SpecialThanks

「新生SpecialThanksの」とこれまで何度書いただろう。幾度となく繰り返してきたメンバーチェンジに不安を拭えない時期も確かにあった。バンドのキャリアは10年を超え、その都度進化をしては立ち止まりそれでも前に進んできたSpecialThanks。2017年から立て続けにメンバーが脱退し、一時はMisakiひとりとなったが、2019年にToshiki、KOUSUKE、YOSHIDAが加入したことが彼らにとって「最後の転機」となるだろう。そのことを決定付けるのが今作『SUNCTUARY』だ。SpecialThanksが築き上げてきたものを大切に繋ぎながら新しいフェーズに突入した4人の音楽愛、メンバー愛に満ちた光のようなアルバムについて話を訊く。これまで何度書いたか分からない「新生SpecialThanks」という文字はどうやら今回で最後になりそうだ。

 

2YOU:いきなりですが、本当に最高のアルバムだなと。

Misaki:嬉しい!最高です!

Toshiki:いや、本当に最高なんですよ。

Misaki:最近はずっとこのアルバムばっかり聴いてます。大満足です。

Toshiki:令和優勝だよね。

Misaki:令和でこのアルバムを超えるのはきっと次のSpecialThanksのアルバム以外ないと思う。

 

2YOU:今の4人になってからのライブの勢いがそのまま形になったようなアルバムですよね。YOSHIDA:嬉しいなあ。

Misaki:今のメンバーが揃って初めてライブをしてから1年くらいなんですけど、ライブをやればやるほどかっこよくなっていくのが自分でも分かるんですよ。滅茶苦茶パワフルだし、エネルギーを感じるんです。「音楽って最高!」って歌いながら思っています。

 

2YOU:それはライブを観ていたら分かります。Misakiさんがとにかく楽しそう。

Misaki:何も気を遣わないで自分に集中出来るんですよ。メンバーのことを心から信頼しているのでそれぞれのことはそれぞれに任せて、自分自身に集中してライブが出来るのは凄く楽しいですね。

 

2YOU:今のSpecialThanksはメンバー全員が主人公みたいなライブをしますよね。その上で最後にゴールを決めるのがMisakiさんっていう。

Misaki:ちょうどそういう話をしていたんですよ。全員が映画の主役みたいになりたいなって。

 

2YOU:Kousukeさんがメインボーカルを取る「Nonobaby」のようなアプローチとか、明らかに新しいSpecialThanksですし。

KOUSUKE:まさか自分がSpecialThanksで歌うことになるとは思っていませんでした(笑)。

Toshiki:KOUSUKEが歌えるのは知っていたからメインで歌う曲があったら面白いんじゃなかって僕が提案したんですよ。

Misaki:そこもやっぱりメンバー間の信頼関係だなって。SpecialThanksに入るまでにそれぞれがやってきたことを尊敬しているし頼もしく思っているから安心感もあるんです。

 

2YOU:皆さんはSpecialThanksに入ることで意識したことはありますか?

Toshiki:俺はSpecialThanksが今の位置にいることが全然納得出来なくて。もっともっと評価されるべきだし、その為に自分が入って上に行きたいと思う気持ちが強いですね。

YOSHIDA:Misakiちゃんは本当に凄い才能を持っているんですよ。だからもっと広げていきたい。俺達が入ることでSpecialThanksを日本中に知らしめたいと思っています。

2YOU:はっきり言ってしまうと、SpecialThanksはこれまでメンバーチェンジが絶えなかったじゃないですか。だから僕は新メンバーの加入にはリスナーとしてシビアに見ている部分もあるんです。

Misaki:うん。そうですよね。

 

2YOU:だけどこの4人のライブを観た瞬間に、言い方に語弊があるかもしれないですけど「これが最後のSpecialThanksだ」と思ったんです。色々な軌跡を経てSpecialThanksの最終章が始まったなと。最終章と言っても終わる訳じゃなくて。

Misaki:分かります。私もそう思う。

Toshiki:SpecialThanksに入るまでは不安もあったんですよ。こんな良いバンドなのにメンバーがすぐ抜けるのは何でだろうって。だけどライブをしたらその不安は消えましたね。「俺達がSpecialThanksだ」って自身を持って言えるし、お客さんや対バンにも今のSpecialThanksが最高だって言ってもらうことが多くて。だからきっとこれが最後のメンバーチェンジになるんじゃないですかね。SpecialThanksのファイナルシーズンです(笑)。

Misaki:終わらないファイナルシーズンの始まりだよね。

 

2YOU:新たな始まりはアルバム冒頭の「ムーブメント」からビシビシと感じました。新しいSpecialThanksでもあるし、新しいメロコアの形でもある曲だなと。

Misaki:目指しているのは唯一無二です。今のSpecialThanksにしか出来ない最強のメロコアが出来たと思います。「メロコアってこれだよ!」っていうものをSpecialThanksなりに表現したかったんですよ。ただ単純にパワーコードで歌うようなメロコアはもうやりたくなくて、コードも拘ったし、拘った上でのツービートだし、勿論メロディには滅茶苦茶拘っているし。拘りまくりです。それをメンバーが最高の形で表現してくれるから本当に最高なんです。想像以上に。

 

2YOU:Misakiさんが表現したいことを投げると想像以上のラリーが返ってくると。

Misaki:そうなんですよ。物凄いやつが返ってくるんです。

 

2YOU:「Wake up!Crazy man!」のKOUSUKEさんのブリブリな感じとか。

KOUSUKE:あははは。イントロですか?

 

2YOU:はい。あのイントロの攻め方とか、今までのSpecialThanksにはない主張だなと。

KOUSUKE:ベースのフレーズとかリズムとか、なるべく印象に残るようなものは意識していますね。やっぱりSpecialThanksの絶対的な武器は歌じゃないですか。そこをさらに強く打ち出す為のアレンジは滅茶苦茶考えましたね。

 

2YOU:ライブが終わった直後にメンバーがMisakiさんに対してガンガン意見を言ってるのも印象的で。僕はよく盗み聞きしているんですけど(笑)。

Toshiki:あははは。

Misaki:ライブ後はこれまでにないくらい4人で言い合ってますね。それがバンドに作用していると思う。もうこの4人以外考えられないです。

YOSHIDA:これまでメンバーチェンジを繰り返しながらSpecialThanksは続いてきたじゃないですか。だけどこの4人の誰かが抜けたらこのバンドは終わると思う。そのつもりで俺達も入ったし。

Misaki:うん。誰かが辞めたら終わり。それは3人が正式に入る前にも話したんです。これからこの4人で進化していきたいです。

 

2YOU:そこに辿り着いたのはこれまでのSpecialThanksがあったからこそですよね。この4人になって最初に配信リリースされた「光に変えて」を聴いたときに前作の「ハートライト」からの繋がりを感じたんですよ。ちゃんとあの地続きに今があるなって。

YOSHIDA:凄い。それ分かるのやばい。

 

2YOU:前作のラストを飾った「ハートライト」の連呼が「光に変えて」のシンガロングに繋がっているように感じて。

Misaki:その通りです。まさに「光に変えて」は「ハートライト」から繋がっている曲なんですよ。「光に変えて」は去年の12月に発表したんですけど、そこから新年明けて「ムーブメント」に持っていきたかったんです。

 

2YOU:ちなみに4人で最初に作った曲は?

Misaki:「dreaming」です。この4人の勢いみたいなものを落とし込めたと思っています。

 

2YOU:確かにこの曲をライブで観たときに勢いを感じました。あとやっぱり今作のトピックとして「Nonobaby」ですよね。僕、ずっとMisakiさんのツインボーカルを聴いてみたかったんですよ。WATER CLOSETやCIGARETTEMANみたいな。

YOSHIDA:うわ!まさにその2バンドの名前を出してたんですよ!

 

2YOU:Misakiさんのツインボーカルは7、8年妄想してますから(笑)。

Misaki:嬉しい。やりたかったのはまさにWATER CLOSETやCIGARETTEMANのようなことで。私が新しいバンドをやるならそういうバンドをやりたいなって思っていたんです。それがKOUSUKEが入ってSpecialThanksでも出来るようになったんです。

 

2YOU:KOUSUKEさんの歌、滅茶苦茶良いですよね。最初はゲストボーカルだと思ったのでクレジットを見て驚きました。

Misaki:それ、レーベルにも言われました(笑)。

 

2YOU:ザ・ビーチボーイズのようなコーラスも良いですよね。男性陣のコーラスが入っているのも新鮮でした。

Misaki:これまではコーラスも私がやっていたんですけど、ライブで「Mr.DONUT」とかガッツリ歌っているのを聴いて「これはイケるぞ」って。だから今回のアルバムには4人の声がしっかり入っているんです。ゲストも入れてないし。古閑さん(KOGA RECORDS)が入ってきそうになったのも止めつつ(笑)。

 

2YOU:4人の声と言えば「Spring Has Come」のガヤも良いですね。バンドの空気感が凄く出ている。

Misaki:あんないい感じに中々ならないですよね。

 

2YOU:あの曲は裏切りの連発だなと。アルバム後半でしっとりしたアコースティック曲が来たと思ったら一瞬で裏切られて。

Misaki:あははは。

 

2YOU:なんならSpecialThanks史上最速ですよね。そのふり幅も面白いなと。「明日も明後日も」の温かさとか。

YOSHIDA:とろけちゃうそうですよね。

Misaki:「明日も明後日も」は泣きながら作りました。お客さんがくれたお手紙の返事なんですけど、凄く大事な曲だし、色んな気持ちを込めて書いてるので読んで感じ取って欲しいです。届くといいな。

 

2YOU:この数年のSpecialThanksは光や希望を歌っていると思っていて。それは「明日も明後日も」でも感じたのですが、バンドのモチーフにもなっている太陽にも通じるなって。偶然なのか今作のタイトルである『SUNCTUARY』にも「SUN」という言葉が含まれていたり。

YOSHIDA:全てお見通しですね。まさにその通りです。

Misaki:『SUNCTUARY』っていうのはバンドの中での流行語なんですよ。それがそのままタイトルにもなったんですけど意味もしっくりくるなって。

 

2YOU:流行語というのは?

Misaki:「ありがとう」って言うのを「サンクチュアリ!」って言っていて。

KOUSUKE:サンクスがサンクチュアリになったんですけど(笑)。

Misaki:それがバンド内で流行ったんですよ。実は「Spring Has Come」のガヤでも私が「サンクチュアリ!」って言ってるんですよ。

 

2YOU:あ、それ気付きました。あのガヤで何を話しているか知りたくてボリュームを上げて聴いたので。「サンクチュアリ!」って気付いたときは宝物を見つけたみたいな気持ちになりました(笑)。

Misaki:嬉しい。みんながそうやって楽しんで聴いてくれたら最高です。

 

2YOU:ひとつモヤモヤしてることがあるんですけど。

Misaki:え!?

 

2YOU:あのガヤの最後にMisakiさんが「なんか」って言って終わるんですよ。「その続きは!」って。

Toshiki:あははは。確かに「なんか」って言ってますね(笑)。

 

2YOU:「なんか、何!?」みたいな。

Misaki:あははは。最高。でもその続きが何だったかは覚えてません。(一同笑)

 

2YOU:そうやって音楽を聴きながら色々楽しませてもらって、改めて音楽って最高だなって思いました。この状況なのでレベルミュージックも大事だし聴いているのですが、同じだけ、ただただ楽しめる音楽も必要だと個人的には思っていて。ドンピシャのタイミングで最高のアルバムが聴けて本当に良かったです。

Misaki:このアルバムがこのタイミングでリリースされたことって運命な気がするんですよ。発売が延期にならないでみんなに届けられることも凄く嬉しい。聴いてくれた人がポジティブなエネルギーを感じてもらえるような最高のアルバムが出来たので、聴いて元気になって欲しいです。私も毎日聴いてるし、だから毎日元気だし。届くと嬉しいです。そして早くライブでこのアルバムの曲を直接みんなの前で歌える日を楽しみにしています。それまでアルバムを沢山聴いてくれたら嬉しいです。

 

SpecialThanks
タイトル:SUNCTUARY
NOW ON SALE

初回限定盤【CD+DVD】KOGS-220 ¥3,200(+税)

通常盤【CD】KOGA-220 ¥2,400(+税)

 

http://www.specialthanks777.

com/

interview by 柴山順次 edit assistant by takeshi yao