PEDRO

4月29日にリリースされたPEDROのニューシングル『衝動人間倶楽部』はそのタイトルが示す通りアユニ・DがPEDROの活動を通して進化した姿がそれぞれ違ったアプローチで放たれている。2016年にBiSHに加入した彼女の物語は2018年のPEDRO始動で新たな局面を迎える。サポートメンバーである田渕ひさ子との出会いがアユニ・Dに与えた影響は大きく、音楽面だけでなく、感性であったり、在り方であったり、生き方であったり、あらゆる面においてアユニ・Dは自分自身と向き合い自分自身に気付いてきた。それが如実に表れているのが形となったのが『衝動人間倶楽部』だ。衝動性を得て人間味を解放したアユニ・Dの強さを感じて欲しい。

2YOU:PEDROの活動を通してアユニさんがどんどん自然体になっていく気がしていて。それがそのまま音となり、言葉となり、『衝動人間倶楽部』に落とし込まれているなと。

アユニ:最近思うのは、PEDROを始めたことでやっと物心がついたのかなって。普通の人間に近付けたというか。自然と人間っぽくなってきてるなって自分でも思います。『衝動人間倶楽部』っていうのも今の自分を凄く表していると思うんですけど、私は今、衝動性に委ねて生きてる人に対する憧れを凄く持っていて、そういう思いが溢れた作品が出来たと思っています。衝動的に、躊躇せずに歌詞を書いたり、これまでとは明らかに自分が変わってきたことは私自身が感じていますね。

 

2YOU:その変化の要因は何だと思いますか?

アユニ:ひさ子さん(田渕ひさ子)との出会いが圧倒的に大きいです。ひさ子さんと出会って、音楽をもっと好きになったし、音楽の面白さも知ったし、聴く音楽の幅が増えたし、音楽でやりたいことも増えたんです。完全に私のターニングポイントですね。

 

2YOU:音楽のふり幅は『衝動人間倶楽部』に如実に表れていますよね。音楽欲求が爆発しているなと。

アユニ:はい。4曲とも全部違う方向に爆発していますよね(笑)。

 

2YOU:その上で表現が直球になったから伝わり易い。

アユニ:全くその通りで、歌詞の書き方は昔から変わらずサウンドありきで書いているんですけど、昔の自分の歌詞を今改めて聴き直すと「何を言っているんだろう?」って思うことがあって。

 

2YOU:それは比喩表現だったり、言い回しだったり?

アユニ:そう。わざと捻くれた書き方をしていたり、無理やりパワーワードを残そうとしていたなって。それをかっこいいと思っていたし、それしか出来ないと思っていたので。でも改めて聴くとなんでこんな言い回しをしていたのかなって思うこともあって、今回は意識的に感情をそのまま書くことにしたんです。以前は海外のバンドを聴くことが多かったんですけど、日本のバンドを聴くことが増えて、色んなバンドの歌詞を読んだり聴いたりする中でストレートに表現している歌詞のかっこよさに影響を受けて、自分もそういう歌詞を書きたいと思ったんですよ。独特な造語や四文字熟語も自然と出てくる分には良いけど、無理に使わなくなったり。昔に比べたら捻くれ過ぎなくなったのかも。土台の性格は変わってないと思いますけど(笑)。

 

2YOU:意識的に使っていた用語が無意識に出てくるようになったのであれば進化ですよね。PEDROになるスイッチを入れなくてもPEDROであることが自然になってきたからこそ出てくる言葉も自然になったというか。

アユニ:PEDROを初めて私の世界観がひっくり返ったんですよ。今までは世界がつまらないと思っていたけど、本当につまらないのは自分だったんだなって。それに気付いたのは大きいですよ。本当にPEDROは私の自慢です。だって隣でひさ子さんがギターを弾いてるんですよ?

 

2YOU:凄いですよね。改めて。アユニさんの立ち位置って言ってみれば向井さん(向井秀徳:NUMBER GIRL)や吉村さん(吉村秀樹:bloodthirsty butchers)と並んでいる訳で。

アユニ:それ、本当にやばいですよね。ひさ子さんの記事を読んだりするときにひさ子の紹介にNUMBER GIRLやbloodthirsty butchersやtoddleと一緒にPEDROが並んでいると恐れ多くなっちゃいます。嬉しいですけど。

2YOU:今のアユニさんにとってPEDROはどんな存在ですか?

アユニ:生き甲斐です。勿論BiSHもですけど、PEDROがなかったらまともに生活すら出来てないんじゃないかってくらい、自分を変えてくれたと思っています。音楽的な面だけじゃなくて普通に人として変えてくれたことが本当に大きいので。

 

2YOU:変化を具体的に感じることは何かありますか?

アユニ:感情の起伏が激しくなったと思います。私、感情がずっと平坦だったんですよ。でもBiSHやPEDROを始めたことで「楽しい」っていう感情を覚えたんです。「こんなに楽しくて大丈夫?」って不安になるくらい。でも、それでまた落ち込むんですよ。「こんなに楽しい訳ない」って。凄まじい生活を送る中で、情緒の起伏が激しくなったことが一番の変化だと思いますね。

 

2YOU:BiSHとPEDROを同時進行でやっているんですもんね。

アユニ:感情が忙しいです(笑)。

 

2YOU:でも本当にBiSHに加入した頃とは表情が全く変わりましたよね。出会った頃のアユニさんが「生活革命」のような歌詞を書くことになるなんて思ってもいなかったです。

アユニ:あの頃はインタビューでも一言くらいしか喋らなかったですよね。すみません(笑)。「生活革命」は確かに私らしくないと思うんですよ。それも意識的なんですけど、この曲では柄にもないことを歌いたかったんです。私がラブソングを歌うなんて自分でも思っていなかったので。でもそれが面白いなと。

この曲は私の好きな漫画からもインスパイアされているんですよ。「僕達は結局四角い地図から抜け出せない」っていう台詞があるんですけど。私はBiSHやPEDROで初めて自分の世界が広がったなって。

 

 

2YOU:なんて漫画ですか?

アユニ:宮崎夏次系さんの短編集なんですけど。

 

2YOU:ああ、「変身のニュース」とか「ホーリータウン」とか。

アユニ:そうです、そうです。そうやって作品から影響を受けることはよくあって。前作では好きな映画のキャラクターになりきって書いた曲もあるんですけど、今回は自然と影響を受けたものを自分と照らし合わせて書いたんです。

 

2YOU:「自然」というのが今作において大きな要因になっているのかもしれないですね。BiSHに加入した頃やPEDROを始めた頃はアユニ・Dになることを意識していたのがアユニ・Dであることがどんどん素になってきたというか。

アユニ:その感覚はありますね。前まではアユニ・Dと普段の私を使い分けていたんですよ。それはプロとして当然のことだと今でも思っているんですけど。でも私の悪い部分でもあるけどBiSHとPEDROを切り離して考えることは出来ないし、その両方にアユニ・Dはいるし、そのアユニ・Dは自分なんです。良いことも悪いことも全部。その感覚は今凄くありますね。これからも、そうやって自分に気付いていきたいんですけど、一番気付ける場所がライブなんですよ。楽しさも目の前の壁も全部。だから今はライブがいつ出来るのか分からないけど、早くライブをやりたいですね。ライブでみんなに会いたいです。

PEDRO
衝動人間倶楽部
NOW ON SALE

■初回生産限定盤 BOX仕様【2CD+Blu-ray+photobook】¥10,000+tax / UPCH-89429

■映像付通常盤【CD+DVD】¥5,980-+tax / UPCH-80532

■通常盤【CD】¥1,500-+tax / UPCH-80533

 

LIFE IS HARD TOUR
2020年9月3日(木)名古屋・DIAMOND HALL
2020年9月4日(金)大阪・なんばhatch
2020年9月8日(火)広島・LIVE VANQUISH
2020年9月9日(水)高松・オリーブホール
2020年9月11日(金)福岡・DRUM LOGOS
2020年9月16日(水)仙台・RENSA
2020年9月18日(金)札幌・PENNY LANE24
2020年9月22日(火祝)新潟・NEXS NIIGATA
2020年9月24日(木)東京・Zepp Tokyo

 

https://www.pedro.tokyo/

interview by 柴山順次