インタビュー

綿谷”wata”剛 FREEDOM NAGOYA 2021-EXPO-【インタビュー】

2YOU:FREEDOM NAGOYA 2021-EXPO-、お疲れ様でした。今日のこの取材タイミングでちょうど2週間経った訳ですが。

綿谷:本心を言うと何事もなくて本当に良かった…です。当日会場での感染症対策は徹底できたと思ってましたが、それでもちゃんと2週間以上経過するまでは気は抜けなかったので。毎日祈ってました。

2YOU:まずは去年、開催を中止せざるを得なかったときの話から訊きたいのですが。

綿谷:正直、去年の春先のタイミングではまだ新型コロナウィルスのことを誰も何も分かっていなくて。だから3月のタイミングでは「少し待てば6月にはやれるんじゃない?」って気持ちで。でも時間が経つにつれ「あれ、今年は無理だな」って気持ちになっていって。2019年が10周年だったので新たな気持ちで2020年11回目のFREEDOMを迎えようと前々から計画していたので開催出来なかったのは悔しかったですけど、昨年のあの時点の状況では今は出来ないよなっていうのが素直な気持ちでしたね。

2YOU:今年のFREEDOMの開催を決めたのはいつ頃ですか?

綿谷:2021年は絶対に開催したいという気持ちはずっとあったんですけど、どれだけ考えても大高緑地でやれる可能性を全く見出せなくて。公園というオープンな場所で参加人数の数を制限して、コロナ対策を徹底して、個人情報も管理した上で、フリーフェスをやることは果たして可能なのかなって。そもそもエントランスもなく誰でも参加できる自由な空間だったから。だから、答えのない問題の解答をずっと考え続けて、どうしたらいいんだ?って感じでした。

2YOU:これまでのFREEDOMの魅力をひとつずつ並べていくと全部NGになるような状況でしたもんね。

綿谷:そうなんですよ。今までのFREEDOMの魅力や持ち味がこの状況下では全てマイナスになってしまうんです。

2YOU:そこで大きく舵を切ったと。

綿谷:はい。でも当初会場を変えるという選択肢は僕の中には全く無かったんですよ。

2YOU:Aichi Sky Expoでの開催を決めたのは?

綿谷:FREEDOMの歴史を全て知っていて、今RADTUBEのドキュメンタリーでもインタビュアーをやってくれている、もう20年近くの同い年の友人と「開催したいけど、どう考えても無理なんだよね〜、どうしたらいいかな?」みたいな雑談をしていた中で「Aichi Sky Expoはどう?」と言われて。Sky Expoの存在は知ってましたが、行った事も無いし、どこにどう連絡して、どうやって借りるかも分からないし、そういう大きい会場の半年前の土日が空いてる訳ないじゃん。みたいな先入観が邪魔して、自分の中の候補にもなって無かったんですよね。でも、動いてみないと分からないじゃないですか?可能性が1%でもあるならとダメ元で動いた所から始まりました。それが今年の1月後半でした。

2YOU:これまで11年間やってきたFREEDOMとは何もかもが違ったと思うのですが最初にSky Expoに行った時はどう感じました?

綿谷:会場に初めて行った時は当日どんな感じになるんだろう?とイメージすら出来なかったですね。だから感覚的には名古屋港でやった1回目のFREEDOMみたいな感じを受けましたね。「これ、どうやってやるの?」っていう。でもその気持ちが新鮮でワクワクしました。

2YOU:誰でも入れる公園からクローズドな状態での開催になったことで、FREEDOMが打ち出してきた「自由な空間」のその「自由」という意味合いが変わるんじゃないかという不安はありませんでしたか?

綿谷:もちろん葛藤はありました。ただ、コロナ禍以前の2019年10周年を終えた時から11回目FREEDOMは15周年、20周年を目指してまた1から新しいFREEDOMを作りたいという気持ちがあったのと、1年近く色々な事を制限される中でアーティストの解散やライブハウスの閉店のニュースも何度も目にしたので、このまま指をくわえて待っていられない、1歩でも前に歩みを進めたいと言う気持ちが強く、今年は形を変えてでもまずは開催を優先したいと決意しました。そこに対するささやかなこだわりという訳ではないですが、Aichi Sky Expoから-EXPO-を拝借して「FREEDOM NAGOYA 2021-EXPO-」と名を変えました。今年はいつもとは違うぞというイメージをアーティストや来場者とも共有したかったので。

2YOU:でも結果的にSky ExpoでのFREEDOMもちゃんとFREEDOMでしたよね。

綿谷:ありがとうございます。そうですね。今年は特に色んな方々に協力してもらって開催出来たと思っています。準備段階から色んな業者の方に入って頂いたんですけど、その方々がSky Expoで別のイベントにも参加経験があったりで、そういう力や知恵を借りれたことも大きかったと思います。あと今年は終日大雨だったじゃないですか。そういう意味でも今年はSky Expo(室内)で本当に良かったと思います。

2YOU:今のこの状況下でフェスを開催することは相当に覚悟と決意がないと出来ないと思うのですが、出演バンドとの対談であったり、RADTUBEでの動画だったり、今年は開催前に綿谷さんが表に出て色んなメッセージを積極的に発信している印象もありました。

綿谷:そうですね、そこは意図して積極的に行いました。根底にはアーティスト、来場者に全力で楽しんでもらいたいという気持ちと、音楽やライブの楽しさ・素晴らしさを沢山の人に知ってもらいたい、触れてもらいたいという例年のテーマに加え、今年は伝えたい事もそれだけではなくて。しっかり自分の顔と名前を出して、自分の言葉で、自分の考えや意志を伝えていく事が「FREEDOM NAGOYA 2021-EXPO-」を素晴らしい1日にする為には絶対に必要だと思って。不言実行に美学を感じるタイプなので、柴山さんもご存知の通り、僕普段はあまり表に積極的には出ないじゃ無いですか?でも今年の開催はそういう自分を変えてでも、必ず良い日にしたかった。そこに賛同してくれたアーティストや、沢山の皆さんが力を貸してくれて積極的に発信してくれたことも本当に心強かったです。

2YOU:開会宣言をしてトッパーのKUZIRAの音が鳴った瞬間は何を思いました?

綿谷:正直、音が鳴る瞬間までは不安でした。どんなフロアになるんだろう、ちゃんと約束を守ってくれるかな…って。でも1曲目が演奏されて、みんなガイドラインの範囲内で全力で楽しんでくれていて、よし、今日は良い日になると確信しました。その後はKUZIRAを数曲だけ観て、急いで本部に戻って状況確認して、各所指示みたいな。今年はガイドライン上どうしても各ホールへの人数制限があって、並んでもらったのにお目当てのバンドが観れなかったという方々には本当に申し訳なかったです。来年以降改善が必要な課題の一つでした。その後もTVの取材にも何局か来て頂いていたので、本当にバタバタしていてなかなか感動する間もないほど走り回っていましたね。ライブを観れたりアーティストと話せたのは最後の方でした。

2YOU:そしてとても大事なことですが、FREEDOM開催から2週間経ってコロナ感染者の報告もなく、やっとこれで無事FREEDOM NAGOYA 2021 –EXPO-を完遂出来たと言えるわけですが、主催者も出演者も観客もあの場にいた人がみんなで守ったFREEDOMでしたよね。

綿谷:本当に心の底から感謝しかないです。みんなに守ってもらって、未来に希望を繋ぐ事が出来ました。先日、アフタームービーを公開したんですけど、出演者や来てくれた皆さんがマスク越しでも伝わるくらい、本当に楽しそうに笑ってて。名前もどこの誰かも分からない人たちなんですけど、その笑顔を見れた事が僕も本当に嬉しかったし、改めて音楽やライブの持つ力に、心から感動して。

「あぁやってよかったなって。」

今回「FREEDOM NAGOYA 2021-EXPO-」を開催して、改めて音楽やライブが僕らにとっては本当に大切なものだと思ったし、間違ってなかったなって。そしてこの先も、大切なものを失わない為に、自分は何が出来るかを考えて絶対に守っていきたいと強く思いました。

2YOU:逆境の中で開催した今年のFREEDOMが沢山の笑顔を生んだこと、大きなトラブルもなく、感染者も出さずに完遂したこと、とても誇らしく思います。そして綿谷さんの頭の中では来年のFREEDOMも既に始まったと思うのですが、来年の開催地はSky Expoか大高緑地公園か考えていたりしますか?

綿谷:現段階でなんとも言えないところではありますが、個人的な気持ちで言うとAichi Sky Expoが有力ですね。今回はどうしても制限のある中での開催だったので、状況が良くなったらもっと、挑戦できる事はあると思いましたし、更に凄い景色やドラマが待っているんじゃないか、もっと楽しいことが起きるんじゃないかって可能性を感じていて。今はその気持ちが強いですね。

2YOU:大高緑地で積み上げてきたFREEDOMをSky Expoでも更新し続けて欲しいです。今年をやり切ったことでより使命感も芽生えたのではないですか?

綿谷:そうですね。正直ここまでの自粛生活や、様々な制限にふと生きている意味すら見失ってしまう程、心が疲弊する瞬間があって。先ほどとも重複しますが、改めて音楽やライブの大切さと人生に必要だと知った事、会場で沢山の笑顔を見れた事、みんなで1つのものを守ろうとする気持ち、そんな愛の溢れる空間で様々な感動が生まれた「FREEDOM NAGOYA」はこの先も絶対に必要だと思いました。そして、オーディションに負けて出演は出来なかったけど腐らずに、朝から晩まで必死に手伝ってくれた沢山の地元バンド達が出演する日まで続けていかないとなと思いました。

2YOU:これはどうしてもこのインタビューに加えたいのですが、改めて今年は関わった全スタッフに大きな拍手を送りたいですね。足を引きずりながら懸命に走り回っているスタッフや、オーディションに負けてボランティアで参加していた地元バンドマンや、FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-の成功を考えたとき、色んな人の顔が浮かびます。

綿谷:本当にその通りです。力を貸してくれたボランティアスタッフの皆さんやNSMの学生さん、裏方スタッフの皆さん。そして各セクション責任を持って守ってくれたRAD CREATION / RAD LIVEの社員達に、心から感謝してます。フェスの開催が厳しいとされるこの状況で、新型コロナウイルスの感染者も出ずに、無事に成功出来たことがこの先、全国のフェスやライブハウスに少しでも繋がると嬉しいです。毎年思いますけど、今年は例年以上に皆さんのご協力を頂いて開催出来たと思っております。重ね重ねにはなりますが、関わってくれた全ての皆さん、本当にありがとうございました。また来年、お会いできるのを楽しみにしております。

FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-
2021年6月19日(土)
Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
8:30引換開始/ 9:00開場/ 10:00開演/ 20:00終演予定
料金:入場無料ただし1drinkとして¥600必要
入場方法:入場には「1ドリンク付き入場引換券」の事前購入が必要です。

第1弾アーティスト
ammo / Hakubi / KUZIRA / Maki / Paledusk / TETORA / Track’s / カネヨリマサル / ヤングオオハラ

第2弾アーティスト
Hump Back / POT / SHANK / SHE’ll SLEEP / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / WOMCADOLE / コールスロー

第3弾アーティスト
ENTH / HEY-SMITH / reGretGirl / See You Smile / This is LAST / アイビーカラー / ザ・モアイズユー / バックドロップシンデレラ / 豆柴の大群 / Goodbye Mozart(2020年オーディション勝者) / CROWSALIVE(4/29オーディション勝者)

最終アーティスト
Dizzy Sunfist / FLOW / LEODRAT / ROTTENGRAFFTY / Unblock / ハンブレッダーズ/プッシュプルポット / amplest(5/8オーディション勝者) / ねぐせ。(5/15オーディション勝者) / GEREN(5/16オーディション勝者) / King of Roar(5/21オーディション勝者) / フラワード(NSMオーディション勝者)

FREEDOM NAGOYA 2021 -EXPO-
http://freedom.radcreation.jp/

text by 柴山順次
photo by タカギユウスケ

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