インタビュー

ヒステリックパニック【インタビュー】

飛ぶ鳥を落として焼き鳥にして食べちゃう勢いで全国に中毒者を続出させている名古屋の突然変異、ヒステリックパニック。2015年4月1日にシングル「うそつき。」でメジャーデビューを果たし、更なる飛躍が期待される中、待望の1stフルアルバム「オトナとオモチャ」がリリースされる。今までのヒスパニ節は勿論健在だが、今作では更に世界観を拡げHIP-HOPからバラードまで彼らのまだ見ぬ顔を覗く事が出来る。信頼出来るオトナと共に音楽をオモチャにして遊びまくったヒスパニの遊び心満載のフルアルバムについてメンバーを直撃した

interview by 柴山順次

2YOU:メジャーの実感はありますか?

$EIGO:全くないです!(一同爆笑)

Tack朗:僕らは本当に好きにやらせてもらっているんですよ。「駄目なことは駄目って言うから君たちは好きにやったらいいよ」って。だけどともの意見は大体通りません(笑)。

とも:シングルの歌詞もいきなりアウト喰らいました(笑)。でも自分の歌がテレビ番組のエンディングで使われたことはびっくりしましたね。ライブハウス界隈以外の人の目につくようになったんだなって。

2YOU:テレビからヒスパニの曲が流れてきた瞬間、「日本も終わったな」って思いました(笑)。

とも:あははは。世も末ですよね(笑)。Twitter上でも「地上波でヒスパニ!?」ってザワザワしてましたから(笑)。

2YOU:メジャーでやりたいことやメジャーとの関係性はM-1「メジャーデビューしました」から感じられます。

とも:メジャーでやりたいことはこの曲で全部言ってますね。

2YOU:かっこよく捉えれば決意表明なんですけど、要はバックに強い先輩がついてるアピールみたいなことですよね(笑)。

とも:あははは。「俺ら、バックにケツ持ちいっから」みたいな(笑)。

2YOU:アルバムからは、これまで聴いてきたヒスパニはまだバンドの一面にしか過ぎなかったことを思い知らされました。

Tack朗:1曲ごとにジャンルが違いますからね。アルバム通して聴き飽きないものが作りたかったし。

2YOU:楽曲はどのように組み立てていくのですか?

とも:基本的にはTack朗発信の曲と$EIGO発信の2パターンあって。

Tack朗:たまに2人同時に作ることもあったり。

とも:最後に僕が歌詞を書くんですけど、工程的には2人が曲のベースを作ってそこにおかっちとやっちも加わり肉付けして、最後に僕が加工処理をして出荷する感じです。

2YOU:その加工処理の段階で製造元が思いも寄らなかった調理をとも君がする訳ですね。

とも:よく御存じで(笑)。

Tack朗:しかも今回はレコーディング当日まで歌詞が上がってこなかったんですよ。

$EIGO:歌詞間違えて歌ってたしね。

おかっち:でも誰も歌詞が分からないから気付かない(笑)。

2YOU:では歌詞に関してはとも君に委ねてると。

Tack朗:まあ…そうですね。

$EIGO:えっと…そうかな。

とも:はっきりしない返事だなあ(笑)。

2YOU:あははは。ヒスパニの楽曲って両極端ですよね。超キャッチーと超ヘヴィーの間がないというか。

とも:極端過ぎるからか、逆に覚えやすくて子供が覚えて歌ってたりするらしいですよ。

2YOU:日本の未来が…。

とも:末期ですね。(一同爆笑)

2YOU:キャッチーな部分はTack朗君が担っていると思うのですが、原点はどこにあるのですか?

Tack朗:青春パンクやメロディックパンクですね。1回聴いたら歌えるような頭にこびりつくメロディーが好きなので。でもキャッチーなだけだと飽きちゃうし埋もれちゃうのでバランスは気を付けていますね。

2YOU:バンドの軸にTack朗君のメロディーがあり、そこにメンバーの各々の個性を加えていくことでヒスパニの楽曲が生まれると思うのですが、$EIGO君のギターからはEDMの要素も感じます。ギターのアレンジで意識することはありますか?

$EIGO:筋肉ですね。最近ジムに行ってるんですよ。大切なのは筋肉です。

やっち:それ関係ないでしょ(笑)。

おかっち:ジムに行きだしたのレコーディングが終わってからだし(笑)。

$EIGO:まだ2回しか行ってません。でも常に鍛え続けることが大切だと僕は思うんですよ。フレーズを鍛えるといいますか。鍛えて上腕サウンドを出すのが大事なんです。

2YOU:筋肉をダンスさせるくらいのフレーズを意識すると。

$EIGO:そういうことです。

2YOU:やっちは自己主張より曲やフレーズに寄り添ったドラムを叩く職人気質なドラマーですよね。

やっち:この界隈にしては珍しく攻めるタイプのドラマーじゃないんですよ。そもそも僕は目立つのが苦手なので土台でどっしりと叩くほうが好きなんです。でも今作では攻めている部分もあるので自分の中では前衛的かなって思っています

2YOU:M-3「スイーツダンス」ではドラムソロもあって。

とも:ライブでみんなやっちを見ると思うよ。

やっち:生温かい目で見てやって下さい。(一同爆笑)

2YOU:やっちのようにリズム隊がどっしりしているかと思いきや、実はおかっちは…。

おかっち:僕は好き勝手やってます(笑)。周りのことを何も考えてないので「こういう曲だからこういうベースを」とか一切気にしないです。むしろそこを撃ち砕いて思い付いたまま弾いています。やっぱり攻めないと。

Tack朗:攻めすぎてコード感ないときもあるからね。

とも:おかっちは我が強いんですよ。レコーディング本番もプリプロと全然違うベースを弾いてるし。

おかっち:本番で違う発想が浮かんだらその場のノリで録っちゃうからね(笑)。

2YOU:プリプロの意味がないっていう(笑)。

とも:うちのプリプロは全く意味ないっすよ(笑)。

2YOU:そしてとも君の歌ですが、言葉のチョイスがHIP-HOPですよね。

とも:完全にそうですね。僕の土台がラップを書くことだったので。それに普通のバンドはメロディーを歌う人が歌詞を乗せるじゃないですか。でもメロディーを歌うのはTack朗なので歌詞を乗せる作業自体がそもそも普通のバンドとは違うんですよ。どこかストーリーテラー的なとこもあると思いますし。

2YOU:声も特徴的だと思いますがシャウトって人間の声をある意味超越したような声じゃないですか。なのにとも君のシャウトは人間味がある気がするんです。どこか温かさやユーモアがあるというか。

とも:日本語でシャウトしてからかもしれないですね。こういうジャンルって英語の方が圧倒的に多いじゃないですか。僕のシャウトもパッと聴いただけじゃ日本語かどうかは分からないと思うんです。でも歌詞をよく聴くとアホなことを歌っているっていう。M-4「ラウド日本昔ばなし」とかアホらしくて誰もやってないと思いますし。

2YOU:「ラウド日本昔ばなし」は曲だけ聴くとブルータルな曲なのに歌詞は日本昔話をしているっていう。そういうアンバランスだからこその面白さはありますよね。

とも:ラウドがやり尽くされた中で何をしたら面白いかを常に考えているんですよ。

2YOU:「スイーツダンス」のような歌詞も面白いですよね。凄くカロリーが高そう(笑)。

おかっち:ちょっと言っていいですか?

とも:ん?

おかっち:出来上がったとき、マジでクソみたいな歌詞だなって思いました。(一同爆笑)

とも:あははは。僕はオケがかっこいいと歌詞で台無しにしたくなるんですよ。それがヒスパニらしいのかなって勝手に思っています(笑)。

2YOU:M-10「サイコロジック」ではHIP-HOP要素が色濃く出ていますよね。オケだけ聴くとジャジーなHIP-HOPのトラックだし、ラップもさんぴんCAMP辺りを彷彿とさせるノリで。

とも:まさに。今までなかったテンポ感だしアルバムの中でも特異な曲ですね。ラップしやすいBPMなので僕は遊んでいます。

$EIGO:最初のコンセプトはエレクトロ・スウィングだったんです。でもどうやらそれは僕だけだったみたいで(笑)。結果的に、「ヒスパニがエレクトロ・スウィングをやったらこうなった」みたいな曲になりました。

おかっち:いつも思い描いたものとは違う曲になるよね。正統派なものは出来ない気がする(笑)。

Tack朗:逆にこの5人がやれば何をやってもヒスパニになるんだっていうことだと思いますよ。(ドヤ顔)

$EIGO:こいつ、インタビューを締める気ですよ!(一同爆笑)

2YOU:あははは。Tack朗君、飽きてきてるでしょ?(笑)。

Tack朗:飽きてないですって!そろそろ中盤だから太文字になるようなコメントが必要かなって。(一同爆笑)

2YOU:M-8「~raison d’etre~」は「本当にヒスパニ?」って思いました。

Tack朗:流れた瞬間「誰?」ってなりますよね。あれは完全に僕の趣味です。

2YOU:歌も無駄に上手いですし。

とも:無駄に(笑)。

Tack朗:いつもと違う声の出し方を使っているんですよ。

2YOU:その流れで聴くM-9「あいのかち」も反則ですよね。うかつにもヒスパニで涙を流すことになりそうでした。

とも:やったー!

Tack朗:この曲はヒスパニ史上、初めてシャウトが一切ないんですよ。

$EIGO:優等生ソングです。

とも:外向きソングですね。

2YOU:この曲のポエトリー・リーディングは是非ヘッドフォンで聴いて欲しいですね。

Tack朗:是非。ラウド感を出さずに3人で歌っているのが僕的には新しくて。

とも:成立したよね。

Tack朗:音楽的にもあまり聴いたことない曲だと思います。

2YOU:そしてエモーショナルな楽曲M-11「オトナのオモチャ」は「オトナとオモチャ」というアルバムタイトルにも繋がっていくと思うのですが。

とも:本当はアルバムタイトルも「オトナのオモチャ」にしたかったんですけど、ビクターに辞めろと言われて。これは書いておいて下さい(笑)。オケは$EIGOが殆ど作り込んできて。

$EIGO:これは某ファイナルファンタジーをイメージして作りました。

Tack朗:それはパクったということでいいのですか(笑)

2YOU:でも某ファイナルファンタジーの音楽ってエモいですよね。

とも:パクり疑惑をスルーして繋げた!流石だ(笑)。

$EIGO:あのゲームの音楽って今のロックバンドでもやってそうなフレーズが多いんですよね。

2YOU:とも君の歌詞も印象的でしたけど、これは何について歌っているのですか?

とも:表面上では性の話を歌っているんですけど、音楽とリンクしてる部分もあります。誰かと繋がってたい欲求は僕が音楽に固執しているものと同じだと思うので、そこをリンクさせて今までにないアプローチで表現しましたね。

2YOU:アルバムのリードトラックでもあるM-12「ライジングさん」はTack朗君のメロディーが炸裂していますよね。そこにみんなの個性が加わったシンプルだけど力強い曲で。

とも:まさにTack朗節ですね。彼のエッセンスがズルッと出てきた曲で本当にメロディーが良いんですよ。

Tack朗:夏っぽい曲を作りたくて「夏といえばメロコアでしょ!」ってことでサビが2ビートなんです。

とも:これこそヒスパニのJ-POPだよね。

2YOU:ヒスパニは自分達を「J-POPだ」って謳っているわけで、メジャーでの活動も相まっていたいけな少年少女を毒牙にかける可能性もあるじゃないですか。でもそれってリスナーが色んな音楽を聴くきっかけにもなるかもしれないですよね。

とも:やっぱりヒスパニが「僕らはJ-POPです」って言うと笑われることもあるんですけど、そもそもJ-POPって定義があやふやじゃないですか。だったらシャウトしてたってリフが重くたってJ-POPとして成立すると思うんですよ。まあ、ライブはJ-POPじゃないことは確かですけど(笑)。でもCDを聴いて初めてライブに来た人が「こういう世界があるんだ」ってカルチャーショックを受けて、それを面白いと感じてくれたら最高じゃないですか。今やラウドもスタンダードになってきてるし、全然怖くないと思うし。

おかっち:俺は怖いよ。(一同爆笑)

2YOU:怖いんだ(笑)。

おかっち:怖いですよ!フロアとか行きたくないですもん。(笑)。

Tack朗:去年のFREEDOM NAGOYAでともの親戚の女の子が初めてライブを見に来たんですよ。その子の衝撃の受け方が物凄くて(笑)。

とも:ジャニーズが好きな小6の女の子なんですけど、普段大人しい親戚のお兄ちゃんが化粧をして沢山の人をグルグル回しているのをみて「お兄ちゃんが人を操ってる!」って。(一同爆笑)

Tack朗:その話大好き(笑)。

とも:でもそうやって色んな人にこういう世界があることを知って欲しいですよね。最年少で7歳の子から年配の方までライブに来てくれるので以外と間口は広がっていると思うんですよ。それを更に広げていくことでラウドをJ-POPのスタンダードとして引き上げたいんです。ずっと思っているのはジャニーズがシャウトし始めたら勝ちだなって。そこまで引き上げたらラウドは本当の意味でJ-POPになると思うんですよね。そうなる日も近いんじゃないかなって思っています。

▼リリース情報

タイトル:オトナとオモチャ
VICL-64366

¥2,200(+税)
2015年7月15日 発売

▼ツアー情報
オトナとオモチャでアソボウゼー!!TOUR 2015

7/27(月)【名古屋】CLUB 3STAR KURUMAMICHI
7/29(水)【滋賀】B-FLAT
7/30(木)【神戸】Music Zoo 太陽と虎
8/4(火)【新潟】CLUB RIVERST
8/6(木) 【秋田】LIVESPOT2000 
8/7(金)【仙台】MACANA   
8/10(月) 【鹿児島】SR HALL
8/12(水) 【宮崎】SR BOX
8/14(金)【長崎】Studio DO!
8/15(土)【福岡】2YOU:ueblick
8/17(月)【高知】X-pt.
8/18(火)【高松】DIME
8/20(木) 【岡山】CRAZYMAMA 2nd Room
8/24(月) 【浜松】FORCE
8/26(水) 【千葉】LOOK
8/28(金) 【前橋】DYVER
8/30(日) 【横浜】BAY JUNGLE
8/31(月) 【大阪】アメリカ村DROP
9/4 (金) 【福井】CHOP
9/5 (土) 【金沢】vanvanV4
9/6 (日) 【富山】Soul Power
9/11(金) 【長野】CLUB JUNK BOX
9/13(日) 【岐阜】CLUB ROOTS
9/18(金) 【広島】4.14
9/20(日) 【京都】MOJO
9/23(祝) 【鈴鹿】ANSWER
9/27(日) 【那覇】Output 
and more!

http://www.hystericpanic.com/

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