SOWA CURRY

SOWA CURRY

カレー作りはバンド活動と一緒。そう語るのはSOWA CURRYの店主キトウ氏だ。愛知県は春日井市在住のキトウ氏は店舗を持たず木造キッチンカーでの出店とデリバリーでカレーを届けるスパイスカレー職人として2019年6月よりSOWA CURRYを設立。その原動力にあるのがパンクだという。音楽に突き動かされ、まるでツアーをするかのように町から町へとカレーを届けるSOWA CURRY。ライブハウスで腕を振り上げている彼がその衝動のまま作るカレーの優しさは、パンクロックの優しさそのものだ。パンクから受けた影響をカレー活動で表現するという彼のパンク。彼がSOWA CURRYを通して何をしようとしているのか、キトウ氏に話を訊く。

 

 

Q.まずは自己紹介をお願いします。

キトウ:SOWA CURRYのキトウです。キッチンカーでカレーの販売活動をしています。僕にとってのカレー活動はバンド活動だと思っていて、カレーを通して自分を表現出来ればと思い日々カレーを作っています。

 

Q.なるほど。まずはキトウさんがSOWA CURRYを始めた経緯からお聞きしたいです。

キトウ:元々僕は会社員だったんですけど、家族の為に辛い仕事でも我慢しなきゃなって思いながら働いていたんです。でもそれってどうなんだろうって思うようになって。仕事も楽しくて、且つ経済的にも豊かにする方法は別にあるんじゃないかなと。そう思うようになってから、段々と自分の生業で生活したい気持ちが強くなっていったのがきっかけです。その頃はまだカレーは作ってなかったんですけど。

 

Q.カレーを作り始めたのは?

キトウ:最初は趣味で作り始めたんですけど、小牧に「ソラミミPAN」というお店があって、そこのイベントでお昼御飯を振舞って頂いたんですけど、そこで初めて野菜のふきのカレーを食べたんです。それが本当に衝撃で。それまではルーのカレーやインドカレーしか食べたことがなかったので、そのどっちとも違った和風のカレーにびっくりしたんです。それで僕もスパイスカレーを作りたくなって。そしたら妻が誕生日プレゼントにスパイスカレーのレシピ本をくれたんですよ。そこからは休日のたびにカレーを作るようになって。その頃は完全に趣味でしたけど。

Q.そのカレーを生業としていく中でキッチンカーでの移動販売を選んだのは?

キトウ:お店を持つか間借りで出店するかは正直迷ったんですけど、そこはバンドから受けた影響が大きいですね。

 

Q.バンドから?

キトウ:僕は若い頃から日本のパンクロックが好きなんですけど、これまで新潟や福岡や香川という地方に住んでいて、その土地まで東京のバンドがハイエースでやってきてライブするのをずっと観ていたので。音楽を自分の足で届けに行く。あのスタンスに憧れているからこそキッチンカーでカレーを届けに行こうと決めたんです。

 

Q.バンドがツアーをするようにカレーでツアーをしたいと。

キトウ:だから僕にとってのカレー活動はバンド活動なんです。カレーを通してバンドがしたいんです。スタジオで音楽を作って、レコードを作って、バックドロップを掲げてライブをして、物販を売って、また次の町に行く。バンドがそうしているように、僕はそれをカレーでやりたいんです。だからキッチンカーにバックドロップを掲げているし、Tシャツも作るし、町から町へ移動してカレーの販売をしているんですよ。

 

Q.やっていることはライブだと。

キトウ:はい。本気でそう思っています。

 

Q.キトウさんはどんな音楽に影響を受けてきたのですか?

キトウ:大学の頃にHi-STANDARD、BRAHMANに出会ったのがめちゃくちゃ大きいです。そこからどんどんのめり込んでいって、HAWAIIAN6が『SOULS』のツアーで山梨のカズーホールに来たときに観に行ったんですけど、そこからHOLSTEINやSWEEFに辿り着いて、そこから後にATATAに繋がっていった感じです。今は在り方もやり方もATATAから受ける影響が大きいですね。

 

Q.バンドから受けた影響のアウトプットの仕方がカレーというのは面白いですね。そもそもカレーを作ることを活動と言っている時点でバンドだなと。

キトウ:カレー活動は表現の手段のひとつなんですよ。私は物販でTシャツも販売していて、これは私にとってはカレーを販売するのと同義なんです。バンドの物販で販売しているTシャツって、CDと同様にものすごく想いがこもっていて、バンドマンがその日のライブで着るTシャツも、意味があるじゃないですか。私も同様でカレーを販売するのも、Tシャツを販売するのも、想いの込めたものを提供すると意味で同義なんです。

 

Q.そういうカルチャーに触れてきたキトウさんだからこそ、ごく自然とお店に反映されているのかもしれないですね。

キトウ:カレー屋を始めるにあたって最初に作ったのがロゴですからね(笑)。自分はバンドをやっているつもりだから「まずかっこいいロゴだろう」って。そしたら次は「バックドロップも必要だな」って。まるでツアー前日みたいな(笑)。

Q.あははは。ちなみにSOWA CURRYを初めてカレーを作ることに対する気持ちは変わったりしました?

キトウ:カレーを作ることが楽しいのは何も変わってないです。でもその「楽しい」の質は変わったのかなって思います。お店を始める前は、とにかくはしゃぐようにカレーを作っていたし、家族に食べてもらうことが嬉しくて仕方なかったんですけど、実際にそれで生活していくとなると勿論大変なこともあるじゃないですか。なのではしゃぐような楽しさからは少しずつ変化している気がします。今は僕のカレーを食べてくれる人に対してじんわりくる幸福感を感じていますね。

 

Q.そこもバンドと似ているのかもしれませんね。音楽を鳴らすだけで楽しかった頃から、自分達の音楽を聴いてくれる人が現れることで意識も変わるじゃないですか。

キトウ:そうですね。その上で思いっきり楽しみたいし、自分の身の丈にあった活動をしていきたいと思っていて。それは完全にATATAの影響なんですけど、ATATAというバンドはメンバー全員が家庭を持ちながら仕事をしていて、その中で自分達が楽しく音楽活動する為にどうするか、何をするかを追求しているバンドだと思うんですよ。その中でATATAが『JOY』というアルバムを出したときに「なんてATATAらしい言葉なんだ」って感動して。ギターの池谷さんが名刺の裏に「ALL YOU NEED IS JOY」って書いてあるのをSNSに載せていたんですけど、どうしてもその言葉を僕も使いたくて、独立したときに池谷さんに連絡して自分の名刺にもその言葉を入れさせてもらったんです。それくらいATATAには影響を受けていますね。

 

Q.ATATAはその活動を通して誰かの行動のきっかけになるバンドですよね。それも、無責任な頑張れじゃなくて「一緒に考えようぜ」っていう。

キトウ:そうそうそう!

 

Q.6月からSOWA CURRYとしてのカレー活動が始まり、次の目標はありますか?

キトウ:1年先、10年先がどうなるかは全然分からないです。それより3日後に頂いている沢山の注文をどうやって作ろうかとか次はどの町にカレーを持っていこうかとか、とにかく目の前のことに夢中です。それに上手い具合に課題も出てくるので、ひとつひとつクリアしながら身の丈にあったカレー活動を続けていくことが目標ですね。あとは優しいカレーは作りたいです。僕は自分のカレー活動をアンパンマンだと思っていて、アンパンマンって自分の顔を食べさせて元気にするじゃないですか。だからカレーは僕自身なんです。僕のカレーを食べて優しく感じてくれるなら、僕が信じてきたパンクロックは間違っていなかったと思いますね。

 

Q.パンクは優しいですからね。

キトウ:そうなんですよ。僕はパンクが好きだから実際に会うと「意外と優しそう」って言われるんですけど、僕から言わせるとパンク程優しい音楽はないと思っているので。ATATAもBRAHMANもみんな優しい顔してるじゃないですか。僕もそうなりたいんですよね。カレーを通して。

 

Q.パンクから受けた影響をパンクそのもので表現するのではなく、それがキトウさんにとってはカレーを作ることであり、僕にとっては誰かと話すことであり、そうやって自分のパンクを探すことって僕らにとって大事なことだったりしますよね。

キトウ:まさにその通りです。僕のパンクの表現がカレーなので。だからSOWA CURRYとしてATATAやBRAHMANと対バンしたいんですよね。フード出店ではなく対バン。そのニュアンスって中々伝わりにくいかもしれないけど、僕は大事にしています。SOWA CURRYはバンドなので。

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SOWA CURRY(ソワカリー)プロフィール
愛知県春日井市在住。店舗を持たず木造キッチンカーでの出店と、デリバリーでカレーをお届けするスパイスカレー職人。小麦粉や化学調味料を極力使用せず、シンプルな材料とスパイスで「毎日食べられるカレー」を作り続けている。

 

出店情報
11月3日(日)10時から17時
リ・スクエア・バナル(小牧市、店舗にて)
11月17日(日)10時から16時
犬山マルシェ「大収穫祭」(犬山市、内田防災公園)
11月23日(土)10時半から18時(売り切れ次第終了)
オンセブンデイズ上志段味店(名古屋市守山区、店舗にて)
12月1日(日)
コーケツホームズ、マルシェ(岐阜県可児郡、店舗にて)

デリバリーは不定期で開催。ケータリングご注文承ります。
出店場所住所など詳細情報はInstagramにてお知らせ。
https://www.instagram.com/sowacurry116/