インタビュー

ファーストサマーウイカ【インタビュー】

BiS、BILLIE IDLE®での活動を通して圧倒的な存在感を放ってきたファーストサマーウイカ。2019年のBILLIE IDLE®︎解散以降、テレビやラジオなどあらゆるメディアで大活躍の彼女がソロアーティストとしてメジャーデビューを果たした。ソロデビューシングルとなる「カメレオン」はウイカが敬愛する阿部真央が作詞作曲を担当。ウイカの本質を最大限に発揮する楽曲となっている。タレントとして、アーティストとして、過去を背負い未来を担いエンターテイメントし続けるファーストサマーウイカの音楽シーン帰還に胸のドキドキが抑えきれない。芸能活動と音楽活動の両側面から打ち出す完全体ファーストサマーウイカから目が離せない。

2YOU:もう本当に、ウイカさんがまた歌ってくれることがとにかく嬉しくて。

ウイカ:そんな風に言って頂けて嬉しいです。実は今回のソロデビューはBILLIE IDLE®の解散前後から動いていたんですよ。だから本当はもうちょっと早くデビューする予定がコロナもあってこの時期になってしまったんですけど。

2YOU:BILLIE IDLE®解散後はウイカさんをテレビで観ない日がないほどのご活躍ですが、やっぱり心の何処かで「もう歌わないのかな」って思ったりもしていて。モノマネ番組で歌っている姿はよく拝見しますけど。

ウイカ:あははは。やっぱり私にとって音楽活動って凄く大事なことなんですよね。10代の前半からブラスバンドを初めてからなんやかんやバンドやBiSやBILLIE IDLE®で活動してきて、その全てが今の自分を形成しているのでやっぱり音楽は切り離せなくて。じゃあ今の私がどんな活動をするかって考えたときに、これまでやったことのなかったソロでメジャーデビューをしてみたいなって。そう思わせてくれたのもBiSやBILLIE IDLE®を応援してくれていたファンのみなさんが「また歌って欲しい」って言ってくれたことが大きかったんですけど

2YOU:Mステを拝見したんですけど、歌っているときのふとした表情だったり、マイクの持ち方だったり、ずっと見てきたウイカさんのままでグッとくるものがありました。

ウイカ:テレビに出ている私を見てファーストサマーウイカを知ってくれた人は「なんかタレントが歌出しちゃってます」みたいに思われる方もいるかも知れないけど、とにかくまずは待っていてくれた人にちゃんと届けたい気持ちが強くて。そこにさらに新しいファンの人が増えてくれたらなお嬉しいし。それに自分を表現する上で歌を歌うことも音楽を作る環境に身を置くことも本当に楽しくて。だけど私は作詞も作曲も出来ないし自分から音楽が湧き上ってくる人間じゃないから今回は阿部真央さんに曲の制作をお願いしてソロデビューさせて頂きました。

2YOU:「カメレオン」は阿部真央さんが書かれた歌詞なんですけど、どう聴いてもウイカさんのことを歌った歌詞なんですよね。その上でちゃんと阿部真央さんの歌詞でもあって。そこがすごく面白いなあと。

ウイカ:わあ嬉しい。今回、真央さんとしっかりお話ししたんですよ。それこそ取材みたいな形で。そうやって私という人間性を解剖しながら曲を構築していってくださったんですけど、最終的には真央さんご自身の事を書いたとおっしゃっていました。実は曲調も私からの提案では真央さんの「ふりぃ」とか「モットー。」のようなアッパーな曲をお願いしたんですけど、出来上がったのが真逆の曲で。それも凄く面白いなって。

2YOU:ウイカさんの本質を見抜いたのかもしれないですよね。テレビの中のウイカさんのパブリックイメージだとアッパーでテンションの高い曲になると思うんですけど、真央さんはウイカさんを外側じゃなく内側から見ているなと。

ウイカ:そうなんですよね。私がアッパーな曲を歌いたかったのは表現者としてチョイスしたものであって本質ではなかったのかも。そうやって自分自身にかけていたベールを真央さんが取っ払ってくれた気がしました。すごく腑に落ちたというか。それで絶対にこの歌を歌いたいなと。印象的だったのが、真央さんが「なぜ歌うのかを考えたときに、そこに気持ちや想いが乗っていないと意味がない」とおっしゃっていて。それが自分に足りていない言葉だなって痛感したんです。私はBILLIE IDLE®の時に歌詞も書いていたけど、自分の気持ちを吐露して書くタイプではなかったし、かっこいいフレーズを使わないとなって思っていた部分もあって。でもファーストサマーウイカという自分の名前でソロデビューするのに、上っ面だけで書いても歌う意味がないよなって思ったんです。それを真央さんがふとした時におっしゃった言葉で気付かされて、こういう部分が真央さんの強さなんだろうなって思いました。

2YOU:「カメレオン」のアートワークではそういった強さをまとったウイカさんが表れている気がします。

ウイカ:まさに強さですよね。強い女性を目一杯アピールしたい訳ではないけど、強い女性でありたいとは思っているので。それでMVでも自分と戦っている描写があったりするんですけど。やっぱり強くありたいし、強くないと倒せないものがいっぱいあることも色んな活動を通して分かったので。

2YOU:そうやって自分自身と向き合いながら戦いながら積み重ねてきたことを全部集約したものが今のファーストサマーウイカだと思っていて。歌っている姿もタレントとしての活躍も、全部ひとつの軌跡の上にあるなって。だからMステで号泣してしまったんですよ。

ウイカ:私がいたBiSもBILLIE IDLE®も解散してもう無いじゃないですか。だからどんどん埋もれていくというか、みんなの中から消えていくと思うんですよ。でも私が今の活動をすることでここからBiSやBILLIE IDLE®を知ってくれる人がいるかもしれない。そうすればBiSもBILLIE IDLE®も息を吹き返すというか、存在し続けると思うんです。それは私だけじゃなくて元メンバーのみんなの活動からでも一緒なんですけど、そういう辿り着ける枝葉がいっぱいある方がいいなと。私が前に進み続けることによって、自分を作ってくれたBiSとBILLIE IDLE®が生き続けてくれると嬉しいなっていう気持ちはありますね。

2YOU:ルーツを知ることで今の活動に深みが増しますよね。

ウイカ:最近私をテレビで知ってくれた方は「面白い」とか「うざい」とか色々あると思うんですけど、そこで本当に深く興味を持ってくれた人はBiSやBILLIE IDLE®に辿り着いてくれるし、そこもちゃんと愛してくれるんですよ。そういう人にも歌っている姿を見てもらいたいので、やっぱり私は歌っていたいなって。勿論テレビやラジオ、演技のお仕事も大好きだしこれからもやっていきたいですけど、ファーストサマーウイカという存在はひとつの要素だけでは成立しないというか。

2YOU:今や色んな角度からウイカさんを楽しめるコンテンツが沢山あるじゃないですか。その中で核にあったものがいよいよ解放された感もありますよね。

ウイカ:さっき言って頂いたようにモノマネ番組で歌わせて頂いたり、そういう機会はあるんですけど、やっぱり自分の中では作品として音楽を作りたい気持ちがあって。例えば私が死んじゃったらそこで終わってしまうことって沢山あるんですよ。ラジオは出来ないし、テレビにも出れないじゃないですか。でも作品として作り上げた音楽はずっと残ると思うんですよ。

2YOU:だからTHE BEATLESが何十年経ってもずっと歌い継がれているのはそういうことですよね。それこそウイカさんの軌跡としてBiSもBILLIE IDLE®も生き続けている訳ですし。

ウイカ:あの頃の熱狂みたいなものって、凄く局地的だったのかもしれないけど、それを知ってくれている人はきっとBiSやBILLIE IDLE®を語るときにその熱狂が全部蘇えると思うんですよ。その熱狂っていう部分を音楽以外で生み出せているかっていったら私はまだ自信がないというか、功績を残せているか分からないですけど、その熱狂を知っているだけにそこに身を置きたい気持ちがあるんですよね。それはソロアーティストとしてもタレントとしても。

2YOU:ウイカさんの多岐に渡る活動は言い換えればカメレオン的な側面もあるじゃないですか。そこは曲に凄く表れているし、そこを見事に音楽に消化した阿部真央さんがやっぱり凄いなって思います。ウイカさんのことを書いてウイカさんが歌っているけど、そこに阿部真央さんのアイデンティティもしっかり感じさせる凄さというか。

ウイカ:まさにそうなんですよ。真央さんの音楽は嘘がないんですよね。だから私が歌ってもそこに真央さんがちゃんといるんです。勿論、私も嘘をついて生きてきた訳じゃないですよ(笑)。でもいい意味でも悪い意味でも器用さが本質を見えなくさせている部分があると思っていて。そこが私の特技でもあり、ウィークポイントでもあるなって。だから和田アキ子さんの如く「あなた何をされてる方なの?」っていう(笑)。でも、そんな私が、音楽一本でまっすぐ進み続けてきた真央さんの書く曲を歌うっていう相反するもので成立している感じが面白いなって思っています。

2YOU:コロナ禍でどうしても気持ちが沈んでいる中、テレビで思いっきり笑っているウイカさんの姿は励みになったんですよ。そこに本来の武器であった作品として音楽を作ることが加わったことは本当に嬉しいニュースだなと。

ウイカ:そう言ってもらえるととても嬉しいですね。この1年で本当に色んなことが変わってしまって、お世話になったライブハウスも危機を迎えていたり。だからこそこれから音楽シーンに還元出来ることをしていきたいなって思ったんです。ライブハウスのあの熱量を私は知っているからこそ声にして伝えていったり行動に移さなければ経験させてもらってきた意味がないなって思うんです。今の私のことを「タレントがなんか歌ってる」という見方をされている方もいると思うんですけど、そのシーンを大切にしている人たちに私が出来る事はこれからも考えていきたいです。もちろんそんな大それた事ばかりじゃなく、純粋にライブハウスでのライブが好きという気持ちも大きいですが。

2YOU:だからテレビで姿を拝見する度に「色んなものを背負って出てくれてるな」って勝手に感じていました。そうやって戦っている姿が「カメレオン」にはアートワークからも楽曲からも感じたので嬉しかったんですよね。

ウイカ:テレビはずっと憧れていたし今の環境は本当に有難いんですけど、やっぱり葛藤はあって。今の状況は多分確変で、たまたま連チャンで当たってるだけで気持ちは昔から何一つ変わってなくて、大切にしているものも変わらないのに、取り巻く環境だけが変わってしまった。たまに私がいたシーンを貶すような取り上げられ方をされる事もある訳ですよ。私の大切な過去を改ざんするような取り上げ方には本当に憤りを感じていて。そこに対しても戦い続けるしかないんですけど、何かを敵視した打ち出し方はしたくないから、そういう感情を持ってしまう自分自身との戦いでもありますね。

2YOU:その本質的な部分はちゃんと伝わっていますよ。

ウイカ:セルアウトしていて全く違う感じになっちゃうとかではないので(笑)。私は私のまま、ファーストサマーウイカとして居続けたい。その為にも音楽活動はとても大事なひとつだと思っています。

interview by 柴山順次


ファーストサマーウイカ
タイトル:カメレオン
2021年2月22日配信 / Virgin Music
https://firstsummeruika.lnk.to/chameleonID

https://firstsummeruika.com/
https://www.universal-music.co.jp/firstsummeruika/

関連記事

ONLINE SHOP