インタビュー

lynch.【インタビュー】

lynch.のニューシングル『BLØOD THIRSTY CREATURE』が攻めまくっている。シングルには、攻撃的な面と美しさを併せ持つ彼らの真骨頂ともいえる「BLØOD」、バンドにとって変化球でありながらリード曲として叩きつける「CREATURE」、そして今回で3度目の再録となる3代目「THE WHIRL」と、どの曲もlynch.の魅力をこれでもかと魅せつける全3曲が収録。さらにBlu-ray付きの数量限定生産盤には8月に日比谷野外大音楽堂にて開催された「TOUR‘17『THE SINNER STRIKES BACK』FINAL」や4月に新木場STUDIO COASTにて行われた再始動ライブ「THE JUDGEMENT DAY」の映像も収録される。今作を引っ提げ2018年3月11日には幕張メッセ国際展示場でワンマンライブ『13th ANNIVERSARY -XIII GALLOWS-』の開催も決定した彼ら。ますます目が離せないlynch.にシングル『BLØOD THIRSTY CREATURE』について、幕張について話を訊いた。

Q.野音のワンマンはどうでした?

葉月:野外のステージにはこれまで2回くらいイベントで立ったことがあるんですけど、イベントだったからリハーサルもなくてやり難かったイメージがあったんですよ。でも今回はスタッフも多かったし整った環境でやらせてもらえたおかげで想像していたよりもステージの音がクリアだったし、お客さんともまるでライブハウスみたいな距離感でやれたから凄く楽しかったですね。
玲央:屋内と違って野音は壁もないから音が飛んでいったままなんですよ。だからメンバーの演奏が聴こえないっていうイメージがあって。でも今回の野音はバンドがいつも通り演奏出来る環境をスタッフが綿密に作り上げてくれたお陰で良い意味での開放感がありました。逆に壁がない分遠くまでしっかり音も届けられたと思うしまたやりたいですね。
晁直:野外ってこともあり天候のような偶発的な要素が味方につけれたのが良かったですね。例えば静かな曲をやっているときに小雨が降ったり。そういうのは野外のライブでしか起きえないことじゃないですか。だんだん暗くなっていく感じだったり、暗くなってからの照明の効果だったり。そういう要素も演出として活かせた気はしますね。自分の中では今までの野外のイメージは払拭されました。
悠介:演奏面はやり易かったし空間系のフレーズとかライブで弾いていて凄く気持ち良かったですね。でも映像を改めてみたら、あの広さを活かしきれてないなって思いました。そこは来年の3月の幕張に向けた自分の課題になりましたね。

Q.その幕張に向けてニューシングルが完成した訳ですけど、今回のシングル、攻撃力がもの凄いなと。

葉月:今作はとにかく破壊力があって過激なシングルにしたかったんです。このシングルが幕張前の最後の音源なんですね。だからこのシングルやリード曲のMVでlynch.をもっと沢山の人に知ってもらって幕張に来てもらいたい。そういう使命がこのシングルにはあって。そこでどういう曲が刺さるかを考えたときに、例えば多くの人に響くようなメロディアスな曲でも良かったんだけど『SINNERS-EP』が割とメロディアスな作品だったし、やはりここでもう一度lynch.が攻撃的でありながら美しさも持っているバンドであることをドーンと見せたほうが良いと思いまして。それでこの2曲を作りました。

Q.「BLØOD」は攻撃的な面と美しさが共存したまさにlynch.らしい曲ですよね。

葉月:元々「BLØOD」をリード曲にするつもりでしたからね。それくらいど真ん中な曲だと思うので。

Q.「CREATURE」がリード曲になったのは?

葉月:「CREATURE」が出来上がったときに「こっちがリードでもいいのかな」ってなんとなく思ってメンバーやスタッフに多数決みたいな感じで意見を募ったら「CREATURE」の方が人気だったんですよ。正直僕はどっちがリードでも良かったんですけど、みんなの意見に託してみようかなって。
玲央:葉月から「CREATURE」のデモが届いたときに「こっちがリードでも良い気がちょっとしてます」という一文が添えられていて。それでリード曲でMVを作ることを考えたときに「BLØOD」だと今までと絵面があまり変わらない気がしたんですよね。対して「CREATURE」のような曲でMVを撮ったこともなかったしあのテンポ感はリード曲としては珍しいから映像的にも遊べるんじゃないかと思って。
悠介:「BLØOD」も「CREATURE」も攻めてる曲なので僕はどっちでも良かったですね。
晁直:僕は最後まで「BLØOD」を推していました。だけど言われてみると「CREATURE」は今までのリードと比べたら違う印象が強いし、作品としてはどの曲も共通する部分があって、その中で一番良いとこ取りしているのは「CREATURE」だと思ったのでこの曲をリードにしたことで結果的におさまりが良くなった気がします。
葉月:「CREATURE」は遊びの要素も強い曲なんですよ。勿論こういう曲はこれまでにもあったんですけどリードというよりはアルバムに1曲入ってるような曲だったので。

Q.遊びの要素という意味ではカウベルや冒頭の呪文のようなフレーズなど面白いですよね。

葉月:実は「CREATURE」は早口でボソボソ言ってるあのセクションから出来たんですよ。そこから曲を広げていって。

Q.あの声は全部葉月さんですか?

葉月:そうですね。全部で6本、3つの声色を2本ずつ入れています。街で偶然聴こえてきた早口でノリノリのレゲエを聴いてこれをlynch.でやったら面白いんじゃないかって。

Q.こういうフックになるようなことを落とし込んでもしっかりlynch.になるのは流石ですね。

葉月:そこは自分の中で消化出来るかどうかだと思います。カウベルもですけど、入れたいと思った時点で僕にとっては王道になるんですよね。

Q.対する「BLØOD」はいきなり殺しにきてるような破壊力抜群の曲で。

葉月:あははは。「BLØOD」こそ本来の王道ですよね。この曲のポイントはサビのメロディを僕が歌っていないことで。普通こういうサビでシャウトとメロディに分かれる場合はヴォーカルがメロディを歌うじゃないですか。でも僕は敢えてシャウトするっていう。
玲央:メロディーは僕と悠介で歌っているんですよ。
葉月:その思い切りの良さは自分でも気に入っていますね。

Q.「BLØOD」は全編英語ですがどのようなことを歌っているのですか?

葉月:僕はバンドを始めたころからずっと誰かに憧れていたんですよ。誰かになりたいとか憧れの人みたいになりたいとか、そういう思いがずっとあって。だけど自分は自分でしかないから誰かになることなんて出来ないじゃないですか。それで凄く落胆していたんです。でも言い換えれば誰も僕になれない訳ですよね。そこに気付いたときに自信が生まれたんですよ。僕には僕の血が流れていて誰も僕にはなれない。その自信を曲にしたのが「BLØOD」なんです。

Q.みなさんは葉月さんの歌詞を受けてアレンジするのですか?

葉月:いや、最後まで誰も知らないです。
玲央:「みなさんは」って言ってるのに葉月が答えちゃった(笑)。いつも曲のタイトルはもらうんですけど歌詞は最後の最後まで知らないですね。送られてきたタイトルのキーワードだけで想像を膨らませて自分なりの解釈をするんです。全文を先にもらうことはないですね。逆にそれが良いのかもしれないですけど。

Q.そこは葉月さんとメンバーのせめぎ合いがある?

玲央:せめぎ合いというより信頼ですね。葉月なら間違った歌詞は書かないという前提でタイトルのワードから想像するっていう。だから意思疎通に近いのかもしれないです。まあ13年もやってますからね。「はじめまして」じゃそうはいかないと思いますけど。

Q.間奏のコーラスは幕張でみんなで合唱したいです。

葉月:それはめちゃくちゃ気持ち良いでしょうね。この前EX THEATERで初披露したんですけどお客さんの反応も良かったですね。

Q.物凄くピンポイントですけどブレイクダウンがあって晁直さんの「ダッダッダ ダッダッダ」っていうドラムのフレーズがあるじゃないですか。あの2秒くらいがめちゃくちゃかっこ良くて何度もリピートしちゃいました。

晁直:ありがとうございます。
葉月:あそこは完全にLINKIN PARKの「One Step Closer」ですね。亡くなったチェスター(チェスター・ベニントン)に捧げるつもりで「One Step Closer」をそのまま引用しました。

Q.3回目のサビだけ一瞬クリーンになるギターもエロいですね。

玲央:あそこ、ライブで凄く忙しくて(笑)。サビを僕と悠介で歌っているのでメロディを歌いながらエフェクターを踏んで音色を変えてまたエフェクターを踏むっていう(笑)。葉月から「サビを歌って欲しい」と前から聞いていたのでツアーが始まる前に家でひとりで立って歌いながら練習しましたから(笑)。まるで10代のギタリストが妄想しながら練習しているみたいな(笑)。その姿は自分でも面白かったですね(笑)。

Q.悠介さんのギターはフレーズも音色も印象的だなと。

悠介:最初は「BLØOD」がリード曲だと思っていたので、幕張に向けて音源を聴いてくれた人に「お!」って思ってもらえるようなキャッチーな上で引っ掛かるフレーズを意識して弾きました。でもリードじゃなくなったっていう(笑)。
葉月:あははは。
悠介:でもこの曲はこの前ライブで初めてやったときから気持ち良かったですね。シンガロングのパートとか幕張でみんなで歌ったら凄いエネルギーだと思います。またツアーで曲も成長すると思うのでそこも楽しみですね。

Q.今作では「THE WHIRL」の再録も収録されていますがこの曲の再録はこれで3回目ですよね。

葉月:そうですね。単純に今のバンドの演奏力で「THE WHIRL」を演奏したくて。あと自分がそれを聴きたいっていう。

Q.活動初期からずっと大事にしてきた曲だと思うのですが最新型の「THE WHIRL」が出来上がってどうですか?

葉月:最初に作ったのが2005年なんですけど、その当時からこれくらいのクオリティのものを作りたかったんですよ。あの頃、頭の中で鳴っていた「THE WHIRL」はこれくらいのレベルだったので。だから今回やっとそこに追いついた感じですね。

Q.曲を作るときに頭の中で鳴っているイメージにより近付けることが今なら出来ると。

葉月:レコーディングは常にその作業なんですよ。頭の中のイメージに向かって進めていくっていう。でもそれが昔は思うように出来なかった。だけど最近はある程度思い通りに作ることが出来るようになったので、だったらこのタイミングで「THE WHIRL」をやりたいと思ったのがきっかけですね。
玲央:演奏力は勿論上がっているんですけど基本的なアレンジや曲の流れは殆ど変えていないのは自分でも凄いなと思いました。2005年の楽曲を12年経ってもやれるのは元々完成度の高い曲だったんだなって。結成当時からそういう曲を残したいって話はずっとしていたんですよ。「10年後も聴ける曲を作ろう」って言っていたので。これからもそういう曲を増やしていきたいですね。

Q.「THE WHIRL」が出来た頃は悠介さんはまだメンバーではなかった時期ですが。

悠介:はい。僕はリスナーとして聴いていました。当時聴いていた名古屋のヴィジュアル系のシーンの中でもこの曲はアングラ感もあるしスタイリッシュさもあってかっこいいなって思っていましたね。ただその頃の印象が強すぎて僕がバンドに入って最初に再録したときはあまり自分の色が出せなかったんですよ。でも今回の再録は自分のやりたいことを好きにやれたんじゃないかなって。

Q.ヴィジュアル系の持つ良い意味でのアンダーグランド感はこの曲に集約されていますよね。所謂当時の「名古屋系」っぽさだったり。

玲央:ヴィジュアル系は音楽ジャンルではないということを踏まえた上で、当時の名古屋系と呼ばれていたバンドもみんなバックボーンにあるのはゴシックなんですよね。この曲はそのゴシック感が凄く出ている曲だと僕は原曲を初めてもらった10年前からずっと思っているし、ゴシック感を上手くlynch.で表現出来た曲だと思っています。

Q.今作を引っ提げての幕張、凄く楽しみです。

葉月:大きい会場で敢えてライブハウスのようなライブをするのではなく、アリーナっぽいライブをしたいですね。盛り盛りにしたいんですよ。20メートルくらいの火柱が上がる特効とか。花道も後ろまで作ったりドラムを回転させたり(笑)。ド派手な演出を入れて総合的に楽しめる空間にしたいと思っています。
悠介:幕張のステージにはイベントで立ったことはありますけどその時はリハーサルもなくバタバタだったので当日は演奏にストレスなくライブが出来たらなって思っています。あとはお客さんみんなが楽しめる空間にしたいので席によって楽しめなかったって人がいないように配慮した演出が出来ればと思っています。
晁直:スタイリッシュなライティングのような広い会場だからこそ出来る演出もありながらライブ自体では良い意味での無骨な面も出せればなと。そのふたつの要素とエンターテイメント性が合わさって、遊びに来てくれるみんなが楽しめるライブにしたいですね。
玲央:13周年を迎えて、幕張メッセでワンマンが出来るのって僕らのいるロックシーンではあまり例がないと自分でも思っていまして。年齢と共に活動が減速していったり、ブレイクしたアーティストじゃないと大きな会場でライブが出来なかったり、そういう過去の常識をlynch.で破りたいんですよ。そういったひとつのモデルケースになるバンドで居続けたいと思っているので。その為にもこの日は絶対に良いライブにしたいし、しなければいけないと思っています。幕張、楽しみにしていて下さい。

タイトル:BLØOD THIRSTY CREATURE
■数量限定生産盤
6,667円(+税)
KICM-91812
【CD+Blu-ray】※特殊パッケージ仕様、フォトブック付属、オーディオコメンタリー(副音声)

■初回限定盤
5,000円(+税)
KICM-91813
【CD+DVD】

■通常盤
1,389円(+税)
KICM-1812
【CD only】

LIVE

■TOUR’17『THE BLØODTHIRSTY CREATURES』
10月20日(金)EX THEATER ROPPONGI
10月31日(火)名古屋DIAMOND HALL
11月04日(土)なんばHatch
11月12日(日)浜松窓枠
11月19日(日)福岡DRUM LOGOS
12月01日(金)仙台RENSA
12月02日(土)新潟LOTS
12月09日(土)高松オリーブホール
12月10日(日)広島CLUB QUATTRO
12月16日(土)札幌PENNY LANE 24

■MUCC対バンツアー『えん7』
12月18日(月)札幌PENNY LANE24

■葉月単独公演『奏艶』
12月23日(土)品川インターシティ
1部 13:00/13:30 2部 17:00/17:30

■ROTTENGRAFFTY presents ポルノ超特急
2017 12月24日(日)京都パルスプラザ

■20TH ANNIVERSARY MUCC祭「えん7 FINAL」in武道館
12月27日(水)日本武道館

■lynch.COUNTDOWN LIVE「2017-2018」
12月31日(日)Zepp Nagoya 22:00/23:00(終演予定 26:00)

■13th ANNIVERSARY -XIII GALLOWS-
2018年3月11日(日)幕張メッセ国際展示場

lynch.
葉月(Vo) 玲央(Gt) 悠介(Gt) 晁直(Dr)

http://pc.lynch.jp/

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