PAN

結成25周年を迎えたPANが自身2枚目のベストアルバムとなる『ベスト盤°2』(ベストパンツー)をリリース。1995年に大阪は吹田にて結成された彼らは、情熱的なメッセージから生活に根付いたユニークな楽曲まで、関西人らしさ全開の「PAN節」を武器にひたすら突き進んできた。2019年にはよこしんの脱退をあったが新メンバーとしてタツヤを迎えその歩みを止めることなく歩き続けるPAN。ライブキッズは勿論、大型外食系、大型小売店、大型食品メーカーなど、企業も巻き込んで年代も性別も問わず愛されるPANに話を訊いた。このまま30年、50年と突っ走って欲しい!

 

Q.結成25周年おめでとうございます。

川さん:ありがとうございます。25年ですよ。色んなことがありましたけど、その時々で発見があったり、周りの友達に刺激をもらいながらやってこれた25年間やなって思います。

 

Q.25年という時間の中でシーンやムーブメントは色んな方向に変わったり戻ったりしていますけど、その中でPANはPANであることがずっとブレないのが凄いなと。

川さん:ブレてないって思ってもらえているならそれはめっちゃ嬉しいですけど、僕らはその時々の流行りに乗れないだけやと思っていて。だからこそ、自分らなりのことをしたいと思ってやってきたし、それだけもがきながらやってきた25年だったなって。

 

Q.PANの結成は95年ですよね。

川さん:そうですね。

 

Q.95年といえばHi-STANDARDが『GROWING UP』をリリースした年ですけど、メロディックパンクのシーンが一気に膨れ上がった時期だったと思うんです。その中でPANはどのようなバンドをやろうと結成したのですか?

川さん:うーん、どうなんやろう。勿論ハイスタにはがっつり影響受けたし、憧れてたんですよ。でも自分らで表現しようと思うと全然違うものが出てくるんです。そうやって出てきたものが面白いかどうかだけで今もやっているんですけど、当時から漠然と何か変わったことがしたいなとは思っていました。そうやって生まれたものが所謂PAN節になっていったんやろうなって今は思っていますね。

 

Q.当時、「がんばりまっせ」の衝撃はありましたからね。まずタイトルからして当時のシーンの真逆を行っていて凄いなと。

川さん:あの曲は高3くらいのときに作ったんですよ。それまでのPANの曲は割と可愛らしい曲が多かったんですけど「がんばりまっせ」が出来て流れが変わった気はしました。それまではゴッチが全部書いていて。

ゴッチ:当時は作詞も作曲も僕がしていました。でもPANの方向性をどうするかって悩んでいるタイミングで「がんばりまっせ」が出来て明らかに向く方向が変わって。

川さん:それまで僕は曲作りに関わってなかったんですけど、可愛らしい感じの曲調が嫌になって、曲を全部捨てるか自分が辞めるか、そこまで考えたんです。それで結果的に曲を全部捨てて、そのタイミングで出来た曲が「がんばりまっせ」だったんです。流れが変わったのはそこからですね。

 

Q.高3にして既にバンドの転機を迎えていたと。

川さん:早いですね(笑)。

 

Q.でも英語詞がメインだったシーンの流れに「がんばりまっせ」で飛び込んでいったのは滅茶苦茶カウンターでしたよね。

川さん:日本語でやってるバンド自体が当時は全然いなかったですからね。そういう意味ではインパクトがあったんやと思います。なんせ「がんばりまっせ」ですからね。

 

Q.そのインパクトをずっと更新しているのがPANなんですよ。「ギョウザ食べチャイナ」とかとんでもない角度からのインパクトですから。

川さん:自分らが面白いと思うものを自分らで面白がって書いたものが面白かったらOKやし、面白くなかったら面白くない。じゃあどうやって面白くするかは単純に面白い言葉を並べているだけじゃなくて、そこは思いっきり拘って書いたりもしていて。意外と真面目なんですよ、僕ら(笑)。

 

Q.2019年はよこしんさんの脱退もありましたがいつ頃から話は出ていたのですか?

ダイスケ:2018年の10月くらいですね。秋くらい。

川さん:どうにか出来ないかなってよこしんと話し合いはしていたんやけど、最終的には「ここで区切りつけます」って言われて。それで「よし、わかった」と。僕らもそこで切り替えて次を見ていこうと。

 

Qよこしんさんとの10年はどうでした?

川さん:よこしんは本当によくやってくれました。幼馴染が3人揃っているところに入るのって絶対に難しいと思うんですよ。その中で貴重な10年間という時間を使ってPANを続けてくれたことは本当に感謝してます。この期間でPANは変われたし、よこしんが居てくれたおかげや心から思っています。

ゴッチ:よこしんはドラマーでありながら曲を作ることも出来たので、それでバンドの幅が広くなったと自分らで感じることもあって。絶対音感の持ち主やったからピッチ感とかそういう天性のセンスも持ち合わせていたので、PANとして音楽的な部分でも飛躍的に伸びたんじゃないかなって思っています。

 

Q.先日、タツヤさんの正式加入が発表されましたがPANに入ってみて如何ですか?

タツヤ:高校生の頃からずっと聴いていたので最初にサポートの話を頂いたときは驚きました。まさかご指名頂けるなんて思っていなかったので。バンドにいざ入ってみると、思っていた通り、人間の温かさや面白さを体感することが多く、バンドが25年続いているのはこういうとこなんだろうなって思うことが多いですね。日常生活においても一緒にいて勉強になることだらけです。

 

Q.タツヤさんと一緒に合わせてみて如何ですか?

川さん:まず最初にタツヤのライブを観に行ったんですよ。タツヤってめっちゃパワフルなドラムを叩くんで「このドラマーがPANで叩いたらおもろいな」ってワクワクしたんです。それでいざ一緒にスタジオに入ったら、緊張し過ぎてテンポが滅茶苦茶速くて(笑)。

タツヤ:腕パンパンになりました(笑)。

ダイスケ:でも色んなドラマーとやる機会が多かったけどタツヤのドラムはPANに合ってるなって思いました。

 

Q.今回リリースされる『ベスト盤°2』は2枚目のベスト盤です。バンドをやっていく中でベストを2枚出せることって中々ないですよね。

川さん:2枚もベスト盤を出したら解散するんちゃうかって思いますよね(笑)。でもそうやなくて、『ベスト盤°』を出してからの5年ももう1枚ベストを作れるくらいめちゃくちゃ濃かったんですよ。「想像だけで素晴らしいんだ」とか「ギョウザ食べチャイナ」とか、全部この5年間の曲ですからね。ライブで外せない曲も沢山リリースしてきたし。あとは1枚目で収録出来なかった定番の曲も沢山あったから、ライブのセットリストを組むような感覚で2枚目のベストを作れたことは凄く良かったです。

 

Q.25年もそうですけど、特にこの5年間の濃さが凝縮されていますよね。

川さん:ホンマに色んなことやりましたね。

 

Q.PANってその都度ちゃんとブレイクポイントがあるじゃないですか。

川さん:でしょ。だけどブレイク出来ないんですよ(笑)。だからこそ、その都度もがきながら歩みを止めないでやってきた結果やと思っています。

 

Q.「想像だけで素晴らしいんだ」は初心を忘れないで、目標を持ち続けることがいかに大事かを歌った曲だと思うのですが、ここにもバンドが25年続く秘訣があるのかなと。

川さん:そうやってちょっと先の目標を自ら作りながら自分を奮い立たせてやってきましたからね。だからバンドをやってる限り、気持ちが休まることなんてないんやろうなって思います。ずっとアクセル踏みっぱなしなので。

 

Q.アクセルを踏み続けることがしんどくなったことはありますか?

川さん:勿論ありますよ。でも辞めて楽しいかっていったら他に何も楽しいことがないんですよね。僕らは絶対にバンドをやってるほうが楽しいので。頑張ってバンドをやったらみんなが喜んでくれるんやから頑張りたいですしね。シンプルなことですよ。頑張ったら頑張っただけ気持ち良いっていう。

 

Q.それこそ「がんばりまっせ」ですね。

川さん:そう。あれがやっぱりPANの原点なんでしょうね。でも頑張るって言ってますけど、基本的には楽しいことをやってるので毎日めっちゃおもろいです。

ゴッチ:実際めっちゃ楽しいもんな。よく「楽しそう」って言ってもらえるんですけど、ライブをするのがホンマに楽しいから、それが滲み出てるんやと思います。

 

Q.PANってその「何が楽しいか」を直感でやってる印象があって。「ギョウザ食べチャイナ」とか計算されつくしたように見えて、きっと何が面白いかだけで直感でやってるんだろうなって。その瞬発力が面白いものを生んでいる気がするんですよ。

ゴッチ:台本がないほうがやり易いですからね。決められたことより瞬発性も出ますし。

 

Q.「ギョウザ食べチャイナ」とかはどうやって思い付くのですか?

川さん:その頃ハマってたものがホットドッグとギョウザやったんですよ。そんな中、出来た曲が中華っぽかったから歌詞を考える中で「王将」ってワードが頭に浮かんだんです。でも流石に歌詞に王将は使えないと思ってギョウザをテーマに書いていったんですけど、途中でやっぱり我慢できなくなって「王将」って歌詞が出てくちゃうっていう(笑)。それで許可を取りに王将に行ったらまさかの「一緒にやりましょう」とコラボが決まって。

 

Q.そういうミラクルが起きるからバンドって面白いですよね。ちなみに他に題材にしたいものってありますか?

川さん:ポン酢とかですかね。

ゴッチ:鍋の美味しい季節やからね。

川さん:うん。次はポン酢ですね。

 

Q.ポン酢がテーマでも曲になったときにかっこいいのがPANですよね。

川さん:そうですね、ってまだ曲にもなってないのに(笑)。

 

Q.でもポン酢がどんな曲になるか、想像するだけで素晴らしいんですよ。

ゴッチ:上手いこと言った(笑)。

 

Q.ギョウザにしてもポン酢にしても身近なことがテーマになっているじゃないですか。そうやって生活に根付いているからこそPANの音楽はリアルなんですよ。

川さん:自分とかけ離れたものより身近なことを歌うのがPANらしさやなって自分でも思っています。そうやって25年間やってきたので、きっとこれからも変わらないと思いますね。

 

Q.改めて25周年を迎えてみて感じることを聞かせて下さい。

川さん:バンドを25年も続けれるなんてホンマに嬉しいことやと思います。でもそこがゴールなわけやないので、25周年を爆走して更に先に突き進むための飛躍の年にしたいですね。25年もやっていると勝手に光が当たる期間はとっくに過ぎているので、自分で盛り上げて自分で光に当たっていこうと思っています。

ゴッチ:現状キープでぬるくやるんじゃないくて常に新しいことを探して、常に面白いことを考えていたいですね。そしたら結果は自ずとついてくると思うので。

ダイスケ:まだまだやりたいこともあるので、ひとつずつやっていきたいですね。

タツヤ:25周年を迎えるバンドに正メンバーとして加入する訳ですが、入るからには今が過去最高だと思ってもらえるような活動をしていきたいし、ドラマーとしてもPANを更新していきたいと思っています。これからも楽しみにしていてください。

川さん:2月15日には大阪心斎橋BIGCATで「PANマン」も開催するので、今のPANを観に来て欲しいですね。これからも面白いことだけしていきます。


PAN
タイトル:ベスト盤°2
1月22日発売
【通常盤】2,500円(+税)ADVE-1019
【初回限定盤】(CD2枚組)3,900円(+税)ADVE-1020

■LIVE
『PAN結成25周年記念イベント「PANマン」 〜「ベスト盤°2」レコ発一本勝負 初日でファイナル〜』
2020年2月15日(土)大阪 心斎橋BIGCAT

http://pan-sound.com/