INTERVIEW

火の玉宣言フェスティバル2018 NAGOYA 対談


STANCE PUNKSが結成20周年を記念した野外フェス「火の玉宣言フェスティバル2018 NAGOYA」を9月22日に愛知県口論義運動公園にて開催する。STANCE PUNKSとSOUND GARDENの共催となる今フェスにはSTANCE PUNKSの20周年を祝うべく全27バンドが集結する。今回2YOUでは「火の玉宣言フェスティバル2018 NAGOYA」の開催に向けて主催でありSTANCE PUNKSのヴォーカルであるTSURU、出演者を代表してMOROHAよりアフロ、忘れらんねえよより柴田隆浩の座談会を行った。20年間走り続けてきた彼らの20周年の祭り。22日は愛知県口論義運動公園にてスタパンを盛大にお祝いしよう。

Q.20周年を迎えるSTANCE PUNKSが名古屋にて火の玉宣言フェスティバルを開催するということで今日は御三方お集まり頂きました。
TSURU:STANCE PUNKSのTSURUです。
柴田:忘れらんねえよの柴田です。
アフロ:MOROHAのアフロです。
TSURU:みんな今日はありがとね。

Q.柴田さんとアフロさんはスタパンを知ったのはいつ頃でした?
柴田:俺は地元が熊本なんですけど、みんなめっちゃ聴いてたし、当時ドラマの影響とかでブルーハーツがまた流行ってたからその流れでスタパンとかゴイステとかを聴いていましたね。それからしばらくして28歳くらいのときに「ザ・ワールド・イズ・マイン」を聴いて、改めて衝撃を受けました。あの曲、ミュージックビデオがやばすぎて。始めて対バンしたのは僕らの企画「集え!ゴミ人間フェスティバル」に出てもらったのが最初でしたね。スタパンが下北のサブカル空間に降臨していました(笑)。
アフロ:俺は中学のときに「STANCE PUNKS」っていうミニアルバムを聴いたのが最初ですね。TSURUさんがステージの上で顔が隠れてるジャケットの。
TSURU:ああ、最初のミニアルバムだ。
アフロ:あのCDの中のイラストが好きで卒業文集に書きましたから。
TSURU:あははは。嬉しいなあ。
アフロ:あと友達がめっちゃカラオケでスタパンを歌ってたから俺の中で友達の声で同時再生されるみたいなとこもあります。

Q.スタパンとMOROHAの初対バンは?
TSURU:大阪のセカンドラインでうちらとMOROHAとB-DASHでやったのが最初じゃないかな。そのとき初めてMOROHAを観て、その日のMCで「ヤバい」って真似した気がする(笑)。MOROHAは本当に凄いなって思ったよ。忘れらんねえよは同じ駄目な匂いを感じた(笑)。

Q.2000年頃、青春パンクと呼ばれるムーブメントが起きてスタパンは渦中にいたと思うのですがTSURUさんは当時あのムーブメントをどう捉えてました?
TSURU:すごい嫌いだった。まず響きがダサい。俺らがデビューした頃はそんな言葉はまだなかったんだよ。でも2001年くらいにCD屋に行ったら青春パンクコーナーっていうのが出来てて俺らのCDもそこに置かれてたの。取材とかでも青春パンクって言われるから「え?なんのこと?」って思ってた。それにガチガチの強面のパンクス達から一斉に嫌われたのが凄く悲しかった。俺は青春パンクじゃなくて、不良たちのパンクが好きなのに!って。

Q.ましてやバンド名にPUNKが入っているから…。
TSURU:いざこざだらけ(笑)。
アフロ:え!?何かあったんですか?
TSURU:しょっちゅうだよ。パンクのライブに行くと「青春パンクさんよー」とか「バンド名変えろや」って喧嘩売られることばかりだったしね。俺もパンクが好きでパンクのライブに行ってるのにそこに集まるみんなに嫌われるっていう(笑)。
アフロ:それはきついですね。
TSURU:甘っちょろく感じたんだろうね。「青春パンクって恋愛の曲だろ?」って馬鹿にされたし。しかも俺も若かったからさ、喧嘩売られたら喧嘩しちゃってたし(笑)。
柴田:今は面と向かって言う奴はほぼいないですからね。こそこそネットで書く奴ばかりで。
アフロ:ね。ちょっと羨ましいですもん。なんか浪漫がある。
柴田:なんかツイッターで直接文句言ってくる奴がいるんですよ。「この曲はこうした方がいい」とか「あのライブのあの感じは違うと思う」とか。本当に腹が立つ。表現者をコントロール出来ると思うなよって言いたい。サービス業じゃねえんだよ、馬鹿!(一同笑)。直接じゃなく、勝手に感想とか意見をつぶやく分には全然いいんだけど。
TSURU:そう思うと昔は分かり易いかったね。俺らはパンクの中で存在自体を否定されてたから(笑)。

Q.そんな中で20年突き通してきたスタパンは本当に凄いと思います。
柴田:全然ブレないですよね。
アフロ:逆にブレてないって言われるのってどうですか?
TSURU:考えたこともない。バンドが好きでやってるだけだから。精神的とか音楽的とか色々あるんだろうけど、例えば俺がラップし始めたとしても好きなことやってるんだったらブレてないんじゃないかなあ。たまに売れようと思って曲を作るバンドを否定する奴もいるけど、俺はそれも全然良いと思うし、売れる為にやることは悪いとも思わなくて。ただ俺は違っただけっていう。好きなことだけやってる。あ、そこはブレてないのか。

Q.アフロ君、何か言いたそうですね。
アフロ:売れる為にやるのが悪くないって思えたのっていつ頃ですか?俺はそういう奴ら全員くたばれって思ってるんですけど。
TSURU:どうだろう、若いときは思ってなかったかもね。
アフロ:俺は何でも否定から入っちゃうんですよ。全否定から。その上で肯定せざるを得ないものだけ信じるようにしていて。正直、スタパンも「どんなもんだよ」って否定するつもりで聴いて否定しきれなくて好きになったんです。忘れらんねえよはやり口は嫌いなとこもあるけど、曲が良いから好きになったし。
柴田:ちょっと!(笑)。

Q.今回のフェスはスタパンの20周年のフェスですが、バンド主体のフェスは所謂一般のフェスと違いますか?
柴田:主語が見え易いから何をするかが明確ですよね。正直、売れてるバンドを上から順に呼んでるだけの、ロックじゃなくて単なる商売じゃねえかってフェスたまにあるじゃないですか。そういうものと対極にあるのがバンド主体のフェスだと思うんですよね。だからそこに呼んでもらえるのは嬉しいです。
アフロ:大喜利はし易いですよね。この日、みんな「スタパンおめでとう」って言うだろうから逆にいくかどうかとか。柴田さんも言ってましたけど、主語がはっきりしてる分、モチベーションは高めやすいですね。そういう意味ではサーキットは最悪になりがち。ほか共演者も対バンしてるっていう意識が薄いし、主催者すら観てないって事も多い。だからもう最悪っていう大喜利をするしかないですよね。結果、全員殺すってなっちゃう。
柴田:MOROHA、怖いなあ(笑)。
TSURU:ハードコアだよね。
柴田:昔、「下北沢にて」っていうサーキットでアフロ君がフロアにいたんだけど途中でいなくなってて。駄目だったんだなって思ったもん(笑)。
アフロ:そんな風に思ってなかったと思うんですけどね。でも俺も客席で説得力のある顔した奴の反応が気になる事は昔ありました。ライブハウスでハンチングかぶってる人は全員音楽業界の偉い人だと思ってましたから。
TSURU:コザック前田だ。(一同笑)

Q.スタパンのライブ中ってTSURUさんは何を考えて歌っています?
TSURU:何も。そもそも客席もステージもあんまり見てない。SEが鳴るまで何も考えてないし、ライブが始まってやっとちょっと見えてくるかな。だから昔、SEで客席から落ちてピヨピヨしてたこともあるよ。SEが鳴ってる中、最前列にいるお客さんが「大丈夫!?」って(笑)。
柴田:緊張とかしないんですか?
TSURU:ライブで緊張したことは1回もない。緊張の対象じゃないんだろうね。ライブの3分前までぼけっと煙草吸ったりしてるし。
柴田:俺は知り合いが楽屋に来たりすると「出てけ」って思っちゃうタイプなんですよ。ギリギリまでうんこしてるし。
TSURU:SEがかからないとスイッチが入らないんだよね。ステージに出ていく瞬間にズドーンって感じ。

Q.ライブすることが当たり前だと。
TSURU:そうなのかも。
アフロ:ライブしたくない日ってあります?
TSURU:1回もないね。あ、ライブがなかったら女の子と遊べるのになって思ったことはあるよ(笑)。
アフロ:歌詞と気持ちが剥離しちゃうときってないですか?
TSURU:あるよ。でもライブするのには関係ないかな。100メートル走に近いんだと思う。だって100メートル走っているときに余計なこと考えないでしょ。
アフロ:凄いなあ。俺は歌ってることと真逆なことを考えちゃって、こんなこと嘘だって思いながらステージに立つときがある。そういうときは自分をリスナーに置いて自分を鼓舞してますけど。
TSURU:自分に向けて歌わなきゃいけないときってあるよね。
柴田:俺は歌詞を書くときって、しんどい自分を救うために書くことが多くて。たぶん自分を救う言葉を探してるんだと思うんですよね。失敗したり女の子にフラれて落ち込んだときに文章にするとすっきりするんですよ。何にもないときに書いても歌詞に強度がない気がする。
アフロ:柴田さんはライブで何を感じたいですか?
柴田:ウケたい。
アフロ:あ、ウケたいんですね。俺は全員くたばれって思うことの方が多いなあ。
柴田:くたばれって気持ちもあるよ。でもウケたい。笑わかしたい。そんで泣かしたい。
TSURU:客が楽しくないと楽しくないよね。でもバンド始めたばっかの頃は知らない対バンに死ねって思ってたよ。リハーサルとかみんなフロアにいるじゃん。絶対舐められたくなかったからね。弦張ってる奴らとか全員ガン飛ばしてたから。あとPAが「モニターはどうですか?」とか聞いてくるけど分からないから「モニター、OK」とかかっこつけて言っちゃって本番何も聴こえないの(笑)。でも対バンに舐められるよりマシだからね(笑)。

Q.舐めんなスピリッツはMOROHAも忘れらんねえよも強そうですね。
柴田:フェスの楽屋村とかでツーショット撮ってる奴らには絶対負けたくないですね。自分と同格か、自分より人気者の人とだけしか撮らない。人選んでんじゃねえっていつも思ってます。こっちは一人でビール飲んでるのに、遠くで楽しそうにツーショット撮り合いっこしやがって。
アフロ:そう思ってるのに曲が憎しみに満ちてないのが凄い。
柴田:そういうことは歌わないからね。昔は歌ってたけど、もう飽きた。
アフロ:俺はもう客が許せないから。「それ本当に良いと思ってるの?」ってダサいバンドで盛り上がってる奴ら見て思っちゃう。逆にかっこいいバンドに人がいないと「なんで気付かないんだ」って思うし。きっとフェスが好きで音楽が好きじゃないんだろうなって。
柴田:レジャー的に来る人は多いからね。

Q.僕は間口は広くて良いと思っていて。ディスニーランドにミッキーに会いに来た人をどうやってホーンデッドマンションに誘き寄せるかだと思うんですよね。それが出来るのがスタパンでありMOROHA であり忘れらんねえよであると思います。
TSURU:ギターウルフのセイジさんとか矢沢永吉さんとか、既にミッキーじゃん。俺もそうなりたいの。「ロックンロール!」って一言で泣けるんだもん。パンクだから主張はあるし戦争も原発も自分の中に置いて歌詞を書くけど、全部含めて「ベイベー」でOKなのって凄いじゃん。

Q.まさに「くそったれ」ですよね。
アフロ:その「くそったれ」だけでケリ付けるのがスタパンだし、「愛し合ってるかい」でケリ付けるのが清志郎じゃないですか。ロックをやっているとその一言に向かっていくのが正しい方向だと思うんです。でもラップはその一言に対して何万字と文字を書くんですよ。だから余計に細かいことまで気にしなくちゃいけないのかも。
TSURU:くそったれですまないもんね。
アフロ:ロックは極太のマッキーで書くかっこよさがあってラップはボールペンで書きまくるかっこよさがあるんですよ。その違いが面白いですよね。僕が何万文字も書いて伝える感情をTSURUさんは「くそったれ」だけで伝えてしまうんだから。そこはめちゃくちゃ憧れますね。憧れるけど、シコシコ書いてるラップのいじらしさも美しいなって思っています。

Q.自分のやり方があるかどうかですよね。
柴田:そこを突き詰めたいんですよね。それが俺のテーマです。Theピーズのハルさんとか、あんなにフニャフニャしてるけどめちゃくちゃ楽器も上手いしかっこいいじゃないですか。ハルさんみたいに完全に極まってる人にも憧れちゃう。
TSURU:ハルさんも漫画のキャラクターみたいだもんね(笑)。そう、キャラクターになるのって大事なんだよ。俺もキン肉マンになりたいもん。そこにいるだけでいいみたいな。ヒロトさんなんて完全にキャラクターじゃん。もうそこで歌ってくれてればそれだけでOKみたいな。そこまでいったらもうミッキーだよね。あのパワーは凄いから。そういう人が音楽シーンにはいっぱいいるから俺もそこまでいきたいね。ミッキーになりたい(笑)。
アフロ:でもミッキーマウスって時に嘘臭くないですか?ロックってどこかプロレスっぽい部分があると思うんですよ。
TSURU:いいかい、ロックには「ロックで騙せ」って言葉があるんだよ。それが粋ってもんなんだよなあ。

Q.TSURUさんは今回のフェスをどんなものにしたいですか?
TSURU:フェスに対するカウンターかな。うちの客ってフェスが嫌いな奴が多くて。ライブとかで話すと「フェスはいいからライブハウスでやってくれ」ってよく言われるの。俺もやっぱりライブハウスでやる方が好きだしね。でもフェスはフェスで楽しいじゃん。だからうちのファンに「一回来いよ」って言いたいかな。まあ俺もそこまでフェス好きじゃないんだけどね(笑)。
アフロ:フェスのカウンターよしてフェスをやるってことですか。
TSURU:フェスを好きじゃない奴がやるフェスに、フェスが嫌いなファンが集まったらどうなるかっていうね(笑)。
柴田:でもミーハーは来なさそうですね。
アフロ:楽屋にモデルも来ないんじゃないですか?
柴田:あいつら、いつもどうやって入ってるの?売れてるバンドとツーショットばかり撮って。人を選びやがって!TSURUさん、この日は読者モデルとか来ないですよね?
アフロ:あははは。読者モデル、ゼロを目指しましょう!
TSURU:馬鹿。読者モデルが来たらどうやって仲良くなるかしか考えないよ。
アフロ:TSURUさん、かついで持って帰りそう。
TSURU:みんなかついで持って帰るぞ!みんなおいで!(一同笑)


STANCE PUNKS × SOUND GARDEN presents
火の玉宣言フェスティバル2018 NAGOYA
愛知県口論義運動公園
2018.9.22(土)/ 午前10時開演予定
5,589円
主催 火の玉宣言フェスティバル実行委員会
企画・制作 (株)グローイングアップ / RAD CREATION(株)
http://hinotamasengenfes.radcreation.jp/


STANCE PUNKS
13th SINGLE
『たましいのうた / mother lake』
Dynamord/GUDY-4004 ¥890(tax in)
2018.07.15 release
※ライブ会場限定販売
【CD】
01. たましいのうた
02. ペーパースクリーン・ダイアリー

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