インタビュー

ヒステリックパニック【インタビュー】


ヒステリックパニックがミニ・アルバム『Hypnotic Poison』を10月31日ハロウィンにリリース。「催眠毒」という名が付けられているように、今作のコンセプトは「毒」。ヒスパニの音楽を自ら「毒」と言い切り撒き散らすことで感染者は全国規模で確認されるだろう。ライブに特化したのが『LIVE A LIVE』であったなら、今作は自らの武器であるポップ要素を敢えて排除することで「かっこいいヒスパニ」を追求する戦闘能力高めのアルバムとなっている。作品を重ねるごとに強靭になっていく我らがヒスパニちゃんに話を訊く。

Q.今作はサウンドも歌詞もアルバムタイトル通り毒を撒き散らかしてますね。
Tack朗:そうですね。今回はとにかくかっこいいものを作りたくて。

Q.かっこいいものを最後の最後で壊しちゃうのがヒスパニだと思っているんですけど、今回は最後の最後までかっこいいという。
とも:最後までかっこいいっていうボケです(笑)。

Q.あははは。こういう作品を作ろうと思ったのは?
とも:ミニアルバムっていうこともあって色んなことをするより何かに特化したほうが分かり易いんじゃないかなって思って。
Tack朗:それも歌詞だけ。全編かっこいい。
とも:ミニだし、やってみようかと。 『LIVE A LIVE』はライブに特化したパワー型の作品だったので、じゃあ今回はかっこいいヒスパニをパッケージングしようと思ったんです。
Tack朗:ある意味コンセプトアルバムですね。

Q.振り分けるべきポイントを防御とか魔力とかじゃなく攻撃力にだけつぎ込んだようなアルバムだなと。
とも:攻撃力だけ上げてくみたいな。
おかっち:いつもだったらポップなものを入れたりするけど今回はかっこいいがコンセプトだったので、メンバー全員がひたすらかっこいいと思うものを詰め込んだんです。ストレートなものもあるし捻くれているものもあるけど、一貫してるのはかっこいいってことだと思いますね。
やっち:そこに特化してるからポップなフレーズもあまりない気がします。演奏していても今までとは違う気持ち良さを感じますね。

Q.ヒスパニのポップ印であるTack朗君も徹底してかっこよさを追求していますよね。
Tack朗:今回のミニアルバムではカバー曲の「GO!GO!MANIAC」以外はポップなメロディは封印しています。ともの歌詞もいつもだったらメンヘラ要素が強いけど今回はそこを感じさせないかっこいい歌詞が多いですし。
とも:おかっちにメンヘラが過ぎるって言われたんですよ。(一同笑)
おかっち:メンヘラとネガティブは違うじゃないですか。そこは僕の中で別なんですよ。ネガティブはかっこよく消化出来るけどメンヘラはかっこよく消化出来ないので。
とも:そこ、僕はすみ分けしてなかったんですけど、傍で一番冷静に見てるおかっちに言われたので(笑)。ヴォーカル陣は僕に毒されてるから誰も気付かないし(笑)。

Q.毒されてるんですね(笑)。
Tack朗:ともの歌詞を歌っているうちにメンヘラになってきたかもしれません(笑)。
とも:メンヘラは伝染するからね。
$EIGO:言葉の力って怖い。
Tack朗:最初は抵抗あったけど、どんどん楽しくなってくるから。
おかっち:やっぱり毒されてる(笑)。

Q.話を戻しますが、かっこよさを追求することに何か狙いはあるのですか?
Tack朗:ちょっと前にELLEGARDENが復活したじゃないですか。それで10年前くらい前のただの 音楽リスナーだった頃の気持ちを思い出したんですけど、もし10年前 の自分がヒスパニを聴いたら歌詞やメロディの表面上のポップさに引いちゃうんじゃないかなって思ったんです。それでこのタイミングで一度、誰が聴いても普通にかっこいいと思えるものを 作りたくなったんですよね。

Q.分かる人だけ分かるアルバムじゃなくてもっと普通にかっこいいアルバムを作ってみようと。
Tack朗:今回も作品に関しては。ヒスパニを表面上で見て聴かない人っていると思うんですけど、そういう人を納得させられるアルバムを作ろうと。

Q.ヒスパニって勘違いされてる部分が多いと思うんですけど、音楽に対してめちゃくちゃ真面目ですからね。パブリックイメージとしてふざけてると思っている人が多そうですけど。
とも:ふざけてる(笑)。「情熱大陸」とかで密着してもらったら分かると思うんですけどね(笑)。

Q.真面目に向き合ってるからこそ「絶対×絶命」のような曲が生まれる訳で。これは今のヒスパニの状況ともリンクする?
とも:それも込みです。僕らは今結成6年目なんですけど、年齢も重ねてきて人生の局面に立たされることもあるし、バンドだけじゃなくて対人関係とかでもどうしようも出来ないことがあって。そう思うと絶体絶命だなって。
$EIGO:歌詞を読んで病んでるなって思いました(笑)。吐き出してるなって(笑)。
とも:でも最後の最後で展開が少しポジティブになるのは変化ですね。今までだったら最後の最後までバッドエンドだろうし。そこは前向きになってるんじゃないかなって思いました。
とも:さっき、病んでるって言われたんだけど(笑)。

Q.最後の最後で「動き始めるドラマ 新たに始めるドラマ」と歌ってるじゃないですか。そこからの流れで「俺は赤ちゃん」に繋がって「オギャー!!」で「生まれた!始まった!」ってなりました。
とも:あははは。繋がった(笑)。
Tack朗:その解釈、面白いですね。
$EIGO:でも確かにこの2曲は制作時も繋げて作っていた気がします。「絶対×絶命」のアウトロから「俺は赤ちゃん」のイントロの流れとか意識していましたね。

Q.しかし「俺は赤ちゃん」て(笑)。これは赤ちゃん目線で歌っているのですか?
Tack朗:赤ちゃん目線です。
$EIGO:かっこいい顔して言うな(笑)。
とも:テーマをピックアップしていく中で赤ちゃんネタは前からあったんですよ。でも当時はTack朗だけ断固拒否していて。きっと気持ちが入り過ぎちゃうのでしょうね(笑)。プライベートでもそういう趣味を…。

Q.それはプレイ的な話ですか(笑)。
Tack朗:もうちょっとオブラートに包みなさい(笑)。人はみな赤ちゃんに戻るんですよ。原点回帰です。(一同笑)

Q.この曲は「夜泣きタイム」という超重低音パートがありますが、あれ、世の子育て中のお母さん達のトラウマを呼び起こす悪魔のパートですよ。僕も夜泣きを思い出して頭が痛くなる。
とも:あははは。共感しちゃってるんですね(笑)。

Q.あそこまでの重さは久しぶりじゃないですか?
とも:そうかもしれませんね。面白いのは、重いパートは年々どんどん重くなっていくんですよ。ポップな部分と重いパートの差がどんどん広がっていく気がします。きっと意識レベルで日和ったっていわれたくないんでしょうね。

Q.なるほど。あとこの曲は僕の大好物のTack朗君のファルセットが聴けてめちゃくちゃ嬉しいです。「Love it!」で聴けた「さみしがりやぴ~ぽ~」が忘れられなくて。
Tack朗:嬉しいです(笑)。
とも:だんだんTack朗のファルセットがマストになってきましたね(笑)。でもそれ、結構色んな人が言ってくれるんですよ。Tack朗の歌い方と歌詞がマッチしてピンポイントでパンチラインになるんでしょうね。

Q.この曲に関しては歌詞ですらないですから。でも印象に残る。
Tack朗:「ママ~」ですからね(笑)。

Q.やっぱり言い慣れてるのかな…。
とも:日常から言い慣れてる人の言葉は説得力が違いますね。Tack朗はバックボーンにプレイがありますから。(一同笑)

Q.またTack朗君の話になっちゃいますけど、トリプルヴォーカルがヒスパニの最大の武器じゃないですか。
とも:そうですね。

Q.でも「ノット・イコール」は珍しくTack朗君が歌ってないんですよ。コーラスでは参加してると思いますけど。
おかっち:言われてみればメインで出てこないのは珍しいかも。
Tack朗:アルバムで1曲くらいは歌わない曲もあったりするんですけどね(笑)。

Q.身体が欲してたんでしょうね。「出てこない、出てこない」って思いながら聴いていましたから。でもその次の「GO!GO!MANIAC」で鬱陶しいくらい出てきました(笑)。
Tack朗:鬱陶しい(笑)。

Q.この曲は「けいおん!!」のカバーですが、このアレンジはヒスパニにしか出来ないし、何ならヒスパニの新曲だって言われても違和感ないですね。
おかっち:最初は去年のFREEDOM NAGOYAで何かカバーしようってことでこの曲を選んだんですけど凄くしっくりきて。
とも:僕がやりたいってゴリ押ししたんです。前にでんぱ組.incのカバーもしてるんですけど、うちのメンバーだったら面白くアレンジしてくれる自信があって。僕らは「けいおん!!」直撃世代だから曲も好きだったし、他のバンドじゃ出来ないだろうなって。Tack朗が原キーで歌えるのも強みだし。でも完成したら想像以上にヒスパニでウケました。

Q.でんぱ組.incにしろ「けいおん!!」にしろ選曲が流石ですね。
とも:こういう曲は壊し甲斐があるんでしょうね(笑)。バンドサウンドから離れてれば離れてるほど面白いと思います。

Q.「Shut up」を聴いて感じたのですが、とも君のラップも進化していますね。まるでチプルソみたいだなって。
とも:チプルソ、好きですね。Tack朗がキーを上げるのと一緒で僕の自己チャレンジの現れです。活舌チャレンジ(笑)。海外のラップも好きなんですけど、ちょっとナメた感じの声で畳みかけるのが好きなのでそこの影響もありますね。

Q.この曲は最初から最後までめちゃくちゃ怒ってますね。
Tack朗:タイトルから既に怒ってますから(笑)。

Q.色んな解釈があると思いますが、言葉狩りみたいになってしまったSNSを嘆いてるのかなと。
とも:元々僕もTwitterは大好きだったんですけど、最近めちゃくちゃ窮屈だなって思うんですよ。すぐマウントを取りたがる奴ばっかだし。

Q.気軽に下ネタも言えなくなりましたからね。
Tack朗:本当ですよ。おっぱいすら言えない。
とも:おっぱいくらいは良いんじゃない?
Tack朗:いや、気軽に呟けないよ。

Q.なんかあればすぐヤフーニュースになりますから。「ヒスパニ、深夜におっぱい発言」みたいな。
とも:「狂気のツイート」とか言われて。ヤフーニュース、2回目!
やっち:やめなさい(笑)。

Q.「夢遊病」も斬新でした。ヒスパニがメロコアをやったらこうなる、みたいな。
おかっち:こういうタイプの曲は今までなかったですよね。こういうことも出来るってことを知って欲しい(笑)。
とも:今のヒスパニ感もこの曲では出ている気がします。さっきのELLEGARDENの話じゃないですけど、メロディに青春感もあって。歌詞もそこに寄せて書きました。Tack朗にはそれでもネガティブだって言われましたけど(笑)。

Q.「夢」で「遊」ぶ「病」という言葉の使い方が凄く良いです。
$EIGO:分かる。そこ、一番良いですよね。
Tack朗:歌っていても気持ち良いですね。まだあまり歌ってないですけど(笑)。

Q.「寝ても覚めても未だ遊び足りない」って夢の中で言ってるんだろうなって思ったらそっと毛布を掛けてあげたくなりました。
Tack朗:パパ!
とも:優しい(笑)。

Q.アルバム全体的に攻撃力高めの曲が並ぶ中、この曲だけ毛色が違うんですよね。それが次の作品の予告編のようにも感じて。
とも:その感覚はちょっと意識しました。まだ次の作品がどうなるかは分からないですけど、作品と作品を繋ぐような曲なのかもしれませんね。

Q.このアルバムを引っ提げて「どくどくツアー」と題されたツアーも開催されます。
やっち:この前ツアーの打ち合わせをしたんですけど、いつもヒスパニのセットリストって間にちょけるポイントがあるじゃないですか。でも今回のツアーはそういうのはなしで、純粋にかっこいいヒスパニを見せようかなって思っています。

Q.いつもふざけてるアー写も今回は真面目ですからね。それが逆にふざけてるように見えちゃうのはヒスパニの性でしょうけど。
とも:あははは。これも1周回って普通のアー写っていうボケです(笑)。でも本当に今回は僕らのかっこいい部分を見てもらえると思うので、一味違うヒスパニを楽しんで下さい。

リリース情報
タイトル:Hypnotic Poison

2018年10月31日発売
¥2100(+税)
VICL-65068

LIVE
“どくどくツアー”
11月15日(木)札幌 DUCE SAPPORO
11月17日(土)仙台 enn2nd
11月28日(水)東京 LIQUIDROOM
11月30日(金)金沢 金沢AZ
12月7日(金) 福岡 DRUM Be-1
12月11日(火)大阪 梅田CLUB QUATTRO
12月16日(日)高松 DIME

“ヒステリックパニック presents どくどくツアー -FINAL-(ワンマン) 〜あけましておめDEAD!今年もよろSICK!2019〜”
2019年1月4日(金)名古屋 Zepp Nagoya

http://www.hystericpanic.com/

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