インタビュー

Drop’s【インタビュー】


結成10周年を迎えたDrop’sが前作『organ』と対をなすミニアルバム『trumpet』を早くも完成させた。メンバーの脱退、加入、上京と目まぐるしくバンドを取り巻く環境が変わっていく中で約2年半振りのリリースとなったこの2作品は多保孝一氏とのコラボによりDrop’sの新しい顔を除くことが出来る進化のアルバムとなっている。今までのDrop’sでは見せなかった表情をまとったこの2作品でDrop’sの可能性はグンと上がったことだろう。Drop’sがDrop’sのまま新しいDrop’sになった。それを実証するのが『organ』『trumpet』なのだ。激動の10周年を迎え更なる進化を遂げたDrop’s中野ミホに話を訊いた。

Q.今年で結成10周年を迎えたわけですが、その中でも『organ』をリリースするまでのこの2年半はバンドにとってかなり大きな転換期になったのではないですか?

中野:かなり大きいですね。東京に出てきたのが2年前なんですけど、その前に当時のドラムが辞めて、新しいドラムの当てもないまま札幌から上京してきて。その後新メンバーにミナ子さん(石川ミナ子)が入って、ライブで地固めをしつつ曲を作っていたんですけど、今度はキーボードが抜けて。『DONUT』以降、音源も中々出せない状況だったんですけど、そんな中でSuperflyの多保さん(多保孝一)との出会いがあったんです。それも自分達にとっては大きなことでしたね。多保さんから新しい音楽を聴かせてもらったり教えてもらったりしながら自分達の音楽と改めて向き合うようになって。

Q.多保さんとはどのような出会いだったのですか?

中野:元々多保さんがDrop’sを知って下さっていて「一緒にやりませんか」と声を掛けて頂きました。Drop’sは高校生の頃に結成したんですけど、最初はSuperflyのコピーをしていたので凄く嬉しかったです。それで実際にお会いして私達の現状や上京をお伝えしたんです。

Q.例えばどんなことを話したのですか?

中野:私達のライブに来てくれるお客さんは自分の親世代の方が多くて、勿論それは凄く嬉しいんですけど、若いお客さんにももっと届けたいという話をしました。それで今まで聴いたことのないような音楽や今流行っている音楽を教えてもらったりしたんです。

Q.そういう経緯もあっての「Cinderella」だったんですね。あの曲を初めて聴いたとき、最初は驚いたんですけど、これまでDrop’sで鳴っていなかった音色やアレンジにワクワクしました。それは『trumpet』で「毎日がラブソング」を聴いたときにも同じことを感じたのですが。

中野:札幌にいたときは自分達の好きな音楽だけで完結していたんですけど、東京にいると街を歩くだけで最新の音楽や流行りの音楽が耳に入ってくるんですよ。そんな中で多保 さんに出会ったりミナ子さんが加入したりして、ライブでもDrop’sの土台を重ねてきて、ここで今までと同じものを作っても意味がないなと思ったんです。何か新しい自分達を打ち出していかないとなって。最初はシンセっぽい音とか大丈夫かなって気持ちもあったんですけど、根っこにあるものが何も変わってなければDrop’sとして成立することが分かったので、これからも色んなことを前向きに取り入れていきたいと思っています。

Q.音像がキラキラしていても土臭さもそのまま残っているので変わったんじゃなくて新しい武器を手に入れたような印象を受けました。

中野:それは凄く嬉しいです。

Q.「Cookie」には「ニューオリンズ」という歌詞も出てきますが、この曲からはまさにニューオリンズでモータウンでメンフィスな匂いも感じたり。この感じも新しかったですけどちゃんとDrop’sで。

中野:曲を裸にしたら何も変わってないんですよね。それを分かっているからこそ自信を持ってやれているんだと思います。

Q.「毎日がラブソング」ではホーンやハンドクラップが鮮やかさを彩っていますが、『trumpet』というアルバムタイトルや前作の『organ』のようにこの2作品は曲とのリンクやアルバム同士の関係性も深いですよね。

中野:『organ』と『trumpet』は姉妹作にしようって決めていて。多保さんと作った「Cinderella」と「毎日がラブソング」という新しい私達の曲と今までライブでやってきた曲たちがあって、春と冬っていう季節感があって、そういう対になるような作品にしたかったんです。

Q.確かに冬っぽい暖かさがあった『organ』に対して今作『trumpet』は春っぽい明るさがありますよね。

中野:「毎日がラブソング」も明るいですし、ライブでやってきた曲もこのタイミングでレコーディングすることで明るくなったと思いますね。

Q.あとは東京での生活も歌詞に反映されているなと思ったのですが、住んでみてどうですか?

中野:上京して2年なんですけど、最初の1年くらいは生活することと音楽をすることがごちゃごちゃになってしまって。前に進めていかないと進まないことも身をもって痛感しました。でも辛いだけじゃなくて新しい何かが始まることにワクワクもしていたので、その両方が歌詞に反映されているんじゃないかなって思います。

Q.「ムーン・ライト」の間奏の口笛があるじゃないですか。あの口笛が僕には札幌を離れて暮らす寂しさを紛らわす為に吹いているように聴こえちゃって泣きそうになってしまって。だけど東京での新しい生活に希望を感じている部分も「空はニューデイズ」からは感じるので、まるでドキュメントだなと。

中野:嬉しいです。「RAINY DAY」と「SWEET JOURNEY BLUES」以外の曲は上京してから書いたので東京に来てからの自分の気持ちが全部自分の言葉で出てきていると思っています。

Q.「RAINY DAY」で「ロックンロールなんてもうどうでもいい」という歌詞がありますが。

中野:東京に来て色んなところで色んな音楽を耳にするようになって  ロックンロールってなんだろうって考えたんですけど、ロックンロールとは形ではなく最初にロックンロールを好きになったときの気持ちかなって思ったんです。だから目に見える形がロックンロールじゃなくても、自分がやりたい気持ちそのものがロックンロールなんじゃないかなって思って書いた歌詞です。

Q.音楽スタイルとしてではなく、在り方としてのロックンロールだと。そういう意味では「Cinderella」も紛れもなくロックンロールですからね。極端な話、メンバーが楽器を置いて踊りだしたとしてもそれだってロックンロールだし。

中野:そうなんですよ。それくらいの気持ちでやらないとなって。今回、ギターの荒谷(荒谷朋美)が鍵盤を弾いているんですけど、そこも枠に囚われていないというか。

Q.どんどんNGが無くなっていっているのかも。前だったらきっとメンバーだけで完結しないアレンジはしなかったと思いますし。でもそれが出来るようになったのは、何をやってもDrop’sになることを確信したからなのかなと。

中野:「Cinderella」を初めてライブでやったときは正直戸惑いもありました。でもライブでやったり音源聴くと「Cinderella」もDrop’sがやりたいことが詰め込まれている曲だと気付いたので、何にも囚われないで好きなことだけやろうと思っています。

Q.新しい挑戦もありながら「SWEET JOURNEY BLUES」のようにライブで大事にしてきた曲も収録されていて、そこが同居していることも素晴らしいですね。

中野:この曲は3年前くらいからやっている大事な曲なのでどうしても形にしたかったんです。『organ』も『trumpet』も新しいDorp’sの始まりの作品でもあるのでこの作品に収録すべきか迷ったんですけど、やっぱりここで出しておきたいなって。強くて前向きな曲なので形に出来て良かったです。

Q.この2作でDrop’sというバンドの可能性がまた広がった気がします。

中野:今もまた新しい曲を作っているんですけど、どんどん新しいことをやっていきたいなっていうムードです。楽しみにしていてください。


タイトル:organ
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2019年3月29日(金)発売

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