INTERVIEW

クアイフ


打ちあわせで入った喫茶店で、深夜に入った牛丼屋で、そして家に帰ってつけたテレビで、耳に飛び込んでくるのは耳なじみのある歌声。2017年11月29日にメジャーデビューを果たしたクアイフのメジャーデビューシングルとなる「愛を教えてくれた君へ」はテレビアニメ「いぬやしき」エンディングテーマとして話題となり各地で「心に響く」と大絶賛の嵐。その証拠に街で彼らの音楽を本当によく聴くようになった。2016年末のメジャーデビュー宣言から1年間、より多くの人に音楽を届けることを念頭に自身の音楽と向き合い続けてきた3人が完成させた名曲「愛を教えてくれた君へ」はコアな音楽ファンからお茶の間まで、あらゆる層に刺さる感動的な曲となっている。メジャーというフィールドに躍り出たクアイフのこれからが本当に楽しみだ。

Q.メジャーデビューおめでとうございます。
森:ありがとうございます!

Q.メジャーデビューの発表をしてからどれだけこの日を待ち望んだことか。
森:2016年末に「来年メジャーデビューします!」って発表して、なんとか滑り込みで2017年内にメジャーデビュー出来ました(笑)。お客さんにも「メジャーデビューするする詐欺」って言われてましたからね(笑)。

Q.メジャーデビューが決まってからの1年はどんな期間でした?
内田:とにかく曲を沢山作っていました。全員が納得する形でリリース出来るように色々と探っていまして。それでこのタイミングのリリースになったんです。でもリリースが中々決まらないっていう不安は特になくて、それより良い曲を書かなきゃって気持ちの方が強かった。
森:「2017年にデビューします」って言った手前、2017年以内にデビュー出来なかったらどうしようっていう不安はありましたけどね。「おい!デビューするって言ったやんけ!」って言われるんじゃないかって(笑)。

Q.デビューする日をただ指を加えて待っていた訳じゃなく、来るデビューに備え修行する期間だったと。ナッパとベジータの来襲に備え1年修行したZ戦士のように。
森:出た出た(笑)。ドラゴンボールの話が出ると2YOUのインタビュー受けてる感じする(笑)。
内田:でも本当にそうで、この1年で僕ら全員強くなったと思いますね。

Q.「愛を教えてくれた君へ」はアニメ「いぬやしき」のタイアップですが反響も凄いのでは?
森:凄いですね。ちょっと想像以上でした。
内田:与えられたチャンスだと思っているんですけど、この広がり方は自分達が思っていた以上です。

Q.喫茶店に入ってたまたまクアイフが流れてくることがよくあるんですよ。
森:この前SNSに動画を載せてくれてましたよね(笑)。私の友達もたまたま入ったラーメン屋で流れてたって教えてくれて。そういう報告を受けると色んなところで色んな人が聴いてくれているんだなってグッときます。ラーメンとバラードの相性は分かりませんけど(笑)。

Q.ライブハウスシーンや音楽ファンにクアイフの音楽が届くのは想像出来るじゃないですか。でも所謂一般層やアニメのファンにまでしっかり届いているのは凄いですね。
森:それは凄く実感しています。
内田:さっき修行って話もありましたけど、そういう人にちゃんと届けるための修行をしてきた1年だったんですよ。インディーズの頃って自分の好きなことを好きなようにやっていたし、それがクアイフらしさだって言ってくれる人が多かったから曲もどんどん複雑な構成になっていったんですけど、そうじゃないものを作る修行をずっとしてきて。それがちゃんと形になったのが「愛を教えてくれた君へ」だと思います。

Q.凝った展開や構成だったりドラムの手数の多さだったり、これまでのクアイフの楽曲は複雑なアレンジに乗る森彩乃の歌が魅力だったと思うんです。でも前作くらいから徐々に楽曲がシンプルになっていった気がしていて。そして今回のシングルでは色んなものを削ぎ落とした新しいクアイフを聴くことが出来ました。やれるけどやらない良さを感じる曲だなと。
内田:はい。それがメジャーに行ったから変わったと思われたくなかったしずっと応援してくれている人が納得する形で変わりたかったので時間が掛かったんだと思います。勿論、これまでやってきたような曲も作ると思いますけど、新しいバンドの軸が太く出来たかなって思います。

Q.そういう流れは「snow traveler」から徐々にありましたしね。
内田:そうなんですよ。あの「snow traveler」を作った頃はまだメジャーと関わっていない時期だし、その頃から自分達で変わろうと思っていたし変わる必要性があったので。その先にメジャーと出会ったので全てが自然な流れだったと思っています。

Q.「愛を教えてくれた君へ」は一般層に届く曲だと思うのですが、コア層や音楽ファンにも刺さっているのは鳴っていない音が鳴っているというか、音に込めた拘りを休符からも感じることが出来るからだと思うんですよね。だから面白い。
内田:構成や音色はシンプルだけど、その分めちゃくちゃ拘りましたからね。コードも歌詞も拘り方で言えば以前の何倍も拘っています。そうやって綿密にディティールに拘る部分は何も変わっていないはずです。

Q.しかも音数が減った分、盛り付けや味付けをしなくても素材で美味しいものを出さないといけなくなった訳で。しかもクアイフというバンドのバックボーンを知らない人が曲だけで判断する訳ですし。
森:アニメのタイアップで知ってくれた人の反応をSNSで見ていると単純に楽曲に感動してくれているんでしょ。それは私達が選択してきたことが間違ってなかった証拠だなって思いました。ちゃんと伝わる音楽が出来たんだなって。音楽ファンだけじゃなく一般層にもちゃんと届けられる音楽を作ることが出来たんだなって実感はあります。

Q.僕もこの曲を初めて聴いたのはアニメのエンディングだったんですよ。そのとき「この曲がクアイフじゃなくても良い曲だと思うだろうな」って思ったんです。もうクアイフのみんなとはかなり長い付き合いになりますしどうしても曲の先にメンバーの顔が浮かんでしまうんですけど、でもクアイフが歌っているから感動したんじゃなくて、純粋に音楽として感動したんです。それって純粋な曲の評価だと思うんですよね。
森:それは凄く嬉しい。ありがとうございます。私達を知らない人もアニメで聴いてリクエストをしてくれたりするんですよ。自分達の音楽がこういう広がり方をするのがとても嬉しいです。

Q.これまでと違う環境で活動する中で意識することはありますか?
内田:音楽をやっている以上、楽しんでやりたい気持ちはなにも変わっていません。曲も自分達の心情とリンクしたものが出来ていると思っています。そう思うとプログレッシブなものが多かった時期は自己顕示欲が強かったのかもしれません。それはそれで良いんですけど、今は色んな人との出会いがあって関わってくれる人が増えて、以前より沢山の人に届けられるようになったからこそ、自分達だけの為に音楽をやるのは勿体無いと思うようになったんです。自分達の音楽が誰かの為にならないと物足りないんです。だから自然と曲が変わって自然と意識が変わっていったんだと思います。関わる人が増えた分、人に対する愛情がより深くなったんじゃないかな。

Q.歌詞も変わりましたよね。前はもっと感情的だった。
森:そうなんですよ。前は自分の怒りをぶつけていたり…そういう時期があったじゃないですか(笑)。勿論その頃の自分も好きだけど、私達を知らない人に届けるには、そういう人に聴いてもらうにはどういう歌詞を書いたらいいんだろうってめちゃくちゃ考えて。私達を分かってくれている人が感動してくれるだけじゃこれ以上は広がらないなって。そこを考えたら歌詞もどんどん変わっていきました。

Q.共感ですよね。
森:そう、その共感を考えていました。だからといって、共感を得るために思ってもいないことは歌えないし自分達の言葉じゃないと嘘になるじゃないですか。だから自分の経験の中で感じたもので共感してもらえることを突き詰めて考えるようになったんです。

Q.よりマクロな視点でミクロなことを歌うようになったと。
森:ああ、それですね。沢山の人に届けたいけど届けたいことは凄くピンポイントだったりするのかも。これまでは分かってくれる人に届けようって思っていたけど今はもっと沢山の人にちゃんと届けたいので。
内田:僕らが発信した曲が誰かに届いた時点でその曲はその人のものなんですよ。そうやって誰かに自分の曲を届けることが広がることだと思って。そう思ったときにおのずと歌詞やディティールが変わっていったんですよね。

Q.凄くわかります。Xの「ENDLESS RAIN」とかXの曲ですけど僕の曲ですもん。
森:あははは。
内田:僕はTHE BLUE HEARSTの「夕暮れ」ですね。

Q.わかる!
内田:はっきりさせなくてもいいあやふやなまんまでいい♪

Q.僕達はなんなとなく幸せになるんだ♪
内田:柴山さん!

Q.ウッチー!(握手)
森:なにこのくだり。(一同笑)

Q.でもそういうことなんですよ。THE BLUE HEARTSで言えば僕は自分の子供にTHE BLUE HEARTSの曲名から名前を付けたんですけど、僕の中でその曲は子供のものですから。
森:凄くドラマチックな話。

Q.だからクアイフの曲を受け取った誰かがその曲をどう受け取ってどう自分の曲にしていくかは無限ですよね。その広がり方が出来るのがやっぱりメジャーなんだと思います。実際にメジャーのフィールドに立ってみて感じることってありますか?
森:常に全ては憧れだなって思っていて。バンドを組む前はバンドを組むこと自体に憧れていたし、いざ組んだら今度はCDを出すことに憧れて。その繰り返しでメジャーデビューをして、憧れのメジャーの舞台に立ったら今度はここが現実になる訳なんですよ。ここから私達はまた次の憧れに向かって進んでいくんですけど、その憧れを絶やさないことが大事何じゃないかなって思います。

Q.憧れを更新していくと。
森:その繰り返しですよね。メジャーに憧れていた森の夢は叶ったからここから次は何に憧れて何を叶えるか。そこが大事だと思います。
内田:2012年3月にクアイフを結成して、その頃の僕は世間知らずだったからメジャーに対して誤解していた部分があって。当時の僕はメジャーという船に乗ろうとしていたんですよ。でも実際は僕らの船にメジャーの人たちを乗せて進まないといけないんです。船を動かすのは僕らで、その旅でどんな人と出会うかだと今は思っています。メジャーデビューすれば大きな船に乗れると思っていたんですけど、その感覚は大きく変わりましたね。

Q.乗っかるんじゃなく乗せると。船長としての責任も生まれますしね。
森:そこもめちゃくちゃ感じています。
内田:家族のために働くことって推測ですけどきっと凄いモチベーションになると思うんですよ。そうやって自分の為じゃなく誰かの為に頑張ることって、前の自分だったら出来なかったかもしれない。でも今のモチベーションはそれに近いんですよね。クアイフの為に頑張ってくれる人に応えられない不甲斐ない自分に会うのは嫌だす。
森:内田はメンバーやスタッフ全員の人生を背負おうとしていますからね。
内田:そんなことはないよ。
森:えー、よく言ってるじゃん。あ、全員とは言ってないのか(笑)。
内田:それはそれで誰ってなるでしょ。(一同笑)
森:でも本当にクアイフに関わってくれる人を不幸にしたくないから頑張りたいですね。これまでお世話になった人にも誇れる自分でいるために頑張りたいです。
内田:クアイフ3人でこれからも誇れる自分でいられるように頑張ります!

■クアイフ
森彩乃(Vo、Key)
内田旭彦(Ba、Cho、Prog)
三輪幸宏(Dr)

■リリース情報
クアイフ
タイトル:愛を教えてくれた君へ
2017.11.29 RELEASE

【通常盤】 ESCL-4947
¥1,200(税込)【初回仕様:PlayPASS対応】

【期間生産限定盤】 ESCL-4948~9 [CD+DVD]
¥1,500(税込)【PlayPASS対応】
「いぬやしき」描き下ろしアニメ絵柄デジパック仕様

『クアイフ Live Tour “愛を教えてくれた君へ”』
2月18日(日)大阪 梅田CLUB QUATTRO
2月24日(土)東京 恵比寿LIQUIDROOM
2月25日(日)愛知 名古屋DIAMOND HALL

クアイフ SITE
http://www.qaijff.com

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