ENTH

photo & interview by 柴山順次
「スタンド使いは互いに引かれ合う」とは「ジョジョの奇妙な冒険」のセオリーでもあるが、それはストリートカルチャーにおいても同じことだ。かっこいい奴の周りにはかっこいい奴が集まる。音楽をやっている人、服を作っている人、絵を描いている人、写真を撮っている人…。お互いのセンスに惹かれ合ったものが引かれ合う、その共通項のひとつとして存在するのがENTHだったりする。彼らのストリートに根付いたライフスタイルはそのままENTHの音楽にも直結しており、それはそのまま生き方へと繋がっていく。音楽でメシを食う。その手段のひとつとしてかっこいい友達とかっこいいことをして生きていくことを毎日の遊びの中から見出し始めたENTHのモストデンジャラスコンビ、daipon&Naokiに話を訊いた。

 

Q.しかし毎日楽しそうですね。

daipon:あははは。

 

Q.Instagramのストーリーを見てる限り毎日遊んでるなと。

Naoki:友達と遊んでるか猫と家にいるかですからね(笑)。

 

Q.でもそのライフスタイルがそのままENTHというバンドに反映されている気がしていて。

Naoki:前はただ好きなことをして遊んでいただけなんですけど、今はこの生活をしながらそれでちゃんと生活をするというか、自分たちのライフスタイルをお金に換える方法みたいなことも考えていて。

daipon:年齢的にもどういう風に生きていくか凄く考えるようになったんですよ。以前はいかに遊び倒して暮らせるかだけ考えていたんですけど、そこは大事にしつつ、それをいかに自分達らしくお金に出来るかは考えていて。お金も稼いだ上で好きなことをして一生暮らしていきたいので。遅いかもしれないですけど、やっと頭を使いだしました(笑)。

 

Q.ENTHの周りには色んな分野で活躍する仲間がいると思いますが、みなさん自分の生き方を見つけて仕事も遊びもかっこよく暮らしている人が多い印象です。

daipon:先輩や友達がみんなかっこよく生きているから、そういう周りのかっこいい人達から受ける影響は大きいですね。音楽シーンの人だけじゃなくて色んなジャンルの人と繋がることがここ数年で増えたので視野も広がったし、その中でどう自分達らしく生きるかは考えるようになって。

Naoki:「こういう生き方もあるんだ」っていう姿を沢山見せてもらっているしね。

 


Q.仲間との時間がそのままENTHに反映されているのも素晴らしいなと。例えばバンドのマーチであったりCDのジャケットであったり。

daipon:友達の作品が自分達の表現の一部になるのはやっぱりバンドをやっていて良かったなって思う瞬間だったりしますね。マーチにしても普段着る服にしても、友達が作った服を着たいし。

Naoki:かっこいい服を作ってる友達が多いし、面白いことをしている友達もいるからみんながENTHで遊んでくれるのも嬉しい。そういう仲間にバンドとしても恩返しが出来たらなって思っています。

daipon:俺達より全然有名な人もいるからENTHがフックアップする必要なんてないのかもしれないけど、俺らが着ることでお客さんも着てくれたり、そうやって広がっていったら嬉しいなって。

 

Q.純粋に友達が作ったものを身に着けるのはテンションが上がりますよね。結果、それが広がったら最高ですし。

daipon:そうそう。みんな自慢の友達なんですよ。そういう友達の自慢の友達になれるようなバンドでありたいですね。

 

Q.ENTHの楽屋にはいつも色んなジャンルの人が集まってくるじゃないですか。そこで繋がったり新しい出会いがあったり、あの感じがめちゃくちゃENTHっぽくて。みんなが好きなカルチャーが集まってきて、それを詰め込んだ結果生まれたのが『SLEEPWALK』というアルバムだったと思うし。あのミクスチャー感はENTHの交友関係から生まれたものだなって。

Naoki:確かにENTHは友達ありきな部分はあるかも。だからあんなごちゃ混ぜなアルバムが出来たのかな(笑)。

 

Q.好き放題やった結果、一旦キッズのことは何も考えないみたいな。

daipon:あははは。キッズが欲しがるものを作る意識が全然ないアルバムになりましたからね。バンドにとって結構大事なタイミングにも関わらず(笑)。でもそんなの関係ないなって。

 

Q.60バンドが60秒しばりで参加したSTEP UP RECORDSのVA『…OUT OF THIS WORLD 6』でもふざけ倒してましたしね。「MANKO CHODAINA」という曲名からしてもうとんでもない。

Naoki:でもちゃんと音はかっこいいっていう(笑)。

daipon:あんなにかっこいい曲なのにラジオで流れることは絶対ないですからね(笑)。

 

Q.でも何周もしてそのタイトルすらお洒落に見えるんですよ。5周くらいして。

daipon:5周(笑)。

 

Q.「だいぽん起きろ」とか「Let it die(t)~まこっつ走れ~」もですけど、そういったタイトルをかっこよく感じさせるENTHの魅力ってあるなと。そのヒントが日々のインスタのストーリーにある気がするんですよ。

Naoki:ストーリーで金稼ぎたいですからね。あれ、金にならないかな。毎日めちゃくちゃストーリーあげてるから。

daipon:何か宣伝する?美白とか。

Naoki:美白?(笑)。

daipon:美白の薬を眉毛とかに使って真っ白な眉毛になるとか。そういう宣伝の仕方で金を稼ぎたい。

Naoki:その商品で遊びまくるっていうね。

daipon:こういうふざけた雑談が形になっていくのが面白いんですよ。それがマーチになったりイベントになったりするので。誰かと何か作るのも大体こういう雑談からだし。

Naoki:SPARK!!SOUND!!SHOW!!とのスプリットも、打ち上げで「MVで演技したくない?」って雑談から始まったんですよ。

daipon:「真面目な顔して安っぽい演技したら面白くない?」って。そういうバカみたいなことを本気でこれからもやっていきたいですね。

 

Q.真面目な顔してアー写を撮ってた『Get Started Together』の頃が懐かしいです(笑)。思えば随分遠くまで旅しましたね(笑)。

Naoki:あははは。あんなに真面目なバンドだったのに!

daipon:こうなるなんて誰も思ってなかったです(笑)。

 

Q.「Get Started Together」のMVもめちゃくちゃかっこいいですからね。今じゃ絶対に撮れない(笑)。

daipon:確かに(笑)。今だったら何処かでふざけちゃいますからね。あの頃はあの頃で自分でMVを見て「プロみたいじゃん!」って思っていましたけど(笑)。

 

Q.『SLEEPWALK』での従来のCDのプロモーションの仕方にカウンターを打つかのようなMVなし、アー写なし、歌詞カードなしといった手法も斬新でした。

Naoki:ジャケットにバンド名も載せてないですからね。

daipon:でも今考えると、あれはカウンターを打っただけだったので次はちゃんとクリーンヒット出来るカウンターを打っていきたいです。

 

Q.『SLEEPWALK』で描いた輪郭に色を塗ったのがSPARK!!SOUND!!SHOW!!とのスプリットに収録されている楽曲だと思います。
daipon:マジでそうだと思います。めちゃくちゃ手応えあるので。

Naoki:お客さんがあれをどう聴いてくれるか楽しみですね。

daipon:『SLEEPWALK』で着いてきてくれた人なら分かってくれると思うよ。

 

Q.これ、語弊があるかもしれないですけど、『SLEEPWALK』ってENTHがリスナーを篩に掛けたアルバムだと思っていて。「分かる奴だけ着いてこい」「俺達と遊べる奴だけ残れ」みたいな。

daipon:ああ、完全にそうですね。

 

Q.そこで着いてきたリスナーは今回のスプリット、歓喜だと思いますよ。

daipon:絶対に喜んでもらえると思う。「欲しかったのこれでしょ」っていう。

 

Q.ENTHのお客さんってかっこいいですよね。ライブハウスにかっこいい服を着てかっこよく遊びにいく流れが戻ってきたなってENTHのライブに行くと思うんですよ。

daipon:シンプルにかっこいい服を作っている仲間が沢山いるから、着るだけでかっこよくなれますからね。俺達が着ている仲間の服をキッズも着てくれるから、、フロア全体がかっこいいんですよ。

 

Q.ENTHのマーチにはバンドや作っている人のバックボーンがしっかり落とし込まれているじゃないですか。バンドなんだから音楽がかっこよければいいのかもしれないですけど、ENTHのバックグランドを考えたらファッションは切り離せない要素な訳で。

daipon:だからマーチにはめちゃくちゃ拘っています。自分が着たいものしか作りたくないから普段から自分でも着るし。勿論、キッズ達にENTHのマーチを制服にしてくれなんて思わないけど、かっこいい服を着てライブハウスに遊びに来て欲しいなとは思っていますね。

 

Q.ひとつのブランドに固執していないのもいいですよね。だから制服にはならないというか。色んなブランドがENTHの周りにはいて、そのブランドとENTHが利害関係じゃないところで繋がっているのが素晴らしいなと。

daipon:そうなんですよ。だから契約とかの話になると「うむむ」ってなっちゃう。だって色んな友達の服を着たいから。なので「このバンドはこのブランド」みたいなイメージはつけたくないんです。「全身このブランド!」みたいなのはしたくない。

Naoki:メンバー全員同じブランドで全員同じ服とか、WANIMAがやるから凄いわけで。

daipon:そうそう。WANIMAのようにバンドとブランドが二人三脚でやってきたのは本当に最高だと思う。そこには凄いストーリーもあるだろうし。でも俺達は色んな仲間と名古屋で面白いことをしていたいからこのまま変わりたくなりですね。

 

Q.その「名古屋」というのもキーワードなのかもしれないですね。そりゃ東京で活動する方が色々と手っ取り早いと思いますけど、名古屋から発信する在り方をENTHには実証して欲しいと思っていて。

daipon:本当にかっこいいことをしていたら何処に住んでいても一緒ですからね。名古屋でやってても全国何処にだって呼ばれるくらいかっこいいものを作っていかないと、そもそも東京に行ったからって生き残れないし。だったら俺達は地元の名古屋から、地元の仲間達と面白いものを作って発信していきたいです。

 

Q.ENTHがかっこいいものを作るためには今の環境がベストだと思います。

daipon:そう、この環境を変えたくないんですよ。今のやり方のまま数字も取れるようになったら滅茶苦茶かっこいいじゃないですか。だから『SLEEPWALK』はその為の篩だったかもしれないですね。売れ損なう気満々ですから(笑)。でもそれがENTHというバンドのスタイルだし、確立出来たんじゃないかなって思っています。売れ線を狙ってやったとしてもいつか自分達の首が絞まってしまうだろうし、売れるものよりかっこいいものを作りたいので。まあ、そのせいで去年はまんまとフェスに呼ばれませんでしたけど(笑)。

Naoki:あははは。その前はあんなに沢山呼ばれたのに!

daipon:でも「フェスに呼ばれなきゃ駄目」みたいな活動は全くしていないので。今のシーンの流れだとフェスが絶対だったりするじゃないですか。勿論ENTHも呼んでもらえたら嬉しいし楽しいんですけど、そうじゃないところで活動しているかっこいいバンドを沢山知っているので。そこには固執してないですね。

Naoki:フェスとか、流行りとか、関係ないところでやっているかっこいいバンドも沢山いるし。

daipon:そういうバンドが認められ初めてきている気がしていて。そいつらが俺達と手を組んでくれるのが嬉しいし、同じ方向を向いているんだなって思えるのも嬉しくて。だから俺達も縛られず、やりたいことをやりたいようにやっていこうと思っています。売れなかったら別の方法でお金は稼げばいいし、その方法も普段の遊んでいる中から考えればいいし。そうやって普段から一緒にいる仲間と面白いことでお金を稼ぎながら一生ENTHをやれたら最高ですね。

 

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ENTH x SPARK!!SOUND!!SHOW!! / #ワイタイスカッ
発売日:2020年3月4日(水)
価格:1600円(税抜)
品番:RCTR-1085

ENTH x SPARK!!SOUND!!SHOW!! presents
爆走!白虎珍道中
3月27日(金)梅田CLUB QUATTRO
4月17日(金)名古屋CLUB QUATTRO
4月23日(木)渋谷CLUB QUATTRO

全公演Ticket Sold Out

http://enth-nagoya.com/

http://radcreation.jp/byakko_bousou/