lynch.

lynch.が前作『Xlll』より約1年8ヵ月振りとなるニューアルバム『ULTIMA』を完成させた。「究極」という意味を持つタイトルを掲げた今作にはlynch.が築き上げてきたものが落とし込まれた全12曲の楽曲が収録されており、数量限定豪華盤には「ULTIMA」のインストゥルメンタル盤、Blu-rayに新曲のミュージックビデオとメイキング映像、12月に愛知・名古屋CLUB QUATTROで行われた15周年ライブ「[XV]act:1 -XV BIRTHDAY- SHADOWS ONLY」の模様が収録される。究極のアルバム『ULTIMA』を完成させたlynch.の葉月にアルバムについて話を訊く。
interview by 柴山順次

Q.今作『ULTIMA』はlynch.というバンドの持つ様々な表情を色んな角度から詰め込んだ作品だなと。

葉月:今回はアルバムとしてのコンセプトだったり「こういうものにしよう」というテーマを特に設けていなくて。それよりも「良い曲を作る」というシンプルな考え方で作ったんですよ。曲単位では勿論テーマはあるんですけどね。今作はその集合体のようなアルバムになったと思います。前作『Xlll』が良い成績を残せたり、内容も納得いくものが作れたので、そこには負けられないなと思っていて。そういう意味では今のlynch.のベストなものを出すことが出来たと思います。

 

Q.『Xlll』リリース直後からlynch.の状況がまた少し変わってきた印象があって。ヴィジュアル系というフィールドでの地位の確立と、それを背負った上での他ジャンルとのクロスオーバーが始まった印象があって。それは今作の「BARRIER」でも歌われていると思うのですが。

葉月:そうですね。バンドがやっていること自体は変わっていないんですけど、周りからの見られ方がここ最近変わってきたのかなって。

 

Q.スタイルを変えず、lynch.がlynch.のまま大きくなっていく感じがしていて。「俺達のlynch.」がどんどん周りに拡がっていく感じというか。

葉月:あははは。ありがたいですね。新しい層に聴いて貰えるのはlynch.としても望んでいることなので嬉しいです。

 

Q.今作は1年半振りのリリースとなりますが、いつ頃から制作していたのですか?

葉月:『Xlll』はギリギリの制作だったんですけど、今回は割と余裕を持って準備出来たんですよ。2019年に1月くらいから作曲に取り掛かっていたので。

 

Q.結構前から動いていたんですね。

葉月:でも時間があると駄目ですね(笑)。もっと良く出来るんじゃないかっていう欲が出て来てしまう。それで完成に至らないケースもあるんですよ。時間があると別のアイデアが浮かんだりして。なので早い段階から動いていても、結果的に曲が完成するのは締め切りギリギリっていう(笑)。

 

Q.今作は色んなタイプの楽曲が収録されていますが、アルバムの表題曲でもある「ULTIMA」は1曲の中にlynch.の要素が詰め込まれているなと。楽曲のスケール感も大きいですし。

葉月:「ULTIMA」は大きなステージで勝負出来る曲というか、それこそスタジアムでやっても勝負出来るような曲をイメージして作った曲なんですよ。バンドの規模感みたいなことを凄く意識していて。

 

Q.イントロの神々しさはまさにスタジアムクラスだなと。

葉月:そこはかなり意識しましたね。

 

Q.その上でヘヴィな部分は徹底的にヘビィなのもかっこいい。曲の後半で掛け合いがありますけど、その直後に一瞬顔を出すデジタル要素からは近未来感も感じられたり。

葉月:まさにその近未来というワードが今作のヒントというか、キーワードになっていて。サイバーパンク感というか。こういうテイストはこれまでやったことがなかったんですけど、lynch.の世界観に取り入れたら面白いんじゃないかなって。味付けというか、ふりかけというか。そういう要素でのサイバーパンクは意識しましたね。

 

Q.「EROS」のギターの音色とかサイバーパンク感が炸裂していますよね。「EROS」の妖艶さと葉月さんの世界観の相性の良さはもはや芸術だなと。歌詞は変態ですけど。

葉月:ど変態ですよね。これ、嫌われないかな(笑)。

 

Q.こういう歌詞は葉月さんの実体験をイメージして書くのですか?かなり生々しい描写もありますが。

葉月:あははは。意地悪な質問ですね(笑)。まあ、こういう生活をしているんじゃないでしょうか。ご想像にお任せしますけど(笑)。

 

Q.「ULTIMA」「XERO」「IN THIS ERA」では死生観が歌われていると思うのですが、これはバンドがずっと歌ってきた大きなテーマでもあるなと。

葉月:結局僕が歌いたいことって大きな意味でひとつで、生まれてから死ぬまでどうするかっていうことなんですよ。例外があるとしたら「IDOL」とかはちょっと違うんですけど、大きなテーマとしては死生観があるのは昔から変わってないと思います。

 

Q.確かに「IDOL」は毛色が違いますよね。この曲は表舞台に立つ人なら共感することが多いと思います。

葉月:実際に生きてる自分とステージ上で歌っている僕は全然違うと思っていて。だからファンの中で生きている僕も素の自分とは違うんですよ。色々と妄想してもらって、イメージしてもらうことでその人の中の”葉月”が出来上がっていくのって凄いことだなあと思っていて。とは言いつつもぶった切っている曲です(笑)。

 

Q.この曲は「IDOL」というタイトルから連想させるような歌謡曲っぽさもあったりして。

葉月:そのニュアンスはありますね。僕の中で根付いてるものが出ているんだと思います。今作の中で最初に完成したのもこの曲なんですよ。

 

Q.「ALLERGIE」から「IDOL」に流れる感じもやばいです。「同じバンド?」っていう(笑)。

葉月:このふり幅がlynch.なんですよ(笑)。「ALLERGIE」のネタは7、8年前からあったんですけど、ここにきて浮上してきて。

 

Q.lynch.って肉弾戦というか、パワー型な面もあるじゃないですか。だけど「ALLERGIE」からは無機質な狂暴性を感じました。

葉月:鋭い。この曲はまさに無機質さを意識しているんですよ。だから敢えて苦手な英語で歌詞を書いたりしていて。「ALLERGIE」という言葉と音のイメージがピタッと合ったんです。そこに沿って「クソが!」って気持ちを書き殴りました(笑)。

 

Q.最初に少し話しましたけど「BARRIER」はlynch.の活動の幅が広がったことで生まれたメッセージだなと。

葉月:広がったことで感じる壁もあるんですよね。それで「BARRIER」というタイトルにしたんですけど。

 

Q.葉月さんがMCで「化粧してるバンドをなめんな」と言うシーンを何度か観ているのですが、この曲はそういう固定概念を壊して音楽を音楽として楽しんで欲しいという気持ちが表れているなと。

葉月:ここ数年でジャンルの壁を越えた活動も出来るようになって、やっと評価してもらえるようになったのが凄く嬉しくて。だけどバンド間じゃなくてファン同士の間の壁というか、隔たりがあった気がするんです。だけどその壁もやっと取っ払えそうな気がしていて。バンドとしてもっと大きくなりたいし、その為には色んな人を巻き込みたいし取り込みたい。だからこの曲を聴いたら気持ちが分かってくれると思っています。

 

Q.「MACHINE」のやりたい放題感も凄いですね。やり散らかしてるなと。特に歌詞が。

葉月:どうしようもない歌詞ですよね(笑)。これ、よく通ったなって我ながら思います(笑)。

 

Q.コンプライアンスの時代にキングレコードの懐に広さを感じました。

葉月:懐が広いのか、脇が甘いのか(笑)。

 

Q.「MACHINE」と「ZINNIA」の高低差とか(笑)。でもどっちも紛れもなくlynch.なんですよね。

葉月:色んなことをやってるけど筋だけは通っていると思っていて。あれもやりたい、これもやりたいではないので。ちゃんと自分達がやりたいことを自分達の音楽を通して表現したいと思っているんですよ。

 

Q.「MACHINE」の狂気も「ZINNIA」のイノセント感もlynch.の持つ要素ですからね。ジニアの花言葉が「会えない人に対する思い」や「昔の友を思う気持ち」なんですけど、それはそのまま「ZINNIA」とリンクしていて。

葉月:それ、知らなかったです。凄い。

 

Q.葉月さんの歌い方がこれまでとは表情が違うなと。

葉月:滅茶苦茶苦労しました。「ZINNIA」は悠介くんが持ってきたんですけど、あの曲調にしてはちょっとキーが高いんですよ。パワーを抑えて歌うにはきついし、パワーを出し過ぎると曲の雰囲気に合わない。それで試行錯誤した結果、ああいう歌い方をしたら凄くハマったんです。

 

Q.「RUDENESS」はハードコアにヴィジュアル系というカルチャーを加えることで生まれるくlynch.節が炸裂しているなと。

葉月:この曲は一瞬で出来ましたね。僕の中ではハードコアなんですけど、そこだけにならないのは僕らのようなバンドの要素が加わっているからだと思っていて。そこは確立出来たのかなと。

 

Q.「ASTER」「EUREKA」でアルバムが2回エンディングを迎える感じも面白いです。

葉月:「ASTER」は最初エンディング曲として悠介くんが作ってきたんですよ。でもその後に「EUREKA」が出来て。だから凄く悩んだんですけど、ポジション的にこの並びにしたら2回エンディングが来るような展開になりました。

 

Q.今作はアルバムとしてのテーマがある訳ではなかったとのことですが、聴き終わった後に希望を感じたんですよ。光というか灯というか。

葉月:そう感じてもらえたのなら、それが今のlynch.なんだと思います。僕らは最新作が最強であることを目指していて、そうなったときにアルバムは前向きなもので締めたくて。それで最後に「EUREKA」のような曲を入れたかったんですよ。

 

Q.最新作が最強であることって言葉にする何倍も難しいと思うんですけど、lynch.はそのハードルを自ら更新し続けているなと。

葉月:勿論、最強の中にも弱点はあって、それはアルバムを出してみて気付くことだったりするんですけど、その弱点を見つけることでまた強くなるんですよね。

 

Q.それがlynch.の強さの秘訣なのかもしれないですね。理系でありながらパワータイプっていう。

葉月:そう、理系なんですけど、人間臭さもあるっていう。今回のアルバムには「究極」という意味の『ULTIMA』と名付けたんですけど、『Xlll』でのステップアップとは比にならないくらいの究極のステップアップを『ULTIMA』で出来たらいいなと思っています。

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lynch. / ULTIMA
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[XV]act:5 TOUR’20 -ULTIMA-
2020.04.18(土) 岐阜club-G公演延期
2020.04.19(日)静岡SOUND SHOWER ark公演延期
2020.04.25(土)熊本B.9 V1公演延期
2020.04.26(日) 鹿児島CAPARVO HALL公演延期
2020.04.29(水)福岡DRUM LOGOS公演延期
2020.05.08(金)高崎club FLEEZ
2020.05.10(日)KT Zepp Yokohama
2020.05.14(木) 仙台RENSA
2020.05.16(土)青森Quarter
2020.05.17(日)秋田Club SWINDLE
2020.05.23(土)山口RISING HALL
2020.05.24(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2020.05.30(土)和歌山SHELTER
2020.05.31(日)奈良EVANS CASTLE HALL
2020.06.06(土)新潟LOTS
2020.06.07(日)富山MAIRO
2020.06.13(土)帯広MEGA STONE
2020.06.14(日)北見 オニオンホール
2020.06.16(火)札幌PENNY LANE24
2020.06.27(土)高松 オリーブホール
2020.06.28(日)松山WStudioRED
2020.07.04(土)沖縄 桜坂セントラル
2020.07.05(日)沖縄 桜坂セントラル
2020.07.12(日)Zepp Nagoya
2020.07.18(土)なんばHatch
2020.07.26(日)TACHIKAWA STAGE GARDEN

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