお互いに惹かれ合ったふたりはライブを通じて親睦を深めていったという。5月には名古屋RAD SEVENにて念願のツーマンライブを行ったOLEDICKFOGGYと東狂アルゴリズムだが早くも6月25日には下北沢SHELTERにてツーマンライブが決定している。名古屋でのライブ直前、楽屋での座談会的な伊藤雄和と佐佐木春助のトークを届ける。

interview & photo by 柴山順次

2YOU:おふたりはどのように出会ったのですか?

佐佐木:滋賀のパンクバンドが集まってそれぞれ好きなバンドを呼ぶ大きなイベントがあって。それでうちがOLEDICKFOGGYを呼んだのが最初。面識はなかったんですがオールディック好きやったんで。

伊藤:でもその時は殆ど喋ってないよね。

佐佐木:とっつきにくそうやん。この人、喋れなさそうやな思って(笑)。

2YOU:その時がはじめまして?

佐佐木:いや、その前にイベントに出てもらうことが決まったタイミングで服部緑地のイベントにOLEDICKFOGGYが出てたから挨拶だけはしたんやけど。伊藤君、ベロベロやったから覚えてへんと思う(笑)。

伊藤:水分をビールで取るっていう悪循環だよね(笑)。

2YOU:佐佐木さんがOLEDICKFOGGYに興味を持ったのは?

佐佐木:うちの元メンバーがOLEDICKFOGGYが好きで機材車でずっと流れていて。「これ誰なん?」って聞くと「OLEDICKFOGGYです」っていうやり取りが何回もあって。

伊藤:刷り込みっていうやつですね。

佐佐木:オールディックて名前は良く聞いてたけどこんなに格好いいんやと思って。そいつがバンドを辞めて車内でオールディック聴けなくなったから自分でCDを全部買ったのが始まりかな。

伊藤:僕は東狂アルゴリズムの名前は知ってましたよ。ライブハウスでよく見るんで。

佐佐木:共通のバンドの知り合いも沢山居るな。

伊藤:bachoとかTHE FOREVER YOUNGとかTHE PRISONERとかもそうだしね。あまりバンドの友達と「このバンドかっこいいよ」とか、そういう話はしないんだけど、「東狂アルゴリズムとbachoはかっこいい」とは最近言っているよ。

佐佐木:そんな感じで言うてくれてたんや、めっちゃ嬉しい。

2YOU:お互いの印象とかってありますか?

佐佐木:伊藤君の人間性は未だに掴めてないかも。

伊藤:佐佐木君は滋賀のちょい悪オヤジだなって印象かな。

佐佐木:ちょい悪オヤジて嫌やなぁ(笑)。

伊藤:ちょい悪オヤジあまり気に入ってない?めちゃ悪オヤジでもいいよ。

佐佐木:ちょい悪ってジローラモやろ。

伊藤:親父だけどちょっと洋服とか気を使ってるみたいな。

佐佐木:俺、そんな感じなん?

伊藤:昭和の古臭オヤジよりいいでしょ。ちょい悪オヤジの方が。

佐佐木:僕は昭和おじさんの一泊旅行がテーマです。ちょっとしたお出かけの時の服。伊勢に行く時くらいの(笑)。

伊藤:とっぽい感じはあるよね。

佐佐木:あなたはどっちかというとスケーターファッションだもんね。

伊藤:スケーターファッションって訳ではないけど(笑)。

佐佐木:でもライブの時と普段で全然違う恰好してるでしょ。

伊藤:ライブの衣装は普段着れないからね。

佐佐木:ライブで履いてるズボンってほんまのクラストパンツ?

伊藤:あれ、ディッキーズなんだよね。

佐佐木:え!ディッキーズなん?

伊藤:破れたディッキーズを縫って履いてるだけ。でもディッキーズって丈夫だから本当に壊れなくて。

佐佐木:何年くらい履いてるの?

伊藤:17年ぐらいかな。

佐佐木:伊藤君っていったらあのズボンってイメージがあるからね。初めてライブを観たときからクラストの人なんやって思ってたから。

伊藤:クラストの人ではないけど、まあ好きだよ。

佐佐木:クラストの人がラスティックな音楽をやってるんやと思ってた。

伊藤:でも音楽的に言ったらそういう要素を持った音楽を昔の歌謡曲みたいに歌おうと思ったのがOLEDICKFOGGYの始まりで。メッセージ性として一番伝わる方法はシャウトするよりも普通に歌った方がいいんじゃないかっていう。

2YOU:そこは東狂アルゴリズムと通じる部分もありますよね。

伊藤:東狂アルゴリズムは本当に素晴らしいです。やりたいと思うことを全部やってくれている。

佐佐木:それはこっちの台詞ですよ。OLEDICKFOGGYの曲、何曲か頂きたいと思ってるから(笑)。

伊藤:貸すことは出来るけど。

佐佐木:え、貸してもらえるん?(笑)。

2YOU:1曲だけ貸してもらうならどの曲がいいですか?

佐佐木:めっちゃあるけど一番は「カーテンは閉じたまま」かなあ。俺が作ったことにしたいくらい好き。歌詞の壮大感とか完璧やもん。

伊藤:壮大感あるんですかね(笑)。

佐佐木:ありますね。めっちゃある。

伊藤:俺は「琵琶湖の水止めたろか音頭」が欲しいな。

佐佐木:歌ってくれるんやったら全然あげるで(笑)。

伊藤:交換する?

佐佐木:その2曲の交換だとこっちがだいぶ得するけど大丈夫?(笑)。

2YOU:ツーマンをするような関係性になったのは?

佐佐木:うちのライブを観てくれた伊藤君がめっちゃ褒めてくれてるって広中さん(Diwphalanx Records)が教えてくれて。「伊藤はあまりそういうこと言わないけど素晴らしいって言ってました」って。それがめっちゃ嬉しくて。

伊藤:赤犬にも同じこと言ってるんだけどね(笑)。

佐佐木:あははは。それでめっちゃ嬉しかったから柴山君(2YOU MAGAZINE)に「ツーマンやりたい」って電話して。それがコロナ直前。

伊藤:本当は東京でもツーマンをやる話があって。でもなくなっちゃったんだよね。

佐佐木:あれは発表する前にやめることになったよね。

2YOU:佐佐木さんから深夜に物凄い熱量で電話がかかってきましたからね。「OLEDICKFOGGYとスプリット出したいわ」って。

佐佐木:でもLERNERSに先やられちゃったから。

伊藤:佐佐木君と紗羅マリーだったら、そりゃ紗羅マリーでしょ。

佐佐木:LERNERSには嫉妬してます(笑)。ずっと「OLEDICKFOGGYとスプリット出したい」って言ってるからね。

伊藤:男同士でデュエットする?

佐佐木:あははは。でも本当にOLEDICKFOGGYとのスプリットは武道館に行くまでの夢のひとつですね。

伊藤:それ、遠回りじゃない?

佐佐木:そんなことないでしょう。

伊藤:遠回りだと思うなあ(笑)。

2YOU:名古屋、東京のツーマンが中止になってからは?

佐佐木:コロナ禍になって中々会うこともなかってんけどオールディックのワンマンを大阪までライブを観に行ったときに久しぶりに会って。

伊藤:そこで急接近。

佐佐木:その時にちょい悪オヤジって言われたんや(笑)。

伊藤:今では電話で話す仲です。

2YOU:電話するのってまあまあですからね。

伊藤:俺から電話しますからね。「何してる?」とか。

佐佐木:沼津に遊びに行った時に「沼津に来てんねん」ってLINEしたんやけど、後日「沼津どうだった?」っていう電話がかかってきたから(笑)。

伊藤:2年前のお家時間の頃に仲良くなってたらリモート飲みしてただろうね。

2YOU:音楽の話とかはあまりしないですか?

伊藤:したことないですね。

佐佐木:普段はどんな音楽聴くの?

伊藤:俺、音楽そんなに好きじゃないんですよ。

佐佐木:嘘つけ。めっちゃ好きでしょ。

伊藤:全然聴かない。なんとなく生活の雰囲気を出そうとしてカントリーを流したりとかするくらい。でも「この曲はこうなんだ」とか追求しない。

佐佐木:じゃあ曲作りは?書きたいコード進行とかない?

伊藤:それも全然なくて。

佐佐木:じゃあ勝手に浮かんでくるの?それ、逆にすごいな。

伊藤:「絶対に歌いたいこの部分」っていうのだけが先に来たりするんですよ。例えばBメロの歌い出しとかが浮かんだらそこから膨らませていくみたいな。

2YOU:歌詞は先に書きます?

佐佐木:俺は詩先です。伊藤君は?

伊藤:歌詞は最後。意味はないけど「例えば」っていうワードがメロディにハマったらその「例えば」って言葉から膨らませていく感じ。歌詞が先の方が楽だなって思うんだけどね。詩なら浮かぶんだけど。

佐佐木:伊藤君、詩好きでしょ。

伊藤:詩は好きだし普段から書くよ。

佐佐木:それは歌メロにならへん?

伊藤:ならない。本当の詩みたいになっちゃう。歌詞とはまた違うから。

佐佐木:なるほど。俺も詞先とか言いながら、歌メロを乗せてうまく乗らなかったら言葉を変える事もある。

伊藤:でも普段からメモしてる言葉とかはあって、出来た曲に歌詞を入れなきゃっていう時にまず携帯のメモから紙に箇条書きする作業が始まるんですよ。ペンで字を書くっていう行為を体に馴染ませていくみたいな。だから本チャンの作詞は全部手書き。清書するときは携帯で漢字を調べて綺麗な字で書くっていう繰り返し。

佐佐木:ちゃんとイメージしてるんや。伊藤君、勉強できた?

伊藤:全然。勉強が嫌いなわけじゃなくて、出来なかった。

佐佐木:俺もやねん。滋賀県で一番アホな私立高校の成績、クラスで下から3番目とかやった。しかもそれもカンニングしてやっと下から3番ですからね。

伊藤:俺は頭悪い高校だったけど成績はトップぐらいだったよ。

佐佐木:嘘やん。

伊藤:テストの時とか問題を全部教えてくれるから、途中式とかも全部暗記。

佐佐木:暗記がいけるんや。

伊藤:暗記が得意っていうより、ずっと書いたりとかする行為が好きで。要領が悪いからポイントを抑えて勉強するのが無理なんだよね。だから一冊覚えるとか、そういうやり方しか出来なかった。

佐佐木:成績は良かったんや。

伊藤:割とね。でも数学は本当に駄目だった。国語は良かったかもしれない。

佐佐木:本は読む?

伊藤:読むよ。

佐佐木:本を読んでないと伊藤君みたいな歌詞は書けへんよな。何か影響を受けた人とかいるの?

伊藤:西村賢太。本は勿論だけど、生き方が好きで。あんな生き方絶対出来ないから。もう死んじゃったし。自分の恥ずかしいところとか悲惨なところをちゃんと書かないと意味ないって教えてくれたのは西村賢太かな。

佐佐木:たまたまですが、最近、自分の弱いところを出さなあかんなと思います。「ガンガン生きていこうぜ」っていう歌詞もいいけど「自分も弱い人間なんで、一緒に乗り越えていきましょう」みたいな。弱いところを出した方が伝わるんちゃうかなと思ってます。

伊藤:「俺はビッグマネーを手にしたぜ」みたいな歌詞ってヒップホップの人はそこを目指して成り上がっていくからいいかもしれないけど俺には歌えないかなって。

佐佐木:うん。分かる。

2YOU:伊藤さんと佐佐木さんがデュエット曲を作るとしたら?

伊藤:ビッグマネーを手に入れる曲かな。

佐佐木:あははは。あかんやん。

伊藤:お揃いの毛皮を着て。

佐佐木:コントやん。

伊藤:バブルガム・ブラザーズの「WON’T BE LONG」みたいな曲やりたい。

佐佐木:昭和やなあ。でもちょっとありやな(笑)。

2YOU:それぞれ目標とかってあったりします?

佐佐木:うちはずっと言ってるけど武道館。OLEDICKFOGGYは野音やったでしょ。次に目指すとことかある?

伊藤:野音の大音楽堂の横に小音楽堂があるんだけど今度はそこでやろうかな。「次は武道館」とかそういうのはなくて、安定した生活を送れればいいかなって。

佐佐木:武道館やれるようなバンドになれば安定出来るんじゃない?

伊藤:仕事が好きだからバイトを辞めたくないんだよね。バイトしてないと思ってる人もたまにいるけど全然バイトしてるからね。

佐佐木:OLEDICKFOGGYの映画でもバイトしてるシーンあったよね。

伊藤:音楽だけで生活している人もいるけど、じゃあずっと音楽のことやってるかって言ったらアルバムを作っているとき以外は暇だし、好きなバイトをやってた方がいいかなって。お金も貰えるし。

佐佐木:仕事しながらバンドは出来るもんな。

伊藤:今はそういう時代だと思う。音楽一本とか古いよ。

佐佐木:古いかどうかは分からないけど、この感じで武道館いったらかっこいいですね。仕事しながら武道館。

伊藤:あと音楽だけでやってる人はコロナできつかったんじゃないかな。俺は現場作業があったから良かったけど、それがなかったら不安だもん。

佐佐木:コロナなあ。今、どんな感じなんですかね?結構フェスとかやりだしてるでしょ。

伊藤:コロナになる前に結構フェスも決まってんだけど全部なくなって。やっとフェスも復活したし忙しくなると思ったら全然呼ばれないっていう(笑)。

佐佐木:あははは。ライブハウスは今後どうなってくんですかね。

2YOU:わざわざ政府が会見して「モッシュ、ダイブ、OKです」とは言わないだろうし空気感でそうなっていくのか。

佐佐木:そもそも最初からライブハウスてモッシュダイブは禁止行為やからね(笑)。

伊藤:そこは全国のライブハウスのモッシュ親方みたいな奴が「そろそろだな」ってなるんじゃない?

佐佐木:モッシュ親方ってなに(笑)。

伊藤:いるんだよ、モッシュ親方が。「おいお前、今日は名古屋の現場に行ってこい」みたいな。

佐佐木:派遣されるんや。

伊藤:そうそう。その親方がするモッシュがライブハウスに拡散されて「親方のOK出たらしいよ」って各シーンの親方に伝わっていくっていう。

佐佐木:そんな奴いるか(笑)。

2YOU:その親方の号令が出たら安心して「WON’T BE LONG」のデュエットも出来ますね。

伊藤:お揃いの毛皮でね。

佐佐木:「WON’T BE LONG」でモッシュは起きんやろ(笑)。

▼ライブ情報
2022年6月25日(土)東京 下北沢SHELTER
「あの夜のつづき Vol.8」
OLEDICKFOGGY/東狂アルゴリズム
OPEN 18:00/START 18:30 前売4,500円

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