インタビュー

BACK LIFT【インタビュー】

2007年の結成より名古屋メロディックパンク・シーンを引率してきたBACK LIFTが結成10周年を迎えた2017年、メジャーデビューを果たした。真っ白なキャンパスに色を重ねることでオリジナリティを確立してきた彼らがリスタートの意味を込め完成させたアルバムがメジャー第1弾となる今作『BLANKS』だ。メロディックパンクを基調にあらゆる音楽を吸収することで手に入れてきたBACK LIFT節とも言える個性を更に上のステージで鳴らすべく選択したメジャーというフィールドで彼らがどんな絵を描いていくのか。KICHIKU、YU-PON、HEAVINに話を訊いた。

Q.結成10周年、そしてメジャーデビュー、おめでとうございます。

YU-PON:ありがとうございます!

Q.今年の1月から3月にかけては地元名古屋の所縁のあるライブハウスで「10周年はすぐそこだ!僕らはここから始まった~ゆうぽんも一緒に振り返るの巻」と題された企画も行われましたが。

KICHIKU:このタイミングで俺らがお世話になったライブハウスを回りたくて。上前津ZION、今池HUCK FINN、NAGOYA MUSIC FARM、新栄APOLLO BASEでやらせてもらったんですけど各会場本当に感慨深かったですね。

YU-PON:僕はBACK LIFTに入る前のバンドでMUSIC FARMに育ててもらったので10周年のタイミングでBACK LIFTとしてMUSIC FARMでライブが出来たのはめちゃくちゃ嬉しかったです。僕は3周年なんですけど(笑)。ちょっとは成長した姿を見せることが出来たかなって思います。何だか親に会いに行くような感じでしたね(笑)。

KICHIKU:懐かしい気持ちになりましたね。特にZIONは下積みの更に下積み時代にやってた箱なので初心を思い出しましたね。あとやっぱり小箱でやるライブは楽しいですね。小さいなライブハウスでしか味わえない熱量って絶対にありますから。

HEAVIN:昔からお世話になっていたライブハウスにこの10年で大きくなったことを見せることが出来て嬉しかったです。4本とも楽しかったですね。

Q.この数年でBACK LIFTを取り巻く環境は変わったと思うのですが、チームが出来上がったことも大きそうですよね。メンバー以外にもBACK LIFTの名前を背負った人達がいることってバンドにとって絶対大きいと思います。

KICHIKU:めちゃくちゃ大きいですね。やっぱり昔からチームに憧れはあって。僕らのチームのPAのナベちゃん(HUCK FINN)もカメラマンのヤオタケシも、腕もセンスも繋がりもある人達なんですけど、だからって名を馳せている人を入れたかった訳じゃなくて。全員が一緒に上がっていけるチームを作りたかったんです。これからもこのチームで規模やステージが変わっても行けるとこまで行きたいなって思っています。

Q.メジャーに対する憧れはあったのですか?

KICHIKU:いや、特に意識はしてなかったですね。今回の10周年のタイミングで何か変化をもたらしたくて動いた訳でもないですし。本当にたまたま環境を変えたいなって思ったときに今のレーベルに出会ったんですよ。10周年のタイミングで色んなことがたまたま重なったんですよね。

Q.環境を変えることに不安はありました?

KICHIKU:前のレーベルを離れて失ったものもあると思うんですよ。インディーズのDIYな手作り感が自分も好きだったし、常にダークホースな感じで大どんでん返し出来るのがインディーズの面白さだったりするじゃないですか。そういう部分も含めて応援したい人って絶対にいると思うんですよね。なのでインディーズのBACK LIFTが好きだった人は離れていったかもしれません。でも僕らは新しい環境で良い音楽を作ってバンドを拡げていこうと思っているので、離れた人がいつでも帰って来れるような活動をしていきたいですね。

Q.バンドの本質が何も変わってないことはBACK LIFTが主催するフェス「少年少女秘密基地」を見れば分かりますけどね。あれこそDIYですから。

YU-PON:あははは。

KICHIKU:ホンマはもっと変わらないといけないんですけどね(笑)。

YU-PON:今年も100均で飾り付けを買ってみんなで作りましたから(笑)。

Q.あんなにも手作り感満載なダイアモンドホールは少年少女秘密基地でしか見れないですよ(笑)。

KICHIKU:ですよね(笑)。でもダイアモンドホールのスタッフのみなさんも毎年凄く楽しんでくれていて。ダイアが今年25周年なんですけど、30周年にはダイアチーム総出で少年少女秘密基地を野外に持っていくからよろしくって野坂さん(ダイアモンドホール)が言ってましたからね。僕らじゃなくてダイアが持ってくって(笑)。

Q.どんどんホームになっていきますね。

KICHIKU:今の僕らにとってのホームは間違いなくダイアですね。でもあそこを埋めてこそのホームやと思うので頑張りたいです。京都大作戦とかを見てても京都のMUSEやGROWLYが垣根を越えて手伝ってるじゃないですか。僕らもそれを名古屋でやりたいんですよね。

Q.楽しみにしています。そして今作はメジャー第1弾音源となりますがいつ頃から制作していたのですか?

KICHIKU:最初にメジャーの話が出たのは去年の7月だったんですけど実際にレコーディングに向き合うようになったのは11月からですね。それまでも曲は作っていたんですけどレコーディングが近づくほど「何か違うな」って思うようになってごっそり変えたり。

Q.今回、デモ時代からやってきた「THE LINK」の再録が収録されていますよね。この曲は2ndデモにも3rdデモにも入っていますし、節目となるようなライブではアンコールで披露することもあって、それがメジャー第1弾の音源で再録されていることは昔からのファンは嬉しいですよね。

KICHIKU:「THE LINK」の再録はYU-PONの意見なんですよ。やるならこのタイミングしかないなって。「THE LINK」をやっていた頃のお客さんには「今のBACK LIFTの状況はこんな感じです」って伝えたいしそれが恩返しやと思う。最近BACK LIFTを知ってくれた人には「昔はこんなんでした」ってことを告白するような曲ですね。

Q.原曲と殆どアレンジが変わっていないのはそこをストレートに伝えるため?

KICHIKU:そうそう。再録ってリアレンジされてる曲が多いと思うんですけど「THE LINK」は昔のあの何とも言えやん荒さが好きで。正直、歌詞の英語も間違ってるんやけど、それも含めてあの頃にしか書けないシンプルな曲だからこそ余計な味付けはいらないかなって。塩コショウだけで充分みたいな。

Q.ロールプレイングゲームでクリア後にレベルを引き継いで冒険を最初から始められる「強くてニューゲーム」ってあるじゃないですか。今回の「THE LINK」の再録はそんな感じがしたんですよね。強くなったBACK LIFTがアレンジも変えずそのままやったらどうなるかっていう。

KICHIKU:なるほど。

YU-PON:僕、「THE LINK」が本当に好きなので音源にしないのは勿体無いって思っていたんですよ。「THE LINK」のデモCDは僕も持ってないくらいなので今もう一度形にしたいなって。

Q.ちょっと脱線しますけど、あのデモCDのジャケ、紛らわしくないですか?

KICHIKU:え?

Q.ジャケの真ん中に大きく「THE LINK」って書いてあって下に小さくBACK LIFTって書いてあったから、当時バンド名がTHE LINKだと思っていました(笑)。

KICHIKU:あははは。

HEAVIN:イラストのジャケですよね。確かに真ん中に「THE LINK」って書いてた(笑)。

YU-PON:白黒のジャケ?

KICHIKU:それは2ndデモやな。「THE LINK」は3枚目のデモやから2009年くらい。もう8年前ですね。改めましてBACK LIFTです。(一同笑)

Q.今作はどんな作品になりましたか?

KICHIKU:環境も変わってリスタートするような、ここからまた始めることをアルバムで表現出来たんじゃないかなって思います。

Q.リスタートという意味での『BLANKS』だったり「White」なんですね。

KICHIKU:そうなんですよ。直接的な表現ではなくてそういう言葉で匂わせたかったんですよね。「White」ってタイトルには白紙に戻すって意味も込めていますし。アルバムタイトルはYU-PONが提案してくれたんですけど『BLANKS』には未完成とか余白って意味もあってもう一度真っ白なとこから始めることが表せていると思っています。それこそ「強くてニューゲーム」ですよね。

Q.「White」のミュージックビデオでは白いTシャツにどんどん色を塗っていくじゃないですか。そうやって真っ白なものに色を重ねていくのってBACK LIFTそのものですよね。メロディックパンクにスカを塗ってレゲエを塗ってポエトリーを塗って今のBACK LIFTになるみたいな。

KICHIKU:ホンマにその通りですね。元々は直球のメロディックパンクでしたから。そこに色んなエッセンスを加えてBACK LIFTにしか出来やん唯一無二の武器を探してきたんです。

Q.BACK LIFTのみんなが影響を受けたと公言している90年代後半のバンドってみんなそうでしたよね。スタートはみんな同じ白いTシャツだったけどそこに自分の色を塗ってオリジナルなものを作り上げた先輩ばかりだと思うので。

KICHIKU:誰も似てないですからね。精神的なものは同じでも音楽性はみんなオリジナルやったし、他のバンドがやってないことをみんなやってた時代でしたから。なのでBACK LIFTとしてもそのオリジナリティを確立したいです。その上で遊ぶ要素があってもいいかなって最近考えていて。

Q.と言うと?

KICHIKU:王道は王道、変化球は変化球で振り切った曲もやってみたいんですよね。今のBACK LIFTってその両方をミックスした曲が多いと思うんですよ。なのでそこを思いっきり振り切った曲が出来たら面白いかなって。

Q.1曲丸ごとポエトリーとか。しかも英語で。

KICHIKU:そういう振り切り方で思いっきり遊べたら面白いですよね。ただ相当英語のスキルを磨かないと無理ですけど(笑)。

Q.遊び心は「Bitter」や「You’re A Fool」から感じることが出来ます。「You’re A Fool」はHEAVIN君のドラムが凄くかっこいいなと。

HEAVIN:嬉しいです。あのドラムはめっちゃ考えましたから(笑)。ああいう遊びの曲こそドラムを考えるのが楽しいんですよね。基本的にドラムはセッションしながら作っていくんですけどそうやってみんなで合わせながら作ったものを家に持ち帰って細かくアレンジして作っていくんですけど、その全てが楽しいです(笑)。

Q.「You’re A Fool」はメッセージ性も強い曲ですが。

KICHIKU:アバウトに「大丈夫」とか「頑張れ」っていう歌詞は好きじゃないんですけど、自分の体験したリアルを吐き出していう「大丈夫」や「頑張れ」は誰かの痛みを救うと思うんですよね。不特定多数に向けて言ってるんじゃなくて特定に歌っているからこそ響く歌があって、僕はそういう音楽に心を掴まれてきたからBACK LIFTでもそういう歌をこれからも歌っていきたいです。

Q.リスタートを切ったBACK LIFTはこれからどうなっていきたいですか?

KICHIKU:大きいライブハウスを常に単独で埋められるバンドになりたいですね。その上で小さい箱でツアーをやっちゃうような遊び心のあるバンドでいたいです。10-FEETが小箱ツアーとかやるじゃないですか。ああいうのが最高ですよね。あとは少年少女秘密基地を大きくして野外に持っていけるような規模のバンドになりたいですね。

YU-PON:BACK LIFTというジャンルを確立出来るくらい唯一無二の存在になりたいです。他の誰でもない、僕らでしか味わえない音楽を作っていきたいですね。

HEAVIN:メジャーデビューさせて頂いて関わってくれる人が増えたので色んな人の力を借りつつ面白いことをやっていきたいですね。

KICHIKU:BACK LIFTはここからなので。頑張ります。

アーティスト名:BACK LIFT

タイトル:BLANKS

2017年5月24日発売

¥1,944 (税込)

VICL-64791

メンバー

都築’HEAVIN’史生(Dr,Cho)

小林’KICHIKU’辰也(Vo,Ba)

深谷’YU-PON’雄基(Gt,Cho)

LIVE

BLANKS Tour
07.06 (Thu) 大阪 MUSE HALL
07.14 (Fri) 東京 TSUTAYA O-WEST
07.21 (Fri) 名古屋 CLUB QUATTRO

http://backlift.radcreation.jp/

関連記事

ONLINE SHOP