インタビュー

麻生茜【インタビュー】

名古屋を中心に活動する麻生茜。「万年家出少女的エモーショナルポップロック」を掲げる彼女の混沌とした楽曲、歌詞の世界観は「生きたい、死にたい」「歌いたい、歌いたくない」「存在したい、いなくなりたい」といった矛盾が歌われており、その矛盾を歌にすることでカオスを消化しているような印象を受ける。2013年のシングル『大嫌い』リリース以降、着実に作品とライブを重ね、2017年6月にはアルバム『無秩序無個性不道徳』をリリース。11月25日には栄TIGHT ROPEにてワンマンライブも開催されるという。今回2YOUでは麻生茜の音楽の源でもある矛盾をテーマに彼女が何を考え何を歌っているか話を訊いた。

Q.麻生さんの音楽の原体験はいつ頃ですか?

麻生:私は物心ついた頃には歌が好きでした。幼稚園からピアノをやっていたし中学では吹奏楽やバンドをやって大学も音楽系の学校だったので気が付いたらずっと音楽をやっていた感じです。逆に音楽しかやってこなかったので他のことはよく分かりません。

Q.影響を受けた音楽は?

麻生:「絶対好きでしょ?」って言われるのは椎名林檎さんです。小学生の頃初めて「歌舞伎町の女王」を聴いてびっくりしました。当時はSPEEDやモーニング娘。が流行っていた頃だったんですけどそんなときに出会った椎名林檎さんは衝撃でしたね。

Q.音楽を作る原動力は何かあったりしますか?

麻生:コンプレックスです。容姿も性格も全部コンプレックス。何故生きてるか分からないくらいコンプレックスの塊なのでそれが音楽になっている気がします。

Q.だから「生きてる限りあがくのだ」なんですね。

麻生:ふふふ。そうですね。そうやって音楽にすることで少しだけコンプレックスが和らぐんです。でも丸裸過ぎて自分で作ったものをあまり直視出来ません。

Q.「サルバドラッグ」はダリのことが歌われていると思うのですがアートからインスピレーションを受けて曲にすることは多いのですか?

麻生:どうでしょう。好きなことを歌っているだけで意識してる訳ではないので分かりませんが、アートから受ける影響は出ているのかもしれないですね。この曲も意味が分からない曲になりましたが脳内麻薬について歌いたかったのかなって思ったりもします。薬をやらないでどうトベるかに興味があるんですよ。

Q.合法的にトブ手段としてダリや椎名林檎があると。

麻生:そうなのかもしれませんね。音楽を聴いてハイになって曲を書くこともあるので。逆に落ちてるときに書くこともありますけど。まとまりがないんです。「against my brain」とかは静かなハイ状態で書いていますし。

Q.麻生さんの歌詞から感じる矛盾が僕は好きなんですけど、例えば「存在したい」「いなくなりたい」とか「歌いたい」「歌いたくない」とかそういう両極端の感情が同居していますよね。

麻生:そういう矛盾は自分の中のテーマでもあります。生きたい気持ちと死にたい気持ちが同じくらいあるんですよ。生きることへの執着って生き物の本能だと思うんです。でも自分には価値がないと思っているので生きていても仕方ないって思うこともあって。

Q.それはどんなときに感じるのですか?

麻生:生きてる間ずっとです。

Q.そういう感情を歌に出来るのだから麻生さんの存在はとても価値はあると思いますけど。

麻生:どうでしょうか。でも最近は生きることに興味があります。生きたいから死にたいし、死に興味があるからこそ生きたい。そういう矛盾がずっとあったし20歳くらいまでは死ぬことに興味があったんですけど、それを過ぎたらころっと生きることへの興味が沸いたんです。

Q.何かきっかけがあったのですか?

麻生:精神的なのか身体的なのか、全く動けなくなって「このまま死ぬのかな」って思ったことがあったんです。それ以降ころっと意識が変わりました。

Q.「end roll」では「生かされてることに感謝する」とも歌っていますね。

麻生:常に誰かに生かしてもらっていますからね。「すみません、すみません」って言いながら。

Q.麻生さんは自分の音楽をどんなものだと思っていますか?

麻生:うんこみたいだなって思います。

Q.うんこ?

麻生:自分の中から出た感情や言葉を吐き出すのってうんこをしてるみたい。だから私の音楽は私のうんこです。

Q.では音楽はどんな存在ですか?

麻生:物凄く離れたいし離れたくないものです。生きたい、死にたいと一緒です。こんなこと言ったら怒られるかもしれないですが歌いたくないときもあります。きっと歌がなくても生きていけるので。でも辞めたことがないから辞めた後のことが分からないし辞め方も分からないので辞めないでしょうね。きっと歌を辞めたら何もしない駄目な人間になると思います。歌ってなんでしょうね。なくなるのは怖いけど歌を辞めて何をするか考えるとワクワクすることもある。不思議ですね。それも矛盾なのかもしれません。まあ生きている限り全てが矛盾してて当たり前だと思いますね。

Q.今回のアルバムにも歌詞の様々な部分に矛盾が存在していて歌っている麻生さん自身もその矛盾が何故矛盾なのか自問自答しながら歌っているように感じました。矛盾に感じたことを歌詞にしてみて、それでも分からないからもがいているんだろうおなって。

麻生:そうですね。歌にしても分からないから歌っているんだと思います。難しいですね。そんなことばかり考えてるので髪も薄くなってきました。

Q.そんなことないとは思いますが(笑)。しかし歌詞から感じるカオスは興味深かったです。

麻生:基本は普通の子なんです。でもどんな人も混沌とした部分って隠し持ってると思うんですよ。凶悪犯がみんな刺青を入れていて髪の毛がツンツンかって言われたら普通の格好をした大人しそうな人が他人を刺しちゃったりしてる。ユニクロを着た狂気みたいな。

Q.ユニクロを着た狂気…!

麻生:狂気を外見に出せる人は狂気を消化出来ていると思います。私も三重の田舎で育った普通の子なんですけど私の中に秘めた狂気はきっとあって、たまたまそれを音楽に出来たから良かったですけど音楽がなかったら何をしていたか分かりませんからね。そういう意味でも音楽があって良かったと思います。

アーティスト名:麻生茜

タイトル:無秩序無個性不道徳

ライブ会場、麻生茜WEBSHOP、iTunesにて販売

2000円(税込)

NOW ON SALE

LIVE

9/9.sat.大阪 樟葉L.A.M.F.(ワンマン)

9/22.fri.名古屋 八事サウンドノート

9/23.sat.名古屋 GCLive

9/30.sat.東京 西荻窪リンダガレージ

10/20.fri.名古屋 今池あらたると

11/25.sat.栄TIGHT ROPE(ワンマン)

毎月第2金曜日 名古屋港区 バナナ珈琲にてフリーライブ(11月迄)

関連記事

ONLINE SHOP