INTERVIEW

ヒステリックパニック

名古屋発異端児ラウドロックモンスター、ヒステリックパニックがトリプルA面シングル『666 (TRIPLE SICK’S)』をリリース。超絶ハイトーン×凶悪スクリーム×極上コーラスといったタイプの異なるトリプルヴォーカルとジャンルレスな楽曲で音楽シーンをかき乱し続けるヒスパニのエクストリームJ-POPが炸裂する今作はそのタイトルが醸し出す世界観を体現した3曲+ボーナストラック収録のてんこ盛りEPだ。1曲1曲の強度を増すために敢えてシンプルな構成で挑んだ楽曲群は、例えるならばドラクエのパーティが全員戦士のようなパワー型。『LIVE A LIVE』の続編とも取れる攻撃力高めのEPとなっている。今作を完成させた我らがヒスパニちゃんに話を訊く。

Q.今回のシングルはトリプルA面ということですが。
とも:シングル出したいって話がまずあって、どうせ出すなら全曲押せるものにしたいなと。シングルだけど盛り沢山なものが作りたくて。それで押し曲をがっつり入れたトリプルA面にしたんです。

Q.ボーナストラックを除いた今回の3曲は、これまでに比べ1曲1曲の個性を強く感じました。
Tack朗:そこは完全に狙い撃ちですね。ヒスパニって色んなことをやってるし1曲にそういう要素を詰め込みまくる傾向にあるんですけど、今回のシングルはそれそれの曲にバラけさせたんです。詰めこみまくるのではなくシンプルだけど攻撃力の高いものにしようって。

Q.『666 (TRIPLE SICK’S)』というタイトルもヒスパニらしさ全開ですよね。
とも:『666』の持つ言葉の意味もだし、結成6年目だったり、今作がメジャー6作目の作品であったり、発売日の2018年5月2日のアナグラムが『666』の合計の18になったり、色んなことが重なってこのタイトルになりました。歌詞のテーマとかは別に意識していた訳じゃないしテーマを決めてしまうと曲同士が近しいものになってしまう気がしたので作品としてのトータルバランスは最終的に取れたらいいなくらいだったんですよ。でも結果的に色んなことがリンクしましたね。「SIX」じゃなくて「SICK’S」なのもうちっぽいかなとか。

Q.そこはもうヒスパニの専売特許ですから(笑)。「Love it!」も一見すると「ぼくらうさぎさん♪」みたいな可愛い曲にも取れますけどかなり病んだ曲ですからね。
とも:そうなんですよ。読解力があれば分かるっていう。
Tack朗:僕らも最初は意味が分からないんですよ。でも後から歌詞を読んで納得するのがいつものパターンです(笑)。

Q.うさぎって淋しいと死んでしまうメンヘラ動物としての側面もあるじゃないですか。この曲はそこを歌っているんだろうなって。
とも:動物界きってのメンヘラですからね(笑)。ずっとうさぎをモチーフにした曲を書きたかったんですよ。それが今回ハマった感じですね。「Love it!」は意識して大衆向けに作った訳ではないんですけど、メジャーデビュー以降、お客さんの年齢層やジャンルの幅が拡がったので1曲子供が歌えるような曲を作りたいと思っていて。そこも上手くハマった気がします。小さな子供にはうさぎさんの曲として聴いてもらえるだろうし、読解力がある子が聴くとちょっと変な曲だと思うだろうし。ポップな面もあればアリスみたいなドス黒さもあって、そういう二極性があるのは面白いんじゃないかなって。

Q.その二極性という部分はWミーニングでもあるタイトルにも表れていますね。
とも:これ、Tack朗は最近やっと気付いたんですよ。
Tack朗:ライブでMCで聞いて凄いなって思いました(笑)。
とも:Tack朗以外は全員気付いてたんですけどね(笑)。

Q.僕は子供の頃から「幸せなら手を叩こう」って教えられてきたのですがこの曲は逆ですよね。
とも:あははは。「みんながみんな幸せだと思うなよ!」ってことです(笑)。僕は「幸せなら手を叩こう」っていうフレーズに斜に構えてるんですよ。「ハッピーじゃない!ならば手を叩け」って部分はライブハウスで歌ってるイメージなんですけど、ライブハウスに集まる人って何か足りないものを補いに集まっている人が多いと思っていて。愛に飢えているというか。だからこの曲はライブハウス仕様の「みんなの歌」みたいな立ち居地なのかもしれません。

Q.あの部分は$EIGO節も炸裂していますよね。
とも:$EIGO独特のコブシがありますよね。
$EIGO:元気よく歌いました(笑)。

Q.トリプルヴォーカルである意味も発揮してるなと。
Tack朗:そこは上手く詰め込めた気がします。

Q.その流れで飛び込んでくるTack朗君の「さみしがりやぴ~ぽ~」で全てがキマる感じも最高です。「さみしがりやぴ~ぽ~」だけ何回もリピートして聴いちゃいます。
Tack朗:あははは。琴線に触れちゃったんですね(笑)。

Q.ずっと「さみしがりやぴ~ぽ~」だったのが最後の最後でオチに向かい「さみしがりや とうとう」って物語が動く瞬間には涙が出そうになりました。
Tack朗:めっちゃ評価高いじゃないですか。(一同笑)

Q.この曲はおかっちのスラップが入るまでのイントロのギターも好きです。
$EIGO:完全に手癖ですね。何も考えないで弾きました。最近、難しく考えるのを止めたんですよ。ナチュラルに出てくるもので勝負しようと思いまして。元々そうだったはずなんですよ。「こんなんでいいでしょ?」ってノリで作るみたいな。その感じに戻ったんだと思いますね。
おかっち:一周して戻ってきたよね。

Q.そこの戻ったのは何か要因があるのですか?
$EIGO:Tack朗、どう?
Tack朗:いや、俺は戻ってないもん(一同笑)。

Q.Tack朗君は違うと(笑)。
Tack朗:個人的には何でも詰め込みたいタイプなので(笑)。カレーを食いながらラーメンも食いたいじゃないですか。でも今回のEPに関しては1曲1曲で違う味なのはアリだと思います。

Q.「この曲はカレー、この曲はラーメン」っていう。
Tack朗:そうですね。だから出来上がった3曲を並べたら新鮮でした。ある意味、ヒスパニらしくないシンプルに研ぎ澄まされた曲が揃ったなって。
とも:大人になったのかもね(笑)。やっと引き算を覚えたみたいな。これまでは加算式だったので(笑)。
Tack朗:1コーラス目と2コーラス目が同じコードだったりすると崩したくなっちゃうんですよ。でもそこは今回シンプルにいこうと。
とも:だから次の作品はこの反動でぐちゃぐちゃになるかも(笑)。

Q.まあ今作も「ヒスパニにしてはシンプル」ってだけですから(笑)。
とも:あははは。
Tack朗:そもそもの感覚がバグってるのかもしれませんね(笑)。

Q.そして「Suicide Squad」ですが、これはとも君、思い切りましたね。詳しくは言及しませんが(笑)。
とも:今しかないと思いました(笑)。だから「早く次の作品を作らせてくれ」って言っていたんですよ。

Q.でもビーフ(注釈:HIP HOPのディスりあいetc.)に対して曲でアンサーを返すのはとも君らしくて素敵ですよ。
とも:あははは。アンサーソングです(笑)。

Q.この曲はかなり攻撃力高めだなと。
とも:完全にライブ向けですね。この曲は作曲の部分でもかなり口出ししました。ライブでやりたいことを詰め込みまくったTack朗以外で作った曲です。
Tack朗:俺は一切噛んでません(笑)。
やっち:寝てたよね(笑)。
Tack朗:俺がいないほうが曲に個性が出るのかなって。

Q.サビにキャッチーさはありますけど基本的にはポップを排除した曲ですからね。
とも:ポップの欠片もない攻めた曲ですね。『LIVE A LIVE』でライブに対する意識が強くなったのでそれが如実に出たんだと思います。

Q.ライブハウスにおけるモッシュ、ダイブ禁止に対してのメッセージソングでもあるなと。
とも:そうですね。僕らはそういう行為が禁止されているイベントにも出る機会が増えましたし。でもそこで育ってきたし、やっぱり好きだから、人に迷惑をかけないでかっこよく飛べよっていうメッセージを込めました。曲に関しては「Love it!」の反動が出てると思います(笑)。
やっち:この曲のドラムは、ドラムンベースを基盤に構築しているので指が吹っ飛ぶんじゃないかって思うくらい忙しいです。

Q.おかっちのベースもかなりかっこいいです。
おかっち:得意な感じですね。何も考えないでスラッとやれました。ベースを弾いたって感じです。
とも:ベースはいつも弾いてるでしょう(笑)。

Q.「メリーバッドエンド」からは狂気を感じました。角度によってはラブソングだけど角度によっては怖いなと。
とも:タイトル自体がそういう意味合いなんですよ。ネットで生まれた造語なんですけど、見る角度によって解釈が異なることだったり、相互依存って意味もあって。この言葉も昔からネタ帳に書いてあっていつか曲にしたいと思っていました。この歌詞は珍しくTack朗から注文がありまして。

Q.どんな注文だったのですか?
とも:「男女の視点で書いて欲しい」って注文ですね。そこから「メリーバッドエンド」という言葉に沿った内容とリンクさせるのは時間が掛かりました。難産でしたね。

Q.ボーラストラックとして収録されている「かえるうた」もやばいですね。
とも:まず今回のEPはトリプルA面ではあるけど、昔のCDのようなボーナストラックを入れたくて。今回はクレジットされてるけど、しなくてもいいくらいの遊びの曲を入れたかったんですよね。

Q.この曲を聴いて閉じてたトラウマを開いてしまう人もいるかも(笑)。
とも:a crowd of rebellionの亮輔は「やめてくれ!」って言ってました。(一同笑)

Q.あははは。しかし濃い作品になりましたね。
$EIGO:初見でも楽しめると思うし、ライブでかなりパワーを発揮する曲だと思いますね。『LIVE A LIVE』をさらにブラッシュアップさせた作品になったと思います。
Tack朗:CDでもライブでも映える、全方向にバランスの取れたEPになりましたね。
とも:今のヒスパニは全員が同じ方向を向いていると思っていて。結成6年目、メンバーが何をやりたいか明確になってきて理解もしているのでゼロから5人で作り上げたっていう意識は結構ありますね。6年目、新しいヒスパニを感じてもらえると思います。
Tack朗:セカンドシーズン、始まりましたね。

Q.今日あまり喋ってないやっちはどうですか?
やっち:うーん。僕は特にないっす。
とも:同じ方向向いてなかった!(一同笑)


タイトル:666 (TRIPLE SICK’S)
2018年5月2日発売
¥1,600 (+税)
VICL-64994
1.Love it!
2.Suicide Squad
3.メリーバッドエンド
4.かえるのうた(Bonus Track)

LIVE
ヒステリックパニック presents東名阪 異種格闘技ツーマン「 音楽は基本雑食です笑 」
5月2日(水)名古屋クラブクアトロ
W:ゆるめるモ!
5月8日(火)梅田Shangri-La
W:電波少女
5月16日(水)新宿LOFT
W:ペンタゴン

BLACK SHEEP RECORDS presents We are here!
ヒステリックパニック / BACK LIFT / Rhythmic Toy World
6月15日(金)@渋谷TSUTAYA O-WEST
6月17日(日)@大阪OSAKA MUSE
6月29日(金)@名古屋 CLUB QUATTRO

http://www.hystericpanic.com/

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