BiS

BiSのメジャー1st EP『ANTi CONFORMiST SUPERSTAR』のテーマにある「死」というキーワード。ただこれはネガティブなものではなく、「死にたい」の先にある「生きたい」を寄り添うように表現するすぐ隣にある音楽と言葉は同じ時代を生きる者に深く深く突き刺さるだろう。シングルの連続ゲリラリリースや無観客配信ライヴ「HEART-SHAPED BiS IT’S TOO LATE EDiTiON NO AUDiENCE LiVE」、さらに101回連続で「CURTAiN CALL」を歌った「101回目のカーテンコール」など、コロナ禍においてもなおBiSとしてBiSらしくエンターテイメントする彼女達の在り方、生き方、信念、概念が落とし込まれた『ANTi CONFORMiST SUPERSTAR』について、チャントモンキー、トギー、イトー・ムセンシティ部、ネオ・トゥリーズに話を訊く。

 

2YOU:自粛期間はどのように過ごしていました?

トギー:私は筋トレしていました。ライブが出来るようになったときに筋肉がなくなってたらヤバいなって。だから家で出来る筋トレをずっとしていました。

ネオ:私も筋トレしてた。

チャント:私は料理にハマってました。栄養素まで調べたりして。

トギー:すごーい!

チャント:免疫が大事だからね。あとは筋トレもしてたし、映画も観たし、振り付けもしたり、色々やってました。

イトー:私はいっぱい食べて、いっぱい寝て、いっぱい映画観て、いっぱい漫画を読んで…。

トギー:めっちゃ充実してる!

 

2YOU:その間、メンバーは会っていたのですか?

トギー:緊急事態宣言が出てからは全然会ってなかったです。

イトー:久し振りに会えたのは6月20日にやった無観客ライヴの練習が始まった頃でした。それまで本当にずっと一緒にいたから変な感じでした。

2YOU:日常だったことが非日常になって色んなことを考えたと思うのですが、6月20日に無観客ライヴをやってみてどうでした?

ネオ:本当に久し振りのライブだったし、ライブが出来て凄く嬉しかったんですけど、同時に悔しい気持ちにもなりました。やっぱり研究員(ファンの総称)のことを考えちゃって。でも観てくれたみんながSNSを通して喜んでくれているのを観てホッとしました。

イトー:滅茶苦茶楽しかったけど、同じくらい寂しさも感じちゃいましたね。

トギー:うん、もっと会いたくなっちゃった。無観客でこんなに楽しいんだから研究員がいたらどうなっちゃうの!って。

チャント:この日のライブは30曲ノンストップだったんですけど、新曲を初披露出来たのも嬉しかったです。早く研究員の前で歌いたいです。

 

2YOU:BiSはこの期間に様々な手法で新曲を届けてくれたじゃないですか。それが本当にワクワクしたんですよ。「IT’S TOO LATE」の配信から始まって、「DESTROY」「CURTAiN CALL」のゲリラリリース、「イミテーションセンセーション」のゲリラカセットリリースと音楽を手にする楽しみ方を色んな方法で提示してくれて。

トギー:私達も新曲を出せたのは嬉しかったです!

 

2YOU:アナウンスが「ウェブのどこかにて発売しております。販売サイトをご自身でお探しください」って最高過ぎますよね。夜中に夢中で探しましたから。

トギー:嬉しい!

 

2YOU:この数ヶ月で世界がひっくり返ってしまって、『LOOKiE』がまだ半年前とは思えない程昔に感じるんですよね。そんな中で、自粛警察じゃないですけど、楽しんじゃいけないのかなとか、ワクワクしちゃいけないのかなって思うこともあって。だけどBiSの新曲がリリースされるたびにSNS上で研究員が「新曲出てる!!」「探せー!!」みたいに盛り上がるのが本当に楽しくて。簡単に音楽を聴けるこの時代に、音楽を聴くまでの過程や手間に愛しさと楽しさを感じさせてくれたなって。

トギー:ライブが出来ない中で私達も新曲を出せるのが嬉しかったし、新曲を届けることが研究員とのコミュニケーション手段だったので、みんなが喜んでくれているのを見て嬉しかったですね。

イトー:私達も何処で売ってるか教えてもらってなかったんですけど、研究員だけじゃなく、清掃員(BiSHファンの総称)や他のグループのファンの方も一緒に探してくれてるのが嬉しかったですね。

 

2YOU:『ANTi CONFORMiST SUPERSTAR』はこういったゲリラリリースだったり、コロナ禍のBiSの活動の集大成のような作品だと思うのですが、この環境だからこそ生まれた楽曲が詰め込まれているなと。

トギー:歌詞が今の環境に凄く寄り添っていますよね。こんな状況だから出てきた言葉が多いのかな。

イトー:今の状況だからこそ自分と向き合うことが大事なんだなって思うんですけど、歌詞もそういう気持ちに寄り添っているなって。

ネオ:表に出せない感情が歌詞になっていて、歌っていてハッとすることが多いんですよ。

2YOU:これまでとはまた違う角度の歌詞が多いですよね。「イミテーションセンセーション」の「前向くだけが正解じゃないだろう」という言葉だけで涙腺崩壊しましたから。

トギー:めっちゃ分かります。歌詞を見た瞬間泣きました。「イミテーションセンセーション」は自分の弱さが剥き出しになっていて、それって中々出来ないことだからこそ響くのかなって。

 

2YOU:前を向かなきゃって思うけど前を向けないときもあって、そんな自分を「イミテーションセンセーション」は優しく肯定してくれるなと。

トギー:弱い部分って隠したくなるけど、こうやって歌にすることで誰かの気持ちを救うのかなって。

イトー:歌詞を書いた渡辺さん(渡辺淳之介:WACK)も、少なからず私達も、影響力っていう意味ではSNSの発言だったり行動に責任が伴うじゃないですか。だからネガティブなことを思っても吐き出せないことがあって。だけどこうやって歌として表現することで自分自身、凄く楽になりました。

 

2YOU:皆さんがBiSになって1年、これまでとは生活も生き方も変わったと思うのですが、「DESTROY」では「敷かれたレール壊しギャンギャンならそう」という歌詞もあって、それってそのまま4人の在り方だよなって。BiSという巨大なレールの上で始まり、そのレールを壊して再構築する。それはつまり、この1年間でBiSがやってきたことだよなと。歴史を背負うことって半端な覚悟じゃ出来ないし、それを楽しそうに、勿論裏では努力してやっているのがBiSの強さだと思うんです。

イトー:勿論辛いことも沢山あったし、24時間イベント「Let’s have a 24 hour BiS’s party」とか「101回目のカーテンコール」とか体力的にやばかったけど、結果的には全部楽しかったなって思えちゃうのが凄いなって。それってきっとこのメンバーだからだと思うんです。全員が向上心を持ってその上昇志向に乗っていけるんですよね。本当にこの4人で良かったなって思います。

トギー:弱音を吐いちゃうこともあるけどみんなでやり遂げてきたもんね。だから「DiRTY and BEAUTY」を聴くと泣いちゃうんです。

2YOU:「DiRTY and BEAUTY」は色んな捉え方が出来る曲だと思うのですが、ラブソングにも聴こえるし渡辺さんのBiSに対する思いが込められているようにも感じられて。

トギー:この曲は渡辺さんからBiSに対するラブレターなのかなって。最初は普通に恋愛ソングだと思っていたんですよ。「そばにいてMy dear」とか「君しかいない」とか、ラブラブなカップルの歌だと。だけど歌っているうちに「君」ってBiSのことなのかもって。

 

2YOU:「大雨振ったって傘なんていらない」というのは今の状況においてもBiSとならへっちゃらだっていう渡辺さんの気持ちなのかなって。

イトー:本当に大きな愛を感じます。この時期だからこそ余計に。

 

2YOU:今作の全体のテーマとして「死」がキーワードになっていると思うんですけど、そこは何か感じました?

イトー:正直、めっちゃ出てくるなって思いました。メッセージ性が凄いなって。だけど歌っていて感じたのは、死にたいって重い言葉だけど、本当に死にたくて言ってるんじゃないのかなって。

ネオ:死にたいって言葉を使ってるけど、生きたいって聴こえるんですよ。

トギー:逆に生きようって思うよね。

 

2YOU:「I WANT TO DiE!!!!!」は「死にたい」だけど「生きたい」とも捉えられますよね。「IT’S TOO LATE」でも「死んだら終わり」と歌っていますし。

チャント:「IT’S TOO LATE」は生きる希望や生きる力を失った人に向けて書いたんですが、渡辺さんが私のそんな想いをしっかりとまとめてくれました。サビでは怒りの感情が出ているんですけど、それもこの状況だからこそだなと。

2YOU:今の状況だったり世の中に対するカウンターですよね。

トギー:カウンターってかっこいい。

 

2YOU:そうやって世界に対してカウンターを打つのがBiSでありWACKであり渡辺淳之介イムズなのかなと。「IT’S TOO LATE」はそれを体現している曲だと思いました。そして今作唯一のバラード曲「GETTiNG LOST」ですが、これ、刺さりますね。

トギー:めっちゃグッときますよね。

ネオ:なんか色んなことがきつい日の日記みたいだなって。歌っていて、BiSになる前の過去を思い出します。

イトー:「GETTiNG LOST」は誰かに向けて歌うっていうより、独り言のような歌だなって。だからこその本音もあると思うし。

ネオ:きっと同じことを思っている人は沢山いると思うし、そういう人には刺さるんじゃないかなって。

 

2YOU:「GETTiNG LOST」はBiSの曲だけど、聴いた人の曲でもあって。スッと自分の曲になるんですよね。それって物凄く真っ当なポップミュージックの在り方だと思うんです。今本当にみんな大変な時期で、先の見えない中でモヤモヤする日々を送っている人も多いと思うんですけど、『ANTi CONFORMiST SUPERSTAR』はそんな人の「死にたい」を「生きたい」に変換してくれる作品だなって。

トギー:良い話!

イトー:でも本当にそう思う。

ネオ:今作は歌っていて苦しくなるような表現も多いんですけど、それ以上に生きたいと思える言葉が多くて。

 

2YOU:死にたいと思っている人にこそ。

トギー:本当にそう。きっと生きようって思えるから。生きてたらまた会えるしね。それまっで私達も元気でいるから、研究員のみんなも元気でいて欲しいです。

 

interviw by 柴山順次

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