インタビュー

アイビーカラー【インタビュー】

アイビーカラーの真骨頂である失恋ソングをテーマにした失恋3部作、第1弾となる「次で最後にしてね。」でアイビーカラーは確実に新たなフェーズに突入した。5thミニアルバム『tomorrow』やツアー「アイビーカラー tour 2021-2022歓びの明日へ」を経て進化を重ねてきた彼ら。「次で最後にしてね。」ではシンセベースや電子ドラムを導入しEDMサウンドを取り入れることでアイビーカラーが持つ世界観はそのままに、より歌詞のイメージを具現化出来るようなエレクトロサウンドで表現しているのだ。これは発見だ。また年々リアリティと色気を増している佐竹 惇の歌詞にも注目して欲しい。「次で最後にしてね。」という言葉からあなたがイメージするのは?所謂ミスリード的にも取れるそのタイトル通り、何通りもの楽しみ方が出来る「次で最後にしてね。」についてメンバー全員を訪ねた。これから続くであろう失恋3部作の第2弾、第3弾も含め、アイビーカラーの魅力をしっかり届けていきたい。

2YOU:前作「tomorrow」はアイビーカラーの新しい扉を開いたような作品だったと思うのですが改めて振り返るといかがですか?

佐竹 惇:これまで色んな活動を重ねてきた中でミニアルバムとしても5枚目の作品ということもあって間違いなく一番ベストなクオリティのアルバムになったと思っていて。コロナ禍でライブも少ない中での制作だったのでライブが出来なかった分、しっかり楽曲に想いを込めることが出来た作品になったと思います。

碩 奈緒:ツアー「歓びの明日へ」は本当に成長出来たツアーでした。初日のライブが終わった後にすぐメンバーと「ここはもっとこうした方がいい」って話し合ったんですけど、そういうところも含めて確実に成長出来るツアーだなって実感していました。

川口 彩恵:「歓びの明日へ」というテーマのツアーなのでなるべく明るく楽しいイメージでライブをしたかったのでセットリストもメンバーで話し合ったり。最初から楽しい雰囲気で始められるように1曲目から手拍子出来るような曲順にするとか、色んなことを考えるようになりましたね。

酒田 吉博:「tomorrow」の前の作品からはアレンジャーさんに入ってもらう曲もあったり、今作も引き続きアレンジャーさんに入っていただく曲はあったんですけど、そういった経験に基づいて制作をしたので僕らの成長も感じることが出来る作品になったと思いますね。

2YOU:外部の方が制作に携わることで学ぶことは本当に沢山あると思いますが、それがアイビーカラーの地力になっているのはよく伝わるのですが、その上で結構思い切った進化もしたと思っていて。そこに対する反響はどうでした?

佐竹 惇:本当にありがたいことに僕らのファンの方はどんなアイビーカラーも受け入れてくれるんですよ。だから「tomorrow」でいえば「ライター」とかは当初受け入れてもらえるか心配で。

2YOU:「ライター」や『WHITE』に収録されていた「L」はこれまでのアイビーカラーのパブリックイメージにはないタイプの曲ですからね。

佐竹 惇:そうなんですよ。「L」も「ライター」とテーマは近しい曲なんですけど、もしかしたらこれを聴いて怒ってしまう女性がいてもおかしくないなって。だから覚悟はしていたんですけど、しっかりと受け入れて頂いて安心しました。

2YOU:彩恵さんと奈緒さんは「L」や「ライター」のような曲をどう感じました?

川口 彩恵:私はむしろ暗い曲が好きなので凄く良いなって。暗い曲だからこそ伝わるフレーズや音色にも拘っているんですけど、そこも含めて楽しみながら制作出来ましたね。

碩 奈緒:私も彩恵ちゃんと一緒でこういうダークな曲が好きなんですよ。あと最初は男性目線で書かれていた曲を敢えて女性目線に変えたのも良かったと思います。

2YOU:もし男性目線で書かれていたら伝わるニュアンスも違ったかもしれないですよね。

碩 奈緒:男性目線だったら本当にどうしようもない男の曲になっちゃう(笑)。

佐竹 惇:「L」はあまりにも主人公がクソ野郎過ぎて奈緒に「女性目線の歌詞に変えて欲しい」と言われたんですよ。そしたら印象も少し和らいだんですよね。

2YOU:アイビーカラーは2月から失恋三部作の配信リリースが始まりましたが、第1弾の「次で最後にしてね。」は若干ミスリード的な部分があるなと思って。

佐竹 惇:ミスリード?

2YOU:「次で最後にしてね。」というタイトルから想像したのは「L」や「ライター」のようなタイプの曲がくると思ったんですよ。「もう!次で最後にしてよね!」みたいな。

佐竹 惇:あははは。そっちだ(笑)。

2YOU:だけど全然違って、別れた相手を想う切ない曲だったので「疑ってごめん」と思いました(笑)。そして滅茶苦茶共感しました。

佐竹 惇:僕もこの曲は男性なら分かってくれるんじゃないかなって思いますね。歌っていても過去のことを思い出してうるっときたりしますから。

2YOU:「次で最後にしてね。」というのは「次こそ幸せになってね」という気持ちの表れだと思うのですが、惇さんは相手に対してそう思えたりします?

佐竹 惇:僕は結構そう思うタイプかも。振られるってことは自分にきっと駄目な部分があって、もう自分じゃ何もしてあげられないんだけど、次の人で最後まで、つまり結婚まで行って欲しいなって思うことのほうが多いですね。でもそれは決して相手のことだけを思っている訳じゃないんですよ。

2YOU:というのは?

佐竹 惇:別れた彼女が新しい彼氏が出来る度に僕が傷つくじゃないですか。何回も傷つきたくないので「せめて次の一撃で決めてください」っていう。

2YOU:なるほど!相手のことを想うというよりかは…。

佐竹 惇:いやいや、自分のことしか考えてないですよ。

碩 奈緒:知らなかった。

佐竹 惇:でもそこはさっきのミスリードじゃないですけど、優しく映るようには見せていますよね(笑)。

碩 奈緒:でもそっちの方が人間味があってリアルだなって今思った。

佐竹惇:女の子の為を思って言ってるように聞こえると思うけど、でも男性ってそうじゃないですか。だからもしかしたら裏テーマとしてはちょっとクズ男のほうが感情移入し易い曲なのかも。

2YOU:完全に相手が「何度も傷つかないように」という優しい曲だと思って聴いていました。

佐竹 惇:心が綺麗な方はそういう解釈で今も聴いてくれていると思います。でも実は裏テーマがあるんですよね(笑)。勿論、そう捉えて聴いて頂いても全然構わないですけど。

2YOU:「ちゃんと幸せになってね」って捉えるじゃないですか。でもそれは自分が傷つかない為でもあったんですね。うわあ、そこまで読み取れなかったなあ。でも今の話を聞いて物凄く腑に落ちました。

碩 奈緒:私も今の話を聞いて「次で最後にしてね。」の裏テーマを知れて良かったです。こっちの方が恋愛の心情としてはよりリアルな気がしますね。

2YOU:楽曲制作に関してはどうでした?

佐竹 惇:今回は「失恋」がテーマにあったので、アイビーカラーの得意分野ではあると思うんですよ。なので僕としてはいつも通り歌詞を書いて曲を作ってメンバーに投げたんですけど、そこから結構みんなは悩んでいましたね。作り方が変わってきたこともあると思うんですけど。

酒田 吉博:僕はこれまでで一番しんどかったかも。

佐竹 惇:紆余曲折あったもんね。

酒田 吉博:結構新しいことに挑戦しているんですよ。この曲はサビしか生ドラムを叩いていなくて電子ドラムを導入していたり、彩恵ちゃんもずっと「生ピアノがいい」って言い続けてきたけど、この曲に関してはシンセがゴリゴリに入っているし。

2YOU:確かにシンセは新鮮でしたね。

酒田 吉博:僕が「シンセ入れたら?」って言った訳じゃなく彩恵ちゃんから入れてきたのはびっくりしましたね。

川口 彩恵:曲を作る前にみんなで楽曲の方向性を話し合うんですけど「次で最後にしてね。」は「切ないEDMをイメージしよう」って話になって。私はそれが中々理解出来なかったんですよ。

碩 奈緒:「切ないEDM」の解釈がみんなそれぞれ違ったんですよね。だから作り始めてから「えー!」ってなって(笑)。

2YOU:でもそれがアイビーカラーの新しいオリジナルを生んでいるなと。結果的にシンセサイザーもはまってますからね。

川口 彩恵:やっと形が見えたのはレコーディングの数日前だったんですけど、出来上がっていくにつれ「こういう切なさの表現方法もあるんだな」って凄く感じました。

2YOU:奈緒さんは今回シンセベースを導入しようと思ったのは?

碩 奈緒: EDM風の曲を作るってなったときに「シンセベースとかいいかもな」って思ったんですけど最初は現実的には考えてなくて。エレキベースの音をエフェクターで変えたり音を重ねればいいと思っていたんですよ。でもパソコンでシンセベースの音を試しに打ち込んでみたら凄く良くて、急遽、吉くんと一緒にシンセベースを見にいって買うことにしたんですよ。それが届いたのがレコーディングの3日前でした(笑)。

酒田 吉博:シンセを見に行ったのもレコーディングの1週間前くらいだったもんね(笑)。

2YOU:今回のアレンジだったりシンセベースの導入もですけど、結構思い切った舵取りだと思うのですが、でも楽曲の世界観を最大限に活かす手法を考えたときに完全にこれが正解だと感じたんです。でもそれって結果論で、取り入れることだったり、それを判断することって難しくないですか?

酒田 吉博:だからめっちゃ揉めました。

佐竹 惇:過去最高に揉めたよね。レコーディングの直前の最後の最後まで揉めたというか、新しいことを取り入れている分、どうしてもメンバーの意見も分かれるんですよね。でも「次で最後にしてね。」を作り切れたことでバンドとして確実に成長出来たと思っています。

2YOU:またひとつ新しい技を覚えたような。

佐竹 惇:そうですね。アイビーカラーの武器がひとつ増えたなと思ってます。

2YOU:失恋3部作がこの後2曲続くと思うのですが、良い恋愛をして思いっきり振られてくださいね。

佐竹 惇:あははは。

2YOU:その度にリアリティのある名曲が生まれると思うので。

佐竹 惇:いや、本当にその通りなんですけど、でも凄く自分で「これ、どうなの」って思うことがあって。例えば恋をした時、付き合えた時、失恋をした時、楽しいこともしんどいことも全部曲にしようっていう脳になっちゃうのがちょっと嫌ですね(笑)。

2YOU:彼女も「あ、今のこれ、曲になるかも」とか思いながら付き合うみたいな。

佐竹 惇:絶対嫌ですよね(笑)。ある意味、職業病みたいなことだと思うけど、純粋に恋愛を楽しめていないんじゃないかなっていう。

2YOU:泣きながらも「あ、曲に使える」とか(笑)。

佐竹 惇:失恋して泣きながらそっとメモ帳を出すみたいな(笑)。でもそのメモ帳のお陰でアイビーカラーの音楽が生まれるので、これからも身を削っていこうと思っています(笑)。

interview by 柴山順次

アイビーカラー
次で最後にしてね。
2022年2月9日リリース https://orcd.co/ibecaller

HP:http://ibecaller.com/

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