PLUE

名古屋発3ピースロックバンド、PLUE。彼らの最大の武器は弱気なラブソング。うまくいかない恋を男女の目線で綴る水川雅之の世界観に共感する者が続出。2019年は「シンデレラ」「ラストシーン」「イトシイ」と立て続けにシングルをリリース、年の明けた2020年1月にはミニアルバム『Sense』発表と着実とステップアップしてきた彼ら。そんな矢先のコロナである。ツアーやワンマンなどは全て中止となり、上り詰めてきたその階段の途中で流れを止めることを余儀なくされた。しかしPLUEはその動きを止めることなく、彼ら最大の武器でありアイデンティティであるラブソング「ALARM」を届けてくれた。弱気なラブソングかもしれない。でもそのラブソングが誰かの背中を押すこともある。ラブソングをフルスイングするPLUEの水川雅之、本間裕也、三好航矢の3人に話を訊く。

 

2YOU:PLUEは直球で日本のポップミュージックを体現するバンドだと思うのですが、結成時はどういうバンドを目指していたのですか?

水川:歌ものをやりたいっていうのは結成した頃から変わらなくて、その頃は今よりちょっとフワッとしたイメージでしたけど、今はメロディを大事にしたラブソングを歌っていくことを信条としています。

 

2YOU:メンバーそれぞれのルーツはどのような音楽なんですか?

水川:僕はオリコンの1位から10位をずっと追うような音楽の聴き方をしていました。バンドで影響を受けたのはアンダーグラフやASIAN KUNG-FU GENERATIONやBUMP OF CHICKENなんですけど、バンドを始めようと思ったきっかけはRADWIMPSです。

三好:僕は割と洋楽を聴くことが多いです。ベースを始めたのは高校の軽音学部に入ってからです。

本間:僕は父親の影響でチューリップやザ・ビートルズを聴いていました。

 

2YOU:それぞれのバックボーンがある中、曲作りはどのように行っているのですか?

水川:僕が作詞作曲して、みんなでアレンジするっていうオーソドックスな感じです。歌詞はメンバーそれぞれ考え方も違うし全員で書こうとすると進まないので僕が全部書いています。

 

2YOU:PLUEの楽曲の大半はラブソングだと思うのですが、歌詞は実体験が多いですか?

水川:実体験を混ぜつつ、物語を作っていく感じですね。自分の体験だけで書くんじゃなくて、ある程度客観的に書かないと伝わるものも伝わらないと思うので。

 

2YOU:なるほど。結成当初からラブソングがメインでした?

水川:ラブソングでいくことを打ち出したのはここ4年くらいですね。「PLUEってなんぞや」ということをメンバーと話し合ったときに「これがPLUEだ!」って言い切れるものが欲しいよねって話になって。それまでは恋愛ソングを書くことが恥ずかしかったりもしたんですけど、「PLUEはラブソングを歌うバンド」というイメージが定着するように全面に打ち出すようになりました。

 

2YOU:確かにラブソングのイメージはありますよね。しかも失恋ソングのイメージが強いですね。

水川:どちらかというとフラれることが多い人生なので(笑)。

 

2YOU:メンバーとして水川さんの歌詞をどう捉えていますか?

本間:なんかいつもフラれてるなって(笑)。僕はあまりフラれた経験がないので歌詞の気持ちは分からないです(笑)。

水川:おい(笑)。

本間:でも水川が書いた歌詞をどうバンドで表現するかは常に考えていますね。

 

2YOU:本間さんは歌詞に寄り添うギターを弾く印象があります。ジョージ・ハリスンのような。

本間:それ、めっちゃ嬉しいです。ジョージって本当にそういうポジションですもんね。

水川:これからステージネームをジョージにしたら?

本間:なにそれ(笑)。

 

2YOU:三好さんは如何ですか?

三好:アレンジに関しては歌を邪魔しないで曲に色を付けることを意識しています。良い意味で幅広く色んな人に受け入れてもらえる音楽をやっているバンドなので、グッとくるポイントを増やしたいなと思っています。良いフレーズを入れたり、歌のメロディとユニゾンしたり、ベースで曲をどう彩るか考えていますね。

 

2YOU:昨年はコンスタントにシングルのリリースがあり、その集大成として今年の1月にはミニアルバム『Sense』のリリースと、常にバンドの動きがあり、ここから一気に駆け上がる印象もあったのですが。

水川:僕らは割と石橋を叩いて進んできたタイプのバンドなんですけど、このタイミングで突き抜けていこうと思っていた矢先のコロナで。だから1年かけて叩いてきた石橋が最後の最後で壊れちゃったような感覚でした。でも去年沢山曲をリリース出来たので、今年もライブは中々出来ないけど、コンスタントに音源は発表していきたいですね。

2YOU:『Sense』のリリース以降はどんな動きをしているのですか?

水川:ずっと曲は作ってます。まだこの先コロナがどうなるか分からないし、もしライブが出来るようになったときにすぐ動けるような準備もしていますね。

 

2YOU:今この状況下で改めて音楽の可能性や音楽の持つ力を実感しているのですが、PLUEの音楽を聴いてラブソングの持つ普遍性や時代を超えるパワーを感じました。水川さんがオリコン上位の音楽に影響を受けているように、日本のポップミュージックにおけるラブソングの存在は偉大ですよね。それを体現しているのがPLUEだなと。

水川:僕はバンドを長く続けるために売れたいと思っていて。そのためには沢山の人の共感を得ることが必要だと思うのですが、大体の人は恋愛をしていると思うので、やっぱりラブソングが共感を得ることも腑に落ちるんですよ。それに僕は日常を歌いたいと思っているんですけど、ラブソングを歌うことって僕にとっては日常を歌うことなんですよね。

本間:水川の歌詞は素直だし純粋ですよね。良い意味で中学生みたいだなって思うときもありますから。でも聴いてくれた人が共感してくれているのを見ると「こういう恋愛を求めているんだな」って思いますね。

 

2YOU:メンバー同士で恋愛観とか話したりします?

水川:いや、話さないですね。だけど僕だけ歌詞に出ちゃうので丸裸です(笑)。

本間:メンバーのそういう話ってあまり聞きたくないよね(笑)。

水川:僕は失恋ソングばっかり歌っているから、よく色んな人に「水川くんは恋愛マスターだね」って言われるんですよ。でも恋愛マスターだったら逆にこんな曲は書かないですからね(笑)。

 

2YOU:水川さんの歌詞でたまに女性目線の曲もありますが。

水川:男7女3くらいの割合かも。女性目線で歌詞を書くのは滅茶苦茶楽しいんですよ。男目線のときは自分の体験や自分の気持ちも入るけど、女性目線で書くときは完全に自分とは別人格で書くのでノリノリで書いています(笑)。

 

2YOU:憑依させて書くような?

水川:女性になりきってますね。女の人だったらこう思うだろうなとか。それが女性のお客さんに共感してもらえているんだと思います。

 

2YOU:ちなみに今後バンドでやりたいことってありますか?

水川:今年、コロナで出来なくなってしまった東京のワンマンは絶対にやりたいですね。あとはツアーが中止になって、『Sense』を届け切れていない気がするんです。今年の頭からずっと何かが止まっている感覚もあって。このままだとここから先に進むことも出来ないので自分達の中で何か答えを出さないとなって思っています。

 

2YOU:『Sense』に辿り着くまでの過程と、『Sense』が出てからの世界があまりにも違い過ぎますからね。あの作品で確実にPLUEはネクストステージに上ったと思いますし。

水川:今年の1月に『Sense』を出して2月はまだライブをやっていたんですけど、今までにない反響は感じていました。だからこそ、ここから先に進んでいくビジョンもあって。

三好:でもそこで止まっているんですよ。ずっと。

水川:やっぱりツアーやワンマンが出来なかったのが悔やまれますね。

本間:『Sense』を聴いてくれた人の気持ちをライブで汲みに行けてないことが気持ち悪くて。だけどバンドとしては新曲も作っているしここに留まっている訳にもいかなくて。難しいですね。

水川:止まるのもおかしいしね。

本間:一番はお客さんを飽きさせないこと。ライブが出来ない期間も楽しんでもらえるように常に何かは発信していたいです。

 

2YOU:6月に発表された「ALARM」はコロナ以降に書かれた曲ですか?

水川:真っ最中に書きました。

 

2YOU:PLUEらしいラブソングなんですけど、コロナの状況も歌われているのかなと。「雨の後には日が差す」とか「当たり前のことが大切になった」とか。

水川:そうなんですよ。恋愛の歌ではあるんですけど、コロナの状況も掛けて歌っています。雨降って地固まるじゃないですけど、恋愛も、今の状況も、いつか晴れると思っているので。でもそこは気付く人が気付いてくれたらいいんですよ。やっぱり僕はラブソングを歌っていきたいので。勿論違うテーマの曲が出来ることもあるとは思うんですけど、今この状況だからって無理に元気になるような曲を歌ったりは出来ないし。

本間:あからさまな応援ソングとかやってみようかって話にもなったんですよ。でもやっぱり違うなって。

水川:PLUEなりの、あからさまじゃない応援ソングが「ALARM」なんです。僕にはこれしかないから。

 

2YOU:2020年におけるPLUE最大の応援歌はラブソングだと。

水川:僕自身がラブソングに突き動かされている人間なので。これからもラブソングで戦っていきたいです。

interviw by 柴山順次

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

PLUE
タイトル:ALARM
配信シングル

https://www.music-scene.jp/plue/