SCOOBIE DO

SCOOBIE DOが14枚目のアルバム『Have A Nice Day!』をCHAMP RECORDS/ビクターから共同リリースした。彼らが積み重ねてきたもの、更新し続けていること、そういったバンドの進化を色濃く感じる今作はSCOOBIE DOの真骨頂であるファンクナンバーに極上のメロディが乗ったまさにSCOOBIE DOな最高傑作となっている。アフロファンクや変拍子の上で自由に歌われるコヤマシュウのメロディの心地よさ。ビートで踊ってメロウに歌う。彼らの提唱する「Funk-a-lismo!」を隅から隅まで堪能出来る『Have A Nice Day!』についてコヤマシュウに話を訊く。

 

Q.今作はCHAMP RECORDSとビクターの共同リリースということですが。

コヤマ:僕らはいつもCHANP RECORDSという自分達のレーベルで4人だけでアルバムの制作をしてリリースをするんですけど、流通をお願いする会社は別に頼んでいて。それで今回はどうしようかって話をメンバーとしているときに、僕らがビクター時代にお世話になっていたディレクターさんがまだビクターにいらっしゃって「CDをリリースするときは協力出来るかも」って言ってくれていたのを思い出して。それで「アルバムを出すんですけど」って連絡したら「一緒にやろう」ということになりまして。だから再デビューとかメジャー復帰とかではなくて、CHAMP RECORDSが作ったものをビクターと協力してどうやって届けようかっていうジョイントリリースが実現したんです。

 

Q.前作『CRACKLACK』は松木さんがDAWで作り込んだデモをバンドに変換する手法でレコーディングしたとおしゃっていましたが、今作は?

コヤマ:前作は松木くんが打ち込んだ音を生音に差し替えて、そこからみんなでアレンジする作業だったんだけど、今回のレコーディングは曲の断片がデモに入っていて。それをどうやって曲にしていくか、みんなでリハをやりながら作り込んでいきました。ベースにある曲やフレーズにどう足していくか、逆に何を外すか、そうやって作っていきましたね。

 

Q.いつもに増してみなさんの個性が強く出ている気がしました。

コヤマ:今回は4人だけの音で作ろうっていうのがまず最初にあって。それぞれの必殺技を持ち寄りながら曲を作っていくような。前はもっと曲に寄り添ったり歌の世界観に合わせた音を選んでいたんだけど、このアルバムはもっとプレイヤーに寄った、より肉体的なアルバムにしようと思ったんですよ。

 

Q.バンドの原点に戻ってるような感覚ですか?

コヤマ:4人で鳴らすっていう意味では確かにそうかもしれないですね。だけど、ビートの感じはファンクはファンクでもアフロファンクだったり、そういう今までやってこなかったことにもトライしているので、バンドのスタイルとしては原点に立ち戻ってるけど音楽的には新しいことをやっている感覚はありますね。

 

Q.変拍子でありながら歌がここまで真っ直ぐ聴こえるのはSCOOBIE DOの面白い部分ですよね。

コヤマ:結局やりたいことはファンクなビートやダンサブルなビートがあった上でメロディと歌でグッとさせることなので、そこは絶対なくしたくないんですよね。変拍子のバンドってテクニカルなことをするじゃないですか。でもそこにシンプルな良いメロディを乗せていくのって案外少ないんですよ。そういうテクニカルなバンドも勿論かっこいいんですけど、僕らがやるものとしてはそうじゃないと思っているし、そこに日本語の歌が乗るのがSCOOBIE DOらしさだと思っているので。そこがたぶん僕らのポップさに繋がっているんだと思います。ビートは踊れるけどグッとくる歌ものっていう。そういう意味でも今回のアルバムはSCOOBIE DOらしい楽曲が詰まっていますね。

 

Q.5拍子のビートが独特な「サバイバルファンク」とかはまさにですよね。

コヤマ:これは僕もどういうビートなんだろうって、オケだけ聴いていると分からなくなるんですよ(笑)。でも歌を覚えちゃうと拍子が気にならなくなるんです。歌は歌で独立しているし、歌詞も拍子に対して不自然じゃないんですよね。この歌詞とこのメロディを歌いたいからこその5拍子なんだって思えるくらい凄く自然ですし。やっぱり僕はヴォーカリストだから歌うときも聴くときも歌をメインで聴いちゃうんですよ。だからたまにオケだけ録ったものを聴くと「これ何の曲だっけ?」って思うこともあります(笑)。でもそれが合わさったときのかっこ良さって凄いんですよ。

 

Q.それぞがれ独立していているものが重なることで全く違うものになるのは面白いですね。

コヤマ:そうそう。それがグルーヴになるんですよね。

 

Q.あの拍の中であそこまでメロウなメロディをぶち込んでくるのがSCOOBIE DOの真骨頂だなと。

コヤマ:確かに5拍子かつあのビートで美しいメロディが乗るのはSCOOBIE DOっぽいですね。良く出来ているなって思います(笑)。

 

Q.今作を聴いて感じたのですが、「前に進む」とか「塗り替える」とか、そういう前向きな言葉が多いなと。

コヤマ:特にコンセプトを決めていた訳じゃないんだけど、僕ら4人の共通するリアリティってそこにあるかもしれなくて。キャリアを重ねていく中で前に進むことや塗り替えることって当たり前のことだと思っているんですよね。だから別に応援歌とかポジティブソングっていう訳じゃなくて、勿論そういうメッセージは含まれているとは思うけど、生きていくってそういうことだよねっていう。あとこれだけ長くバンドを続けていると、そういうことの連続だと思いますよ。

 

Q.バンドを続けてきた中で自然と出てきた言葉だと。

コヤマ:これがバンドを始めて2年目とか5年目に歌っていたら言葉の意味としては立派でも上っ面に聴こえてしまうかもしれない。でも今歌うのは意味合いが違うと思うんですよね。前に進んできたし、塗り替えてきたしっていう。

 

Q.「Colors」では「何度だって繰り返して塗り重ねる」と歌っていますが、バンドを長く続けることって自分自身の最高を更新し続けることなのかなと。

コヤマ:やりたいことって結成した頃と変わらないけど、バンドを始めたばかりの頃の自分が今の僕達がやっていることを出来るかっていったら無理なんですよ。今の自分の方がかっこいいと思うし。勿論昔の作品にはその頃の良さがありますけど、今の方が最高だなって思うのは、塗り重ねてきたからなんですよね。その感覚はずっと持っています。

 

Q.「Soul Fresher」で歌われている「毎度毎週進行中」という言葉にもその感覚は表れていますよね。

コヤマ:まさに。もうずっと毎週末やってますからね。この曲では「新しい連鎖」とも歌っているけど、そうやって繋がっていく瞬間を感じるのは毎週末のライブなんです。

 

Q.その「新しい連鎖」という意味でも、SCOOBIE DOのアルバムには毎回新しい要素を感じるんですよ。今作で言えば「MASETORA」の松木さんのギターソロとか。

コヤマ:松木くんのギターソロは大体レコーディングの最終段階で録ることが多いんだけど、どの曲も違うコンセプトでアプローチしていて面白いですよね。「MASETORA」のギターソロはエレキトリックファンク期のマイルス・デイヴィスからの影響だと思います。

 

Q.確かにマイルス・デイヴィスの『On The Corner』辺りの感じがしますね。

コヤマ:あの頃のマイルスのトランペットの音色をギターに置き換えたような。これまでも松木くんはジャズのギターを耳コピして取り入れてたみたいなんだけど、メソッドとして勉強してみたら「こうやったらもっと良い」っていうのが明確になったみたいなんですよ。その上でのアプローチなんじゃないかな。

 

Q.マイルス感は「Pie」のギターソロでも感じられますね。

コヤマ:あれは権力者と弱者の言い合いを表してるって言ってました(笑)。今まであまりやったことのない感じだったから、松木くんも録り終わった後に「どう思う?」って何度も聞いてきて(笑)。でも本当にかっこいいなって思いますね。ハッとするギターソロだなと。

 

Q.確かに会話してますね(笑)。その流れでカーニバルのような展開になっていくのも面白いですね。それこそみなさんが必殺技を撃ちまくっているなと。

コヤマ:この曲はAメロ、Bメロ、サビしかなかったのでそこからみんなで考えたんですけど色んな要素を詰め込んでそのまま突っ走っていくっていう。面白い曲になりましたね。

 

Q.アルバムのラストを飾る「Summer in My Life」も素晴らしいです。

コヤマ:夏っぽさが気持ち良いですよね。

 

Q.サビのフレーズが歌詞は一緒でも毎回音程が少しだけ違うことから同じ夏はないことを連想しました。

コヤマ:あのサビの繰り返しのフレーズって、別に同じように歌えば良いんだけど、「Summer in My Life」という言葉に僕はエモーショナルを凄く感じて。夏を振り返ると「あの夏は暑かったな」とか「人生であの夏が最高だった」とかありますけど、人生で夏は何度でもやってくるし、自分次第で夏は巡り巡って懐かしさも新しさも塗り替えていくよっていう希望の歌にしたかったんですよね。だからどのサビもエモーショナルが溢れているんだと思います。

 

Q.そしてアルバムのタイトル曲でもある「Have A Nice Day!」はSCOOBIE DOそのものを歌っていますよね。

コヤマ:「Have A Nice Day!」って別れの言葉だけど凄く前向きじゃないですか。僕らは毎週末、色んな場所でライブをしていますけど、ライブが終わってみんなそれぞれの生活に戻っていくときに沸き起こる気持ちがあって。ライブで最高の1日を過ごしたみんなとまた会うための「Have A Nice Day!」というか。「Have A Nice Day!」って「良い1日を」って意味だけど、それって「良い人生を」でもあるじゃないですか。そうやってライブに来てくれたみんなに対して「また会おう!」って気持ちも込めて歌ってる曲ですね。

 

Q.ドリフターズの「ごきげんよう」みたいな。

コヤマ:そうそう。軽いけど良い意味じゃないですか。「ごきげんよう」も「Have A Nice Day!」も。そうやって軽く言えるのってなんだか良いなって思います。またライブハウスで会うまでお互い頑張ろうなって。それはライブをする度に思っていますからね。

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タイトル:Have A Nice Day!
2019年7月31日発売
VICL-65227
¥3000(税別)

 

SCOOBIE DO TOUR「Funk-a-lismo! vol.12」

10/03(木) 千葉LOOK
10/05(土) 福島Out Line
10/12(土) 広島Cave-Be
10/14(祝) 徳島club GRINDHOUSE
10/19(土) 富山SOUL POWER
10/20(日) 新潟CLUB RIVERST
10/26(土) 秋田Club SWINDLE
10/27(日) 青森Quarter
11/01(金) 大分club SPOT
11/03(日) 鹿児島SRホール
11/04(祝) 福岡LIVE HOUSE CB
11/06(水) 神戸太陽と虎
11/10(日) 水戸ライトハウス
11/16(土) 盛岡the five morioka
11/17(日) 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
11/23(土) 金沢vanvan V4
11/24(日) 長野LIVE HOUSE J
12/01(日) 恵比寿LIQUIDROOM
12/07(土) 岡山CRAZY MAMA 2nd Room
12/08(日) 高松DIME
12/14(土) 名古屋CLUB UPSET
12/15(日) 心斎橋JANUS
12/21(土) 札幌cube garden

 

 

http://www.scoobie-do.com/