インタビュー

CLUB SAKENOMITAI【インタビュー】

CLUB SAKENOMITAI/酒飲倶楽部。このロゴが入ったTシャツをライブハウスでよく見かける。ライブハウスとお酒は切っても切れない存在。良いライブを観たら美味しいお酒が飲みたくなる。だけどライブハウスにおいて、大好きなお酒が飲めない人がいるのをご存じだろうか。そう、バンドのスタッフだ。彼ら彼女らは大事なバンドを街から街へと運ぶため、運転という仕事が控えている。ライブハウスで、打ち上げで、 「酒が飲めない」 というフラストレーションが具現化したブランド、それがCLUB SAKENOMITAIなのだ。実はこのブランド、名古屋のロックバンドLUCCIのスタッフを務める木下リョータ氏がディレクションしており、ツアーで飲めないフラストレーションが「思わず声に出る」のではなく「思わずTシャツを作った」ことから始まっているという。所謂ファッションブランドとは何もかもが違う、CLUB SAKENOMITAIの酒飲モンスター、木下リョータにお酒抜きで話を訊いた。

Q.リョータさんがCLUB SAKENOMITAIを始めたのは?

リョータ:元々僕はずっと名古屋でLUCCIというバンドのスタッフをしていて。その前はカフェで働いていたりアパレルの仕事もしていたんですけど、いつも洋服が身近にあったので自然と洋服が好きになって。それで自分でも何かやりたいなとは漠然と思っていたんです。そんな中でバンドのスタッフをしているので移動の運転をするんですけど、そうなると打ち上げでお酒が飲めないんですよ(笑)。その悔しさをそのままブランド名にしてTシャツを作り始めたのがCLUB SAKENOMITAIの始まりですね。ちょうどCLUB〇〇みたいなのが流行っていた時期でもあったのでCLUB SAKENOMITAIだなって。

Q.打ち上げで自分だけ飲めない気持ちをTシャツにするというのはバンドスタッフならではの発想ですよね。

リョータ:やっぱりCLUB SAKENOMITAIを着てくれる方もバンドマンが多いですし、そこからお客さんにも広がっていったのでバンドには助けてもらっていますね。

Q.デザインもその名の通りお酒が題材になっていますが。

リョータ:そうですね。でも実はテーマやコンセプトがはっきりある訳でもなくて、ただお酒に関することだけ意識して作っています。あ、それがコンセプトなのかな(笑)。

Q.服って着る人の主張のひとつだと思うんですよ。着ているものや選んでいるもの、その服の着方でどんなカルチャーが好きかやどんな人生を歩んできたかが何となく見えたりするなと。

リョータ:それはありますね。

Q.リョータさんはどんな少年時代を過ごしてきたのですか?

リョータ:子供の頃は表に出たくないタイプでした。いつも大将や人気者に付いていくタイプで。羨ましいと思いつつも。

Q.羨ましいとは思っていたんですね。そこから自分の世界が出来てきたのは?

リョータ:小学校の4年生の頃に担任の先生がグループディスカッションをよくする先生で、思っていることや意見を生徒同士でぶつけ合う授業があって。でも僕は自分の意見を中々上手く言えなくて。そんなときに自由帳に疑問に思っていることを文章にして書くと先生がシールを貼ってくれることがあって、そのシールを集めるために疑問に思っていることや自分の意見を自由帳に書くようになったんです。そこから自分の意見をみんなの前で喋れるようになったんですけど、その後中学に入ると、自分の個性をよりみんなに見せたくなっていって。それで僕は目立ちたくて彼女を作ったんです。

Q.彼女?

リョータ:はい。「羨ましいだろ?」ってみんなに見せたくて(笑)。それでその子と一緒に音楽を聴くようになって。

Q.最初に買ったCDとか覚えていますか?

リョータ:最初に買ったCDは芸人の三瓶さんの「SANPEI DAYS」っていうCDです。

Q.ああ、テクノっぽい感じの曲ですよね。

リョータ:そうです。それを友達と振り付けをしながら歌っていました(笑)。バンドに興味を持ったのはRAD WIMPSです。そこからBUMP OF CHICKENに流れて聴いていたんですけど、同級生が銀杏BOYZを教えてくれて。それがもうとにかく衝撃で、そこからはずっと銀杏BOYZを聴いていました。

Q.なるほど。学校を出たあとは上京してアパレルの仕事をしていたとのことですが。

リョータ:自分の好きだったお店で働き始めました。学生の頃とかに夜行バスで服を買いにいくくらい好きなお店だったんですけど、体調を崩したりしてリタイアしてしまって。それで名古屋に帰ってきてバイトをしていたんですけど、同じ高校の先輩だったLUCCIのまこっちゃん(長崎)が「バンドのスタッフをやらないか」と声を掛けてくれて。名古屋に帰ってきてからはほぼ毎日まこっちゃんと飲みに行ってたんですよ。まこっちゃんの仕事が終わるのを待って飲みに行ってふたりでベロベロになるっていう(笑)。

Q.そういう色んな出来事を経てCLUB SAKENOMITAIに辿り着いているのはグッときますね。

リョータ:そうなんですよね。まこっちゃんがいなかったらたぶんブランドも初めていないので。自分が作る服を自分の知らないところで誰かが来てくれているのって実は今でも実感がなくて。結局人とのい繋がりから形になっていったものが大きいし、本当に自分自身の力とは思っていなくて。まこっちゃんが気にかけてくれたおかげでLUCCIで出会ったバンドが気にかけてくれたり、そのお客さんが着てくれたり。本当に繋がりが形になっていると思っています。

Q.実店舗があるわけでもなく、またサイトでも常に買えるわけじゃないのも購買意欲を掻き立てますよね。

リョータ:そこは凄く考えてます。リリースタイミングや販売方法もめちゃくちゃ悩んで出しているんですよ。勿論広がっては欲しいし、色んな人に着て欲しいんですけど、そこだけでもなかったりするので色々と調整を重ねてはリリースしていますね。

Q.販売のメインは?

リョータ:オンラインです。あとはお客さんと会って話したいので今年はポップアップも増やしていこうかなと思っています。

Q.セレクトショップであるジャーナルスタンダードでも取り扱いがあるんですよね。

リョータ:はい。最初に連絡を頂いたときは驚きました。インスタのDMでいきなりジャーナルスタンダードのバイヤーさんからご連絡を頂いたんですよ。でも最初は騙されてるのかなって(笑)。それで実際にお会いして取り扱って頂けることになったんですけど、物凄く親身になって相談に乗ってくれて。今は代官山のお店で取り扱って頂いているのですが有難いことに在庫はほ売り切れみたいです。本当にありがたいです。

Q.「酒」という題材にも惹かれますね。飲みニケーションじゃないですけど、お酒って人を繋ぐじゃないですか。だからCLUB SAKENOMITAIを着ることでクルー感も生まれるなって。それこそ「酒飲倶楽部」じゃないですけど。

リョータ:嬉しいです。CLUB SAKENOMITAIって酒を題材にしたひとつのプロジェクトだと思っていて。お酒が好きな人同士がコミュニケーションを取るツールとしてCLUB SAKENOMITAIがあったら良いなって思っているんです。だからいつかTシャツを置いた居酒屋をやりたいんですよね。それは20歳くらいの頃からずっと考えています。そういうやってみたい気持ちや面白いと思ったことに対してはとことん追求していきたいですね。

Q.服を作る上での拘りはありますか?

リョータ:自分が着ない服は作らないことですね。サンプルを作って出来上がりが納得いかなかったら絶対に出さないですし。自分が今この瞬間に着たいものを作ることもあればデザインを温めておいて出すこともありますけど、どっちにしても自分が着たいものだけ作っています。例えば売れそうなデザインのものが出来ても、自分が本当に着るかどうかでジャッジするんですよ。そこは一番重要視しています。自分が着ないものを買ってくれる方に売れないですから。

Q.だからリアリティがあるんですよね。CLUB SAKENOMITAIという名前もリョータくんのお酒を飲みたい欲求が具現化しているわけですし。

リョータ:お酒は本当に大好きなので(笑)。でもバンドのスタッフをしていると飲めないっていうジレンマを抱えながら溜めたフラストレーションがこのブランドになったと思っています。最近はメンバーも大人になってたまに運転してくれる日もあるので飲めるときもあるんですけど(笑)。

Q.でもあまり飲める日が増えるとCLUB SAKENOMITAIが成立しなくなってしまいますね(笑)。

リョータ:そこは考えてなかった(笑)。やっぱり飲めない環境を作っていかないと駄目ですね。そこはLUCCIにしっかり管理してもらって(笑)。ああ、盲点でした(笑)。

Q.Tシャツって作る人のメッセージだし、着る人のメッセージでもあると思っているんですけど、CLUB SAKENOMITAIはお酒を飲みたい気持ちが駄々洩れなのが最高ですね。

リョータ:お酒が好きな人に是非着て頂きたい(笑)。でもそれだけじゃなくて飲酒運転撲滅とか飲みすぎ注意とか、そういう注意勧告もCLUB SAKENOMITAIでしていければなって思っていて。そうやってお酒にまつわるTシャツを作りながらライブハウスでお酒を楽しく飲むときにCLUB SAKENOMITAIを着ていたいですね。自分が(笑)。

CLUB SAKENOMITAI
https://sakenomitai.theshop.jp/


CLUB SAKENOMITAI
木下リョータ

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