BabySitter

誰にとっても激動の年となった2020年。それは勿論BabySitterにおいても例外ではなく、新曲を引っ提げてのワンマンライブの中止、活動自粛と、思い描いたことが実現出来ないまま時が流れていった。久し振りの有観客ライブとなった11月、12月のワンマンライブでは新曲「clear」「Erica」が発表され、自粛期間にバンドがパワーアップしたことを知らしめた4人。まだまだ先の見えない状況の中、もがきながらも前に進もうとするBabySitterのYui、Rio、Mai、Mikuに話を訊いた。

 

2YOU:何処から話しましょうか(笑)。

Yui:去年は色んなことがありすぎて(笑)。振り返ると2月までは普通にライブもやっていたもんね。4月5月にもワンマンが決まっていてそこに向けて3月は色々準備していたんだけど、コロナウイルスが出てきて「え?」みたいな。

 

2YOU:2月には2YOUの企画でバレンタインイベントもやりましたもんね。

Yui:もうめちゃくちゃ昔に感じちゃう。

 

2YOU:今だったらチョコレートを手作りで作ってプレゼントするのも出来ないですよね。

Mai:確かに!

 

2YOU:「潰れたみかん」や「カレンダー」の制作はいつ頃だったのですか?

Mai:1月?あれ?2月だっけ?

Rio:たぶん1月とかだと思う。

Yui:新曲2曲と新しいMVを作って、その流れでワンマンライブをするっていう予定で進めていたんですよ。でもちょうど出そうと思った時期にコロナウイルスが出て。

 

2YOU:曲調も歌詞もこれまでのBabySitterとは毛色の違う曲でしたが。

Yui:「人生なんてゴミ箱に捨てちゃえるくらい簡単でちっぽけ」とか、今まで歌ってこなかったようなブラックダークな部分も「カレンダー」では見せようと思って作っていたんですよ。でも発表するタイミングで世間がコロナで騒がしくなっていたので、そんな時期に「人生なんてゴミ箱に…」みたいな曲を出すのってどうなんだろうって迷ってしまって。

Miku:結構ギリギリまで悩んだよね。

Yui:本当に迷いました。でもせっかく作ったからには出そうってことになって。それで「潰れたみかん」と「カレンダー」を連続でリリースしました。お客さんの反応も気になっていたんですけど。

Miku:その後、お客さんと関わる機会もどんどん少なくなっていったから。

Mai:だから曲の感想をあんまり面と向かって言われることはなかったよね。

Yui:ライブも出来ないから初披露することもしばらくなくて。

Mai:だいぶ後になったもんね。

 

2YOU:あの2曲をライブで初めて演奏したのは11月のワンマンですか?

Yui:そうなんですよ。本当につい最近なんです。

Rio:テレビの収録では1回歌ったんですけど、ライブハウスではワンマンが初めてでしたね。

Yui:半年越しくらい。

 

2YOU:人前に出ることも極端に少なかったんじゃないですか?

Yui:そうですね。IF I FELLでやらせてもらった弾き語りのイベントと、あとは配信ライブをさせてもらったくらいでした。

Mai:ライブも出来ないし、一番ひどい時はスタジオも営業していなかったのでメンバーにも会ってなくて。ライブハウス自体が駄目だって物凄く言われたじゃないですか。でもライブハウスは私達の一番の活動の場だし、どうなっちゃうんだろうっていう不安はありました。

Yui:ライブの予定がないだけでLINEのグループの会話が動かなくなるんですよ(笑)。目標や予定がなくなるだけでバンドの発想が止まっちゃうことにも不安はありましたね。こんな時だからこそ動いているバンドは動いてるし、それに比べて私達は何にも出来なさ過ぎてかなり焦りました。活動が止まってしまっているなって。

 

2YOU:バンドをどう動かしたらいいか分からなかったと。

Yui:Twitterとかも止まっちゃったんですよ。何を発信したらいいか本当に分からなくなっちゃって。だからワンマンが中止になって、何も出来なくなったタイミングで6月にIF I FELLでイベントをやらせてもらえたことは本当に良かったです。それまで本当にお客さんと会うことも出来なかったので。再会出来たときは感動しました。

 

2YOU:11月、12月のワンマンで久し振りにステージに立ってお客さんの顔を見た瞬間は何を思いました?

Mai:久し振り過ぎて会えるのが本当に嬉しかったんですけど、まずステージに出た瞬間にこれまでとは違う景色に驚きました。みんなマスクとフェイスシールドをして,着席して、声も出さないっていう、いつものライブとは全然違う空気感でしたね。

Yui:でもお客さんが全員ちゃんとマスクとフェイスシールドをしてくれたから安心してライブが出来る幸せを噛みしめることが出来ました。でもフェイスシールドが曇っちゃって大変そうだなって。でもその中でルールを守ってライブを楽しんでくれている姿に、みんな良い人だちだなって思ったし、みんなでライブを作り上げてるなって思いました。

Mai:私達もずっと心配だったんですよ。ライブで感染者が出たらどうしようかって考えちゃって。だから最善を尽くしたくて、2週間前の体温シートをチケットと一緒に送ったり、それを持ってきてくれた人にはプレゼントを用意したり、換気の時間にアコースティックコーナーをやったり。そうやって色々考えてライブをしたらマスクをしていてもみんなが喜んでくれているのが伝わってきて。声も出せないから最初は楽しんでくれてるか不安だったんですけど。

 

2YOU:「お祭り騒ぎだ」って歌っても「ワッショイ」が返ってこないんですもんね。

Yui:そうなんですよ。本当に難しいですよね。

 

2YOU:そんな中でワンマンを2回やり切った訳ですが、久し振りのライブはどうでした?

Yui:コロナで4月、5月のワンマンが出来ないかもってときは、ライブ自体がやれるかどうか分からないまま準備だけしていて、ワンマンを成功させることより不安が勝っちゃったんですよ。だったら無理にワンマンをやるよりも、時期を改めてちゃんとやろうって。あのときは悔しかったけど、今思うとその判断は正しかったなって思います。そんな中での久し振りのライブだから楽しみにしてくれていたみんなにパワーアップしたBabySitterを見せないとなって思ってライブをしました。

Rio:これまでよりお客さんにじっと観られることも多いしね。

Yui:ライブだけど映画を観ている状況に近いからこそ、よりパフォーマンスとか、演奏技術とか力を入れないとがっかりされちゃうなって。だからたぶんこれまでで一番リハにも入りました(笑)。

Miku:1日9時間くらいドラム叩いたもん。

Yui:それだけのことをやらなきゃいけなかったんだなって改めて思いましたね。

 

2YOU:11月のワンマンで披露された「clear」はバンドの進化を感じられてグッときました。歌詞の書き方も結構変わったなと。

Yui:今まで使わなかったような言葉を使ったりしているんですよ。歌詞もかなり書き直したんですけど、こんなに言葉ひとつひとつと向き合って書いたのは初めてかもしれません。今だから歌えることも沢山あると思うし、こんな時だからこそ書ける曲っていうのを自分の中でテーマにして今回の曲を作りました。

 

2YOU:曲調も大人っぽさを感じました。シンセベースが雰囲気を変えているなとか。

Yui:今のこの状況の中、変な話、これから先ライブがいつ出来るか、出来なくなっちゃうか分からないじゃないですか。もしかしたら年に1回もライブが出来ないことだって可能性としてはあると思うんです。そうなったときに、大人になっても歌える曲を作りたいなって思ったんですよ。

 

2YOU:逆に12月のワンマンで発表された「Erica」はライブ感のある曲で。

Yui:やっぱりライブがやりたいんですよね(笑)。人前で演奏したい気持ちが曲に出ているのかも。「clear」は良い意味でお客さんを裏切る曲になったと思うんですよ。「私達、こんな顔も持っていますよ」っていう。でも「Erica」は絶対ライブでぐわー!って盛り上がる曲だと思っていて。

 

2YOU:そう思うと武器が増えてきましたよね。これまでのベビシ色があって、「潰れたみかん」や「カレンダー」のようなカラーの曲があって、「clear」が出来て。

Yui:色んな曲に挑戦したり、この1年で色んな経験をしたことでバンドが成長出来ていたら嬉しいです。「潰れたみかん」と「カレンダー」を作って、そこから勢いに乗っていく流れを当初は考えていたんですけど、そこでコロナになって。でも実際に活動で悩んでいる時期でもあったから、コロナに見透かされたというか、考える時間が出来たことは結果的には良かったのかもしれないです。

 

2YOU:BabySitterに限らず、どんなバンドも悩む時期だったと思うんですよ。その中で様々な決断をしないといけない局面もあったと思うのですが、ちゃんと全部をプラスに消化していることが新曲を聴いて分かったので変な言い方かもしれないですけど、ホッとしました。バンドの止まらない感じ、止めたくない感じが活動に出てますからね。ワンマンの追加公演を即効やる感じとか。

Yui:本当に色んなことが起きた1年でしたけど、改めてバンドとして音楽を通して何をこれから届けていったらいいのか、というのを考えさせられました。久しぶりのライブを皆んなが楽しみに待っててくれて、色んな制限がある中でも楽しかったって言ってもらえて、それがすごく嬉しくて。立ち止まっていてはだめだなと改めて思いました。今できることを私たちなりに精一杯届け続けたい、そう思いました。これからのBabySitterに期待していて欲しいです。

interview by 柴山順次

https://www.babysitter.band/