インタビュー

CYbER dYNE【インタビュー】


反抗・初期衝動・覚醒。
UNOによる世界観が凝縮されたアイテムが並ぶショップ、CYbER dYNEが10周年を迎えた。音楽や映画など様々なカルチャーからの影響を落とし込んだアイテムにはUNOのバックボーンやメッセージが詰め込まれており、ロック好きは勿論、パンクに魅せられた者、彼のアティチュードに共鳴したバンドマンなどから絶大な支持を受けている。自分が着たいものを自分で作るという、パンクが持つD.I.Yカルチャーが発展したことで辿り着いたCYbER dYNEといったアイデンティティを全身で放つUNO、そしてCYbER dYNEを掘り下げるべく話を訊く。名古屋は大須より発信されるCYbER dYNEに応答せよ。

Q.CYbER dYNEは音楽と密接な関係にあると思うのですが、音楽に興味を持ったのはいつ頃ですか?
UNO:小学生の頃ですね。うちは親が凄く真面目で「勉強しなさい」ってよく言われていて、長男だし親の期待に応えなきゃと思って勉強するんだけど全然駄目で(笑)。小学校の給食の時間に校内放送で流れてきたX(現X JAPAN)に衝撃を受けるんですよ。「なんだこれ!」って。それで同じクラスのお兄ちゃんがいる友達が「Xだよ」って教えてくれて。でも当時はまだCDとかも持ってなかったから友達の家に聴きに行ったりしていて。

Q.当時のXはルックス含め衝撃でしたよね。
UNO:見た目が強烈過ぎて自分と同じ人間とは思えなかった。特殊な人なんだろうなって(笑)。その後、中学になって「バンドやろうぜ」って雑誌の後ろのほうに載っていたギターとアンプで2万円くらいのセットを買うんですよ。

Q.松セット、竹セットみたいな。
UNO:そうそう(笑)。もうそれだけで僕の頭の中では強烈な音が鳴っていて。Xの「Sadistic Desire」みたいな音が出るんじゃないかって。それでギターをアンプに繋いで弾いてみたら「チーン」みたいな音しか鳴らなくて(笑)。

Q.あははは。良いエピソードですね。
UNO:映像を見ながら「アンプが小さいんじゃない?」とか言ったりして(笑)。でもとにかく憧れの対象としてXはでかかったですね。あとはSEX PISTOLSとかGuns N’ Rosesとか見た目が激しいやつ。でもGuns N’ Rosesはバンドというより映画「ターミネーター2」の主題歌として影響を受けました。あの曲が流れてきて、シュワちゃんが革ジャンにブーツでバイクに乗ってるの見て「かっけー!」って(笑)。

Q.XもターミネーターもそのままCYbER dYNEの世界観に直結してますよね。
UNO:そうなんですよ。あの頃好きだったものがそのまま今に繋がっているんです。

Q.CYbER dYNEという名前からしてターミネーターですし。
UNO:この名前、実は小学校のときに金曜ロードショーとかで「ターミネーター2」を観たときからずっと頭に残っていて、ブランドなんて概念もなかったけど何かやるならCYbER dYNEって名前にしようって決めていたんですよ。

Q.それは凄いですね。服に興味を持ったのもやはりロックと映画から?
UNO:完全にそうです。バンドマンの衣装とか映画の中で着ている服とか、あんな服を着てみたいなと子供の頃から思っていました。初めて買った革ジャンも「バンドやろうぜ」に載っていた見た目だけのパッキパキの革ジャンでした(笑)。とにかくロックの人は革ジャンを着るイメージが強かったので。サイズも全然合わないし似合わないんだけど、ロックに近づける気がして嬉しかったですね。袖を通した瞬間に「俺のロックが始まった!」って思いました(笑)。でも今になって思うのはそういう経験が全部CYbER dYNEに繋がっていて。パンクやロックは勿論、最近作ったエジプトモチーフのものは大学で古代エジプト文明を専攻していたことが出ていると思うし。

Q.なるほど。最初にUNOさんが服を作ろうと思ったのは?
UNO:最初は服というよりアクセサトーでしたね。東京の服屋で働いていた時期があるんですけど、その頃にレザーのリストバンドを作っている友達と知り合って作り方を教えてもらったんですよ。でもそれを売るとか商売にするっていうんじゃなくて、自分用にカスタムするノリで作り始めて。そうやってリストバンドやベルトを作っていたら知り合いのお店に置いてもらえることになって。でもそんなに売れるものじゃないし、働きながらその給料で制作していたから東京での生活が厳しくなって名古屋に帰ってきたんです。その後も色んな所でバイトしながらレザーのアイテムを作っていたんですけど、ブランドというよりバンド活動みたいな感じで。自分の作ったものを見てもらうだけで満足というか。

Q.自身のお店を持ったのは?
UNO:26歳の頃ですね。手伝っていたお店が無くなって場所が空いたからお店をやらないかって。でもそれだけで食べていくのは無理だったので、バイトを掛け持ちしながらそこで2年くらいやっていました。でもとにかく物をつくることが楽しくて。最初はリストバンドやベルトから始まって、次はバッグを作ってみようって、段々作れるものが増えていくのが嬉しくて。服飾の学校とかに行ってた訳じゃないし、誰にでも好かれるものを作っているとは思っていなかったので自分が好きなものだけ作っていましたね。自分と同じような人が日本に10人くらいはいるんじゃないかって。だったら10個作ったら10個売れるなって。その感覚だけでやってきましたね。

Q.不特定多数の人に届けるより本当に好きな人にだけ届けば良いと。
UNO:最初の頃は頭の中がパンクでしかなかったので、パンクの人以外が使ってくれるなんて思ってもなかったですから。でもお店を始めるとパンク以外の人がお店に来て買ってくれたりするんですよ。自分の作ったものをジャッジしてもらって買ってもらえるとやっぱり嬉しいんですよね。

Q.今の場所にお店を構えたのは?
UNO:8年前ですね。それまでは古民家みたいな小さなお店に自分でカウンターを作ってミシンを踏みながら接客していました。当時はオーダー制で作っていたんですけど、あの頃のCYbER dYNEに来てくれていたお客さんが支えてくれていたんだなって今も凄く思います。もっとクオリティの高いものなんていくらでもあるし、決して安い訳でもないのに、それでも僕が作るものを手にしてくれた。あの人達がいなかったらとっくに潰れていましたね。今でこそ色んなものを作れるようになったし認知度も変わってきたと思うんですけど「よくぞ見つけてくれました!」ってずっと思っていました。勿論それは今も変わらないですけどね。買ってくれて身に着けてくれる人がいるからCYbER dYNEがCYbER dYNEでいれるので。昔はパンクの人に向けて作っていたけど、今は色んな人がお店に来てくれるのも本当に嬉しいし感謝でしかないですね。

Q.ブランドとしての転換期ってあったりしました?
UNO:ありましたね。ひとり、レザー職人を雇っていた時期があって。僕より年上で、レザーを作るのも上手くて早い方だったんですけど、その人と一緒にハイクオリティなパンクレザーアイテムを作ろうってやっていた時期があって。とにかく朝から晩まで鋲を打ちまくっていました。でも僕のプロデュース能力が低かったこともあって、同じことをやり続けると新作を出しても新しさを感じなくなり行き詰ってしまって。そのタイミングで退社されるんですけど、自分が中途半端にレザーのアイテムを作ってクオリティを下げるなら、今までやってこなかったことに挑戦しようと思って、レザー中心だったラインアップを服中心に変えたんです。それが2014年くらいかな。勿論レザーを作らない訳じゃないし今でも好きですけど、服の部分で評価してくれる人やお客さんも増えてCYbER dYNEとして変わっていった気がします。

Q.10周年を迎えて、これまでのCYbER dYNEを〇〇期、〇〇期と例えると?
UNO:うーん、難しいなあ。

Q.BLUE BLOOD期、Jealousy期みたいな。
UNO:あははは、分かり易い(笑)。最初はカオス期ですかね。パンクの初期衝動で始めたのがカオス期で、スタッフが入ってハイクオリティなものを作ろうとしていた時期がハードコア期かな。パンクの初期衝動にメタルのテクニックが入ってきたみたいな(笑)。その後、スタッフが辞めてからパンクの路線だけを追うのではなくアート期に突入して今に至るみたいな、そんな感じですね。あと今はやっぱり人間ですね。どんなジャンルの人でも人間的にパンクな人ってかっこいいじゃないですか。そういう人が着たいと思える物を作りたいですね。

Q.CYbER dYNEを身に着けている人の中にはバンドマンも多いと思うのですが、オーバーグラウンド、アンダーグラウンド問わず色んな人がCYbER dYNEと共鳴しているなと。
UNO:僕がかっこいいと思うバンドって人気があるとか動員があるとかじゃなくて本物かどうかなんですよね。10人でも100人でも1000人でも関係なくてどれだけの熱量でやれているか。アンダーグラウンドのかっこよさもあるし、オーバーグランドでしか見れない景色もあって、そのどっちもかっこいいんですよ。そうやって僕がかっこいいと思う人に着てもらえることが嬉しいんですよ。

Q.それは着るほうも一緒で、作っている人の思いやバックボーンがあるものにはやっぱり魅力を感じます。そういう意味ではUNOさんの作る服には拘りとストーリーがあって、例えば「John Beret」と名付けられてるCYbER dYNEのベレー帽にはSEX PISTOLSのジョンライドンが被っていたベレー帽がモチーフになっていたり。そこにUNOさんの物作りの拘りを感じるんです。
UNO:嬉しいです。そういうアイデンティティの部分が本当に大事だと思っていて。物を作ることってそういうことの積み重ねなので、リリースするときはバンドがライブすることに近いもかもしれないなって思うんですよ。CYbER dYNEが僕のライブみたいな。そこで反応があれば嬉しいし、さっきの「John Beret」みたいに分かってくれる人が声を掛けてくれたらめちゃくちゃ嬉しい。そういうときに作って良かったなって思いますね。その感覚は前はなかったのんですけど。

Q.と言うと?
UNO:昔は自分が着たいものを作っているだけだったので。でも今は買ってくれた人が着てくれる姿を見たり、喜んでくれている姿を見るのが凄く嬉しい。それが10年やってきた今の素直な感情ですね。

Q.10周年を迎えて今UNOさんが思う服作りってどんなものですか?
UNO:さっきの話じゃないですけど、服ってメッセージやストーリーがあるだけで服が服を超えるんですよ。そういう服を着るときってカルチャーを身にまとう感覚になる。それを創れる仕事を続けられることに感謝しているし、一生掛けてやる価値のあるものだなって思っています。勿論まだまだ未熟ですけど、やってみたいことはまだまだあるし、ゴールは無いと思うので一生掛けてCYbER dYNEしていきたいです。Hasta la vista,Baby!!

CYbER dYNE=サイバーダイン
愛知県名古屋市中区大須3-39-36 大須外科ビル3F
TEL:052-265-7202
OPEN: 12:00~20:00
CLOSE: 水曜日
http://cyber-dyne.co.uk

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