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lynch.の究極の集合体であるニューアルバム『ULTIMA』は彼らのジャンルレス、ボーダーレスな音楽性、活動スタイルが落とし込まれたまさに究極のアルバムだ。前作『Xlll』で築き上げたものを更新することでまたひとつ階段を昇った5人。葉月ソロインタビューに続き、メンバー全員揃ってのインタビューを決行。『ULTIMA』を作り上げた今のlynch.の声を届ける。
interview by 柴山順次

Q.『ULTIMA』には近未来感やサイバーパンク感が要素として落とし込まれているということですが。

葉月:そうですね。でもコンセプトだったりテーマという訳じゃなく、あくまでも味付けとして取り入れているっていう。

玲央:勿論そういったキーワードが曲作りにおいてジャッジの指針に働いた部分はあったし、インスピレーションを受ける要素としてはアルバムに大きく作用しているとは思います。

 

Q.そもそも近未来やサイバーパンクといったキーワードが出てきたのはどういう経緯だったのですか?

葉月:僕が好きな弐瓶勉先生の「BLAME!」っていう漫画がアニメ化されたものが滅茶苦茶かっこ良くて。あの世界観をlynch.に落とし込んだら面白いんじゃないかって思ったのがきっかけです。だから近未来感そのものに何か意味やテーマがある訳じゃなくて。

 

Q.作品のコンセプトではなくエッセンスとしての近未来感だと。

葉月:そうですね。今作にテーマやコンセプトがあるとするなら、僕らのファンじゃない人に「lynch.はこういうバンドですよ」と分かり易く伝えられる作品を作ることだと思います。僕らって言い方は悪いかもしれないけど中途半端な位置にいると思っていて。

 

Q.中途半端?

葉月:毎回ランキングで1位を獲るバンドでもないし、例えばフェスに出ても「この音でヴィジュアル系なの?」っていう中地半端な位置。でも、逆に言うと「ヴィジュアル系だったら何なの?」とも思うし、「ラウド系ならいいの?」って気持ちもあって。そういう謎めいた中途半端さにモヤモヤする部分がずっとあるんですけど、そういうのを全部吹っ飛ばして伝えられる作品を作りたかったし、作ったつもりです。

 

Q.究極という意味を持つ『ULTIMA』というタイトルからも今作が確信を持って作られたことが伝わります。

葉月:常に最新作が究極なものであるべきだと思っているので、毎回アルバムを制作するときは前作をヒントに、そこをブラッシュアップして次作を作るようにしているのですが、『ULTIMA』もその流れの中のひとつなんですよ。だからまたこの次は『ULTIMA』をヒントに作品を作るだろうし、なんなら今のこの時点で『ULTIMA』の制作から少し時間が経っているので、厳密には『ULITIMA』は今日の時点ではもはやアルティメイトなものではないんですよね。

 

Q.常にアルティメイトを更新し続けると。そういう意味では確かに今作は『Xlll』を更に突き詰めたアルバムだなと思いました。『Xlll』のスタジアム感やホール感がより具現化された気がするなと。

玲央:スケール感は意識しましたね。2019年にホールツアーをやったことも反映されたと思います。

明徳:バンドを始めた頃って色々詰め込むけど、長くやればやるほどシンプルになっていくんですよ。音数も少なくなったり。だけど破壊力は増すっていう、その面白さをホールツアーやゼップツアーを経験しながら感じていました。それがスケール感にも繋がったなと。

悠介:『Xlll』のツアーで広い会場での空間の使い方をバンドが出来るようになったんですよ。そこは曲作りにも作用していると思うし、僕が書いた曲は空間の使い方を意識して書きました。例えば「この曲はどんな照明が合うか」とか。そういうイメージをしながら曲作りをしましたね。

晁直:個人的にはドラムでスケール感を意識したりはなかったんですけど、作品を俯瞰して見たときに「lynch.らしさを追求したらこういうアルバムになるよな」って思いましたね。

 

Q.lynch.らしさって自身ではどのようなものだと思います?

葉月:自分の中では明確にあるんですけど、それを説明したら滅茶苦茶細かくなります(笑)。でもやっぱり、この5人が演奏してるってことじゃないですかね。どういうバンドになっていくか、どういう存在になっていくか。そこがしっかりしていたら、ある程度どんな曲をやってもlynch.らしさが出ると思っています。

玲央:lynch.がどんなバンドかっていうのは、これだけやってきてもまだはっきりしていなくて。でもそうやって突き詰めていくとバンド名がジャンルになるのかもなって。lynch.のジャンルはlynch.だっていう。それが究極の自分らしさなのかもしれないですね。

葉月:僕はヴィジュアル系って言葉が好きじゃないんですけど、だからってラウド系になりたい訳じゃないし、他の何でもない、lynch.になりたい。そこに辿り着きたいんですよ。

 

Q.今作は究極のlynch.を体現する幅広いラインナップとなっていますが皆さん今作で思い入れの強い曲はありますか?

悠介:最初にデモが上がったのが「IDOL」なんですけど、lynch.のキャッチーな部分が上手く出ていてトータル的にまとまってるなって思います。歌詞の世界観もマッチしているし、広いターゲットを狙えている曲なのかなと。今回、チューニングを下げたのでイントロのインパクトもあったりして。あと、この曲で何かタイアップを取って欲しいですね。それはずっと言ってます(笑)。

明徳:僕は最近は車でよく「BARRIER」を聴いています。激しい部分と大人しい部分の使い分けがlynch.らしくてかっこいいなと。フェスとかでもlynch.の強さを打ち出していける曲だと思いますね。

葉月:その使い分けに毎回苦労するんですよ。両極端過ぎると何がしたいか分からなくなるので、そうならないように拘っています。

 

Q.使い分けと言えば「ALLERGIE」のシャウトの歌い分けは凄まじいなと。

葉月:あれ、ちょっとバリエーションを増やしすぎましたね(笑)。今ライブの為に練習しています。

 

Q.玲央さんはギターで拘ったポイントはありますか?

玲央:「IN THIS ERA」のギターは音質とディレイの深さに拘りましたね。あと悠介のフレーズにどう絡むかも結構拘ったので聴いて欲しいです。こういう曲をやれるのもlynch.の武器だなって思います。

 

Q.「IN THIS ERA」はアルバムの光の部分を担っているような、他の曲とは少し毛色の違う曲だと思うのですが。

玲央:キャッチーとかそういう意味ではないんだけど、アルバムの中で一番オープンな曲ですよね。外に光を放ってるような。それに「IN THIS ERA」があるからメタリックさや重厚感が際立つんですよ。そういう意味でも重要な曲ですね。

 

Q.晁直さんは如何ですか?

晁直:仕上がったものを聴いていて面白いのは「BARRIER」ですね。ど頭のlynch.っぽくない部分もありつつ、作曲者のバックボーンとバンドが合わさったらこうなるんだっていう面白さが詰まった曲なので聴いていても面白いですね。

 

Q.葉月さんはどうでしょう。

葉月:その日の気分でころころ変わるんですけど、今の気分だったら「ULTIMA」ですかね。イントロが気に入ってるんですよ。初めて楽器を手にした中学生でも弾けるようなシンプルなリフだけど滅茶苦茶強い。あの感じは自分の中では高得点ですね。

 

Q.あのリフは無条件で興奮しますよね。高揚感といえば「XERO」の後半のアレですよ。

葉月:あははは。アレですよね。

 

Q.驚きました。あの短いフレーズで残す河村隆一さんの声の強烈なインパクトたるや。

葉月:凄いですよね。去年、僕が河村隆一さんのプロジェクトに関わらせてもらったことがきっかけで仲良くさせて頂いているんですけど、そのときに「いつでもコーラスとかやるから」って言ってくれて。それで「あれって本当ですか?」って聞いてみたらすんなりOK頂きまして。

明徳:初めて聴いたときは鳥肌が立ちましたね。最後の最後、あの一瞬でこんなに破壊力があるんだって。

玲央:他を邪魔せず自分の色を残す。そのテクニックが凄いですよね。悪目立ちなら出来るけど、あくまでもlynch.の作品であることを理解して頂いたうえできっちり仕事する。愛を感じました。

 

Q.今作は近未来感というキーワードからもっと無機質なものがくるかと思っていたんですよ。でも凄く温度の感じるアルバムだと思ったんです。それは河村さんのコーラスも含めて。凄く人間っぽいなと。

葉月:そうですね。その人間っぽい部分がlynch.らしさだと思います。

玲央:血が通ってるバンドですよね。

葉月:無機質をテーマにしつつも人間臭さが出ている。そのアンバランス感もlynch.っぽいですよね。まあライブでは僕がMCをする時点で無機質とは程遠いものになりますしね(笑)。

 

Q.結成15周年、改めてlynch.というバンドを体現するアルバムだなと。

晁直:このタイミングで自分達でも納得出来る作品が作れて嬉しいです。それと同時に次作のプレッシャーも感じています(笑)。でもそれだけ自信のあるアルバムが出来たので聴いて欲しいですね。

明徳:僕は毎日聴いてますからね(笑)lynch.の激しさってメタルとかヘビーロックじゃなくて、音は綺麗だけど暴れているような内に秘めた激しさだと思っていて。それって核にハードコアがあるんだと思うんです。lynch.がまだ3人の頃のライブを観たときも「ハードコアだ」って思ったんですけど、そのときの衝動を今回のアルバムを聴いて思い出したりもして。そういう音に仕上がってるなって個人的には思っています。

悠介:簡潔に言うと最高の職人が集まって最高の素材で作った最高の音楽が出来たなと。聴いて楽しんでくれたら嬉しいです。

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lynch. / ULTIMA
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[XV]act:5 TOUR’20 -ULTIMA-
2020.04.18(土) 岐阜club-G公演延期
2020.04.19(日)静岡SOUND SHOWER ark公演延期
2020.04.25(土)熊本B.9 V1公演延期
2020.04.26(日) 鹿児島CAPARVO HALL公演延期
2020.04.29(水)福岡DRUM LOGOS公演延期
2020.05.08(金)高崎club FLEEZ
2020.05.10(日)KT Zepp Yokohama
2020.05.14(木) 仙台RENSA
2020.05.16(土)青森Quarter
2020.05.17(日)秋田Club SWINDLE
2020.05.23(土)山口RISING HALL
2020.05.24(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2020.05.30(土)和歌山SHELTER
2020.05.31(日)奈良EVANS CASTLE HALL
2020.06.06(土)新潟LOTS
2020.06.07(日)富山MAIRO
2020.06.13(土)帯広MEGA STONE
2020.06.14(日)北見 オニオンホール
2020.06.16(火)札幌PENNY LANE24
2020.06.27(土)高松 オリーブホール
2020.06.28(日)松山WStudioRED
2020.07.04(土)沖縄 桜坂セントラル
2020.07.05(日)沖縄 桜坂セントラル
2020.07.12(日)Zepp Nagoya
2020.07.18(土)なんばHatch
2020.07.26(日)TACHIKAWA STAGE GARDEN

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