我儘ラキア

結成3周年を迎え発表された全曲再録フルアルバム『StartingOver』は星熊南巫、海羽凜、川﨑怜奈の3人の我儘ラキアがこれまでの我儘ラキアを自ら更新した素晴らしい作品だった。ベストアルバムといっても過言ではない作品を引っ提げ7月から12月にかけて「KillboredomTOUR 2019」真っ最中の彼女達。そんな我儘ラキアがツアー直前に発表したのが元RHYMEBERRYのMIRIの加入だった。ラッパーとしてアイドルの枠を超えた活動をしてきたMIRIの突然の加入、しかも再録アルバムを出したこのタイミング。全てが面白い。だって絶対にかっこよくなるのが分かっているから。とんでもないスパンで早くも自らを更新した我儘ラキア。4人となった彼女達はこのツアーで更なる進化を遂げていることだろう。天井しらず、ツアー真っ最中の新体制我儘ラキアに話を訊く。

 

Q.2019年は我儘ラキアにとって色んな挑戦もあったと思うのですが。

星熊南巫:精神面を鍛えられることが多かったですね。試練というか。我儘ラキアとして初めてリリースイベントを行ったんですけど、ライブハウスとは全く違う、お客さんが暴れられない、声を出せないとかの規制だらけの環境の中でやるライブが本当に難しくて。明るくて静かな場所でお客さんの歌声もない中でどうやってライブをしたらいいんだろうって。でもそれって、ずっと私達がそういう環境から逃げてただけなのかもしれないなって思ったんです。リリースイベントをやったことで確実に度胸がついたしバンドさんとの対バンとか初めての人が多いアウェイに感じる空間でも気持ちで負けずに一定のクオリティで魅せることが出来るようになったのは挑戦だし成長だなって思います。

 

Q.たまたま通りかかった人にどう響かせるかとか。

星熊南巫:しかも小さいオケで地声と変らないくらいのマイクの音量でやりながら。ステージもなかったり。そういう規制がある中でどれだけ良いライブをするかっていうのは勉強になりましたね。

 

Q.そういった規制の中で我儘ラキアらしさを出すライブをすることで基礎体力は絶対に鍛えられますよね。

星熊南巫:めちゃくちゃ鍛えられました。最初の頃はライブハウスでのライブみたいに盛り上がってなかったら「間違えたかな」とか「これどういう状況なんだろう」って不安になっていたんですけど、とにかく客さんが振り向くまでひたすらやるっていう。そこはブレないようになりました。

 

Q.そうやって我儘ラキアとしてレベルアップしていく中で7月には全曲再録のフルアルバム『StartingOver』のリリースもありましたが、全曲再録しておきながらその直後にMIRIさんが加入するという。

星熊南巫:いや、まじで頭おかしいですよね(笑)。

 

Q.全曲再録した直後にラッパーが入ったことで全曲また変わるっていう。

星熊南巫:そうなんですよ(笑)。

川﨑怜奈:だからリリイベ中もMIRIがいることで音源とは全然違う曲になっているっていう(笑)。

 

Q.MIRIさんはRHYMEBERRYの解散後はどのような動きをしていたのですか?

MIRI:本当はもうアイドルを辞めようと思っていたんですよ。実際に沢山お話は頂いていたんですけど全部断っていて。「やる気ないんで大丈夫です」って。実際本当にやる気がなくて。でも星熊にはよく相談に乗ってもらっていたんです。それで辞めようと思っていることを伝えたら「いやいや、勿体ないでしょ」って言ってくれて。必死に止めてくれたんです。それでもまだ辞めるとか言ってましたけど。

星熊南巫:面倒臭いこと言ってるなって思っていました(笑)。私がMIRIを好きになったのは我儘ラキアとRHYMEBERRYが対バンしたときにビビるくらいMIRIがかっこ良かったからなんですよ。衝撃的で。その頃、怜奈がいたNEVE SLIDE DOWNが解散して心にポッカリ穴が空いていたんです。でもそんなときにRHYMEBERRYを観て「出会った!」と思ったんですよ。だけどそんなRHYMEBERRYが解散するってなって、MIRIにはなんとかステージに立ち続けて欲しいと思ったので止めまくりました。

MIRI:私も我儘ラキアが好きだったので、アイドルを続けるなら我儘ラキアしかないなって。

Q.他の誘いを全部断っていたMIRIさんが我儘ラキアで活動することを決めたのは?

MIRI:それはやっぱり我儘ラキアが好きだからですね。私にとっても我儘ラキアは特別な存在だったんですよ。私は4人だった頃も3人になってからも怜奈が入ってからもずっと観てきたんですけど、自分が入ることで私のラップが我儘ラキアの力になったら嬉しいなって。

 

Q.この4人で最初に音を合わせたときの感触はどうでした?

海羽凜:違和感ゼロでしたね。

MIRI:私は凜ちゃんに気を遣ってたかな(笑)。

海羽凜:なんで(笑)。

MIRI:凜ちゃんは触れちゃいけない尊さがあって(笑)。あと目が合わなかった(笑)。

海羽凜:怖かったもん(笑)。星熊と同じ匂いがしたし(笑)。

星熊南巫:ねえ、私全然怖くないから。

海羽凜:いや、2匹いるなって。

Q.ダブルドラゴン感ありますよね。星熊さんとMIRIさんが同じグループにいるのって、孫悟空とピッコロが初めて手を組んだとくくらいの衝撃ですからね。

MIRI:あははは。

星熊南巫:沢山の人がオーディションを受けてくれて嬉しかったし、なんなら全員入って欲しいくらいだったんですけど、その中でやっぱりMIRIは圧倒的過ぎて。オーディションを受けてくれた人みんなが認めてくれる人とやりたかったんですよ。それが私達にとってMIRIだったっていう。

 

Q.再録アルバムをリリースしたこともあって3人体制の我儘ラキアが出来上がったところへの加入になったわけじゃないですか。受け入れる側として不安はなかったですか?

星熊南巫:全くないですね。だってMIRIが入ることで我儘ラキアがかっこ良くなることは確定してたので。これをかっこよくないって言う人がいるならそれはただの嫉妬でしょって思うくらい絶対的な自信があるから。

MIRI:私は我儘ラキアに入る前から勝手に我儘ラキアでエゴサしてたんですけど、「この3人が最強」って書いてるツイートを沢山見て「わかる!」って思ってたんですよ。だからそこに加わるということがどういうことかは考えましたね。3人が作り上げてきたものやバランスを崩したくなかったので。

 

Q.だからMIRIさんのラップの入れ方はこれまでの歌割りを崩さずにプラスの要素としてたされているんですね。3あったものを4で割るんじゃなくて3に1を足すラップの入れ方だなって。

MIRI:まさにそれ。そうなんです。既存曲に関してはこの3人にプラスアルファの存在としてラップを入れることを凄く意識しているので。怜奈のラップも活かしたいし、誰とも被らない場所で自分のラップを最大限に活かすようにしているんですよ。

 

Q.我儘ラキアの在り方としてこれまでもそうだったじゃないですか。怜奈さんが加入したときもラップやダンスをプラスの要素として我儘ラキアに持ち寄って強くなったわけで。そういう意味ではまたとんでもない武器が我儘ラキアに加わったなと。ちょっとズルいくらいかっこいいですからね、この4人のバランス。

星熊南巫:だからもうメンバーの加入も脱退もないと思います。やっと我儘ラキアとしての武器が全部揃ったと思っているので。ここからはその武器をどんどん強くしていくだけだなって。この4人で次のステージに行きたい。そう強く思っています。

海羽凜:大きいステージでやることもだし、日本だけじゃなくて海外にもどんどん行きたいなって。

川﨑怜奈:海外から我儘ラキアのライブに来てくれる人もいるんですよ。だから私達ももっと成長して海外も回れるくらいになりたいですね。

 

Q.「KillboredomTOUR 2019」は7月から12月にかけた半年に渡るロングランですが、この期間に4人の我儘ラキアもどんどん仕上がっているのではないですか?MIRIさんのラップと3人の化学反応もバチバチに起きてる印象を受けましたけど。

星熊南巫:これまでの曲を再録したことで100パーセント曲が完成したと思っていたんですけど、そこにMIRIのラップが入ったことでまだ曲が成長するんだって驚いています。メンバーやスタッフから何を言うわけでもなくラップを入れてくるので今どんどん生まれ変わっていますね。

MIRI:勝手に「ここにラップ入れよう!」って(笑)。だからライブで初めてスタッフもメンバーも知るんですよ(笑)。やっぱり私は我儘ラキアのファンでもあったので、私のラップが入ることでメンバーの歌ってたパートを削りたくないんですよ。だから今ある曲にラップを足していくスタイルでやっています。あと、この場を借りて怜奈に聞きたいんだけど、怜奈は私が入ることをどう思ったかなって。

 

Q.確かに怜奈さんもラップしていますからね。

川﨑怜奈:むしろ早く入って欲しかったくらい。だってMIRIのラップが加わったら我儘ラキアがかっこよくなるって分かってたし。あとMIRIが入ったことで自分の立ち位置を改めて考える機会にもなって。私はラップ担当だったわけじゃないし、ダンスとかオートチューンとか色々あるけど立ち位置が分からないままやっていたなって。ただそこで改めて星熊やMIRIにとってのロックバンドへの憧れが自分にとってはダンスボーカルのすごい人たちへ向けたものが多くて。そういう要素も自分が我儘ラキアに持ち寄って、アイドルとかミクスチャーとかだけじゃなくて一般層に届けられるようにしたいなって。メンバーの中でもダンスだけじゃなく、ボーカルだけでもなく、歌って踊るを両立するダンスボーカルを突き詰めて頑張ろうかなって考えたり。ラップ担当のMIRIが入ってくれたことでそうやって自分を見つめ直すきっかけにもなったと思ってるよ。

Q.怜奈さんってクリリンみたいな立ち位置なのかなって思っていて。クリリンって技も豊富だし、いつも孫悟空の傍にいてくれるし、頼りになるんですよ。攻撃も防御も出来るし、友情も愛情も熱い。そういう存在なのかなって。

川﨑怜奈:クリリン!(笑)。

 

Q.こんなモンスター(星熊)がいるところに、こんなモンスター(MIRI)が入ってくるんだからクリリンのような存在は絶対に必要なんですよ。あともう1人必要なのはその空気を柔らかくする凜さんの存在。だから本当に奇跡的なバランスで成り立っていると思いますよ。

星熊南巫:ありがとうございます。私もこの4人が最強だと思っています。

Q.このツアーの先に何が待っているか楽しみですね。

星熊南巫:この4人になってゼロから作った曲はまだ1曲しかライブで披露していないんですけど、今は作詞作曲をまるごと自分がやる曲も出てきて、そこにMIRIの書くラップが加わって、誰かの言葉ではなくて鮮度の高い自分達の言葉や感性を音楽に乗せて表現していきたいと思っています。我儘ラキアはそれをメンバーから出来るグループなので。あとはやっぱりまだアイドルに対する音楽的な部分で見た偏見はあると思っていて。そこを私たちをちゃんと見て欲しいとかただ甘えてお願いするとかじゃなく、自分たち自身の力で取っ払って認めさせて、ボーダーレスな音楽の世界を私達が作っていきたいです。我儘ラキア、見ていて下さい。

 

 

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「KillboredomTOUR 2019」
2019年11月23日(土)東京都 渋谷duo MUSIC EXCHANGE
2019年12月1日(日)大阪府 名村造船所跡地 STUDIO PARTITA

https://wagamamarakia.com/