cinema staff

 
 
5月29日にシングル「Name of Love」をリリースし「“Name of Love” RELEASE ONE-MAN TOUR ~RE: land=ocean~」真っ最中のcinema staff。6月8日に名古屋CLUB QUATTROで行われたワンマンライブを観て感じたのはcinema staffがcinema staffとして音を鳴らすことをとにかく純粋に楽しんでいるということ。飯田の喉の不調により昨年12月より3ヵ月間ライブ活動を休止せざるを得なかった状況がバンドにもたらした影響はしっかりプラスにも作用しているようだ。そんな中、5月にはテレビアニメ「『進撃の巨人』Season3 Part.2」のエンディングテーマである「Name of Love」、そして表題曲に続き『進撃の巨人』の世界観を描いた「OCEAN」「さらば楽園よ」、さらに2013年のタイアップ曲「great escape」の最新ミックスといった、メンバー曰く「シネマ版進撃の巨人サントラ」のような作品がリリースされた。シングルを引っ提げワンマンツアーを周るcinema staffの飯田瑞規、三島想平、辻友貴、久野洋平の4人に昨年の話から順に訊いた。昔から観ていたとか、あの頃はどうとか、全部大事だけど、全部どうでもいい。cinema staffは今日より明日がかっこいいバンドだ。挑戦も決断も全てが明日のcinema staffになっていく。その姿をこれからもずっと観ていたい。cinema staffにあるのは目の前だけだ。 (all photo by 宇都宮 勝)

 

Q.昨年はデビュー10周年イヤーでしたが怒涛の1年でしたね。

飯田:去年は4ヶ月連続クアトロツアーやアルカラとのツーマンツアーなど本当に盛沢山でした。とにかく10周年だから沢山ライブをしようと思って。結果的にやり過ぎちゃって喉を壊してしまったんですけど。

 

Q.2本のツアーを同時進行で行っていましたもんね。もう喉は大丈夫なんですか?

飯田:3ヶ月間、休止させてもらったお陰様でもう大丈夫です。自分でもまさかライブ活動を休止するとは思ってなかったし、声がガラガラになってもやろうって気持ちだったんですけど、ライブが出来なくなったら元も子もないし、その時点で「進撃の巨人」のタイアップも決まっていたので無理したら迷惑をかけてしまうなって。だから本当に苦渋の決断でしたけど、ライブを休止することにしたんです。あんなに辛いことはないですね。

Q.以前のcinema staffだったら意地でも続けていたと思うんですよ。

久野:はい。休むなんてこれまで思いつきもしなかったし、今回も休止するという選択肢は最初は誰もなかったんです。何よりもライブをキャンセルすることが嫌だったので。だからミーティングをするまではこの事態をどう乗り越えようかってことばかり考えていました。

でも身体のことだし、無理することで今後バンドが出来なくなったら本末転倒だと思うので、前に進む為に活動を止めるという選択をしたんです。

 

Q.キャンセルせざるを得なかった全公演にメンバーが駆けつけていたのはcinema staffらしいなと思いました。

辻:全部行きましたね。

飯田:対バンする筈だったバンドのヘルプで辻がギターを弾いてくれたり、他のメンバーもみんな行ってくれて。凄く救われました。

辻:色んなバンドでギターを弾かせてもらったので逆に良い経験を沢山させてもらいましたね。

Q.ライブが出来ない期間もちゃんとバンドが前に進んでいるんだろうなって。

飯田:そこはメンバーやスタッフに本当に感謝しています。もし無理矢理続けていたら、もっと長い間バンドを止めることになったかもしれないし、「進撃の巨人」のタイアップも駄目になってたかもしれないじゃないですか。そう考えるとゾッとしちゃう。だけどその間、メンバーとスタッフがcinema staffを守ってくれていたから今がある訳で。

 

Q.休止期間はみなさんはどう過ごしていました?

辻:僕は出る筈だったライブに行ったり、お店(LFR)にいたり。

久野:僕もなるべくライブに行きつつ、自分磨きというか、改めて自分の強みが何かを考えていました。

三島:僕はずっと制作していましたね。曲も沢山書いたし、意外とやることが多かったです。

 

Q.『Name of Love』は休止中に制作していたのですか?

三島:「Name of Love」という曲自体は休止前に制作していたんですけど、シングル自体は2月にレコーディングしたので休止中ですね。「Name of Love」と同タイミングで出来てきた曲をカップリングとして切るかを11月くらいから考え初めていたんですけど、その作業を休止中は主にやっていましたね。

Q.6年前に「進撃の巨人」のエンディングに起用された「great escape」が収録されていることも含め、4曲とも「進撃の巨人」に沿った内容になっていますよね。

三島:そうですね。「進撃の巨人」のタイアップの話を頂いてからシングルの制作に入ったのでシングルとしてかなり「進撃の巨人」を意識した作品になっていると思います。

飯田:僕らは「シネマ版 進撃の巨人サントラ」ってよく言ってます(笑)。でも本当にそういう作品になったなと。

 

Q.6年振りの「進撃の巨人」とのタッグはどうですか?

飯田:まさか2回目があるなんて思っていなかったので素直に嬉しいです。「進撃の巨人」のファンの方も僕らがまたエンディングテーマを歌わせてもらったことを喜んでくれていて。それも凄く嬉しかったですね。

Q.「Name of Love」は「great escape」とはまた違った角度から「進撃の巨人」を打ち出した曲だなと感じました。切り取り方というか、表現の仕方が違うなと。

三島:「great escape」はアニメに沿いながらもcinema staffらしさをナチュラルに出せた曲だったんですけど、「Name of Love」に関してはアニメの制作会社の方の意向もかなり反映しているんですよ。アニメの今のシーンがシリアスなターンなんですけど、制作会社がどんな曲を求めているかという、そこの意図は汲んでいこうと。それでアレンジャーさんに手伝ってもらうながら組み立てていったので制作の仕方自体が全然違うんですよね。

 

Q.まず最初の音がピアノということに驚きました。

三島:あの発想は今までの僕らじゃまずないですからね。曲作りの中で制作会社の方からかなり具体的なワードや支持があったんですよ。だけどそれに沿うようにギターで作ってもピンとこなくて。それでアレンジャーさんに委ねたらピアノ案が出てきたので最初は不安もあって。

飯田:製作段階ではどの曲がエンディングテーマになるか決まっていなくて、三島がデモを10曲くらい持ってきたんですけど、どの曲も覚醒していて。僕は「OCEAN」が出来たときに「これで決定だな」って思うくらい手応えがあったんですよ。だけど「Name of Love」に決まって、ピアノも含めどう受け止められるか不安だったんです。

Q.これまでも「YOUR SONG」のようにピアノを取り入れた楽曲はありましたけど、「Name of Love」は思いっきり前にピアノが出ていますもんね。

三島:正直、そこが僕の中で最初は違和感があったんですよ。編曲家さんにピアノでイントロを作ってもらって、曲としては素晴らしいものが出来たんですけど、でもやっぱり僕の頭になかった音が楽曲の最初に鳴るのって、僕にとっては違和感なんですよね。イントロって曲の入口として印象が決まる大事なパートじゃないですか。だからこそ編曲家もバンドも不安はありました。だけど、そういうチャレンジがあることが新しいcinema staffに繋がるとも思っているので、今回は思い切って委ねてみたんです。

 

Q.cinema staffは根っからのライブバンドだしマインドとしてパンクな部分も強く持っているバンドだと思うので、これまでだったら絶対に4人で完結させていたと思うんです。そんなcinema staffが「Name of Love」のようなアレンジを音として受け入れたことはひとつの成長なのかもしれないですね。

三島:それを成長と取るか、大人になってしまったと取るか(笑)。だけど可能性があるならやってみようって気持ちは昔より確実に今の方がありますね。

飯田:さっき話した不安というのは、自分達で完結出来ないことに対する不安も含まれていて。だから休止期間や「Name of Love」があったお陰でピアノを練習するきっかけになったんです。「YOUR SONG」はライブでは打ち込みでやっていたんですけど、「シネマらしくない」って途中でアレンジを変えたんですけど、今後「Name of Love」をやっていく中でピアノを弾けるようになっておくことは重要だと思って最短距離で練習しました。そこは成長ですね(笑)。

三島:ここ最近はメンバーに対して僕から新しい要求とか殆どしていなかったんですよ。でもアレンジャーさんのような人がいることでメンバーの新しい扉を開けてくれるんだなって。

 

Q.アレンジャーやプロデューサーって、可能性を引き出してくれるナメック星の最長老様のような立ち位置だと思っていて。その上でどう戦うかじゃないですか。そういう意味では今回飯田くんがピアノを弾けるようになったことはcinema staffの戦闘力を上げることに繋がりましたよね。

三島:それは大いに思いますね。

 

Q.そして相変わらず辻くんのギターが「OCEAN」では炸裂していて。

辻:あははは。嬉しい。

 

Q.あれだけ好き勝手やっていても全体像として思いっきりポップなのは音に無駄がないからなんじゃないかなって思うんです。鳴ってる音全てに意味があるような。

三島:ああ、鋭いかも。昔は鳴ってれば鳴ってるだけかっこいいと思っていたんですけどね。でもタイアップがあったり、アレンジャーさんの手が加わることもあって、さらにコーラスもあるから全体のバランスはより考えるようになったかもしれない。

Q.今作には「great escape」の最新ミックスも収録されていますけど、ミックスが違うだけで全然印象が違うなと。これ、アレンジは何も変わってないですよね?

飯田:アレンジは全く変わってないですね。でもミックスが違うとここまで変わるんだって自分でも驚きました。聴いてもらったらその違いは分かると思います。

三島:どっちも好きなんですけどね。だけど、今回の「great escape」は曲の並びで聴くとこれが正解かなと。

 

Q.先ほど話に出ていた「サントラ感」は「great escape」があることでより増しますよね。

飯田:最初はアコースティックで入れようと思ったんですよ。でも休止期間があって、やっぱりバンドを欲していたというか。バンドとしてやらないと意味がないなって思ったんです。

 

Q.休止が与えた影響は大きそうですね。

飯田:バンドとしてかなり強くなったと思います。去年、あんなに沢山ライブをしていたのが今年は基本的には週1回にすることでより研ぎ澄ませたライブが出来ていると思うし、ライブで何を伝えたいとか、セットリストをどうするかとか、細かい部分までメンバーとスタッフで詰めているので今のcinema staffは本当にかっこいいと思います。あと単純に物凄く楽しいです。休んでいる期間はやっぱり気持ちも暗かったんですけど、ライブをすれば気持ちは無条件に上がるんですよ。ライブがあるから生きてこれたんですよ。それを再確認出来たことは休止した意味があったなって思います。

久野:ライブがやりたいのにやれない状況があったからこそライブが出来るありがたみが分かったし、再開後はバンドの楽しさを含めた色んなものが底上げされた感じがしているんですよ。この気持ちを忘れないでこれからも面白いことをしていきたいですね。

辻:たまに考えるんですけど、cinema staffって周りのバンドとはちょっと違う立ち位置にいるバンドだと思うんですよ。活動の仕方や対バンもやっぱり他とはちょっと違うと思っていて。でもそれを続けてきたから今があるので、これからも更に突き詰めていきたいと思っています。それがcinema staffの強みだと思うので。

三島:何が楽しいか、何がやりたいか、それを常に探っていきたいですよね。具体的にどうなりたいかは今でもまだ探してるけど、長く続けたいし、その為にも自分達が楽しくありたい。それは海外での活動だったり、音源制作だったり色々ありますけど、その都度目標地点を探しながら良い曲を作り続けていきたいです。

 

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『Name of Love』

PCCA-04789X

価格:1,404円(税込)

NOW ON SALE

『BEST OF THE SUPER CINEMA 2008-2011/2012-2019』(2CD)

価格:3,780円(税込)

PCCA-04817

2019年9月18日(水)発売

[CD1]
1. 新世界
2. 希望の残骸
3. シャドウ
4. Name of Love
5. 望郷
6. first song(at the terminal)
7. pulse
8. 小さな食卓
9. into the green
10. 返して
11. 奇跡
12. borka
13. HYPER CHANT
14. YOUR SONG
15. 切り札
16. great escape
17. 西南西の虹
18. theme of us
[CD2]
1. AMK HOLLIC
2. チェンジアップ
3. 白い砂漠のマーチ
4. 君になりたい
5. daybreak syndrome
6. AIMAI VISION
7. 想像力
8. 火傷
9. GATE
10. 制裁は僕に下る
11. シンメトリズム
12. バイタルサイン
13. skeleton
14. 優しくしないで
15. 第12感
16. KARAKURI in the skywalkers
17. 海について
18. 斜陽

 

『BEST OF THE SUPER CINEMA JAPAN TOUR』

2019年11月4日(月・祝)千葉県 千葉LOOK

2019年11月9日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO

2019年11月16日(土)東京都 渋谷CLUB QUATTRO

2019年11月22日(金)北海道 札幌 Sound Lab mole

2019年12月8日(日)福岡県 Queblick

2019年12月15日(日)埼玉県 西川口 Hearts

2020年1月11日(土)兵庫県 神戸 ART HOUSE

2020年1月13日(月・祝)香川県 高松 DIME

2020年1月18日(土)宮城県 仙台 MACANA

2020年1月31日(金)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

cinema staff
『two strike to(2) night ~覚醒の三茶編~』

2020年3月28日(土)東京都 三軒茶屋 昭和女子大学人見記念講堂

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