BabySitter

 

名古屋発4人組ガールズバンド「ベビシ」ことBabySitter。2015年10月の結成以降、地元である名古屋を中心に活動を続けながら1st.CD『スーパーヒーロー』2nd CD『ボクのうた』とコンスタントにリリースを重ね、そのキャッチーなルックスとガールズポップサウンドを武器に人気を博すように。その口火を切ったのがタワーレコード渋谷店、名古屋パルコ店、梅田NU茶屋町店にて展開されている未流通CDコーナー「タワクル」での反響だった。この「タワクル」で販売された『ボクのうた』の記録的なヒットによりベビシの名前は一気に全国区に。そして2018年9月には初の全国流通作品となるミニアルバム『キンコンカン』をリリースしたことで新世代ガールズバンドとしてその存在を知らしめることになった。そして2019年、今夏リリース予定の新作のMV制作をクラウドファンディングで呼びかけた所、なんと4日で達成率100%を超える大反響。その作品に収録されMVにもなるという新曲は恋する心の鼓動と楽曲のアレンジが綿密にリンクした今のベビシだからこそ歌えるラブソングとなっている。夏にリリースされる新作に先駆け、BabySitterの4人に話を訊く。

 

Q.昨年9月に『キンコンカン』をリリースしてみて、反響もかなりあったのでは?

Yui:そうですね。タワーレコードのタワレコメンに選んでもらったこともあって全国各地から沢山の反響があって嬉しかったです。『ボクのうた』は東名阪のタワーレコードでしか買えなかったので、そうやって全国から「買ったよ!」ってメッセージが届く度に「全国でCDが並んでいるんだな」って実感しました。

Rio:全国のお店で自分達のCDが置かれているのって凄いなって。

Yui:タワーレコードの「WEARTHEMUSIC」とのコラボもさせてもらって全国のタワーレコードに大きなポスターを貼られていたのも嬉しかったですね。お店に行ってポスターを見て「わ!自分だ!」って思いました(笑)。

Mai:パパと妹が家の近くのイオンに入っているタワーレコードで買ってくれて、特典でもらったポスターを家に貼ってくれてるんですよ(笑)。

Miku:うちは「ポスターちょうだい!」って言われた(笑)。

 

Q.ご家族も嬉しかったんでしょうね。

Mai:嬉しそうでしたね。ポスターの写真がメールで届きましたから(笑)。

 

Q.『キンコンカン』のリリースから約1年経ちましたが、この期間でバンドがかなりレベルアップしたことがライブに凄く出ていますよね。

Yui:嬉しいです。ライブに対する向き合い方や表現の仕方はガラッと変わったと思います。

Mai:1年前はライブでお客さんを楽しませることを意識し過ぎていたと思うんですよ。勿論、今でもお客さんには楽しんでもらいたいんですけど、そこを意識するあまり、セトリの組み方もついオラオラ系が多くなっていって。ライブでお客さんを煽って反応があると「よし!」みたいな。演奏力に自信がなさすぎて、とにかく目の前のお客さんを煽らないと不安だったんだと思います。でも今は会場全体を見れるようになったというか、後ろの方にいる人にも届けられるライブの仕方を考えるようになったんです。

 

Q.ライブにおける視野が広くなったと。

Yui:はい。やっぱり色んな人にベビシを聴いてもらいたいし、届けたいので。

 

Q.30分なら30分、1時間なら1時間のライブの持ち時間の使い方が凄く上手になりましたよね。一辺倒ではなく、ライブに起承転結があるなと。

Rio:それはプロデューサーの方に「そういうライブをしたら?」って言ってもらって。それで変われたんだと思います。

Yui:ただ煽って楽しませるんじゃなくて、音楽を通してお客さんを楽しませるって意識をメンバー全員が持てるようになったのは凄く大きいですね。

 

Q.大型サーキットイベントなどの経験も活きてそうですね。

Yui:サーキットイベントだとベビシを知らない人、偶然ベビシを観る人も沢山いるんですよね。だから普段のイベントとはライブの雰囲気も全然違って。でもそういう人達にちゃんとベビシの音楽を届けること、次に繋げることを意識することが大事なんだって、この数カ月でやっと考えられるようになりました。本当にまだ最近の話なんですけど。

 

Q.その意識の変化が最近のベビシのライブにそのままライブに出ている気がするんですよ。そうなった要因としてバンドの環境の変化も大いに作用していると思うのですが。

Yui:はい。実はずっとお世話になっていた人の元を離れて新しい環境で活動し始めたんです。それがこの数か月の話なんですよ。それまでは例えば出演するライブハウスに資料を送るとか、ライブのブッキングをするとか、ホームページを更新するとか、そういう細かいことを全部任せてしまっていたんです。それで自分達で活動をすることになって改めて自分達だけじゃ何も出来ないってことを痛感したんです。

 

Q.そこに気付けたのは素晴らしいことだと思いますよ。結成から早い段階でそれだけの経験を出来るバンドなんて限られていると思うので。その経験をしっかり活かして活動に結びつけているのがベビシの今の強さだと思います。

Yui:それだけ思い知ることが多かったんですよ。本当に何もかも任せていたので、周りの人との人間関係が築けていなかったことを今になって感じています。

Mai:そう思えたのもプロデューサーの存在が大きくて、色んな人を会わせてくれるんですよ。クラウドファンディングのWIZYのスタッフも、イベンターの方もそうですし、2YOU MAGAZINEもそうですし。こうやって色んな方と繋がれたことは今のベビシには凄く大きいです。

 

Q.ベビシには支えてくれるファンの方もいますしね。先日行われたクラウドファンディングでも4日間で目標達成を成し遂げていましたが、あれだけの方が応援してくれていることが身を持って実感したのではないですか?

Rio:本当に。こんなに沢山の方が応援してくれていて、私達のことを楽しみにしてくれていることが目に見えて分かったので本当に嬉しかったです。

Miku:こんなに期待されてるんだなって思いました。

 

Q.それだけ責任も乗っかると思いますが、そういう様々な要因がベビシをこれだけ成長させているんですよね。

Yui:メンバーでミーティングすることも増えましたし、以前より、バンドをどうしていくかしっかり考えて活動するようになったので、そこは変わったなって思います。あとは曲の作り方というか、選び方も変わって。

Rio:今回、ミュージックビデオになった「線香花火」は私が書いたんですけど、それもベビシにとっては新しいことで。

Yui:これまでは基本的には私が曲を書いていたんですけど、Rioも書くようになってバンドの幅は確実に広がりましたね。

Rio:「線香花火」は実は『キンコンカン』をリリースする前からあった曲なんですけど、あの頃はまだ歌詞もメロディも揺らいでいて。そこからブラッシュアップしていく中で、このタイミングでメンバーと相談しながら作り上げました。

Yui:メロディも良いし、歌詞も私には書けないような身近なことが書かれていて。自分とは違うアプローチの歌詞だからこそ表現できるベビシの世界ってあるなと思いました。

 

Q.自分が書いた歌詞以外を歌うのって難しくなかったですか?

Yui:実は私、歌詞の意味とか気持ちを全部は理解していないんですよ。分からないというか。

 

Q.なるほど。だから良い意味でフラットに聴こえるのかも。

Yui:あ、それはプロデューサーにも言われました。感情的に歌うのとは違うフラットな温度感がハマっているって。

 

Q.ある意味、ストーリーテラー的な感じがあるんですよね。だからこそ聴く人が自分の物語を投影し易いのかも。感情移入し易いのはYuiさんの歌が良い意味でフラットだからなんだろうなって。その中でしっかりパンチラインも残しているんですよね。今しか出来ない青春感を感じる表現も歌詞から感じますし。

Rio:嬉しい。

 

Q.青春のシュワシュワ感と新曲のアレンジが凄く合っているんですよね。もう随分昔に置いてきてしまった気持ちを思い出しました。私は今40歳なんですけど、今回の新曲はベビシの同世代は勿論、昔青春時代を過ごした層にも刺さると思います。

Yui:ライブに来てくれる40代の方にも新曲が刺さるといいなって思います。

Mai:でももっと同世代の人にも届けたいなって気持ちはあって。同性のお客さんにも来て欲しいなとか。

 

Q.ガールズバンドの宿命でもありますよね。今のベビシを支えている層は所謂ガールズバンド好きな層だと思うんですけど、これからの活動次第でロックファン、バンドファン、同世代の女の子達にももっと支持されるバンドになれると思うんですよ。

Yui:今まで応援してくれたファンの方がいるから今のベビシがある事は絶対に忘れちゃいけないし、初めてのファンの方にも本当に楽しかった!って思ってもらえるにはどうするべきか、最近メンバーでよく話します。

Miku: ガールズバンドって、アイドル好きなお客さんにも支持されやすいと思うし、その反面そのノリが苦手なお客さんもいると思うんですけど、何がきっかけでもベビシの音楽を聴いてくれたら嬉しいと思います。将来的にはロックバンドとかアイドルという垣根を超えて私達『BabySitter』という唯一無二の存在になりたいです。

 

Q.そういう意味ではSCANDALやtricotやCHAIがバンドとして自分たちの音楽を確立させているしているのは凄いことなのかもしれないですね。やはり圧倒的なスキルと個性が必要なんでしょうけど。

Yui:バンドってみんなそれぞれ違うけど、だからバンドって面白くて。自分達の武器に気付いて、それを磨き続けたバンドが生き残るんだと思うし、今は本当に勝負のタイミングだと思うので頑張っていきたいです。

Miku:もっともっと自分達発信で何をしたいか考えて、有言実行させていきたいですね。

Yui:うん。色んなことを周りの方に任せてきてしまった分、自分達がどう在りたいか、何をしたいか、今こそしっかり考えて活動していこうと思っています。不器用かもしれないけど、それは応援してくれる方への誠意でもある思うし、じゃないとバンドじゃないので。

 

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タイトル:42℃
2019年8月7日発売
1620円
HPP-1013

https://www.babysitter.band/