INTERVIEW

amplest

岐阜発ロックバンド、amplest。日常を切り取ったリアルな歌詞と疾走感と叙情感を併せ持った楽曲が絡み合うエモーショナルなサウンドでめきめきと頭角を現してきた彼ら。2019年、前身BOYS BE AMBITIOUSとして結成後、『The Love Letter From Stranger』のリリースやライブ活動を経てamplestに改名したのが2019年末のこと。その後『Lightning Vortex』を発表し岐阜、名古屋のライブハウスを中心にライブで着実に浸透したamplestが作り上げた『lotus』は今この時代に彼らが思うことを落とし込んだリアリティ溢れる作品となっている。東海シーンを担うネクストジェネレーション、amplestの後藤泰世、佐藤恭一に話を訊く。

 

2YOU:まずは結成の経緯を聞かせてください。

後藤泰世:元々は岐阜で高校時代に組んだのが始まりです。高校卒業のタイミングで恭一が入ってくれて。2019年の春にBOYS BE AMBITIOUSとして始まって半年で改名しました。名前が長くて読みづらいって言われまくって(笑)。

 

2YOU:コンスタントに音源のリリースもありますが、『lotus』が本当に素晴らしくて。ライブが出来なくなった状況の中で感じたことが形になっているなと。

佐藤恭一:ライブハウスが色々言われた時期があったじゃないですか。でもライブハウスって誰かの支えでもあるわけで。「二月」にはそういうメッセージを込めているんですけど、そこを起点に他の曲にもそういうワードは散りばめていますね。

 

2YOU:ライブで投げかける言葉や疾走感のある演奏がそのメッセージを加速させていますよね。

後藤泰世:自分の思ってることや感性をライブを通して投げかけていきたいと常に思っているんですけど、今回はコロナがあって、このタイミングで作った作品なのでそこは自然と強く出ていると思います。そうやってリアルタイムで自分の思ってることや伝えたいことを音楽にそのまま投影していけたらなって。だけど音楽で具体的に誰かを救うことは出来ないとも思っていて。

 

2YOU:直接的に何かの解決にはならないと。

後藤泰世:はい。誰かの嫌なことを僕らが直接粉砕してあげることって絶対に無理で。だけど嫌なことがあった友達に「飲みにいかない?」って誘うような感覚で逃避出来るものを提供することは出来るなって。それは僕がライブハウスに求めてきたものなので。

 

2YOU:そういう経験をライブハウスでしてきたからこそ。

後藤泰世:中学時代、ELLEGARDENを聴いてるときだけは嫌なことがシャットアウト出来たんですよ。ELLEGARDENが僕のために書いた訳ではないのに聞いた僕が救われるって凄いことだなって。知らない人までも現実逃避させてあげられるっていう。

佐藤恭一:泰世が作る曲って誰かに寄り添うために書いてる訳じゃなくて、自分が思ったことをそのときそのときで書いてるものが多いんですけど、それをお客さんが共感してくれるっていう。その信頼関係が音楽にはあるんですよね。

後藤泰世:僕も恭一もバックグラウンドとして根底にELLEGARDENがあるので曲を作るときもお互いのエッセンスはありつつ話が早いんですよ。

 

2YOU:共通言語があるのは曲作りの上で大きいですよね。

佐藤恭一:弾き語りのデモが送られてきたときに泰世の欲しいギターが大体分かりますしね。

後藤泰世:僕の弾き語りを元にスタジオで作るか、恭一が打ち込みで作るかなんですけど、どちらにしても共通言語があるのは大きいですね。話が早いというか。

佐藤恭一:基本的には歌を歌う泰世の作りたいものを形にするのがベストだと思うんですけど、僕が書くことでバンドのスパイスになると思ってて。今作でいえば「藍」とか。

後藤泰世:僕からは出てこないものが恭一から出てくるし、信頼もしているので。納得しないものは絶対にやらないですけど。

佐藤恭一:急にメタルやりたいとか言ったら?

後藤泰世:それは止めるわ。(一同笑)

 

2YOU:「1999」は生まれた年ですか?

後藤泰世:はい。この曲は高校生の時に作った曲なんですけど、自分自身がこの曲に背中を押されてきたんですよ。友達と山に登って星を見に行ったことがあって,それが凄く非現実的なことに感じたんですよ。バイトとか学校とかどうでもよくなるみたいな。それってライブハウスの感覚にも近いんですけど、現実に対するヘイトがあればあるほど、そういう非現実的なものを抱きしめたくなっちゃうんだなって。

佐藤恭一:泰世の生まれ年の1999年がタイトルになっているけど、これは色んな人に共通して在る感覚だと思うんですよ。「少年漫画の主人公にはなれない」という歌詞もあるんですが、地球上何十億いる中のちっぽけな存在だけど、自分の人生の主役でいることの大切さを導いてくれるような曲なんですよね。だから僕にとってはこの曲は「1994」だし。

 

2YOU:歌う人、聴く人が自分を映し出す曲なのかもしれないですね。

後藤泰世:思った以上に自分が投影されていたので本当だったら僕の名前をタイトルにしたかったくらい(笑)。「後藤」って(笑)。でも本当にみんなにとってもそういう曲になってくれたら嬉しいですね。

 

2YOU:凄く分かります。僕はeastern youthの「街の底」という曲を聴きながら街を歩くのが好きなんですよ。イヤフォンで聴きながら歩くと街がeastern youthの世界に見えるんです。音楽って宿りますよね。

後藤泰世:本当にそうなんですよ。音楽が自分を主役に変えていく感覚って絶対にありますよね。まるで自分がMVの中にいるみたいな。だから自分を投影した「1999」を聴くと、まるで自分の中にいるみたいなんですよ。この曲ではその感覚を落とし込めたと思います。

 

2YOU:amplestは、自分自身だったり、その時の情勢だったり、起きてること感じたこと全部が音楽になっていくバンドだと思うので、これからどんな曲が生まれるか楽しみですね。

後藤泰世:だから同じことをずっと歌っていくかって言ったらそれは自分でも分からなくて。きっと考え方も歌うことも変わっていくと思うので。でもそれはリアルタイムで歌うことに嘘がないということの裏付けなので。

 

2YOU:だからメタルをやる可能性だってあるわけで。

後藤泰世:それが本当に嘘じゃないなら。

佐藤恭一:大切なことは自分達を投影することなので、着飾って曲を作ることは絶対にないですけど、そのとき感じたことを音楽に消化していければどんな音楽をやってもamplestになると思っています。

amplest
タイトル:lotus
1000円(+税)
NOW ON SALE

interview by 柴山順次

関連記事

ONLINE SHOP